佐々木譲のレビュー一覧
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全2巻。
山本兼一著、「火天の城」の
サイドストーリーみたいな話。
安土城を創った人。
著者は違うけど。
火天の城は、
大工の棟梁・岡部又右衛門が主人公だったけど、
こっちは火天の城にも出てきてた
石積みの頭領が主人公。
ただ、この主人公は著者の創造なので、
火天の城の頭領とは別人。
主人公の立場が石積みなので、
火天の城ほど城づくりに深く入り込んでるのではなくて、
ちょっと引いてる感じ。
火天の城みたいに職を真ん中に置いた、
戦場を思わせる建築現場な物語ではなく、
主人公の人生を通していろいろ感じる物語。
火天の城が職業小説な感じなのに対して、
こっちの方が時代ものっぽい。
花形な大 -
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最早お馴染み道警シリーズ、1年振りの第4弾。
前作で逮捕した強姦殺人犯にしてストーカーの鎌田が病院から逃亡。ストーカー被害者の村瀬香里に差出人不明のメールが届いたため、小島が再び警護につき、津久井が鎌田の行方を追う…。
よさこいソーラン祭りに沸く札幌の街を舞台に、いつものように佐伯、津久井、小島らが登場し、今回もまた複数の事件が重なり、それぞれの任務を追う中で、ラストへ収斂していくのもまた同じ。
真犯人がああというのは作者の匂わせ振りから分かり易く、読ませたいのはそういうミステリーじみた筋書きではなく、彼ら、いや彼らだけでなく真摯な警官の働く様なのでしょうね。
そういう意味からすると、今回、佐 -
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最近ノリに乗ってる佐々木譲。『警官の血』で賞を獲ったと思いますが、それまでもいろんな秀作を書いてます。
第二次世界大戦秘話系と警察小説系が多いですが、この作品は第二次世界大戦の空軍の話です。
中国で活躍する日本の戦闘機乗りと中華民国軍に雇われたアメリカ人の傭兵の飛行機乗りの話です。
ハードでキツい話なのですが、主人公、特にアメリカ人の飛行機乗りのキャラのせいか、なんか明るい印象のある作品でした。
日本人の主人公のことが好きなシンガーの性格もあるかな?
二人の主人公が、中国上空でそれぞれ戦って、最後は二人で一騎打ちという、飛行機乗りがロマンだったころの話です。
次々に脇役が死んでいくし、戦況 -
Posted by ブクログ
本屋で手に取り面白そうだと思い購入。
うーん
面白かったけど今一歩何か足りない。
全く関係ないけれど、
この話の展開は男性独特のものだと思った。
事業を起こしたけれど失敗してまた更にチャンスが与えられた主人公、
チャンスが与えられた仕事は、
収入はへるもののやりがいはありそうな仕事、
その仕事についてインスピレーションも与えてくれ、
かつ、体も温めてくれる若く美しい透子。
きちんとした家を作り守ってくれるきちんとした妻。
可愛い娘。
こんなに男性にとって都合の良い設定があるか!
だいたい透子のさっぱりとしたアーティスト気質だって
不倫するのにちょうど良い性格じゃないか!そのオトコに -
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長らく絶版となっていた佐々木譲のデビュー作が復刊とな。読み終えて30年前の作品と知るが、そんな古めかしさを感じさせないのが流石。
短編5編の中にバイクを主題にして3編。
凝縮したレースの描写がゴールに近づくに従ってどんどん加速する標題作。カワサキの男のニヒルさが渋い「246グランプリ」。ここいらは今に続く佐々木譲の文章や読者に結論を委ねる短編の締め方にもそのまま続いているような。
3つ目の「パッシング・ポイント」は主人公のぼくの甘さが残念。次にある大学のボート競技を題材にしてストレートな青春を切り取った「ロウアウト」の慎一の潔さと比べると差が歴然(余談ながら、この前、朝日レガッタ見たけど、ボー