佐々木譲のレビュー一覧

  • ベルリン飛行指令

    Posted by ブクログ

    設定は魅力的だが、物語としてのバランスに欠ける。 飛び立つまでが冗長、逆に肝心の飛行任務中の話があっさり。 物語のディテールや登場人物の造形に 作者の並々ならぬ意気込みを感じたが、 結局それしかなかったような気がする。 素材はいい。料理の仕方がまずい。惜しい!

    0
    2011年10月02日
  • 北辰群盗録

    Posted by ブクログ

    五稜郭が新政府軍に開城させられた後、共和国建設の夢を諦めて無かった戦士達の戦いの物語。討伐側についた矢島重太郎の格好良さと西部劇のような酒場でのイザコザは楽しい。実際、共和国建設は本当に魅力的な夢であったんだろうと思えてくる。

    0
    2011年10月02日
  • ベルリン飛行指令

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読後感としてこれは史実なのかと思わず、検索してしまうほど良く書けている。そしてストーリーの主人公、安藤のサムライパイロットのカラーが空の浪漫と合致して物語りに爽快感とスピード感を与えている。安藤の飛行士としてのプライドと姿勢、そしてドックファイトが、醜悪極まりない帝国日本陸軍と海軍をコントラストとして描いている。そして安藤は世界各地でレジェンド化していく。

    0
    2011年10月04日
  • ストックホルムの密使(上)

    Posted by ブクログ

    勉強不足の私では、日本史辞典を片手に読まねば醍醐味を味わえないほどの講和派と本土決戦派とのやり取りの詳細さ、臨場感にホントに頭が下がります。すごい取材を重ねたのだろうなと。(戦史のように読んでいましたが)いよいよ密使も放たれて下巻が楽しみですね。

    0
    2011年09月24日
  • 天下城(上)

    Posted by ブクログ

    全2巻。

    山本兼一著、「火天の城」の
    サイドストーリーみたいな話。
    安土城を創った人。
    著者は違うけど。

    火天の城は、
    大工の棟梁・岡部又右衛門が主人公だったけど、
    こっちは火天の城にも出てきてた
    石積みの頭領が主人公。
    ただ、この主人公は著者の創造なので、
    火天の城の頭領とは別人。

    主人公の立場が石積みなので、
    火天の城ほど城づくりに深く入り込んでるのではなくて、
    ちょっと引いてる感じ。
    火天の城みたいに職を真ん中に置いた、
    戦場を思わせる建築現場な物語ではなく、
    主人公の人生を通していろいろ感じる物語。
    火天の城が職業小説な感じなのに対して、
    こっちの方が時代ものっぽい。

    花形な大

    0
    2011年08月26日
  • ユニット

    Posted by ブクログ

    相変わらず先を知りたくてページをまくるのがもどかしいほどです。信じたくはないですが時々世の中にはびっくりするぐらい非道なことを平気で行える人がいますね。その反面こういう良い人もいるんだなあとホッとすることもあるわけですが。

    最後までドキドキしながら読みました。
    面白かったです。

    0
    2011年08月23日
  • 愚か者の盟約

    Posted by ブクログ

    ありそうで、でもないんだろうな、ないと思うけどでも近いことはあったりもするかもなー…という、現実の設定で思いっきり羽ばたく虚構。
    寺久保と野崎の因縁めいたからみが、もっとしつこくあってもよかった気もします。

    0
    2011年07月20日
  • 巡査の休日

    Posted by ブクログ

    最早お馴染み道警シリーズ、1年振りの第4弾。
    前作で逮捕した強姦殺人犯にしてストーカーの鎌田が病院から逃亡。ストーカー被害者の村瀬香里に差出人不明のメールが届いたため、小島が再び警護につき、津久井が鎌田の行方を追う…。
    よさこいソーラン祭りに沸く札幌の街を舞台に、いつものように佐伯、津久井、小島らが登場し、今回もまた複数の事件が重なり、それぞれの任務を追う中で、ラストへ収斂していくのもまた同じ。
    真犯人がああというのは作者の匂わせ振りから分かり易く、読ませたいのはそういうミステリーじみた筋書きではなく、彼ら、いや彼らだけでなく真摯な警官の働く様なのでしょうね。
    そういう意味からすると、今回、佐

    0
    2015年08月23日
  • 新宿のありふれた夜

    Posted by ブクログ

    歌舞伎町を舞台にしたお話。

    よく知る歌舞伎町の路地とかを頭に浮かべながらドキドキしながらストーリーを追って行くのが楽しかった。
    ちょっと大人の青春を感じさせるお話でした。

    0
    2011年05月01日
  • 新宿のありふれた夜

    Posted by ブクログ

    作者は私より1個若い。全くの同年代だ。彼がちょっと差別的表現をした沖縄に住んでいる。『カシュカシュ』の雰囲気は行ってみたいと思わせる。道路拡張で立ち退いた私の行きつけ≪忘れな草≫を思い出す。余りにもハッピーエンドで興ざめなところだが、この二人、郷田とリンのその後を、三宅と律子と三人で話してみたい。そう 史郎は外して・・・もちろん『カシュカシュ』で。今はもう無いだろうその店で。

    0
    2011年03月24日
  • 鷲と虎

    Posted by ブクログ

    最近ノリに乗ってる佐々木譲。『警官の血』で賞を獲ったと思いますが、それまでもいろんな秀作を書いてます。
    第二次世界大戦秘話系と警察小説系が多いですが、この作品は第二次世界大戦の空軍の話です。
    中国で活躍する日本の戦闘機乗りと中華民国軍に雇われたアメリカ人の傭兵の飛行機乗りの話です。

    ハードでキツい話なのですが、主人公、特にアメリカ人の飛行機乗りのキャラのせいか、なんか明るい印象のある作品でした。
    日本人の主人公のことが好きなシンガーの性格もあるかな?

    二人の主人公が、中国上空でそれぞれ戦って、最後は二人で一騎打ちという、飛行機乗りがロマンだったころの話です。
    次々に脇役が死んでいくし、戦況

    0
    2011年03月13日
  • ベルリン飛行指令

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     この手の小説は、先が見えているので読んでいてむなしいやら悲しいやらなのですが、零戦をベルリンへ飛ばすまでの人々の努力、また、それが実りの薄いものであろうことを皆が薄々気づいていながらも挑んでいく姿勢がかっこよかったです。

     難しく時間のかかる小説かと思いましたが、時代よりは人物に焦点を当てたヒューマンドラマで、さくさくっと読めました。
     ただ、話としては単にベルリンへ行く過程があるのみで、物語としてなにを主張したいのかという部分が薄かったかな、と思います。

    0
    2014年10月01日
  • 仮借なき明日

    Posted by ブクログ

    サラリーマンハードボイルドという感じ。田舎に放り込まれた異分子としての主人公という設定が西部劇を彷彿とさせる。

    0
    2011年01月15日
  • 屈折率

    Posted by ブクログ

    本屋で手に取り面白そうだと思い購入。

    うーん
    面白かったけど今一歩何か足りない。


    全く関係ないけれど、
    この話の展開は男性独特のものだと思った。
    事業を起こしたけれど失敗してまた更にチャンスが与えられた主人公、
    チャンスが与えられた仕事は、
    収入はへるもののやりがいはありそうな仕事、
    その仕事についてインスピレーションも与えてくれ、
    かつ、体も温めてくれる若く美しい透子。
    きちんとした家を作り守ってくれるきちんとした妻。
    可愛い娘。


    こんなに男性にとって都合の良い設定があるか!

    だいたい透子のさっぱりとしたアーティスト気質だって
    不倫するのにちょうど良い性格じゃないか!そのオトコに

    0
    2010年12月28日
  • 仮借なき明日

    Posted by ブクログ

    農機メーカータジマ勤務の原田亮平。
    経営企画室のミッションとして、フィリピン工場の実態調査に乗り出す。

    佐々木譲作品らしからぬ作品だったと言える。
    まあ、初期作品であるため、仕方のない面もあろう。

    結局、最後まで原田のキャラクターがよく掴めない。
    頭を使うのか?体を使うのか?
    残忍であるのか?人情に厚いのか?
    同じ主人公でシリーズ化でもされていれば別だが、そうでもない。

    伏線のように見える要素が全く活かされていない内容は残念。

    0
    2010年09月14日
  • 牙のある時間

    Posted by ブクログ

    評価の高い 警察小説 とは異なりますが、
    これはこれで楽しめました。

    頭の悪い私にはもっとすっきりはっきり終わらせて頂けるともっとうれしいのですが、
    普通の読者の方はいろいろ考えることができるし、自分なりの真相に迫るのも悪くないですよね。
    静かなる怖さに乾杯。

    0
    2010年06月09日
  • 屈折率

    Posted by ブクログ

    崖っぷち男の会社復興の話しかと思ったら、人とのつながりによって変化する人間の成長の物語でした。たぶん成長・・・人とのつながりって言ってもほぼ不倫の話だし。嫌いじゃないけど、ちょっと裏切られた感があるので、★三つ

    0
    2011年07月25日
  • 鉄騎兵、跳んだ

    Posted by ブクログ

    長らく絶版となっていた佐々木譲のデビュー作が復刊とな。読み終えて30年前の作品と知るが、そんな古めかしさを感じさせないのが流石。
    短編5編の中にバイクを主題にして3編。
    凝縮したレースの描写がゴールに近づくに従ってどんどん加速する標題作。カワサキの男のニヒルさが渋い「246グランプリ」。ここいらは今に続く佐々木譲の文章や読者に結論を委ねる短編の締め方にもそのまま続いているような。
    3つ目の「パッシング・ポイント」は主人公のぼくの甘さが残念。次にある大学のボート競技を題材にしてストレートな青春を切り取った「ロウアウト」の慎一の潔さと比べると差が歴然(余談ながら、この前、朝日レガッタ見たけど、ボー

    0
    2015年08月23日
  • 仮借なき明日

    Posted by ブクログ

    自社の中国工場での話を思い出した。こんなハードボイルドな主人公はサラリーマンにはいない。途中から「特命係長 只野仁」を思い出し、突っ込みいれながら読みました。

    0
    2010年05月14日
  • 夜にその名を呼べば

    Posted by ブクログ

    親会社のCOCOM違反の輸出を隠すためのダミー会社の社員神埼が、親会社を救うために犠牲にされかけ命からがら東ベルリンに逃げ込み、その何年か後に、関係者に、その神崎からの「小樽にきてくれ」という手紙が届く。。こういう風に終息させるのか、なるほどね。しかし、一番面白かったのは、今野敏の作品群では好意的に描かれている公安捜査員が、この作品では、えらい冷やかな描かれ方してたとこ。視点ひとつで、ここまで印象違ってくるものか^^;

    0
    2011年07月15日