佐々木譲のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新潮文庫の新刊で「警官の血」が出たので早速買ってきたけれど、そちらにかかる前に、まずは未読のこの本から。
「笑う警官」に出てきた“稲葉事件”を背景に、不祥事の再発防止を目指す北海道警の方針で15年勤めた札幌の刑事課から十勝地方の駐在所に配置換えになった川久保巡査部長。
事件も無い平和な佇まいとは裏腹に、閉鎖的で保守的な町の有力者たちと物言わぬ住民たちの中で、盗犯係や強行犯係を歴任したベテランが、捜査が出来ない制服警官の立場で辛抱強く向き合う5つの事件。
土地に根付いた事件を炙り出す、駐在の立場での聞き込みと事件を俯瞰する目が冴え渡るが、どの事件もスッキリした解決は見ず、読み味は暗く苦い。 -
Posted by ブクログ
犯罪被害者の男性と、刑事の夫のDVから逃れる女性と、両者とあるきっかけで知り合い支援する工務店社長が「良い主役」。で、無期懲役を7年で仮出所してきた殺人犯の元少年と、とてつもなく自己中の刑事が「悪い主役」。この人物たちの視点で描かれるストーリー。良いモンと悪モンが、とてもわかりやすい構図になってます。悪モンはとことん悪印象な表現に終始してます。「ユニット」も、良い方と悪い方が出てくるのですが、悪い方のユニットは偶然にしても都合よすぎというか、なんか出木杉君なカンジです。っていうか、ユニットという言葉を文中に登場させるのも、なんか唐突なかんじで若干違和感あります。タイトルが先にありきだったのか・
-
Posted by ブクログ
元商社マンが自分の会社を解散させて
実家のガラス工場の社長になる。
当初の目的は工場を売却することだったが、
ガラス工芸家の野見山透子にであって、気持ちが変わる。
というもの。
やり手の商社マンなので、やはり工場の切り盛りも
うまくやっていく。
その中で恋や、トラブルなどがあって話は進んでいく。
先ず思ったのは、
男性の不倫は結構当たり前のように、美しく描かれているけど、
もし女性の不倫話だと話がどろどろしちゃうだろうなぁということ。
小説の本題とは関係ないけど。
結構はらはらドキドキしておもしろかった。
一気に読んでしまったし。
小説中に出てくるガ -
Posted by ブクログ
本屋でよく平積みされている作者なのでどれか読んでみようかな、と思い購入しました。面白かったです。
冷戦の時代、自分は子供だったのであまり政治的な問題などに興味もなく過ごしておりましたがあの頃のアメリカやソ連の緊張した雰囲気は覚えております。一歩間違えれば核戦争突入などと言われていたあの時代。それが高校時代にベルリンの壁がなくなり、ソビエト連邦もなくなりそして今アメリカでは黒人のオバマ氏が次の大統領に選ばれました。時代は動いているんだなあ、世界は変化していくんだなあとしみじみ思います。
恥ずかしながらココムの存在を知りませんでした。…そんな条約があったんですね… 自分としては組織ぐるみで