真梨幸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレゴーストライターの名賀尻はAV業界をテーマとした原稿の依頼を受け、複数のAV女優へのインタビューを行う。
だが、取材した女優たちが次々と謎の死を遂げ、彼は罠にはめられ警察に追われることになってしまう。
事件の裏にはアルテーミスの采配というウェブサイトがあった…。
前半は名賀尻が取材したAV業界に身を投じた女性たちの転落人生が詳細に語られ、後半は名賀尻の失踪後、彼の原稿を読んだ女性が謎を探っていくという流れになっています。
AV業界の仕組みと実態、そしてブラック体質が赤裸々に語られるのでかなりエグい読み心地でした。
女性を女優に堕とすためのえげつない手口、低賃金かつ肉体労働の過酷さ、グレーゾ -
Posted by ブクログ
ネタバレイヤミスとは知らずに読みました。
全く予備知識ない中で読んだので、
最初の2編くらい読んで、
あれ?このまま淡々と進む感じ?
と思っていたのですが、
貸してもらった人がいつも面白いものしか貸さないので、
いやそんなはずはない。と思いその先も読むと…
まぁ、すごい人物が絡み合って次から次へと事件が起きます。
しかも、偽名だったり名前が変わっていたりで
「えっ、この人がこの人だったの⁈」的なことも多々。
小説内で最後ふんわりとしか描写がないものは、
ググって答え合わせしました。
相関図を書きながら読むのをオススメされてる方も多いですね。私も途中で書きたくなりましたが面倒くさくてそれも検索しました -
Posted by ブクログ
2019年、29冊目は、真梨幸子。
今回、「あらすじ」は省略させていただきます。
ファースト・インプレッションは、「ん~っ」。もちろん、女史の作品に、読後の幸福感など求めてないんだけど……。何だか、別のモヤモヤが残った。
登場人物とその関係が、比較的複雑なのは、いつものコト。ソレを差し引いても……。もちろん、随所に女史のデビュー作『孤虫症』が登場し、ソレがキーになってたりと、展開的にも読ませる力は今回も健在。しかし、『結局は、最大の「失敗」って、不本意な「死」に至るコトなんじゃん』で片付けられちゃうような中身。しかも、主要な登場人物は、ことごとくXXXxうし。
もっと、人間関係のドロっ -
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彰子の母、久仁枝は売れない画家だった亡き義兄の遺作を集めるために日本中を駆け回る。
義兄が生きている時には、嫌悪感を露にし、仲が良い訳ではなかったので、彰子には不可解で仕方ない。
ただ、父と伯父は仲が良すぎるというか、幼い頃に両親を亡くし自分を大学にまで通わせてくれたという兄を、今度は自分が養って行かなければと思っていたようだ。
そんな売れない画家だった伯父と最近自殺したという有名な作家が親しかったという話が持ち上がり、妙な展開に。
真梨さんの女性特有のドロドロ感は少し薄めだけど、男性同士の微妙な関係もあって、わりと面白かった。
2019.11.18 -
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ネタバレイヤミスばかりを集めた全6編の短篇集。
思ったよりも後味の悪いエグさは控えめでしたが、血なまぐさいグロい話も入っていたので苦手は方は注意。
印象に残った短編の感想をいくつか。
「小田原市ランタン町の惨劇」
ユタカの元を、別れた彼女の弁護士が訪ねて来る。
彼女は自宅でユタカとの子どもを産み、殺してしまった罪に問われているらしい。
ユタカは付き合った時期と妊娠の時期の計算が合わないことに気付き、惨劇が起こる…。
最初はブラックユーモアがきっついなーという印象でしたが、読み進めていくうちにボタンの掛け違いから起こる諍いにゾッとしました。
こういう事件は本当にありそうで怖い。
「ネイルアー -
Posted by ブクログ
真梨幸子『おひとり様作家、いよいよ猫を飼う。』幻冬舎文庫。
イヤミス作家の真梨幸子の日記とエッセイ集。作品としてまとめることを意識していない日記なのか、読んでみて面白いとは思わず、エッセイも共感できない内容が多いように感じた。
この作品を読んでみると、真梨幸子はかなり歪んだ性格のヤバい女性であり、健康的にもかなりヤバい状態にあり、ヤバいくらい苦労して作家として一人立ちしたことが伺える。このくらい歪んでいないと、あの数々のイヤミスの傑作は産み出せないのだろう。真梨幸子の作品の完成度と年齢からベテラン女性作家が路線を変更したのかと思っていたのだが、実は自分はかなりの初期……真梨幸子の極貧時代か