真梨幸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレゴーストライターの名賀尻はAV業界をテーマとした原稿の依頼を受け、複数のAV女優へのインタビューを行う。
だが、取材した女優たちが次々と謎の死を遂げ、彼は罠にはめられ警察に追われることになってしまう。
事件の裏にはアルテーミスの采配というウェブサイトがあった…。
前半は名賀尻が取材したAV業界に身を投じた女性たちの転落人生が詳細に語られ、後半は名賀尻の失踪後、彼の原稿を読んだ女性が謎を探っていくという流れになっています。
AV業界の仕組みと実態、そしてブラック体質が赤裸々に語られるのでかなりエグい読み心地でした。
女性を女優に堕とすためのえげつない手口、低賃金かつ肉体労働の過酷さ、グレーゾーンの業界体質ゆえ救済措置は皆無という容赦の無さ…
小説ですが、著者は取材もしているので多少真実も反映しているんでしょうね~。
男性の性的欲望を満たすためだけに存在する業界のおぞましさには、吐き気をおぼえました。
また、視点がどんどん変わり、誰の視点で語られているのかわからないモノローグが重なり合って物語が進んでいくため、読み手は混乱させられます。
事件の全貌が把握できないまま最後までストーリーが疾走していくのでゾクゾクするやら目まぐるしいやら、何が何だかわからない 笑。
最終的にはうまくまとまるけど、破綻もあるし、大したトリックも無い気がするし、尻すぼみ感が半端ない。
刺激的な題材を扱ってるだけで、ご都合主義感満載の物語には面白みを感じなかったです。
もっと作者の悪だくみに翻弄されるような、凝ったイヤミスが読みたい!! -
Posted by ブクログ
彰子の母、久仁枝は売れない画家だった亡き義兄の遺作を集めるために日本中を駆け回る。
義兄が生きている時には、嫌悪感を露にし、仲が良い訳ではなかったので、彰子には不可解で仕方ない。
ただ、父と伯父は仲が良すぎるというか、幼い頃に両親を亡くし自分を大学にまで通わせてくれたという兄を、今度は自分が養って行かなければと思っていたようだ。
そんな売れない画家だった伯父と最近自殺したという有名な作家が親しかったという話が持ち上がり、妙な展開に。
真梨さんの女性特有のドロドロ感は少し薄めだけど、男性同士の微妙な関係もあって、わりと面白かった。
2019.11.18 -
Posted by ブクログ
ネタバレイヤミスばかりを集めた全6編の短篇集。
思ったよりも後味の悪いエグさは控えめでしたが、血なまぐさいグロい話も入っていたので苦手は方は注意。
印象に残った短編の感想をいくつか。
「小田原市ランタン町の惨劇」
ユタカの元を、別れた彼女の弁護士が訪ねて来る。
彼女は自宅でユタカとの子どもを産み、殺してしまった罪に問われているらしい。
ユタカは付き合った時期と妊娠の時期の計算が合わないことに気付き、惨劇が起こる…。
最初はブラックユーモアがきっついなーという印象でしたが、読み進めていくうちにボタンの掛け違いから起こる諍いにゾッとしました。
こういう事件は本当にありそうで怖い。
「ネイルアート」
常に炎上状態の育児サイトの管理人の依頼を受けたフリーライターの主人公。
多額の報酬に目がくらみ仕事を受けるが、彼女が遭遇した真実とは…。
ラストのオチよりも、ネットの匿名掲示板の本音バトルの闇の描写が面白かったです。
匿名なことを良いことに一人何役も演じて議論を煽ったり、過激なことを投稿して火種を次々と投げ込んだり。
容赦のないナマの人間の負のエネルギーを全身に浴びて、ほんとイヤな気分。(褒めてますよ!)
人間のむき出しの感情を虫眼鏡で拡大して見るようで、やたらと楽しい…。 -
Posted by ブクログ
真梨幸子『おひとり様作家、いよいよ猫を飼う。』幻冬舎文庫。
イヤミス作家の真梨幸子の日記とエッセイ集。作品としてまとめることを意識していない日記なのか、読んでみて面白いとは思わず、エッセイも共感できない内容が多いように感じた。
この作品を読んでみると、真梨幸子はかなり歪んだ性格のヤバい女性であり、健康的にもかなりヤバい状態にあり、ヤバいくらい苦労して作家として一人立ちしたことが伺える。このくらい歪んでいないと、あの数々のイヤミスの傑作は産み出せないのだろう。真梨幸子の作品の完成度と年齢からベテラン女性作家が路線を変更したのかと思っていたのだが、実は自分はかなりの初期……真梨幸子の極貧時代から彼女の作品を読み続けていたことになる。
前半は作品が売れないことを嘆く厭世的な内容で、中盤は世の中のおかしなことを綴り、後半は『殺人鬼フジコの衝動』がブレイクしたのと前後し、数々の成人病が露呈、余裕が出たのか、独り身が寂しくなったのか猫を飼うという内容。
やはり真梨幸子はイヤミスこそに面白さがあるのだろう。
本体価格690円
★★★