真梨幸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1962年、鸚鵡楼と呼ばれる洋館で殺人事件が起きる。
1991年、鸚鵡楼跡地に建つ高級マンションでエッセイスト沙保里は夫と息子と暮らしている。何不自由ないと思われる生活で沙保里が気がかりなことは、息子が別れた恋人に似ていることだ。
似ているわけがないのに。恋人と別れた後に身籠ったのだから。でも、ぴちゃぴちゃと指を吸う癖や妙に頭の良いところ、そっくりだ。そんなことあり得ない。
連続幼女強姦犯である男に似ているなんて。
真梨さんの本を殆ど読んだためか、真梨さんのトラップがわかるようになってしまった。
何に気をつけて読んでいけばいいのか。
登場人物が、誰が誰だかわからなくなるトラップ。
これは誰で -
Posted by ブクログ
ある少年が、受験戦争を潜り抜けて名門難関校に合格したのに家庭内暴力の末、父親に殺されてしまったという「西池袋事件」。
事件から16年後、新たな悲劇が起こる――。
「西池袋事件」を軸として、2つの仕事をかけもちしながら何とか生活している久保のパートと、落ちこぼれの少年と帰国子女の少女の交流を描く過去のパートが交互に語られる、複雑な構成。
独り言のような一人称が、どこまで現実でどこまで妄想なのかわからなくなります。
時系列もあいまいで先が読めず、ブツ切りのトピックを積み重ねるブログを読んでいるような感じ。
読者の共感を拒む文章が、いっそすがすがしい(笑)!
ミステリとしては破綻しているという -
Posted by ブクログ
エキセントリックな名も無き画家の作品を集め始めた母に翻弄される娘。
この画家と昔同居していた、プールで溺死した有名小説家。
最近パッとしない広告プランナーは画家と小説家に目をつけ、広告企画に連動させるために二人の死を劇的な物語に仕立て上げようと奔走する――。
様々な人の視点から捉えられた事実が輻輳し、やがて決壊の後に収束していく。
この先どうなっていくのか、お話の着地点が全く読めず、とまどいながら読み進めていきました。
また、一人称と三人称が混在しながら展開していくので視点がころころ変わり、落ち着かなかったのですが、あやういけれど限りなくパワーのある語り口に翻弄されました。
話の方向性が -
購入済み
お勧めしません
評価が高く期待していたのですが見事に裏切られました。最後はただの辻褄あわせの説明を会話形式でにしただけで余韻もうなにも残りません。今の真梨幸子さんの作品のような人間の本質をえぐり出すという感じとは程遠い出来です。