真梨幸子のレビュー一覧

  • 鸚鵡楼の惨劇

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     一章「一九六二年 新宿十二社」この物語のはじまりが実に怪しくって、どこかおとぎ話の様な不思議な雰囲気が漂う。現代の2013年5章までストーリーは続く、あの時の少年と少女が大人になって出会ってしまったら・・・驚愕のラストへ・・・最後の最後まで楽しめた。

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    2017年03月13日
  • ふたり狂い

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    連作短編集。
    連作短編集という手法を活かしきった物語だった。
    脇役として登場していた人物が、次の物語では主人公として登場する。
    あちらこちらにすでに見知った人たちが配置されていて、それぞれの物語の微妙な関係性を教えてくれる。
    脇役しか与えられていないときには見えていなかった部分、壊れていたり歪んでいたりする部分が、主人公となった物語では前面に押し出されてくる。
    真梨さんの物語はいつもどこかグロテスクだ。
    歪んだ感情に支配された人たちが織りなしていく物語。
    誰もが心当たりがあるけれど、自分にはないと思いたい・・・そんな負一色に染められた感情があからさまに物語の中心にある。
    好き嫌いが分かれる物語

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    2017年03月02日
  • ふたり狂い

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    ネタバレ

    自分の読解力が足りないせいか、よく分からない部分もありますが、真梨幸子らしい感じで楽しめました。
    ただ、人物相関がよく分からないかも・・・
    ジャパン光の部長は、後に奥さん尊厳死にでてくる夫で、
    ジャパン光の派遣嬢は、後に派遣先でマイコとイジメ問題起こす山口さん・・・であってる?

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    2017年02月23日
  • 鸚鵡楼の惨劇

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    2016年9冊目は、「フジコ」シリーズ以来の真梨幸子。

    あらすじ:西新宿の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」。1962年そこで惨殺事件が発生する。時は流れ、「鸚鵡楼」は取り壊され、その場所には高級マンションが建てられる。人気エッセイスト、蜂塚沙保里はそこでセレブライフを送っている。そんな彼女は、過去に付き合っていた男の呪縛、思い通りにならない自分の息子、と二つの悩みを抱えていた。そんなある日……。

    西新宿、十二社の地を中心に、各章ごとに、時間を経て、主人公(語り手)が変わってストーリーが展開してゆく。しかも、読み手の不安感や嫌悪感をざわつかせなから。その上で、とてもフェアにミスリードさせ、ヒントを与

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    2016年03月06日
  • 深く深く、砂に埋めて

    購入済み

    面白い。しかし恐ろしい。

    世の中には騙そうとか陥れようとか、悪意による嘘がたくさんあるが、最も恐ろしいのは悪意のない嘘。
    本能と欲望にのみ忠実であることは心に自由に生きたと言える。
    しかし法と理性の世界では罪以外の何者でもない女。

    なぜこんなことを?どうして?
    理由なんてない。
    そうしたいから。
    作中の彼女に私も随分惑わされた。
    ラストには同情してしまう程。

    「女ともだち」の続編との事だが、あまり本編とは関係はないような気がする。
    こちらから読んでも問題ない。

    出来ることなら私も彼女の様に生きたい。

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    2016年02月27日
  • カンタベリー・テイルズ

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    真梨さんの文庫。
    「聖地巡礼」の改題されたもの。
    真梨さんは本当に文庫化されるときによくタイトルを変える。
    文庫化されるのを待って購入するわたしは、何が文庫化されたのかわからなくて混乱する。
    こういう罠をしかけるのは、出来たらやめて欲しい。まあ、慣れたけれど。

    五つの短編。
    真梨さんによくある、なんとなく繋がっているタイプの短編。
    ここら辺りは真梨読者としては前提で読む。
    もうひとつよくあるのは、名前は出ているくせに誰のことかわからなかったり、勘違いする仕掛け。
    これも地雷原を歩くとき(歩いたことないけれど)のように慎重に読むのもお約束。

    今回も女性らしいイヤらしさが溢れており面白い。

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    2016年01月22日
  • えんじ色心中

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    1977年に起きた開成高校生殺害事件を参考にしている。この事件の詳細については本多 勝一著の『子供たちの復讐 』がある。真梨幸子、作家デビュー2作目になるが完成度が高いと感じた。二組の男女が過去と現代を通じて複雑に絡み合い驚愕のラストへ向かう、予備校へ通う幼い二人の関係性がとっても愛らしい。

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    2015年11月25日
  • カンタベリー・テイルズ

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    「聖地巡礼」が改題されての発売。買いそびれていたのでありがたい。カレールーの辛さ度数的にいうとイヤミス度は3ぐらい。ややマイルドなので読みやすいですね。連作なのであの人がこの人で、と読み進めるのが楽しかった。

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    2015年11月18日
  • 深く深く、砂に埋めて

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    ネタバレ

    悪女小説であり、サスペンスであり、悲恋小説である。悪女といいつつ有利子がどこか無垢なのが痛々しい。ラストはメリーバッドエンドかな…。

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    2015年11月05日
  • 鸚鵡楼の惨劇

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    真梨節炸裂の作品。
    イヤミスの女王ここにあり。
    「放送会」は「法曹界」だろ〜〜(笑)
    いくらなんでもそこは勘違いしないわ〜(笑)

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    2015年09月18日
  • 鸚鵡楼の惨劇

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    ネタバレ

    鸚鵡楼での惨劇?クラシックな館での連続殺人か?うーん、クローズドサークルもんだな、面白そう・・・。
    って位の動機で読みだした。おお、昭和の香りが香る花街の女郎館での殺人かぁ…ん?いきなり話のトーンが変わる!
    章ごとに目まぐるしく主人公(叙述者)が変わり、時代も変わる。戸惑いながらも読み進むと最終章で鮮やかに話の縦糸がつながる仕組み。ただしあくまでも本格モノというより、殺人事件を元にそれに絡むことになった人々の愛憎劇と言う色彩が強く、本筋と関係ないドラマ部分も多い。
    とはいえ、文章も上手いしプロットがしっかりしているので最後まで一気に読めた。
    ただ残念なのが主婦会の話が無駄に多いことや、男娼の細

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    2015年08月12日
  • 鸚鵡楼の惨劇

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    初めてのイヤミスデビュー!
    イヤな気持ちより伏線など鮮やかに騙されて爽快な気分。最後の最後まで楽しめました。

    最後の黒木瞳の解説は好かない。

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    2015年07月25日
  • 鸚鵡楼の惨劇

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    題名がめっちゃ好みなので、期待しすぎてしまった感が・・・w だいたい登場人物の名前がカタカナとか呼び名ででてきてるとこういうことになるのよねぇ・・・ww
    最後の最後まで引っ張ってくれたので、結構楽しめた・・・というか、まだくるか!というかwww
    このしつこさがイヤミスなのかな?w

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    2015年07月18日
  • 鸚鵡楼の惨劇

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    登場人物の情緒不安定さと気持ち悪さに胸焼けを堪えつつ、何とも救われない結末へ導かれる。男と女の辿る平行線をまざまざと見せつけられた。うわぁ~って叫びたくなると同時に、作者にしてやられた感半端なし。
    幾つもの人生が狂ってしまったから惨劇というより悲劇の印象が強い。

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    2017年07月02日
  • インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実

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    ネタバレ

    最初から不穏な空気で、どこかしらに何かの救いを求めて読み進めるけど、どんどん深い闇へ堕ちていくような。
    徹底的だな!と思ってしまった次第。
    誰一人、謄本取る人すらも間に合わないんだもんなぁ…。
    まさしくイヤミス。

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    2025年05月28日
  • えんじ色心中

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    真梨幸子さんのデビュー二作品目がやっと文庫になったと言う事で購入。
    デビュー作の孤虫症と作風が違うと真梨幸子さんのTwitterでも読んでいたのでどんな感じなのだろうかとワクワクしていた。
    読み始めは真梨幸子さん独特な雰囲気を醸し出していた。
    二〇〇五年あるいはその十六年後の最後の方で主人公と吉沢さんの関係が明らかに。
    でも最後はえっこれで終わりなの?!と思ってしまう終わり方で長い話なのになんだか物足りない。
    今まで読んだ作品とは違うモヤモヤ感。

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    2014年09月25日
  • クロク、ヌレ!

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    ネタバレ

    2012.11.17.sat

    【経緯】
    帯に、「私が死んだ時、『代表作』と呼ばれるのはこの小説であってほしい。」とあったので。

    【感想】
    メインキャラクターが複数人いて一人称と三人称が交錯するという珍しい文体でありながら、それが物語を形作るのにとても心地よくページをめくらせる真梨さんの手腕にまた驚かされた。ほんとうまいわこの人。

    ただ、「イヤミス」がうりの真梨さんにそれを期待して読む人にとっては、いつもより毒気が薄いので物足りないのかもしれない。
    わたしは「勢いのある物語力をもつ作家さん」として好きなので問題ないです。

    真梨さんのだす本だす本のキャラクターたちって愛すべき要素よりも理解

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    2012年11月19日
  • ●●にいたる病

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    我孫子武丸の名作『殺戮にいたる病』をなぞらえたアンソロジー作品。6人の作者が●●を変えた短編が収録。
    よくもこんなバリエーションができたな、と。
    本家同様グロイものからライトなものまで。
    個人的には『コンコルドにいたる病』が良かった。
    クスっとさせられる。

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    2025年12月13日
  • さっちゃんは、なぜ死んだのか?

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    氷河期世代とバブル世代、それぞれ報われなかった人たちがたどり着いた先での悲劇…って感じでしょうか。時代の空気もわかるのでするする読めた。こういうの、登場人物の描き方によってはイヤな感じしそうなんだけど、クセの強い人物も誇張しすぎてなくて、距離感がちょうどいい塩梅なのでそのあたりもストレスなく読める。因果応報の糸が絡まり合って、タイトルの答えが描かれます。
    最後はミステリらしい伏線回収とどんでん返しがあって、普段あまりミステリ読まないので、へーってなって面白かったです。

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    2025年12月11日
  • これが最後の仕事になる

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    献鹿狸太朗さんのファンで読みました。今回も良かったです。短い分、もっと読みたい…!ってウズウズしてしまいます。

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    2025年12月10日