真梨幸子のレビュー一覧
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ネタバレ2005年に刊行された、真梨幸子作品の2作目。「イヤミス」という言葉も無い頃の作品で、「イヤミス」を期待するとちょっと地味な内容に思えます。
全編、ひたすら沈鬱な雰囲気が漂い、一応意外な結末は用意されていましたが、そこにはほとんどカタルシスが無いような感じです。
詠み終わり、この感じ、何かに似ている、と思い出したのは、2004年に日本で公開された韓国産ホラー映画『4人の食卓』を観終わった時の感じですね。ストーリーは全く違いますけど、両方とも終始陰鬱だし、過去の事柄の現在への関わり方とか、幽霊が出てくるけどそれが単なる脇役であるところとか、結構似ています。
この作品の中で、結構マニアックなホラー -
Posted by ブクログ
2017年、27冊目は、真梨幸子、初の短編集。その名もズバリ『イヤミス短編集』。
今回は各々、一言、レビューを……。
一九九九年の同窓会:ライト・イヤミス。「反省とか、懲りるとかないんかい」のツッコミ入れたくなる。愚鈍なモノが生み出し、狡猾なモノが搾取する。
いつまでも、仲良く。:ある程度、造りは予想の範囲内。女同士のドロドロを得意とする、真梨幸子節、ショート・ヴァージョン。
シークレットロマンス:大好きだよ、こういうグロ系、不条理モノ。虚構と、現実の境界を見失って……。ちょっと、力業的な部分(強引な展開)感じるけどね。
初恋:ミステリー的に、見事にヤられた。あの長編の逆パターンだっ -
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連作短編集。
連作短編集という手法を活かしきった物語だった。
脇役として登場していた人物が、次の物語では主人公として登場する。
あちらこちらにすでに見知った人たちが配置されていて、それぞれの物語の微妙な関係性を教えてくれる。
脇役しか与えられていないときには見えていなかった部分、壊れていたり歪んでいたりする部分が、主人公となった物語では前面に押し出されてくる。
真梨さんの物語はいつもどこかグロテスクだ。
歪んだ感情に支配された人たちが織りなしていく物語。
誰もが心当たりがあるけれど、自分にはないと思いたい・・・そんな負一色に染められた感情があからさまに物語の中心にある。
好き嫌いが分かれる物語 -
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2016年9冊目は、「フジコ」シリーズ以来の真梨幸子。
あらすじ:西新宿の花街に建つ洋館「鸚鵡楼」。1962年そこで惨殺事件が発生する。時は流れ、「鸚鵡楼」は取り壊され、その場所には高級マンションが建てられる。人気エッセイスト、蜂塚沙保里はそこでセレブライフを送っている。そんな彼女は、過去に付き合っていた男の呪縛、思い通りにならない自分の息子、と二つの悩みを抱えていた。そんなある日……。
西新宿、十二社の地を中心に、各章ごとに、時間を経て、主人公(語り手)が変わってストーリーが展開してゆく。しかも、読み手の不安感や嫌悪感をざわつかせなから。その上で、とてもフェアにミスリードさせ、ヒントを与 -
購入済み
面白い。しかし恐ろしい。
世の中には騙そうとか陥れようとか、悪意による嘘がたくさんあるが、最も恐ろしいのは悪意のない嘘。
本能と欲望にのみ忠実であることは心に自由に生きたと言える。
しかし法と理性の世界では罪以外の何者でもない女。
なぜこんなことを?どうして?
理由なんてない。
そうしたいから。
作中の彼女に私も随分惑わされた。
ラストには同情してしまう程。
「女ともだち」の続編との事だが、あまり本編とは関係はないような気がする。
こちらから読んでも問題ない。
出来ることなら私も彼女の様に生きたい。 -
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真梨さんの文庫。
「聖地巡礼」の改題されたもの。
真梨さんは本当に文庫化されるときによくタイトルを変える。
文庫化されるのを待って購入するわたしは、何が文庫化されたのかわからなくて混乱する。
こういう罠をしかけるのは、出来たらやめて欲しい。まあ、慣れたけれど。
五つの短編。
真梨さんによくある、なんとなく繋がっているタイプの短編。
ここら辺りは真梨読者としては前提で読む。
もうひとつよくあるのは、名前は出ているくせに誰のことかわからなかったり、勘違いする仕掛け。
これも地雷原を歩くとき(歩いたことないけれど)のように慎重に読むのもお約束。
今回も女性らしいイヤらしさが溢れており面白い。
本