小山薫堂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説
それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる
そこに乗車するそれぞれが
何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る
誰かを大切に思って
大切な人を誘って
願い叶わなかった列車の旅になっても
「その人を思い出すこと」が供養にもなる
1話目の
さよなら、波瑠/井上荒野
一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
苦しくて苦しくてね
思わず感情移入、涙が出た
糸井重里さんの
「帰るところがあるから、旅人になれる」
当たり前なんだけど
そんなふうに考えたことなかったからね
さすがだな、
糸井さんの言葉だな、って思った
静かな気持ちで読めるキレイな本でした -
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Posted by ブクログ
私は三浦しをん熱がまだ冷めないので、本屋に行くと、「三浦しをん」を探してしまう。
題名を見て「きみはポラリス」を思い出したこともあり、本書を購入。
でも、開けて読み始めると、JR九州のクルーズトレインを巡る7人の作家の短編集だった。北斗七星之ではない。表紙をよく見れば電車だったし、帯にもそう書かれている。すぐにカバー掛けてもらっなので気が付かなかった。
因みに、文春文庫では「甘い罠」「妖し」などをテーマに豪華な顔ぶれでアンソロジーを出している。(この本がそうであるように、初出はオール読物かもしれない)
私は、中でも川上弘美の「アクテビティは太極拳」が良かった。母親が子育て中の娘に手紙でななつ -
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Posted by ブクログ
建築家として独立した三浦史朗は、最近、仕事がうまくいかなくなっていた。実家の「まるきん温泉」は父なき後、弟の吾朗が継いでいる。史朗は、時代遅れの銭湯を畳み、マンションを建てる計画を企て、父親の葬儀にすら帰らなかった実家を久しぶりに訪れる。
そこで生じる吾朗と史朗の対立、住み込みバイトで看板娘の秋山いづみや銭湯を愛する様々な常連客の人生を楽しく感動的に描くというストーリー。
映画化されるだけあって、ドタバタあり、笑いあり、涙ありという内容。 「湯道」というのは風呂好きの著者か2015年から提唱しているもので、華道、茶道、書道などと同様、入浴にも日本独自の伝統文化、精神があ