村上博基のレビュー一覧
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映画「裏切りのサーカス」の原作。著者がもと英国情報部なリアルスパイ小説。
表面上はかなり淡々としていて盛り上がりに欠けるような…と思いつつ読み進め、これは淡々としてるんじゃなくてキンキンの緊張状態が常態化してるんじゃ!と思い至った。中盤のギラムのミッションや終盤あたりはちゃんと?盛り上がってて止まらなくなる風。
膨大な日常情報に紛れた細かな矛盾や綻びを見つけては組み立て、ストーリーを想像で補う作業は読んでいて肩がこりそう。
全体的に映画の方がかなりスッキリまとまっていて分かりやすいけれど、(といって映画が理解できたわけではありませんが…)原作は原作で、情報の海を自力で掻き分けてる感があって -
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ネタバレ20数年ぶりの再読! ある意味“苦行”と言われたスマイリー三部作のフィナーレにして、スマイリーシリーズの最高傑作!
とにかく、メリハリ、サプライズ、そしてカタルシスがないのに、物語を読み進める内にじわじわと滋味が溢れてくる。それは淡々ではなく粛々という印象。
読書の魅力は、年を経て再読するとそれまでの印象がガラッと変わるところ。だが、この作品は意外なほど変わらない印象。それは、私が未熟なだけか……。
カタルシスはないと書いたが、ラストの雪のベルリンのシーンは、過去に読んだ全てのスパイ小説の中で最も美しく胸を打つ場面だった。暫く目を閉じずにはいられなかった。 -
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Posted by ブクログ
見上げるほどの都心の高層マンションに住む成功者は、更にその階層ごとに自ら分類する。
その隔たりは、人種差別や現代の経済格差のように。
常に、下に住むものは頭の上の重みを感じ、上に住むものは足元に踏みつける優越感に浸る。
羨望と侮蔑
不安からくる集団心理
同じ階層の住人間で起こる同調圧力
汚物や破片のなかでのディナーパーティー
ベランダから投げ捨てられるゴミを待つ屋上のカモメたち
やがて暴力が蔓延して、狂気に身を委ね、いつしかそこに陶酔を見出していく。
いやになるほど嫌な物語、なぜこれを読み進めるのか……と、思いながら全て読んでしまう。
SFでもミステリーでも無い、現代のディストピアを -
Posted by ブクログ
『光文社古典新訳文庫』の時間です
先日読んだ『メアリ・ジキルとマッドサイエンティストの娘たち』が面白かったので原典たるこちらも再読
当然、光文社です
ジキル博士の自宅の描写が原典にかなり忠実でした
あ、でも当然ながら奥さんもましてや娘なんて出てきません
ましてやましてハイドの娘なんて影も形もありません
このあたりは戯曲化されたり、さらに後に映画化された二次創作に影響されてるのかな
なので『メアリ・ジキルとマッド・サイエンティストの娘たち』は三次創作といえるのかもね
そうそう、あらためて読んでみてなにやらすごく深そうでしたが
あまり考えずに読みましたよ
考えすぎていろいろ受け取ろうとしす -
Posted by ブクログ
2022年最後を飾るのはなんと1981年の作品今から約150年前の作品
『あしながおじさん』の中に登場してきたので懐かし!と思って再読です
残るべきものは残るんだよね
ただ子供の頃読んだ時ほどドキドキしなかったかも
海賊シルヴァーが登場したあたりからスピードは上がるんだけど、全体に冒険小説としてはスピード感が足りない気がしてしまったんよね
次から次へと主人公を襲う危機!!みたいなね
情報飽和時代の弊害かなw
でもなんか、基本というか基礎というかそんな感じがすごいしたなぁ、必要なものは過不足なく全て揃ってますよ、こっから始めますよ、みたいな
板前さんで言う大根のかつらむきみたいな違うか -