村上博基のレビュー一覧
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借りたもの。
祝・映画化記念の再販!
映画鑑賞後に読んだことで、映画との明確な違いを意識する。
映画では”ヴァニタス”――タワーマンションと階級社会に見る人間の傲慢とその儚さ――虚栄を強く意識させられたが、小説ではタワーマンションという空間での環境問題――近隣住民の心身に与える影響やテクノロジーは人間を幸せにせず暇を持て余した人間が刺激を求めて暴力的になってゆく様を強くしている。
世界の縮図、閉じた円環の中で機能する完璧な世界を構想しながら、ただ高みへと目指す一方的な構造は次第に住んでいる人間を不安定にさせる。
公共施設の不備や故障、次第に外界から孤立し、物資も滞ってゆく……
階級意識と不 -
Posted by ブクログ
映画「裏切りのサーカス」を観てから読みました。
ストーリーの大まかな流れは同じだけど、原作のこちらの方がかなり濃密で複雑。
冷戦の知識がないので苦労しながら読み進めました。
面白い!
頭脳戦でスリリングで、緻密な描写は風景が見えるよう。
自分も一緒に相手の眉の動きや目線の行方を見てるような気持になった。
お陰で読むと疲れたけど(笑)
冷戦下のスパイは本当にこんなことしてたの?
情報をめぐる攻防戦がすごすぎる。
そしてピースが集まったら怒涛の終盤への流れ、
読む手が止まりません。
レビューでは翻訳が分かりにくいとの評判でしたが、読み進めるうちに慣れました。
ちょっと古臭く?感じる表現もあるけ -
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購入済み
スパイ小説の金字塔
ル・カレの世界を堪能させていただきました!
荒木飛呂彦風にいうならば、男が泣ける、男の悲哀を感じさせるサスペンス、というところでしょうか。★5つでは足りません!
実は、紙の本で積ん読数年。その間に新訳が出て、電子化されて、やっと読みました!何でもっと早く読まなかったんだろう?
まあ、確かに本をパラパラっとめくった時に感じる重苦しいオーラに、つい本棚に戻してしまう、ということを繰り返していました。
電子書籍にはその拒絶感がありませんね(笑)。
内容に関しては随所で語り尽くされていますが、とにかく暗く,重く、緻密でスリリング。
組織に潜む2重スパイを捜し出すことを命じられた、老いた -
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表面では立派な性格を持ったジーキル博士が、一方ではエドワード・ハイドという残虐な殺人鬼としての顔を持つ話は有名だが、改めてこの短編を読んでいてまるで小さな推理小説のようにも思えた。
しかし、私が最もそそられた点は「ジーキル博士の事件の全容」の告白である。
彼の苦悩はまさに宗教的なものであり、自分は二重人格であることを認めてさえいた。まるで「聖闘士星矢」のサガのようである。
薬を飲んで、著名な学者であるジーキル博士の肉体を脱ぎ捨てエドワード・ハイドの肉体を身につける。そしてそれが彼にとっては愉快であった反面、自分を苛んでいたのはもはや絞首台の恐怖ではなく、ハイドであることの恐怖であった。
これ -
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ジョージ・スマイリーは、元英国情報部の現地指揮官。冷戦時には有能なスパイとして情報部を指揮していたが、世界情勢は緊張緩和(デタント)へと舵を切り、顔ぶれを一新したホワイト・ホールは情報戦も英米協調をうたい、かつてのような英国独自のスパイ網の必要性を認めなくなった。自前で情報をさぐるよりアメリカのいとこ(カズンズ)から聞けばいい。そのほうが安上がりだ。大幅な予算削減の結果、現地協力者は解雇。「首狩人」や「点燈屋」といった特殊な分野を受けもつ工作員グループも解散してしまっては、その指揮を執るスマイリーに出番はなかった。早い話がリストラである。
電話がかかってきたのは深夜だった。亡命エストニア人グ -
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二度読んだ。結果から言えば、ここは、と思わせる部分がないこともないが、全体的にはさほど読みづらさは感じなかった。読みづらさを感じる原因は、フラッシュバックを駆使した回想視点の導入による時制の交錯や、複数の視点人物の瞬時の転換といった原作者の文章にあるのではないか。しかし、一度目は多少苦労しても再読時は、主人公スマイリーの独白の沈鬱さを紛らわそうとするかのように絶妙のタイミングで挿入される情景描写の巧みさや、込み入った伏線を多用した構成の妙味にうならされるはず。旧訳や原文とつき合わせていないので、訳の巧拙についてはひとまず置く。ただ、それを理由に読まないですますのはもったいない。そう思わせる作品
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過去に一度会ったきりの仇敵カーラとの決着ついに!英国とソ連の情報部を背負い、暗躍し、追い詰めあった二人が互いの目に見るものは…
ここから先は激しくネタバレですね。でもきっと、わかったようでわかっていないんです。もうちょっと年を重ねたら、また読もうと思います。
後半からじわじわ情報を固めカーラに迫っていく辺りがゾクゾクです。
常に冷静な描写で淡々と書かれるため表面上はどこか調書を読むよう。でも行間から現場工作員の息遣いや緊張感、スマイリーの震えるくらいの慎重な気遣いがにじみ出てるようでした。
ラストシーンはスマイリーの内と外の描写が印象的。雪降る夜の痛いほどの緊張と静寂、内面で吹き荒れる衝動、 -
Posted by ブクログ
「うん。そうだな、そうかもしれない」
英国諜報部の生ける伝説ジョージ・スマイリーとソ連諜報部の工作指揮官カーラの冷戦下での対決を描いたスマイリー三部作の最終決戦です
いやー、なんていうか情景描写過多
やり過ぎだと思うが、まぁこれがジョン・ル・カレなのだからしょうがない
そして「小説のジレンマ」ね
冷戦なんてものはない方が良い
それはとりあえずそうだと思う
まぁ、色々問題は残っていたり、新たな問題が起きたりはしているわけだけど
とりあえず核弾頭の数は減ったし、経済のグローバル化も進んだし、東欧諸国の人たちがそれなりの自由ってやつを手に入れたわけだからね
東西のスパイたちが頭脳戦を繰り広 -
Posted by ブクログ
「あれはどこかべつの土地、まったくべつの宇宙での出来事だった。彼はここでは場違いな人間だった。けれども、彼もまたこの悲劇にどこかで加担してきたのだ。」
スパイ小説には悲劇が似合う
ソ連の伝説的スパイ”カーラ”によって被った壊滅的打撃からの復活を目指す新生英国諜報部
率いるのは我らがジョージ・スマイリーだ
スマイリーは”カーラ”に反撃すべく、ソ連からの金の流れを追う
たどり着いたのは香港に住まう中国人富豪ドレイク・コウ
送り込まれたのはスマイリーを師と仰ぐ新聞記者で工作員ジェリー・ウェスタビー
ジェリーの活躍もあり、中国諜報機関中枢にいるコウの弟ネルソンが”カーラ”のスパイであることが