村上博基のレビュー一覧
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この本は日本の本で例えるならば、三島由紀夫のスパイ傑作本と言う感じです。言うならばこの本はその英国版と言う感じです。著者のジョン・ル・カレの本は非常に巧みな文学的な表現で情景描写、心理描写がこれでもかと言うほどの精巧で緻密に細やかに語られています。諜報作戦、諜報部隊、ナショナリズムや国に対する忠誠心など出演している人物のストーリーが芸術的に語られ、その内容が細やかな文体や描写として描かれており、文章力と言う意味でも、その芸術的な巧みな文章をたっぷりと精密に味わうことができる本であり、その語りの粘り強い周到さに驚嘆する本と言えるでしよう。なおかつ諜報活動におけるナショナリズムや国に対する忠誠心や
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Posted by ブクログ
ロンドン中心部に聳え立つ高層マンション。
40階建て1000戸、商業施設や小学校もある
一つの《世界》に生じた異常事態について、
三人の住人の視点で綴った作品。
1975年の時点で、
21世紀現代の俗に言う「タワマンヒエラルキー」を透視・描出し、
当時の“近未来”消費社会のヴィジョンを提示した怪作。
25階に住む大学医学部の上級講師ロバート・ラングの
過去2~3ヶ月の回想。
マンション上層部、中層部、下層部の居住者が
共用設備の使用法やマナーなどを巡って
反目し合っていたが、停電が発生した際、
37階の住人である女優のペットの犬が溺死させられ、
また、最上階の宝石商が転落死したことで
不穏な -
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Posted by ブクログ
バラードはこれまで2作品しか読んだことがありません。扱うテーマは魅力的で本屋でもついつい手に取ってしまうのですが、どうもその回りくどい文体に忌避感を覚えてしまっているらしく、結局レジまでもっていかないことばかり。本書はたまたま古本屋で発見し、もともと興味のある作品であったので、ええいままよ、と購入。
回りくどい表現は相変わらずでしたが、読みにくいほどではなく、結構すいすいと読み進めることができました。さて、その内容。最初の方は隣人同士のよくあるトラブル。それが苛烈になってきて…までは理解しうるのですが、その後、いつの間にやら狂気が支配してしまいます。狂気の階段を一段一段あがって、というのでは -
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