三浦展のレビュー一覧
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前半は、詳細なデータ分析、アンケート分析だが、後半の大胆な断言の方がおもしろい。
(1)郊外の衰退するオールドタウンに対するマネジメントのために、よく言われる地主組合とか、斉藤広子先生が提案している(p193)が、むしろ、デベロッパーか、やる気のある地権者が管理会社を立ち上げて、地区運営をどんどん手がけた方がいいのではないか。
どうせ年寄りが多くて実践をみせなければだめだから、まず、事業をしているという発想が大事だと思う。
(2)田園都市線沿線は、住みたい街だが、働きたい街ではないという世論調査を逆手にとって、東急が二子玉にシェアオフィスを構えているのもおもしろい。(p166)
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アイデア出しの方法論を語る一冊。『下流社会』や『ファスト風土』などの言葉を作った人物の、キャッチーなアイデアの出し方を披露する……という感じ。作者の三浦さんは雑誌の編集者だったらしく、そこで語られるところの多くは編集者的な方法論が感じられた。
端的に言えば、意識的なインプットと意識的なアウトプットをしよう、という話。これからの時代、情報を創造できる人材だけが生き残るという主張は、かなり的を射たものだと思う。特に、専門技術的なところのないサラリーマンなどは、これからそのスキルが求められるはず。一方では、そういうのを求めない会社もあるわけで、そういう職場はあまり先行きが明るくないかも。
難点は -
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チャリのカタログ雑誌と一緒に、思わず有楽町の三省堂で買ってしまった。
オヤジ系女子分析本。もはや50代の女性までもが「女子」。良い時代がやってくるにちがいない。もっと開き直って、おっさんを目指したくなる。
たぶんコレは新書1冊にする必要がないことかもしんないと迷わずに本にしちゃう三浦さんはすげえ。わたしにはできない。読んでみると、結構軽くて、読みやすくて、まあまあ面白いし。ちゃんとしたクラスタ別消費分析論。
P34 かまやつ女の進化系→寅さんカジュアル
P47 古本好き女子の増加
P83 若いほど、おじさん的
P87 女性の男性化の背景①男女平等意識ー法経・理科系女子増加
P91 モテとは -
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大都市の郊外論は、商業的な観点、住宅立地の観点、さらには都市縮退の観点からも注目していた。
主に、東浩紀氏などが郊外論を最近展開しているが、その元となったのが三浦氏のパルコ時代の著策。
新刊がでたんだなと思って、職場の本屋の平積みから購入。
あいかわらず切れ味がいい。
①これまで(東京の)西へ西へと動いてきたのが、もう一度、海側の東が復活しつつある感じがします。これは今後の東京を考える上で大変興味深いテーマだと思います。(p86)
②ニューヨーク万博で伝えようとしたメッセージは、ヨーロッパ封建主義、19世紀から台頭した共産主義や社会主義、1930年代に生まれたファシ -
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ネタバレ今ではすっかり日本社会の格差の拡大が当たり前ですが、六年前のちょうど小泉政権終了月に出版された”格差”本。意識調査の結果をもとに世代別、収入別など、それぞれの階層の人の意識がどう変わってきているかを論じている。そして新たな”下流志向”の階層が生まれていると指摘している。中流が上流と下流に分かれてしまっただけでなく、その二極化が固定される傾向がある。その理由の一つに、”下流志向”の下層があるという。キーワードは”自分らしさ”。自分らしく個性あることが重要で、いわゆる上を目指すことを目指さない。したがって下層ほど自分の能力を肯定している。生き方としては悪いとは言えない。足るを知るでしょうか。良し悪
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[ 内容 ]
下流社会、ファスト風土etc.数々のキーワードを生んだ消費社会研究家、マーケティング・アナリストの調査・分析・プレゼンの技法とは?
すぐに実践できる入門書。
[ 目次 ]
序 情報創造力がないと生き残れない!(「まねない力」で生き残れ!;どんどん仮説を出そう ほか)
第1章 情報創造はなぜ必要か?(パワポづくりで無駄な残業をしていませんか?;ちゃんと文章を書いて論理的に考えるべき ほか)
第2章 情報創造の方法(情報受信するには知識と好き嫌いが必要;いろいろなことを知っておこう ほか)
第3章 情報の収集と整理(脳を刺激する自由で楽しい仕事場づくり;デスクの配置 ほか)
第4章 -
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ネタバレ[ 内容 ]
T型フォードの発売からリーマン・ショックまで一〇〇年。
自動車の世紀だった二〇世紀が終わり、消費文化は大きな曲がり角を迎えている。
大流通グループ「セゾン」を牽引し、無印良品を生み出した堤と、地域の文化の衰退を憂慮する三浦が、消費の未来、日本の将来を語る。
「これがいい」ではなく、「これでいい」という「無印」の思想は、企業主導ではない個人主体の生き方を勧めるものである。
本当の消費者主権とは何か。
[ 目次 ]
1 アメリカ型大衆消費社会の終わり(自動車の世紀が一〇〇年で終わる 派遣切り メディアへの懸念)
2 戦後日本とアメリカ(アメリカ体験 地元への愛着 百貨店とファストフ -
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5年後にはこの本で言われていることが統計的に優位といわれるほど傾向がはっきりしてくるのだろうか、という目で読むと面白いかもしれない。
もし著者がもっと社会調査に精通していたらどんな結果が出ていたのだろうかと思うと楽しいかもしれない。
「おわりに」と「あとがき」は読むべき。
ただ素人目で見ても怪しい調査結果だとやっぱり思う。個人的には好きだけど。
(2008年10月29日追記)
「はじめに」の7ページにこういう記述がある。
『階層意識は単に所得や資産だけでなく、学歴、職業などによって規定される。しかも自分だけでなく親の所得・資産、学歴、職業なども反映した意識である。しかも