三浦展のレビュー一覧
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新書にありがちな時代の一部を分かりやすく切り取るだけの内容ではなく、消費論と言える密度があった。
この方の本は「ファスト風土化する社会」の印象が強く、また「これからのシェアの話をしよう」(未読)という本を出したのを見て、「あー時代に乗るだけの本を書いてしまったのか」と誤解してしまっていた。とても恥ずかしい。
戦後の消費が、都市部を中心とした消費、家族で大量生産品を手に入れていく消費、個人化していく消費、そしてシェアによる消費、と変わってきた、特にシェアの話は色々な所で語られ始めてきている。
しかしこの本は、それぞれの時代背景の綿密な考証とともに消費の変化が語られるので、とても説得力があり、わかりやすい。
「ユニクロは所有することによろこびがある商品ではなく、自慢もできない。それは物を所有することにはさして関心がないという表明。ユニクロは物というよりサービスであると考えた方が適切」といった指摘が、個人的にはとても分かりやすかった。 -
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老齢化、人口減少、ライフスタイルの変化によって郊外にマイホームを持つという20世紀後半の「人生モデル」が崩壊して、今や郊外は陸の孤島化しつつある。その現状をどう打破するかを考えた本。
私が小学生のころは「ドーナツ化現象」という言葉が盛んに言われていて、地方都市の中心地に住んでいた私の学区は生徒が少ないのが問題になっていた。でも、最近は、中心地にも高層マンションがどんどん建設されて、ドーナツの穴が少しずつ小さくなっている感じはあった。
その実感をこの本では多角的なデータによって実証している。今や、郊外のマンションは300万円で投げ売りされている状態だとか。多摩ニュータウンの老朽化のニュースなどを観るに、なるほど、今や土地も住まいも買う人間はいなくなったのだなぁと。
となると、買った人間は地価は下がるはコミニティは崩壊するわで、これから社会問題化するのは必至だと思う。そうならないためにも、今までは「住むだけ」だった郊外を都市化して、「働く」「遊ぶ」場所にしようという提案には納得できるものがあった。 -
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前半は、詳細なデータ分析、アンケート分析だが、後半の大胆な断言の方がおもしろい。
(1)郊外の衰退するオールドタウンに対するマネジメントのために、よく言われる地主組合とか、斉藤広子先生が提案している(p193)が、むしろ、デベロッパーか、やる気のある地権者が管理会社を立ち上げて、地区運営をどんどん手がけた方がいいのではないか。
どうせ年寄りが多くて実践をみせなければだめだから、まず、事業をしているという発想が大事だと思う。
(2)田園都市線沿線は、住みたい街だが、働きたい街ではないという世論調査を逆手にとって、東急が二子玉にシェアオフィスを構えているのもおもしろい。(p166)
このままだと、東急線沿線は衰退していくので、ここで、職住近接型のくさびをうって時代を先行しようとする意気込みがいいと思う。
(3)新しいビルに魅力がなくなり、路地の魅力が再生しつつある。(p187)
これも実感にあっている。大手デベロッパーに聞かせてやりたい。無理して、再開発をしなくて、リノベーションとかコンバージョンでこつこつ稼ぐ技術、ノウハウを磨くべき。 -
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アイデア出しの方法論を語る一冊。『下流社会』や『ファスト風土』などの言葉を作った人物の、キャッチーなアイデアの出し方を披露する……という感じ。作者の三浦さんは雑誌の編集者だったらしく、そこで語られるところの多くは編集者的な方法論が感じられた。
端的に言えば、意識的なインプットと意識的なアウトプットをしよう、という話。これからの時代、情報を創造できる人材だけが生き残るという主張は、かなり的を射たものだと思う。特に、専門技術的なところのないサラリーマンなどは、これからそのスキルが求められるはず。一方では、そういうのを求めない会社もあるわけで、そういう職場はあまり先行きが明るくないかも。
難点は、作者本人のアイデア出しの方法が、あまり参考にならないということ。こればっかりは、人それぞれだよね~と思う。作者のやりかたを見習いつつ、自分流の方法を編み出すことが大切。一方で、作者が具体的にどのような過程を踏んで情報を創造したかについては、かなり面白かった。現代においては「興味」と「調査」と「価値観」のスクラムが、有用な情報を創造する……のは確かだと思う。 -
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チャリのカタログ雑誌と一緒に、思わず有楽町の三省堂で買ってしまった。
オヤジ系女子分析本。もはや50代の女性までもが「女子」。良い時代がやってくるにちがいない。もっと開き直って、おっさんを目指したくなる。
たぶんコレは新書1冊にする必要がないことかもしんないと迷わずに本にしちゃう三浦さんはすげえ。わたしにはできない。読んでみると、結構軽くて、読みやすくて、まあまあ面白いし。ちゃんとしたクラスタ別消費分析論。
P34 かまやつ女の進化系→寅さんカジュアル
P47 古本好き女子の増加
P83 若いほど、おじさん的
P87 女性の男性化の背景①男女平等意識ー法経・理科系女子増加
P91 モテとは無関係な部分に金を落とす→オヤジ的消費傾向が歳を重ねるほど強くなる
P93 女性の男性化の背景②サラリーマン女子の増加
P98 「風呂、メシ、寝る」で済ませたい女子は、自分のために専業主婦が欲しい
P100 女性の男性化の背景③私立中高一貫女子校
P101 女性の男性化の背景④父親の影響—「一卵性父子」の時代
P195 オヤジ系女子のこれまでの人生→爆笑
あとがきでも爆笑。全体的に面白かった。第4章も楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
大都市の郊外論は、商業的な観点、住宅立地の観点、さらには都市縮退の観点からも注目していた。
主に、東浩紀氏などが郊外論を最近展開しているが、その元となったのが三浦氏のパルコ時代の著策。
新刊がでたんだなと思って、職場の本屋の平積みから購入。
あいかわらず切れ味がいい。
①これまで(東京の)西へ西へと動いてきたのが、もう一度、海側の東が復活しつつある感じがします。これは今後の東京を考える上で大変興味深いテーマだと思います。(p86)
②ニューヨーク万博で伝えようとしたメッセージは、ヨーロッパ封建主義、19世紀から台頭した共産主義や社会主義、1930年代に生まれたファシズムに対するアンティテーゼ。(p152)
③もともとニューアーバニズムは「ネオトラディショナリズム」(新伝統主義)とも呼ばれていて、アメリカの古きよきスモールタウンのよさをもう一度見直そうという思想です。そういう意味では、ニューアーバニズムの思想を学ぶことが、日本の古いまちの再評価につながるのは当然のことなのです。(p192)
最後に参考文献が載っているが、自分が未読のものがおおくて情けない。
必読といわれるもの、今橋映子『都市と郊外』(NTT出版)、E・ハワード『明日の田園都市』(鹿島出版会)、東秀紀『「明日の田園都市」への誘い』(彰国社)『田園都市の日本人』(講談社学術文庫)、陣内秀信『東京』(文春文庫)、藤原新也『東京漂流』(朝日文庫)、赤坂憲雄『排除の現象学』(ちくま学芸文庫)、服部圭郎『衰退を克服したアメリカの中小都市のまちづくり』(学芸出版社) -
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ネタバレ今ではすっかり日本社会の格差の拡大が当たり前ですが、六年前のちょうど小泉政権終了月に出版された”格差”本。意識調査の結果をもとに世代別、収入別など、それぞれの階層の人の意識がどう変わってきているかを論じている。そして新たな”下流志向”の階層が生まれていると指摘している。中流が上流と下流に分かれてしまっただけでなく、その二極化が固定される傾向がある。その理由の一つに、”下流志向”の下層があるという。キーワードは”自分らしさ”。自分らしく個性あることが重要で、いわゆる上を目指すことを目指さない。したがって下層ほど自分の能力を肯定している。生き方としては悪いとは言えない。足るを知るでしょうか。良し悪しは別として、その人達の消費行動は弱い。日本社会の消費構造もBOP構造に向かっているようです。少子化もあるしこれでは内需は拡大せず、輸出で価格競争しても経済成長なんて難しいでしょう。本書の指摘は非常に重要で、多くの人に影響を与えているようです。ですが、本書の大半はアンケート結果の表やその内容の記述が多く、多少面白みに欠けるかもしれない。本書で引用されている”ドラゴン桜”のセリフが印象的だった。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
下流社会、ファスト風土etc.数々のキーワードを生んだ消費社会研究家、マーケティング・アナリストの調査・分析・プレゼンの技法とは?
すぐに実践できる入門書。
[ 目次 ]
序 情報創造力がないと生き残れない!(「まねない力」で生き残れ!;どんどん仮説を出そう ほか)
第1章 情報創造はなぜ必要か?(パワポづくりで無駄な残業をしていませんか?;ちゃんと文章を書いて論理的に考えるべき ほか)
第2章 情報創造の方法(情報受信するには知識と好き嫌いが必要;いろいろなことを知っておこう ほか)
第3章 情報の収集と整理(脳を刺激する自由で楽しい仕事場づくり;デスクの配置 ほか)
第4章 情報創造の事例(仮説の立て方(1)オリジナルなデータをつくる
仮説の立て方(2)温故知新で考える ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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ネタバレ[ 内容 ]
T型フォードの発売からリーマン・ショックまで一〇〇年。
自動車の世紀だった二〇世紀が終わり、消費文化は大きな曲がり角を迎えている。
大流通グループ「セゾン」を牽引し、無印良品を生み出した堤と、地域の文化の衰退を憂慮する三浦が、消費の未来、日本の将来を語る。
「これがいい」ではなく、「これでいい」という「無印」の思想は、企業主導ではない個人主体の生き方を勧めるものである。
本当の消費者主権とは何か。
[ 目次 ]
1 アメリカ型大衆消費社会の終わり(自動車の世紀が一〇〇年で終わる 派遣切り メディアへの懸念)
2 戦後日本とアメリカ(アメリカ体験 地元への愛着 百貨店とファストフード)
3 無印ニッポン(無印良品は反体制商品 ユニクロと無印良品 セゾンと女性とフリーター 都市・建築・生活)
4 日本のこれから(何が失われたか シンプル族と最大公約数的な情報 日本の経営再考:地方再建のために)
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