【感想・ネタバレ】第四の消費 つながりを生み出す社会へのレビュー

あらすじ

高度成長、オイルショック、バブル、そして長引くデフレ……日本人の消費は発展段階に応じて変遷し、消費の単位も「家族」「個人」と変わっていった。次に消費が向かうのはどこか。消費社会マーケティングの第一人者が大胆に描く近未来予想。

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Posted by ブクログ

大正元年から終戦までを第一の消費、終戦からソニーがベータを出した’75までを第二の消費、そこからクロネコヤマトのサービスが始まるなどし冬のソナタが放映された’05までを第三の消費、大手企業が軒並み赤字に喘ぐ昨今までを第四の消費としている。

物質を尊んだ第一の消費、溢れかえった第二の消費、幸せの意味を探した第三の消費を経て、そして3・11を超えて我々はどこへ向かおうとしているのか。フランス語で消費とはconsommation(コンソマチオン)というそうで、それには不思議なことに「完成」「成就」といった「材料を使い尽くすことで料理が完成する」ような感覚を孕んでいるという。

これを見たとき、コンセプトの重要性を説いた”コンセプトのつくりかた”という本を思い出した。青臭く言えば、お仕着せでなく、あなたも私も幸せを感じる独自性のある消費を模索するあり方こそ第四の消費の正体ではないだろうか。

巻末には、セゾングループであの「無印良品」を立ち上げた辻井喬氏の特別インタビューが読めて凄くいい。飽くまで(自分たちの立場のために)お仕着せを通そうとし、考える力を否定する中央政権や報道のあり方をコテンパンにしてくれてホッとする。

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2012年11月22日

Posted by ブクログ

この本には危険な内容が書かれている。
資本主義経済が前提としていた消費行動を場合によっては否定することになる。

「個人志向から社会思考へ」
「利己主義から利他主義へ」
「私有主義からシェア志向へ」

そう、かつてヨーロッパを席巻した妖怪の復活を暗示させるのだ。
そしてそれが妄想と言い切れないところが恐ろしい。

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2012年11月08日

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消費傾向の変遷が非常に良くまとまっている良書。
近い将来の社会のあり方に対する示唆も記載あり、
「今まで」だけでなく「これから」を考えるのに参考になる。

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2012年10月28日

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第四の消費

共感する部分がとても多い。簡単に「モノよりコト」と言うが、なぜそういう消費志向になったかを歴史をたどって解析してくれている。
ただ、シェアは単にお金がないから所有できないだけでは?とも思う。
自分も車は持っていないが、お金があればシェアではなく、ぜひとも所有したい。

・団塊世代は第二の消費世代なので、もっと大きなものを界、私有することが幸せだという価値観が心に刷り込まれている。
・団塊世代と新人類世代は全く異なる特徴を持った世代だが、物質主義的な傾向が強いというところは共通している。
・第四の消費世代の健康志向は、人生全体を見なおさないと健康は得られないという思い
・新しいものをつくらなくても、古いものだけで消費者が十分満足する時代(大衆文化のストック化)
・現代の消費者(特に若者)は「複数の自分」を持ち、そのうちひとつを必ず「みんなと同じ自分」、つまり「同調する自分」として持っている。
同時に彼らは「人と違う自分」、つまり「差別化する自分」を持っている。「同調する自分」に訴求すればメガヒットが生まれ、
「差別化する自分」に訴求すればセールスは極小化する。逆に、「ひとつの自分」の時代のような中くらいのヒットが生まれにくくなる。
・欲求の基本的な源泉は不足である。食べ物が多様に大量に目の前に存在し、それを自由に選択できるにもかかわらず、
むしろそれだからこそ、かえって食べることが面倒になっている。
・モノを持っていることの満足ではなく、情報を知っていて、それを他と分かち合う利他主義的な満足(モノ<コト)。ある意味社会志向。
・転勤族の子どもが多い世代になると、生まれた地域、育った地域によって自分の性格が形成されたという意識が弱い。
いわば「故郷喪失」の世代。そういう世代はだいたい1960年代生まれから増えるが、彼らにとって共通の故郷はどこかといえば
「日本」ということになり、こうしたことが、若い世代に日本への愛を生み出す背景にあると思われる。
・2035年 20代1046万人 65-89歳3293万人 若者1人に対して高齢者3人
・我々は第二第三の消費社会において、あまりにもお金がなければ生きていけない社会を作ってしまった。
そのことへの反省が第四の消費社会の基調低音をなしていると言えるだろう。

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2018年12月09日

Posted by ブクログ

三浦展氏の最近の著書は失礼ながら当たりはずれがありますが、本書はよくまとまっていて、論旨も明快だと思います。「下流社会」並みのヒットになる予感も。

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2018年10月13日

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戦後からこれまでの時代の遍歴と、消費者の消費行動がどのように変化したか、俯瞰して学ぶにはかなりの良書だと思う。マーケティング初心者にも人口動態を用いて分かりやすく解説してくれてる。勉強になりました。

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2016年10月12日

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非常に読みやすい。これからのマーケティングの一助になるのでは。まぁ、本は3年前のものなので、すでに広がってる部分もあるけど。

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2015年10月29日

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メニムのような先がわからない物語を読んでいると不安になるので
このような歴史をたどった本を間に挟んで読むのがよかったです

作者は、パルコ系のアクロスに携わっていた方
自分は、アクロス…覚えてない(;^^)ゞ
宣伝会議は、チェックしてたんだけどな

最初の章で消費社会の流れを振り返りました
自分が生きた時代は、おーキタキタって感じ
作者の個人的な経緯が見え隠れするのも面白かったです

これからのキーワードは、大きさや豪華さじゃない
「人とのつながり」
これが、地方につながっていくかは分からないけど

自分も物を買うときは
ストーリーがほしくなってきているから
そういう流れになってきているんだな、と実感

山崎正和「やわらかい個人主義の誕生」
当時人に薦められて読んだ本
貸してもらったので手元に無いのが惜しいけど
現在を予言していたかと思うとすごい本だったんだな~

山崎亮 芸大の先生
京都造形芸術大学

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2015年02月26日

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尊敬する方から勧められた本。大正から現在(平成20年代)を30年ごとの区切って、それぞれの期間での消費の在り方を分析し、今後の消費の在り方(2005~2035)がどうなっていくのかを分析している本。内容は面白いが、文章が堅いので個人的には読み辛かったです…。本書に記述されている消費の、大きな流れを抽出すれば

■消費の大きな流れ
・占有⇒シェア
・大型⇒小型
・大量⇒少量
・低価格⇒ブランド・エコ・健康
・家族⇒個人⇒社会

となると思います。こう言うと傲慢に聞こえますが、大きな驚きを発見するというより、確認作業のような感覚で読み進めました。

驚いたのは、著者の洞察力と分析力。時代の流れに対する洞察は素晴らしく、かつ、その洞察を証明する論理的説明は素晴らしかったです。「なるほど」と本を読みながら何度も相槌を打ちました。

ただ、もしかするとこの本は私(20代)よりも上の世代に読んでもらった方がいいかも、と思いました。なぜなら、下の世代が上の世代の考えていることを理解するよりも、逆の方が難しいと思うからです。上の世代の発言や行動はメディアを通して多く見ることができるけど、下の世代の発言や行動は上の世代に往々にして届かないから。極端なもの以外。1961~1970生まれの子どもが「新人類世代」と名付けられているように、上の世代が下の世代がどう考えているかを知るのは、とても難しいことなのかなと、個人的に思います。

この本は下の世代は上の世代を、上の世代は下の世代の消費行動に関して理解する上で良い本だと思いますが、後者の方が力を発揮すると思いました。

社会学が好きな人は、特に楽しく読めるかもしれません:)

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2014年01月18日

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 近代から現在までの消費やその社会背景をざっとつかむ分には、とても分かりやすく良書だと思います。当時のコピーも分かりやすく具体例として使われていて、第一から第四の消費の時代に移行しているというのも、突いているなあ、と感じました。

 インタビューも面白いです。無印良品の社長さんへのインタビューや建築家のかたへのインタビューなど、新たな取り組みがいろいろとはじまりつつあることが分かります。

 ただ第四の消費の「つながり」という点はよかったと思うのですが、それがすぐに愛国とか地方への愛着、エコリズムにつながるという点はうなずけなくもないのですが、ちょっと根拠に欠けるかな、という感じがしました。

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2013年07月27日

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著者の消費、差別化、下流といったテーマの本の現在のところの集大成と思われる。消費活動の流れ、分類の仕方も良くわかり、共感できるところが多い。また、第4のシェアという考え方は、まさに時代とマッチしていると感じる。
本書の構成、後半部分には、対談が多い。これは本の性格上、不要なのではないかと思う。

消費、物を買うという行為は、マスコミによって作られてきた、と感じる。マイホーム、3種の神器を始めとして、ブランド志向へ。まさに家⇒個へ
・消費の影で、コピーライター杉山豊志の死は何を物語るのか?夢がないのに夢売れぬ。
・Have⇒Beへ
人と同じものを持つ⇒自分がどうありたいか
・分衆 金魂巻
まる金 まるビ
・高度消費社会で自分捜し make up
・これから、シンプル⇒日本⇒地方指向へ
・文明社会で、古いものが忘れ去られていく⇒死が無意味⇒人生は完成せず⇒生も無意味となる
(なくなってしまうから貴重なもの、若さ、健康etc)

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2013年06月22日

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”自分らしさ”形成の為の消費。
個性、志向、格差を超えて。

複数の自分を持つ消費者。
→同調する自分と、人とは違う自分。

浪費ではない、シェアによる共費

所有からシェアへ。 “繋がり”の重要性。 ⇒クラウド化

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2013年02月11日

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ネタバレ

第四の消費社会とは?
国民の意識の流れは、national(国家重視)→family(家族重視、家族と一体の会社重視)→indeividual(個人重視)→social(社会重視)。

第三消費社会から第四消費社会への変化の特徴。
1、個人志向から社会志向へ、利己主義から利他主義へ
2、私有主義からシェア志向へ
3、ブランド志向からシンプル・カジュアル志向へ
4、欧米志向、都会志向、自分らしさから日本志向、地方志向へ(集中から分散へ)
5、「物からサービスへ」の本格化、あるいは人の重視へ。

普段、身の回りから、自分自身の感覚として感じていることが、歴史も含めてわかりやすく書かれている。
モノを手に入れて充足感を得るのではなく、経験であるコトや誰かというヒトがより重視されていく。
つながり、という部分は実感を伴わないため、どのレベルなのかが想像できない。
その先の、第五の消費社会を考えながら生きていくことが重要な気がする。

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2013年01月02日

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日本の消費の形が、モノを所有する消費(高度成長期)から、モノを所有しない消費へとに変わった。Haveに価値があった時代からbeのための消費でもある。長年雑誌の編集に携わってきた筆者が見た、日本の消費の移り変わりを世代や当時の文化・経済とリンクさせながら記述する。教科書的な記述ともとれるが、読み物としてとても興味深い。小さい子には難しい本だが、社会科の勉強の教材としても役立つ。

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2012年12月15日

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本書は、長年消費と社会の関係を分析してきたという筆者が、昭和からの大衆消費のトレンド(第一~第三の消費)を振り返りながら、今後の消費(第四の消費)の展望を述べたもの。

<ポイント>
①第一の消費(1912~1941年)
 ○大都市に限定した「モダン」化(e.g. モボ(モダンボーイ)、モガ(モダンガール))
  ・大正の三大洋食:カレーライス、とんかつ、コロッケ
  ・カルピス発売(19年)、新宿三越(29年)、新宿伊勢丹(33年)

②第二の消費(1945~1974年)
 ○近代工業化の進展による家庭への大量製品の普及 (「大きいことはいいことだ」)
  ・三種の神器-昭和30年代:洗濯機、冷蔵庫、テレビ
           -昭和40年代:3C(カー、クーラー、カラーテレビ)
  ・鉄筋コンクリート造りの団地に住む洋風化したライフスタイル(昭和30年代~)

③第三の消費(1975~2004年)
 ○消費の個人化(家計から個計へ)
  ・軽薄短小がナウい(e.g. ウォークマン、パソコン、軽自動車)「家電から個電へ」
  ・物からサービスへ(e.g. 外食産業)
  ・量から質へ(e.g. ブランド志向、健康志向)

④第四の消費(2005年~2034年)
 ○社会とのつながりやシェアを大事に(社会重視、シェア志向、シンプル・カジュアル志向)
  ・情報社会と利他志向(e.g. Facebookへの書き込みと「いいね」への満足)
  ・エコ志向、日本志向、地方志向(e.g. すだれや打ち水など伝統的な生活、自然と親しむ暮らし)
   ※環境問題に関心がある人は、
    ①日本のことが好き(85.2%)、
    ②初詣に行く(65%程度)、
    ③来年以降も使えそうなデザインの、丈夫で長持ちしそうな、基本性能が良い物を買う(50%程度) 
   (カルチャースタディーズ研究所「現代最新女性調査」2010
     :首都圏20~39才の女性を対象)

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2012年12月05日

Posted by ブクログ

「ものを買えば幸せになれる時代」が終わり、「つながりに幸せを見出す(第四の消費)社会」へ変化している。

●第一の消費社会(1912~1941)
【社会背景】
日露戦争勝利後から日中戦争まで
東京・大阪などの大都市中流
中流の誕生

【人口】
人口増加

【出生率】


【高齢者率】
5%

【国民の価値観】
National
消費は私有主義だが、全体として国家重視


【消費の志向】
洋風化
大都市志向

【消費のテーマ】
文化的モダン

【消費の担い手】
山の手中流家庭
モボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)



●第二の消費社会(1945~1974)
【社会背景】
敗戦、復興、高度経済成長からオイルショックまで
大量生産、大量消費
全国的な一億総中流化

【人口】
人口増加

【出生率】
5⇒2

【高齢者率】
5%⇒6%

【国民の価値観】
Family
消費は私有主義だが、家・会社重視。

【消費の志向】
大量消費
大きいことはいいことだ
大都市志向
アメリカ志向

【消費のテーマ】
一家に一台
マイカー、マイホーム
三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)、3C(カラーテレビ、クーラー、自動車)

【消費の担い手】
核家族
専業主婦


●第三の消費社会(1975~2004)
【社会背景】
オイルショックから低成長、バブル金融破綻、小泉改革まで
格差の拡大

【人口】
人口微増

【出生率】
2⇒1.3~1.4

【高齢者率】
6%⇒20%

【国民の価値観】
Indivisual
私有主義かつ個人重視

【消費の志向】
個性化、多様化、差別化、ブランド志向、大都市志向、ヨーロッパ志向

【消費のテーマ】
量から質へ
一家に数台
一人一台
一人数台

【消費の担い手】
単身者
パラサイトシングル


●第四の消費社会(2005~2034)
【社会背景】
リーマンショック、2つの大震災、不況の長期化。
雇用の不安定化などによる所得減少
人口減少による消費市場の縮小

【人口】
人口減少

【出生率】
1.3~1.4

【高齢者率】
20%~30%

【国民の価値観】
Social
シェア志向
社会重視

【消費の志向】
ノンブランド志向
シンプル志向
カジュアル志向
日本志向
地方志向


【消費のテーマ】
つながり
数人一台
カーシェア
シェアハウス

【消費の担い手】
全世代のシングル化した個人


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三人の高齢者が一人の若者を支える

第四の消費社会への試み
1.ライフスタイル、ビジネス、まちづくりなど社会全体をシェア型に変えていく
2.人々が、プライベートなものを少しずつ開いていった結果、パブリックが形成されていくことを促進する。
3.地方独自の魅力を育て、若い世代が地方を楽しみ、地方で活動するようにする
4.金から人へ、経済原理への転換を図る

①地域社会圏モデル(建築家・山本理顕)
戦後日本の「持ち家政策」により、外側との関係が希薄に。所得の多くが住宅に吸い取られ、一方で家庭は内部から崩壊。
必ずしも家庭を前提としない、そこに住み人たちの相互関係を中心原理にする
経済成長のための道具と考えるのではなくて実際にそこに住む人たちの生活を最優先する

②都市型狩猟採集生活(アサダワタル)
なぜ家を借りたり買ったりしなければならないのか
⇒ホームレスの生活スタイルに注目
コミュニティの在り方のヒントがあるのではないか


③住み開き(アサダワタル)
シェアハウスからシェアタウンへ⇒自分を開き、家を開く


●人生の意味を求める消費
物、空間をつくっては壊してきた第二、第三の消費はまさに「浪費」
使いすぎる消費、使い捨てる消費は浪費
使った後に疲れきって余力がないのは消耗
第四の消費は、自分を完全なものにする、自分を回復させる、あるいは充実した時間を過ごすためのもの。適度な適切な消費。
時間や人生の消耗ではなく、時間と人生の充実⇒人生の成就
楽しさからつながる嬉しさへ


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つながりに価値を見出す・新しい公共の役割には実感を伴って共感できる。
プランナーマッチングの潮流が到来していることもこの時代を表しているのだろうか。
第2第3の社会で作り上げられた郊外住宅地は今後どうあるべきか、このままではどうなるか、考えなければならない、先送りに出来ない問題だ。
自分はこれからの社会でどんな役割を果たしていきたいのだろう。

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2012年10月17日

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力作。データ集としても参考になる。
消費から世の中のながれを掴んでいる。分析素晴らしい。切り口良い。
日本の将来を悲観することも無いと思えた。

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2012年10月08日

Posted by ブクログ

新書にありがちな時代の一部を分かりやすく切り取るだけの内容ではなく、消費論と言える密度があった。

この方の本は「ファスト風土化する社会」の印象が強く、また「これからのシェアの話をしよう」(未読)という本を出したのを見て、「あー時代に乗るだけの本を書いてしまったのか」と誤解してしまっていた。とても恥ずかしい。

戦後の消費が、都市部を中心とした消費、家族で大量生産品を手に入れていく消費、個人化していく消費、そしてシェアによる消費、と変わってきた、特にシェアの話は色々な所で語られ始めてきている。
しかしこの本は、それぞれの時代背景の綿密な考証とともに消費の変化が語られるので、とても説得力があり、わかりやすい。

「ユニクロは所有することによろこびがある商品ではなく、自慢もできない。それは物を所有することにはさして関心がないという表明。ユニクロは物というよりサービスであると考えた方が適切」といった指摘が、個人的にはとても分かりやすかった。

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2012年09月16日

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1912年頃からの一般消費者の消費傾向を第一から第四の消費まで分類し、それぞれの特徴を論じた一冊。
人間は社会環境の大きく、左右される生き物であることを深く認識いたしました。。。。

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2012年09月10日

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現代の消費社会の特徴。個人志向ではなく社会志向(利己から利他)。私有ではなく共有(シェア)。ブランドではなくシンプル・カジュアル。欧米ではなく日本。都会志向ではなく地方。モノからサービス。『第四の消費』★3

地方都市。イオン、ユニクロ、洋服の青山、マクドナルド、トイザらス。均質的な風景。消費と娯楽のパラダイス。『ファスト風土化する社会』★3

*****
『下流社会』★3

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2024年05月19日

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産業革命後の消費社会が第四の段階に入ったというのが本書のテーマ。

・ニーズからウォンツへ
 当時、西武百貨店の取締役店長であり、87年のロフト開業の陣頭指揮を執った水野誠一は、著書『ロフト・グラフィティ―「ほしいもの探し」の時代』でこう書いている。
 『顧客が成熟してきている』という言葉をしばしば聞くようになった。だが、実感として、『顧客の成熟化』とは何をさしていうのか、本当にわかっている人は少ない。として、「『衣・食・住』足りて、ひと息いれようとしたところで起こったオイルショックは、ある意味で単純な『所有の時代』の終焉の引き金になる事件」だったと指摘し、「『マズローの五段階欲求』ではないが、人は所有段階が満たされると、次の段階へと進む。それはまた、単なる所有そのものに固執する虚しさからの逃避でもある」

・現代の消費者(特に若者)は「複数の自分」を持ち、そのうちのひとつをを必ず「みんなと同じ自分」、つまり「同調する自分」として持っている。同時に彼らは「人とは違う自分」、つまり「差別化する自分」を持っている。「同調する自分」に訴求すればメガヒットが生まれ、「差別化する自分」に訴求すればセールスは極小化する。逆に、「ひとつの自分」の時代のような中くらいのヒットが生まれにくくなるのである。

・欲求の基本的な源泉は不足である。人は足りないものは欲しいと感じる。あり余っているものはあまり欲しいと感じない。

・第一の消費社会から第四の消費社会までの国民の意識の大きな流れを概観すると、「national(国家重視)→family(家族重視、家族と一体の会社重視)→individual(個人重視)→social(社会重視)」という大きな変化があったと言える。

・第三の消費社会から第四の消費社会への変化の特徴は以下の五点である。
 1 個人志向から社会志向へ、利己主義から利他主義へ
 2 私有主義からシェア思考へ
 3 ブランド志向からシンプル・カジュアル志向へ
 4 欧米志向、都会志向、自分らしさから日本志向、地方志向へ(集中から分散へ)
 5 「物からサービスへ」の本格化、あるいは人の重視へ

・資本主義化、消費社会化、私生活主義化、個人化などが進みすぎると、人は人同士のつながりを意識しにくくなる。社会の中にいるのに、つながりを感じられないという奇妙な矛盾が生じたのである。その矛盾を解消する方向に第四の消費社会は動こうとしているのである。

・では何が幸せかというと、それがいわゆる「つながり」であろう。コミュニケーション、コミュニティと言ってもよい。単に物を買って、人に自慢したいという消費ではなく、物を買うことで人とのコミュニケーションが促進される、コミュニティが生まれる、そういう消費をしたいという心理が拡大してきたのである。

・セゾン文化財団理事長 辻井喬氏の言葉
 街を歩くことですね。どこでもいいんですけど、マツモトキヨシでもよければ、ユニクロさんでもいい。そういうところにぶらーっと行ってね、いろんな人たちの会話を聞くと、一番ヒントになる。これは間違いない。電車の中のおしゃべりでも、もちろん結構。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

『下流社会』で三浦展が、戦前から現在までを分けて、現在は第4の消費時代と分析する一冊。

戦前からの分析を丹念にしており、その部分は勉強になった。

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2018年03月11日

Posted by ブクログ

この本を読むと、日本人がその時代背景の中で心を満たそうと消費してきた姿がイメージできる。そうした中、”繫がる”という言葉が”現代”を表すキーワードというのは同感できる。繫がりを生み出す社会へ向かうのが、第四の消費ということである。(ライフサイクルでいえば成熟期から衰退期へ向かうイメージか?)残念なのは、語られていることが日本人に限定していると同時に、政治的な動向を排除していること。”繋がる”というキーワードを生かし、今後の日本を考えるのであれば、グローバルな視点、政治的な方向性からも考察を加えて頂けると、”うれしい”。

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2014年05月24日

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「シェアをデザインする」で紹介されていて知った、この本の大きなコンセプトはとても興味深い。4つの時代区分で人々の暮らし、消費のあり方、そして働き方も変わっていっている様子がとても分かりやすく説明されていた。

でもこの本自体はちょっと文体がかたいからか、読むのがちょっと大変。

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2014年04月18日

Posted by ブクログ

それほど目新しい議論でもないが、まとまっていて面白い。
読み物としてさらっと読めて、今後の消費社会について考える材料になる。

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2013年04月05日

Posted by ブクログ

 記者時代、街が過疎化する要因で「若者が魅力に感じる店がない」がよく上がった。「それが理由なわけがない」と地方で生まれて東京でも暮らして、再び地方に戻ってきて思う。ここでいう「若者が魅力に感じる店」は大きなファッションビルやスタバで、そのようなものを必要とする「欲望の満足は、それがまだ成就されていないあいだにだけ成立し、完全に成就された瞬間に消滅するという、きわめて皮肉な構造によって人間を翻弄する」だけだ。
 著者は消費とは何かという問いに、劇作家・山崎正和氏の言説を引用する。いわく「消費とはものの消耗と再生をその仮りの目的としながら、じつは充実した時間の消耗こそを真の目的とする行動だ」
 タイトルの「第四の消費」はまさにこの消費そのものの行動として紹介されている。第三の消費までの「私有志向」から、つながりから充足感を得る「シェア志向」への変遷を歴史的な経過と消費行動の変化を例示しながらわかりやすく示している。後半の地方への回帰に関する論拠は情緒に偏った論説が目立ち、あまり興味はそそがれなかった。だが、歴史を踏まえて、現在の消費動向を考える上では良書だと思う。

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2013年02月17日

Posted by ブクログ

東京オリンピックのテレビ放送の第一声「日本中の青空を集めたような快晴です。」というのが、とてもかっこいい。
Found MUJIには一回行ってみたいです。

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2013年01月27日

Posted by ブクログ

無印良品の好意度が高いほど、環境問題への感心が高く、日本文化への好感度が高いというオモシロい調査結果を見ました。巻末インタビューが辻井喬さんで無印良品の起こりが語られていて興味深いです。無印良品という言葉は田中一光さんによるものだそうです。

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2012年09月10日

Posted by ブクログ

消費をよくもここまで、分かりやすく、時間軸を系統立てて、考えて、記述していることに感動。とても面白い。

メルカリ売却

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2021年11月23日

Posted by ブクログ

21世紀、物を買えば幸せになれる時代から、つながり・情報交換・シェア志向へ。

モノが世帯に行き渡り、個人に行き渡り、その次、ですか。

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2012年10月21日

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