あらすじ
「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ(「はじめに」より)。豊富なデータを元に書き上げた、階層問題における初の消費社会論。【光文社新書】
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Posted by ブクログ
1958年生まれ、三浦展(あつし)さんの「下流社会」-新たな階層集団の出現ー(2005.9)を読みました。わかりやすくて、とても勉強になりました。「下流」とは、単に所得が低いということではなくて、コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり、総じて人生への意欲が低いことをいうのだそうです。若年層で下流化が進行してるそうです。「下流の男性」はひきこもり、「下流の女性」は歌って踊るとか。確かに、パチンコ屋の前に座り込む男性の前をOLが颯爽と歩いて行く風景、よく目にします。う~~~む!
Posted by ブクログ
本書刊行より20年が経ち、日本並びに世界はますます格差を広げている。学問で立身出世できた時代とは多少異なり、親の階級の影響により、希望を抱きにくくなっている傾向にあるらしい。私の意見としても、教育の格差だけはあってはならぬと思う。無論資本主義社会の前提として、格差を作ることは免れない。されど、親の格差を子に引き継がぬためにも、教育格差の是正は大切だと考える。本書によると、中流階級が、少しの上流と多くの下流に分化しているらしい。ともあれ、立身出世する機会の一つくらいあってはどうか?
Posted by ブクログ
Twitterでおすすめされていて読んでみた。社会的な難しい本なのかと思いきや、消費行動、結婚、教育など興味のあるテーマで語られていて読みやすかった。上流目指して頑張りたい。
Posted by ブクログ
タイトルとは裏腹に、所得の高低による下流という分類ではなく、人そのものが抱えるマインド面でのデータから下流をカテゴライズしている点が面白いですね。
Posted by ブクログ
大変興味深い視点である。
一部書評等では、統計ベースに論じている割に標本が少なかったり偏っている等の批判もある様だが、知見として納得出来ることが多く、現実の問題を正確に捉えているのだろうと思う。
高度成長期とは状況が違うとは言え、一人一人が夢や向上心、もしくは野心を持たなくなったら、将来日本はどうなっていくのだろうか?
豊かさ故の問題、どうすれば解決するのか?
Posted by ブクログ
都市計画に興味のある友人に薦められて読みました。
2005年に書かれた新書なので情報は古いが良著です。
今、私レベルでもようやく危機感を覚えてきた郊外化の問題に関して分かりやすくまとめてあります。
新しくできる広い道路沿いにショッピングモール・ファストフード店、という光景がどの地域でも広がってきている。
「便利で早くて安い」
それのどこが悪いと思ってたくさんのものを消費してきたが、その「悪さ」をきちんと説明されてみると、それは確かに悪い。
安いということは、どこかで損をしている人がいるということだ。
安い賃金で働いている人がいるということ、安い価格で買い叩かれている商品があるということを考えなければならない。
さらにそれが便利で早いということは、無理させられている人がいるということだ。
そうしてワーキングプアが生まれる。
また同じ形のものが大量にならぶ風景の中で、「ひとつくらい・・」という考え方が生まれる。
同じように、自分自身もOneOfThemになる。
大量にあるのだから一つくらい盗んだって大丈夫だし、
いくらでも代わりはいるのだから私がいなくなったって誰も困らない。
自己崩壊に知らず知らず加担していたんだなあと、いまさら後悔した。
10年もたって状況は刻一刻変わっているけど、大きく変わってはいない構造だと思う。
Posted by ブクログ
日本は従来、社会階層的に中の上の「上流」、中の中の「中流」、中の下の「下流」のうち中流が多い社会であった。しかし今、中流は少数の上流と多数の下流に分離しつつある。更に、どの階層に属するかは親の階層や居住地域、コミュ力等々に左右される。それゆえ、社会階層の固定化が進んでいる。
ということを一冊かけて示している本。
提言もついてるけど、このことをデータを元に示すことにほとんどの部分を割いている。
Posted by ブクログ
男性と女性を5タイプに分類して、上流と下流に分類する。様々な統計を用いて解説をおこなっているため、信憑性は高い部分もあるが、著者の極端なカテゴリ分けと思える部分もあるので、読み分けが必要。
社会においてどのような人間で構成されているのか、極端な面は否めないが、非常に分かりやすく語られている。
初版が2005年であることは、念頭に置いておくべき。
Posted by ブクログ
今ではすっかり日本社会の格差の拡大が当たり前ですが、六年前のちょうど小泉政権終了月に出版された”格差”本。意識調査の結果をもとに世代別、収入別など、それぞれの階層の人の意識がどう変わってきているかを論じている。そして新たな”下流志向”の階層が生まれていると指摘している。中流が上流と下流に分かれてしまっただけでなく、その二極化が固定される傾向がある。その理由の一つに、”下流志向”の下層があるという。キーワードは”自分らしさ”。自分らしく個性あることが重要で、いわゆる上を目指すことを目指さない。したがって下層ほど自分の能力を肯定している。生き方としては悪いとは言えない。足るを知るでしょうか。良し悪しは別として、その人達の消費行動は弱い。日本社会の消費構造もBOP構造に向かっているようです。少子化もあるしこれでは内需は拡大せず、輸出で価格競争しても経済成長なんて難しいでしょう。本書の指摘は非常に重要で、多くの人に影響を与えているようです。ですが、本書の大半はアンケート結果の表やその内容の記述が多く、多少面白みに欠けるかもしれない。本書で引用されている”ドラゴン桜”のセリフが印象的だった。
Posted by ブクログ
5年後にはこの本で言われていることが統計的に優位といわれるほど傾向がはっきりしてくるのだろうか、という目で読むと面白いかもしれない。
もし著者がもっと社会調査に精通していたらどんな結果が出ていたのだろうかと思うと楽しいかもしれない。
「おわりに」と「あとがき」は読むべき。
ただ素人目で見ても怪しい調査結果だとやっぱり思う。個人的には好きだけど。
(2008年10月29日追記)
「はじめに」の7ページにこういう記述がある。
『階層意識は単に所得や資産だけでなく、学歴、職業などによって規定される。しかも自分だけでなく親の所得・資産、学歴、職業なども反映した意識である。しかも興味深いことに、階層意識は、その人の性格、価値観、趣味、幸福感、家族像などとも深く関係していることが調査結果から明らかになっている。』
とあるように、単純な格差と捉えずに、その人の性格・価値観といったことと結びつけたところが面白い。こういう理由で格差が生まれるとなると、単純な格差問題では片付けられないと思うから。
例えば、上流は旅行好き・外交的であり、下流は地味で目立たない、パソコンを良く使う、自分らしさを求めるのは下流だそうである。
Posted by ブクログ
Twitterで見かけて読んでみたが、過去の著書からの引用(過去の研究を読んでいればわかるだろうが、独特の表現が多い)が多く、理解が進まない。でも、なんとなく言いたいことはわかったので、あまり深入りせず、アウトラインをざっくり読めば良書。
p.180 こうしたことから、私は団塊ジュニアの「下」のキーワードを「3つのP」と表現する。すなわち、パソコン.ページャー(pager)=携帯電話、プレイステーション=テレビゲーム以上、3つが団塊ジュニアの特に下における3種の神器であろう。ついでにワルノリして言えば、ペットボトル、ポテトチップスも加えて、5Pでも良い。パソコンの前に座って、ペットボトルの意味を飲み、ポテトチップスを食べながら、インターネットをしたり、ゲームをしたり、携帯でメールを打ったりしていると言う姿が浮かび上がってくるのだ。
p.204 また、教育社会学者で、東大助教授の本田由紀は、若者のライフスキル(生活上の技術)を分析する中で、「自分の意見を人に説明する」「よく知らない人と自然に会話する」と言うコミニケーションスキルが、学歴が高まるほど高まると述べている。
p.212 一定のコミュニケーション能力を身に付けた女性は、仕事でも恋愛、結婚でも自分の願いを成就する可能性が高いと言うことになる。自分を売り込む能力の高い女性は(もちろん、男性も)、就職でも恋愛でも勝利するのである。
昔のように、黙ってしおらしくしていれば、男性が声をかけてきた時代では無いからである。おとなしく、お茶くみコピー取りをしていると、勝手に上司が結婚相手を探してきてくれる時代でもないからである。自分の相手は、自分で見つけて、自分で声をかけなければならない。恋愛も自己決定、自己責任の時代なのだ。ぐーたらしていちゃ恋もできないのである。
このように、女性においては、従来的な女性らしい性格を持っていると、同時に、仕事ができて、リーダー的な新しい性格も両方あわせ持つ人が、最も上流意識を持つのであり、反対に、両方ともあまり持たない人が下流意識を持つのだということができる。これはまさに現代女性の格差の大きさを示しているのではないだろうか。
p.215 こうして、後に詳述するように、コミニケーション能力の高い男女ほど結婚しやすく、仕事もでき、消費も楽しむ一方で、コミニケーション能力の低い男女ほど結婚しにくく、ひとりでいることを好み、仕事にも、消費にも意欲がないと言う分断が生じる。つまり、男性であれ、女性であれ、コミュニケーション能力と言う性格によって、上流と下流に分かれていくのだ。そして言うまでもなく、上流の男性は、上流の女性と、下流の男性は、下流の女性と結びつきやすいのである。
p.256 おそらく地元の高校卒業して高卒に終わる階層の若者は、大学進学をする者や、中学高校から都立の私立に通うものに比べると、はるかに地元に密着した生活をすることになる。そうなれば、付き合う人間も固定化していくだろう。結婚しても親の家の近くに住むだろう。何年かすれば、親の家の周りに兄弟姉妹が何世帯家家を持って、孫もいると言うことになる。住む場所が固定化し、付き合う人間も固定化しているとすれば、それはマクルーハンのいうグローバルビレッジの時代と言うよりは、昔ながらの村に逆戻りではないか。しかも、先に見たように、団塊ジュニアの下流ほど、携帯やインターネットと言う手軽な自己愛的おもちゃに依存している。そしていつも同じ仲間とだけあっている若者は、狭いムラ、社会に住んでいた昔の農民とさして変わらない、いわば「新しい農民」なのではないかとすら思えるのだ。村や農民が悪いと言うわけではないが、そこに固定されたり、その状態に自足してしまったりするとすれば、問題であろう。
p.260 確かに、インターネットは、遠く離れた地域と瞬時にコミュニケーションが取れ、広い世界を縮小したという意味で「世界の縮小」をもたらした。しかし同時に、インターネットは、人間が実際に出会う他社の一生もしかすると、減らす危険もあり、実際に歩きまわる行動、半径と言う意味でのリアルな世界を縮小させる面があることも否定できない。つまり、もともと狭い日常の世界が、さらに縮小する危険もあるのだ。簡単に言えば、井の中の蛙を増やすのだ。インターネットと言う世界の窓(ウィンドウズ!)は、使いようによっては「バカの壁」となる。それに気づかず、広い世界が狭くなったと信じ込んでいるのは、馬鹿だというのが、養老半紙が言いたかったことだろう。自分と同じような人間とだけ付き合って、俺たちは皆、平等だ、主流だと思っていても、いつか知らぬ間に同じ世代の中ですら拡大している拡散に気がつかないと言う危険だってあるのだ。アメリカの郊外消費文化を鋭く批評した映画会「トゥルーマンショー」で、主人公のトュルーマンの乗った小舟が最後はぶつかるし、シーヘブンの壁もまさに「バカの壁」だ。人工的な快適な環境の中で、生きている人間は、自分たちの世界に壁があり、壁の向こうに本当の世界があることに気がつかないし、気がつく音もしないのだ。黒澤明の映画「天国の地獄」のように、下町の川べりの街から、丘の上の大邸宅を仰ぎ見て、社会の矛盾を感じ、社会を変える、そんな機会も若いときには必要だろう。ベルリンの壁は一夜にして築かれた。しかし気づかれれば、その存在に誰もが気づき、それを取り払おうとする。しかし「バカの壁」は、知らぬ間に築かれる。そして、築かれても、その存在に誰も気づかず、壁の中の快適さに耽溺(たんでき)する危険がある。「バカの壁」はまた「下流の壁」でもあるのかもしれないのだ。
p.270 また、学費が高いと、大学進学を機に、親元を離れて、一人暮らしをしにくくなる。結果、パラサイトが増えて、若者の精神的、経済的自立が遅れる。学費無料化は、若者の自立を促すのだ。
Posted by ブクログ
Twitterで話題になってたので読んでみた。
作者のたまに見せる毒舌が、こんなこと言って大丈夫か?と思う反面、好感的だった。
この本は、データに基づいて客観的に下流と上流の違いが見えて興味深かった。
今までは"自分らしさ"はなくてはならないものだと漠然と考えていたけれど、逆に上流の人は自分らしさを求めている人はそんなにおらず、下流の人に目立って多いという事実に驚愕した。
また、コミュニケーション能力が上流になる最大のポイントであることも興味深かった。
上流になる傾向として、親も上流であることが挙げられていてとても納得したと同時に、私立に通わせてくれた親に感謝しなくては、と考えさせられた。
しかし筆者も言ってた通り、親の影響で将来が決まる不平をなくすべきだと強く思った。
東大学費無料化は名案だと思う。
社会人になるにあたって、向上心を忘れずに上流でいたいと思わせてくれる一冊だった。
Posted by ブクログ
もう16年も前の本になったのか...この頃のことを思い出しながら読むと「なるほど」ということも多く、今でもあまり変わらないことも、逆にもう今では全然状況が違うこともあって評価し難い。ただ、家族の在り方や人の働き方は多様化してきたけど、求める幸福の形があまり多様化していない、というのはそのとおりだと思った。
Posted by ブクログ
中の下ぐらいの人々を「下流」として扱い、格差の広がる日本社会を分析。
第1章 「中流化」から「下流化」へ
第2章 階層化による消費者の分裂
第3章 団塊ジュニアの「下流化」は進む!
第4章 年収300万円では結婚できない!?
第5章 自分らしさを求めるのは「下流」である?
第6章 「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る
第7章 「下流」の性格、食生活、教育観
第8章 階層による居住地の固定化が起きている?
著者はマーケティング・アナリストという職業らしく、この本も多くが消費者をどのように切り分けるか、という視点が多い。
下流に属する人、下流に属する人がどのような価値観を持ち消費行動を取るのか、という分析が目に付く。それは問題の本質とはあまり関係がない様にも思える。
しかし提示されているデータはかなり豊富である。2005年が初版の発行であるが、現在見渡してもこの下流化の流れはまったく衰えを見せていない。
むしろ、金融危機からの企業のリストラなどによって加速していくという感覚もある。
Posted by ブクログ
2005年の著書ということで、リーマンショック以降、2極化傾向はさらに強まっているものと思われ、いまさら読んでも古いかなと思いつつ、BOOKOFFで50円で売られていたので、思わず買ってしまった。
階層の固定化についても触れられているが、「上」「下」を分ける大きな要素として、コミュニケーションを挙げているのが、今時らしい分析である。
期待しないで読んだせいか、想像以上に面白かった。特にコラム。宮台真司の結婚についてのゴシップ調のコメントにセンスが感じられた。最近の著書もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
10年前、日本社会における貧富の差が明確になり始めたころ、評判になった本。
東京帰りの空港で読んだ。
一億総中流だった日本の社会が階層分化して、圧倒的多数を占めていた「中の中」グループのうち、上昇意欲の強い一部のグループは中の上に移行するが、それ以外の大部分は「中の下」あるいはそれ以下に転落しつつあるのが日本の社会である、といったようなことを述べた本。
なかなかおもしろい。
とくにアンケート結果のデータ分析の仕方は参考になる。
こういうアンケート結果の報告書に書いてある解説は、「何々が何%で一番高い」というような、結果の数字をそのまま文章にしただけのものが多いのだが、ここでは、これから読み取れる可能性は?としていくつもあげ、それを比較検討して、著者の推論を述べている。こういうのはなかなかお目にかかれない。
もっとも途中からは面倒くさくなって、データは見ないで結論しか読んでないが。
この手の本、そんなに一生懸命読むほどのものでもない。
ただ、最初の「下流度チェック」は興味深い。
次の文章で、半分以上当てはまるものがあれば、あなたはかなり「下流的」である。
01 年収が年齢の10倍未満だ
02 その日その日を気楽に生きたいと思う
03 自分らしく生きるのがよいと思う
04 好きなことだけして生きていきたい
05 面倒くさがり、だらしない、出不精
06 一人でいるのが好きだ
07 地味で目立たない性格だ
08 ファッションは自分流である
09 食べることが面倒くさいと思うことがある
10 お菓子やファーストフードをよく食べる
11 一日中家でテレビゲームやインターネットをして過ごすことが良くある
12 未婚である(男性で33歳以上、女性で30歳以上)
(p3-4)
さて、どうだろう。
私の場合、客観的に考えた場合、現状であてはまるのは、2つぐらい。
だが、願望や、そうあるのが本来のすがただと考えるものを選ぶと、8個ぐらいになる。
これはどういうことか。
隠れ「下流」?
ほったらかすと「下流」になってしまう人間?
おそらくそうだろう。
それでも別にかまわないような気がするが。
←そう考えるのが下流のシルシだ!
べつにいいじゃんか。
←そう考えるのが下流のシルシだ!
余計なお世話だよ。
←そう考えるのが
ああうるさ。もう寝よ。
Posted by ブクログ
マーケティングデータを使った解説であまり厳密性はないが、いつ頃から階層構造の変化が起こっているかが分かって面白い。昔の下流階層は消滅し、中流からおちこぼれて生じた新しい下流階層が発生して来た。
Posted by ブクログ
著者が10年以上前に指摘したように上流と下流の2極化が正に進んでいる。昔は中間層に向けた商品を開発していれば良かったが、今は多様な趣向に企業は答える必要があると感じた一冊だった。また、上流になるのに求められる能力はコミュニケーション能力という主張もその通りだと感じた。
Posted by ブクログ
「一億総中流」などと云われていた日本。その中流以上のが消費者として大半をしめていたが、本作はそんな日本人のお金の使い方、稼ぎ方、嗜好品などの変化から詳しく文政sあれているのが面白い。
中流と云われる層が少なくなり、上流と新たに発生してくる「下流」だけになっていく。単にお金があるかないかではなく、人の生き方そのものが二極化していくようだ。
Posted by ブクログ
さまざまなデータを示しながら、中流社会が崩壊し階層分化が進行していることを示した本です。
「下流」に属する人びとの、生活や家庭、教育、趣味にまで著者の調査は及んでおり、「下流」の生活の実態に迫る、ルポ的な性格を持つ本になっています。
問題の解決策を示すことよりも、「下流」の生活実態を広く知ってもらうことに著者の眼目はあるように思います。
Posted by ブクログ
これからの日本のために「シェア」の話をしようを読んだあと読みなおした。発売当時は、センセーショナルな表題で、テレビメディアとかにいじられてたけど、それは本質じゃなくて、こっから、シェアに流れるって見えてきたんだなーとわかっておもしろかった。
Posted by ブクログ
以前、一度読んだ。
「下流」は年収だけではなく、本人の意識というのが面白いと思う。
アンケートの分析が多く、筆者はどういう社会を望んでいるのか、それを実現するにはどういう方法があるのか、という提示が少ない。
でも、「上流」に必要なスキルは「コミュニケーション」とあり、そこは納得した。
Posted by ブクログ
今、時代の流れが変わっているのでこの下流社会に当てはまらない世の中になってきている。
著者としては今はこの流れを、古市憲寿さんが引き継いでいる感じ。
Posted by ブクログ
一億総中流の時代が、今や上流と下流に二極化し、さらにはそれが固定化されようとしていると筆者は言う。
個性や自分らしさに甘んじている自分を少し発見できました。
Posted by ブクログ
タイトルからだとちょっと刺激的な感じもするけど、読んでみると今の人口問題とか格差の問題が実際に集計されたデータに基づいて丹念に紹介されている極めてわかりやすい一冊。とはいえ数値データを文章で噛み砕いていくって必要以上に辛い作業でしょうね。読んでいる方もだいぶ疲れましたが、要旨はタイトルとかでまとめてくださっているので理解には支障ありませんでした。
Posted by ブクログ
マーケティングアナリストの方の本。たくさんの資料からの考察。階層化社会。下流な人たち。上だと思えば上流になれる。ちゃんとしよう意識と規範が大事だね。
Posted by ブクログ
「下流社会」とは具体的にどんな社会で、若い世代の価値観、生活、消費は今どう変わりつつあるのか。マーケティング・アナリストである著者が豊富なデータを元に書き上げた、階層問題における初の消費社会論。
Posted by ブクログ
格差社会の危惧を綴った本。
当時読んだ時は、にわかに格差が広まりつつあった。
だがあまり緊張感を持たずに読んでいたので、内容はおおよそ理解出来ても焦らなかった。
そして五年後の今はその格差社会が当時より広がっている事実に気付き驚く。
文章や言葉の使い方などは、少し読みにくい印象を受けたが内容はそんなに薄っぺらくはない。
知識や視野を広く持ちたいと思った。
Posted by ブクログ
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全編にわたって表やら数字で内容を説明しているが、何だか全然頭に入らない。
数字によって、より真実に近づこうとしているのは分かるが、逆に遠ざかっている感じがする。
中ほどで、ようやくこの本の言いたいことがこれなのかなと。
コミュニケーションの能力の格差によって・・どちらの階層に所属するのかが決まる。
お宅、引きこもりは負組みなのだと。
で、最後のあとがきに、階層の高い人ほどハードに働き、低い人はあまり働かない。
昔と違い現代はそもそもの職がない状況がある。
そこで、ハードに働く人はなぜ働くの?という疑問が生まれる。
下流のひとたちほど怠惰に気楽に働こうとする。
下層のひとたりは自分らしさを大事にするともありました。
あくまで所得の格差でのくくりなので、幸福度とはちょっと視点が違うかな。