あらすじ
「下流」とは、単に所得が低いということではない。コミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲、つまり総じて人生への意欲が低いのである。その結果として所得が上がらず、未婚のままである確率も高い。そして彼らの中には、だらだら歩き、だらだら生きている者も少なくない。その方が楽だからだ(「はじめに」より)。豊富なデータを元に書き上げた、階層問題における初の消費社会論。【光文社新書】
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Posted by ブクログ
今ではすっかり日本社会の格差の拡大が当たり前ですが、六年前のちょうど小泉政権終了月に出版された”格差”本。意識調査の結果をもとに世代別、収入別など、それぞれの階層の人の意識がどう変わってきているかを論じている。そして新たな”下流志向”の階層が生まれていると指摘している。中流が上流と下流に分かれてしまっただけでなく、その二極化が固定される傾向がある。その理由の一つに、”下流志向”の下層があるという。キーワードは”自分らしさ”。自分らしく個性あることが重要で、いわゆる上を目指すことを目指さない。したがって下層ほど自分の能力を肯定している。生き方としては悪いとは言えない。足るを知るでしょうか。良し悪しは別として、その人達の消費行動は弱い。日本社会の消費構造もBOP構造に向かっているようです。少子化もあるしこれでは内需は拡大せず、輸出で価格競争しても経済成長なんて難しいでしょう。本書の指摘は非常に重要で、多くの人に影響を与えているようです。ですが、本書の大半はアンケート結果の表やその内容の記述が多く、多少面白みに欠けるかもしれない。本書で引用されている”ドラゴン桜”のセリフが印象的だった。
Posted by ブクログ
「一億総中流」などと云われていた日本。その中流以上のが消費者として大半をしめていたが、本作はそんな日本人のお金の使い方、稼ぎ方、嗜好品などの変化から詳しく文政sあれているのが面白い。
中流と云われる層が少なくなり、上流と新たに発生してくる「下流」だけになっていく。単にお金があるかないかではなく、人の生き方そのものが二極化していくようだ。