三浦展のレビュー一覧
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前著『下流社会』に続く第二弾!
前作ではデータの取り方、母数に問題があったため批判も多かったがインパクトを大きかった。
本作では上流、中流、下流の意識について、男女別、職業別(経営者、管理職、正社員、派遣、フリーター、ニート)、年齢別、結婚の有無、暮らし(一人暮らし、親元など)について母数を大きくとり、そこから何がいえるかなどを考察
面白いと思った結果は
『年収が半分になると既婚率が半分になる』
またよく読む雑誌によってそれぞれの上流、中流、下流の分布が出ている。
よく、不況が非正社員を多数生み出したとちょっと前に言われていたが、そうでもないらしい。中には非正社員である -
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すげータイトルだが、なし崩しに男というステイタスを「降りる」ケースがある、みたいな雰囲気は出てるか。膨大なデータを出し、そこからあれこれ、というパターンは前と同じだが、因果関係が逆かもしれないじゃん、みたいな突っ込みどころが多々あるのも同じ(^^;)。稼げない独身女性は対人関係に難ありと自認、みたいなのも、対人関係に難があるから稼げないのか、稼げない(非正規で働く)という現象について対人関係がだめだからという理由付けをしているのかは実際にはわからないわけだ。データ的に右傾化状況とか述べているが、プーのカテゴリに入る人が全部ウヨとかそういう風にある種本質的に読めてしまうところが、この人の本がウケ
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古くは戦前から、そして高度経済成長期に開発分譲された東京郊外の住宅地の成り立ちを紐解いた一冊。
まずは古本屋から手に入れたという不動産たチラシの強烈なこと。今の感覚では見るからに怪しい。昔はこんなので釣られたのですね。
本書では数多くの住宅地が紹介されている。馴染みのある地区のも多くて興味深く読めた。個別の住宅地については調査の限界からか食い足りないものも多い。
作者があとがきの中で述べている、'以前は生活や個人の経済的事情に合わせて、家の増築改築を繰り返していたが、昭和50年代くらいからは最初から容積率一杯の2階家を買うようになった。それは家に合わせて人が住む事を意味し、個性 -
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Twitterで見かけて読んでみたが、過去の著書からの引用(過去の研究を読んでいればわかるだろうが、独特の表現が多い)が多く、理解が進まない。でも、なんとなく言いたいことはわかったので、あまり深入りせず、アウトラインをざっくり読めば良書。
p.180 こうしたことから、私は団塊ジュニアの「下」のキーワードを「3つのP」と表現する。すなわち、パソコン.ページャー(pager)=携帯電話、プレイステーション=テレビゲーム以上、3つが団塊ジュニアの特に下における3種の神器であろう。ついでにワルノリして言えば、ペットボトル、ポテトチップスも加えて、5Pでも良い。パソコンの前に座って、ペットボトルの -
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東京を東西に結ぶ大動脈の中央線は街の新参者で、それを外せば古くから横たわる街の骨格が見えるとのコンセプトで新宿から始まり日野まで綴られている。訪れたことがある街以外はあまりイメージか湧かなかったが、興味深く読めた。今はどうしても中央線沿線周りが街の中心だが、そうではなくかつては別の場所に中心があったりしたようだ。
しかし、文庫版の最後の対談で思ったのは、この手の人は何故いつも最後は薄っぺらい開発や資本主義、既成政治への批判に行き着くのだろうか。せっかくの良い仕事が勿体無い。タワーマンションへの批判も何故か展開されており、まるでタワマンで親が殺されたのかと思えるほどだ。 -
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Twitterで話題になってたので読んでみた。
作者のたまに見せる毒舌が、こんなこと言って大丈夫か?と思う反面、好感的だった。
この本は、データに基づいて客観的に下流と上流の違いが見えて興味深かった。
今までは"自分らしさ"はなくてはならないものだと漠然と考えていたけれど、逆に上流の人は自分らしさを求めている人はそんなにおらず、下流の人に目立って多いという事実に驚愕した。
また、コミュニケーション能力が上流になる最大のポイントであることも興味深かった。
上流になる傾向として、親も上流であることが挙げられていてとても納得したと同時に、私立に通わせてくれた親に感謝しな -
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著者の文章は時折読む事があるが、その中では一番こじつけ、牽強付会を感じた著書だった。結局は中央線沿線の内輪ネタじゃねえの?という感想の域を出なかった。
これだけだと★は2つなのだが、寄せられた論考の方が優れているので★は4つ、間を取って総合★3つとした。
日本全体を網羅するなら、寄稿の数・量をもっと増やし、著書は編者に徹する方が良かったのでは?
自分としては、帯に書いてある「退屈で凡庸なファスト風土」と批判的に書いてあるが、退屈で凡庸こそ日常なのであって、日常はファストメインで十分だと思っている(ファストにすらありつけない人々も数多いのだから、これでもありがたい)ただ、非日常を味わえる場 -
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日本の繁栄は終わった。そう感じる一方で、収入が減っても自分は中流だと思い込む人々が増えている。この国はどこまで堕ちていくのか?最新データをもとに日本の今を分析する書籍。
2020年11月に行った調査によると、「日本の繁栄はいつまで続くか」との質問に対し、「すでに繁栄の時代は終わっている」という回答が62%に上った。近年、経済大国だった日本は下流化し、「大下流国家」になろうとしているのである。
日本の繁栄が終わったという悲観の主因は、人口の減少である。また、学術論文数や子どもの学力といった様々な社会指標においても、日本は世界の中で地位を下げている。
日本の消費市場では、二極化が進んでいる。