三浦展のレビュー一覧
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人口減少で地価下落か、当たり前過ぎてつまらんな、と思いつつ手に取ったが中々楽しめた。タイトルの「3分の1」という数字自体には本文にもある通りさほどの意味はなく、実は地価がメインイシューというわけでもない。本書が最も強く焦点を当てているのは、終盤の対談からも明らかなように実は「移民」だ。冷戦下での高度成長という僥倖により過去の中途半端な成功体験を得てしまった日本が、これから移民という問題にどう向き合うべきかというのは確かに難しい問題。
「生き残る都市」として本書では自由が丘や中野、池袋が「個性が一貫した都市」の例として挙げられているが、一方でこれらの都市は若者が世帯を持った時には他都市へ転出してしまい人口が減少するため、人口の維持には「一生住みたいと思わせる施策が必要」だという。ここに少々矛盾を感じないわけでもない。「若者が年取っても住んでいる=あらゆる世代が均等に住んでいる」都市というのは、「無個性な」都市なんじゃないだろうか。個性と人口の維持を両立させる都市というものの姿が、今のところ僕にはイメージできていない。 -
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ネタバレ2040年の日本の地価を大胆に予想します。人口動態から「消滅可能性都市」が発表されたのは記憶に新しいですが、「高齢者と生産性人口の割合が地価に影響するとすれば」という前提で各地の地価を予想します。『日本の地価は3分の1に」でのけぞりましたが、「札幌の地価は4分の1に」でさらにのけぞりました。実際には、高齢者と生産人口の比率のみで地価は決まらず、あくまで需要(住宅を取得したい人)と供給(売りに出したい人)のバランスで決まると思います。地価が下がり続けるのは間違いないと思います。この本の予想で、「高齢者の定義を変え、75歳まで生産人口だ、とすれば高齢者/生産人口の比率は現在と変わらず、「かえって値上がりするゾーンも」というのは先に書いた理由から実現しないと思います。
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都市計画に興味のある友人に薦められて読みました。
2005年に書かれた新書なので情報は古いが良著です。
今、私レベルでもようやく危機感を覚えてきた郊外化の問題に関して分かりやすくまとめてあります。
新しくできる広い道路沿いにショッピングモール・ファストフード店、という光景がどの地域でも広がってきている。
「便利で早くて安い」
それのどこが悪いと思ってたくさんのものを消費してきたが、その「悪さ」をきちんと説明されてみると、それは確かに悪い。
安いということは、どこかで損をしている人がいるということだ。
安い賃金で働いている人がいるということ、安い価格で買い叩かれている商品があるということを考えなければならない。
さらにそれが便利で早いということは、無理させられている人がいるということだ。
そうしてワーキングプアが生まれる。
また同じ形のものが大量にならぶ風景の中で、「ひとつくらい・・」という考え方が生まれる。
同じように、自分自身もOneOfThemになる。
大量にあるのだから一つくらい盗んだって大丈夫だし、
いくらでも代わりはいるのだから私がいなくなったって誰も困らない。
自己崩壊に知らず知らず加担していたんだなあと、いまさら後悔した。
10年もたって状況は刻一刻変わっているけど、大きく変わってはいない構造だと思う。 -
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尊敬する方から勧められた本。大正から現在(平成20年代)を30年ごとの区切って、それぞれの期間での消費の在り方を分析し、今後の消費の在り方(2005~2035)がどうなっていくのかを分析している本。内容は面白いが、文章が堅いので個人的には読み辛かったです…。本書に記述されている消費の、大きな流れを抽出すれば
■消費の大きな流れ
・占有⇒シェア
・大型⇒小型
・大量⇒少量
・低価格⇒ブランド・エコ・健康
・家族⇒個人⇒社会
となると思います。こう言うと傲慢に聞こえますが、大きな驚きを発見するというより、確認作業のような感覚で読み進めました。
驚いたのは、著者の洞察力と分析力。時代の流れに対する洞察は素晴らしく、かつ、その洞察を証明する論理的説明は素晴らしかったです。「なるほど」と本を読みながら何度も相槌を打ちました。
ただ、もしかするとこの本は私(20代)よりも上の世代に読んでもらった方がいいかも、と思いました。なぜなら、下の世代が上の世代の考えていることを理解するよりも、逆の方が難しいと思うからです。上の世代の発言や行動はメディアを通して多く見ることができるけど、下の世代の発言や行動は上の世代に往々にして届かないから。極端なもの以外。1961~1970生まれの子どもが「新人類世代」と名付けられているように、上の世代が下の世代がどう考えているかを知るのは、とても難しいことなのかなと、個人的に思います。
この本は下の世代は上の世代を、上の世代は下の世代の消費行動に関して理解する上で良い本だと思いますが、後者の方が力を発揮すると思いました。
社会学が好きな人は、特に楽しく読めるかもしれません:) -
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「日本人はこれからコミュニティ商品を買う」というと商業主義っぽいけど、一人暮らしが増えていく将来の社会を生きる人間がお互いを「ケア」しながら「人と人のつながり」を作っていくのを助ける事こそ、これからの地域社会や企業に求められる役割、という意味だと思われる。
「シェアハウス」はインターネットを通じた「知縁」が住民相互の「ケア」と「人と人のつながり」を支える好例だが、縁のない一人暮らしの「おひとりさま」同士が「地縁」を通じてコミュニティ形成できる場が地域社会にはない。三浦展はそうした地域社会のための「コムビニ(community-convenience store)」を提案している。
前作『東京は郊外から消えていく!』もそうだったけど、統計・アンケートを基にした分析が丁寧なので、きちんと読むと方法論を盗める。議論が多少大雑把な舵取りに見えるのは、新書の想定する一般人読者には取っ付きにくいとして「仮説・検証」を直接見せなかった結果だろうね。そういう読みも楽しみ方としてありだと思うし、調査報告の一形態として参考になる読み物だと思うので、星4つ。
(蛇足)老若男女の消費傾向の差が縮まっているという分析があった。老若男女に共通のニーズがこれからの主流になっていくのだとしたら、市場のターゲッティングも無意味化するのかなぁ、なんて思ってしまう。高度発達したITが市場分析を正確にするも皆だいたい一緒の買うから無意味!みたいな未来だったら、それこそ皮肉っぽいなぁ。もはや人間の属性なんて関係なくて、明日台風だからコロッケ売れるとか、人のつながりと動きの中で生まれる消費が中心になっていくんじゃないかなぁ。レビューからどんどん離れていっちゃうからここまで。 -
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近代から現在までの消費やその社会背景をざっとつかむ分には、とても分かりやすく良書だと思います。当時のコピーも分かりやすく具体例として使われていて、第一から第四の消費の時代に移行しているというのも、突いているなあ、と感じました。
インタビューも面白いです。無印良品の社長さんへのインタビューや建築家のかたへのインタビューなど、新たな取り組みがいろいろとはじまりつつあることが分かります。
ただ第四の消費の「つながり」という点はよかったと思うのですが、それがすぐに愛国とか地方への愛着、エコリズムにつながるという点はうなずけなくもないのですが、ちょっと根拠に欠けるかな、という感じがしました。 -
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著者の消費、差別化、下流といったテーマの本の現在のところの集大成と思われる。消費活動の流れ、分類の仕方も良くわかり、共感できるところが多い。また、第4のシェアという考え方は、まさに時代とマッチしていると感じる。
本書の構成、後半部分には、対談が多い。これは本の性格上、不要なのではないかと思う。
・消費、物を買うという行為は、マスコミによって作られてきた、と感じる。マイホーム、3種の神器を始めとして、ブランド志向へ。まさに家⇒個へ
・消費の影で、コピーライター杉山豊志の死は何を物語るのか?夢がないのに夢売れぬ。
・Have⇒Beへ
人と同じものを持つ⇒自分がどうありたいか
・分衆 金魂巻
まる金 まるビ
・高度消費社会で自分捜し make up
・これから、シンプル⇒日本⇒地方指向へ
・文明社会で、古いものが忘れ去られていく⇒死が無意味⇒人生は完成せず⇒生も無意味となる
(なくなってしまうから貴重なもの、若さ、健康etc) -
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ネタバレ第四の消費社会とは?
国民の意識の流れは、national(国家重視)→family(家族重視、家族と一体の会社重視)→indeividual(個人重視)→social(社会重視)。
第三消費社会から第四消費社会への変化の特徴。
1、個人志向から社会志向へ、利己主義から利他主義へ
2、私有主義からシェア志向へ
3、ブランド志向からシンプル・カジュアル志向へ
4、欧米志向、都会志向、自分らしさから日本志向、地方志向へ(集中から分散へ)
5、「物からサービスへ」の本格化、あるいは人の重視へ。
普段、身の回りから、自分自身の感覚として感じていることが、歴史も含めてわかりやすく書かれている。
モノを手に入れて充足感を得るのではなく、経験であるコトや誰かというヒトがより重視されていく。
つながり、という部分は実感を伴わないため、どのレベルなのかが想像できない。
その先の、第五の消費社会を考えながら生きていくことが重要な気がする。 -
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本書は、長年消費と社会の関係を分析してきたという筆者が、昭和からの大衆消費のトレンド(第一~第三の消費)を振り返りながら、今後の消費(第四の消費)の展望を述べたもの。
<ポイント>
①第一の消費(1912~1941年)
○大都市に限定した「モダン」化(e.g. モボ(モダンボーイ)、モガ(モダンガール))
・大正の三大洋食:カレーライス、とんかつ、コロッケ
・カルピス発売(19年)、新宿三越(29年)、新宿伊勢丹(33年)
②第二の消費(1945~1974年)
○近代工業化の進展による家庭への大量製品の普及 (「大きいことはいいことだ」)
・三種の神器-昭和30年代:洗濯機、冷蔵庫、テレビ
-昭和40年代:3C(カー、クーラー、カラーテレビ)
・鉄筋コンクリート造りの団地に住む洋風化したライフスタイル(昭和30年代~)
③第三の消費(1975~2004年)
○消費の個人化(家計から個計へ)
・軽薄短小がナウい(e.g. ウォークマン、パソコン、軽自動車)「家電から個電へ」
・物からサービスへ(e.g. 外食産業)
・量から質へ(e.g. ブランド志向、健康志向)
④第四の消費(2005年~2034年)
○社会とのつながりやシェアを大事に(社会重視、シェア志向、シンプル・カジュアル志向)
・情報社会と利他志向(e.g. Facebookへの書き込みと「いいね」への満足)
・エコ志向、日本志向、地方志向(e.g. すだれや打ち水など伝統的な生活、自然と親しむ暮らし)
※環境問題に関心がある人は、
①日本のことが好き(85.2%)、
②初詣に行く(65%程度)、
③来年以降も使えそうなデザインの、丈夫で長持ちしそうな、基本性能が良い物を買う(50%程度)
(カルチャースタディーズ研究所「現代最新女性調査」2010
:首都圏20~39才の女性を対象) -
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これまで首都圏や郊外に住んできた人、これから住もうと思っている人にお勧め。先読みした地域選びの参考の一つ。
個人的には、だから今後どうするか、というところを、もっと具体的かつ広範に考えていきたいところ。
・東京圏の住宅地の今後の問題は、ひとことで言えば団塊世代の老後の問題であり、死後の問題であり、その子ども世代(団塊ジュニア)のこれからの問題であるということが言える。
・1980年ニュータウン:団塊世代の典型的な核家族がどの家にも住んでおり、同じようなマイカーを所有。
2010年オールドタウン:子供二人が独立し夫婦だけに。その後父が死去し、母一人暮らしの家などに。
2040年ゴーストタウン:老人夫婦だけの家、独居老人、寝たりきりのおやと子供、空き家、庭木の手入れもできない、マイカーを売って買い物も不便。
・二世帯同居の理由。1、母親が出産後も働くことが増え、祖父母に世話をお願いする。2、子ども世代の収入伸び悩み。3、未婚の親元暮らしの増加。
・第四の消費社会では「私有」の事業仕分けが始まる。
第一:1912~1941 共同利用物の生産
第二:1945~1974 消費社会、中流社会の大衆化
第三:~現在 個性思考の高まり、個人専用の私有物 -
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「ものを買えば幸せになれる時代」が終わり、「つながりに幸せを見出す(第四の消費)社会」へ変化している。
●第一の消費社会(1912~1941)
【社会背景】
日露戦争勝利後から日中戦争まで
東京・大阪などの大都市中流
中流の誕生
【人口】
人口増加
【出生率】
5
【高齢者率】
5%
【国民の価値観】
National
消費は私有主義だが、全体として国家重視
【消費の志向】
洋風化
大都市志向
【消費のテーマ】
文化的モダン
【消費の担い手】
山の手中流家庭
モボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)
●第二の消費社会(1945~1974)
【社会背景】
敗戦、復興、高度経済成長からオイルショックまで
大量生産、大量消費
全国的な一億総中流化
【人口】
人口増加
【出生率】
5⇒2
【高齢者率】
5%⇒6%
【国民の価値観】
Family
消費は私有主義だが、家・会社重視。
【消費の志向】
大量消費
大きいことはいいことだ
大都市志向
アメリカ志向
【消費のテーマ】
一家に一台
マイカー、マイホーム
三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)、3C(カラーテレビ、クーラー、自動車)
【消費の担い手】
核家族
専業主婦
●第三の消費社会(1975~2004)
【社会背景】
オイルショックから低成長、バブル金融破綻、小泉改革まで
格差の拡大
【人口】
人口微増
【出生率】
2⇒1.3~1.4
【高齢者率】
6%⇒20%
【国民の価値観】
Indivisual
私有主義かつ個人重視
【消費の志向】
個性化、多様化、差別化、ブランド志向、大都市志向、ヨーロッパ志向
【消費のテーマ】
量から質へ
一家に数台
一人一台
一人数台
【消費の担い手】
単身者
パラサイトシングル
●第四の消費社会(2005~2034)
【社会背景】
リーマンショック、2つの大震災、不況の長期化。
雇用の不安定化などによる所得減少
人口減少による消費市場の縮小
【人口】
人口減少
【出生率】
1.3~1.4
【高齢者率】
20%~30%
【国民の価値観】
Social
シェア志向
社会重視
【消費の志向】
ノンブランド志向
シンプル志向
カジュアル志向
日本志向
地方志向
【消費のテーマ】
つながり
数人一台
カーシェア
シェアハウス
【消費の担い手】
全世代のシングル化した個人
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三人の高齢者が一人の若者を支える
第四の消費社会への試み
1.ライフスタイル、ビジネス、まちづくりなど社会全体をシェア型に変えていく
2.人々が、プライベートなものを少しずつ開いていった結果、パブリックが形成されていくことを促進する。
3.地方独自の魅力を育て、若い世代が地方を楽しみ、地方で活動するようにする
4.金から人へ、経済原理への転換を図る
①地域社会圏モデル(建築家・山本理顕)
戦後日本の「持ち家政策」により、外側との関係が希薄に。所得の多くが住宅に吸い取られ、一方で家庭は内部から崩壊。
必ずしも家庭を前提としない、そこに住み人たちの相互関係を中心原理にする
経済成長のための道具と考えるのではなくて実際にそこに住む人たちの生活を最優先する
②都市型狩猟採集生活(アサダワタル)
なぜ家を借りたり買ったりしなければならないのか
⇒ホームレスの生活スタイルに注目
コミュニティの在り方のヒントがあるのではないか
③住み開き(アサダワタル)
シェアハウスからシェアタウンへ⇒自分を開き、家を開く
●人生の意味を求める消費
物、空間をつくっては壊してきた第二、第三の消費はまさに「浪費」
使いすぎる消費、使い捨てる消費は浪費
使った後に疲れきって余力がないのは消耗
第四の消費は、自分を完全なものにする、自分を回復させる、あるいは充実した時間を過ごすためのもの。適度な適切な消費。
時間や人生の消耗ではなく、時間と人生の充実⇒人生の成就
楽しさからつながる嬉しさへ
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つながりに価値を見出す・新しい公共の役割には実感を伴って共感できる。
プランナーマッチングの潮流が到来していることもこの時代を表しているのだろうか。
第2第3の社会で作り上げられた郊外住宅地は今後どうあるべきか、このままではどうなるか、考えなければならない、先送りに出来ない問題だ。
自分はこれからの社会でどんな役割を果たしていきたいのだろう。