三浦展のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
東京、首都圏の地価の移り変わりや、これから住むべき場所をチェックするべく購入しました。
総務省やシンクタンク系データを用いて、著者の視点から考察していく本であるのだが、データに偏りすぎていてどこかお硬く読みにくくも感じてしまった。
その地域に対してもう少しサマリ的な情報がほしかったのと、表データばかり図として貼られてあるので、細かく読み解く必要あり。
自分の把握している地域のページについてはなるほど!とわかりやすくタメになったが、知らない場所についてはどこのことを言っているのかわからず置いてきぼり。
表データよりもマップを貼ってくれたほうがわかりやすいかもしれません。
神奈川、千葉よりも埼玉県をこれからチェックするようにします! -
Posted by ブクログ
東京近郊の”街”をテーマとした本を同時期に続けて読んでみました。一つはこの本、もう一つは「街間格差」(牧野知弘著)です。同じテーマでありながらも好対照な内容になっています。「街間~」は不動産事情に詳しい著者ならではの視点で東京、特に23区に絞って今後の趨勢について語った内容になっており、いかにして(自分にとって)良い街を選ぶか、というスタンスです。対して本作は社会デザイン研究者である著者ならではといいますか、前半は統計データの羅列で少々退屈な場面も多かったのですが後半は衰退してゆく街を再生させるための施策が語られており著者の”熱量”を感じることができました(施策の良し悪しは別として)。住まいさがしの材料として読む場合であれば「街間~」は今後”買い”の街を探すこと、本作は街の”探し方”を考えるための一冊としてすみ分けるものといえるでしょう。
-
Posted by ブクログ
中の下ぐらいの人々を「下流」として扱い、格差の広がる日本社会を分析。
第1章 「中流化」から「下流化」へ
第2章 階層化による消費者の分裂
第3章 団塊ジュニアの「下流化」は進む!
第4章 年収300万円では結婚できない!?
第5章 自分らしさを求めるのは「下流」である?
第6章 「下流」の男性はひきこもり、女性は歌って踊る
第7章 「下流」の性格、食生活、教育観
第8章 階層による居住地の固定化が起きている?
著者はマーケティング・アナリストという職業らしく、この本も多くが消費者をどのように切り分けるか、という視点が多い。
下流に属する人、下流に属する人がどのような価値観を持ち消費行動を取るのか、という分析が目に付く。それは問題の本質とはあまり関係がない様にも思える。
しかし提示されているデータはかなり豊富である。2005年が初版の発行であるが、現在見渡してもこの下流化の流れはまったく衰えを見せていない。
むしろ、金融危機からの企業のリストラなどによって加速していくという感覚もある。 -
Posted by ブクログ
格差社会という言葉が、TVのバラエティ番組や女性週刊誌などでも取り上げられるほど一般的な言葉になり、ワーキングプアや下流などといった言葉と共にブームの感すらある。そのブームに著者曰く火を注いだのが、前著の「下流社会」であった。ベストセラーとなり出版社も気を良くしたのか、出てきたのがこの第二段である。今回は、男性の年収、雇用形態別に様々な切り口から格差を、調査データのエビデンスを以って論じている。
本質的なメッセージは前著や著者の他の著作と変わらず、格差の本質は意欲の差であるということである。新たな価値提言は特に見当たらず、あえて第二弾を読むことの意義は感じられなかったので★2つ。 -
Posted by ブクログ
産業革命後の消費社会が第四の段階に入ったというのが本書のテーマ。
・ニーズからウォンツへ
当時、西武百貨店の取締役店長であり、87年のロフト開業の陣頭指揮を執った水野誠一は、著書『ロフト・グラフィティ―「ほしいもの探し」の時代』でこう書いている。
『顧客が成熟してきている』という言葉をしばしば聞くようになった。だが、実感として、『顧客の成熟化』とは何をさしていうのか、本当にわかっている人は少ない。として、「『衣・食・住』足りて、ひと息いれようとしたところで起こったオイルショックは、ある意味で単純な『所有の時代』の終焉の引き金になる事件」だったと指摘し、「『マズローの五段階欲求』ではないが、人は所有段階が満たされると、次の段階へと進む。それはまた、単なる所有そのものに固執する虚しさからの逃避でもある」
・現代の消費者(特に若者)は「複数の自分」を持ち、そのうちのひとつをを必ず「みんなと同じ自分」、つまり「同調する自分」として持っている。同時に彼らは「人とは違う自分」、つまり「差別化する自分」を持っている。「同調する自分」に訴求すればメガヒットが生まれ、「差別化する自分」に訴求すればセールスは極小化する。逆に、「ひとつの自分」の時代のような中くらいのヒットが生まれにくくなるのである。
・欲求の基本的な源泉は不足である。人は足りないものは欲しいと感じる。あり余っているものはあまり欲しいと感じない。
・第一の消費社会から第四の消費社会までの国民の意識の大きな流れを概観すると、「national(国家重視)→family(家族重視、家族と一体の会社重視)→individual(個人重視)→social(社会重視)」という大きな変化があったと言える。
・第三の消費社会から第四の消費社会への変化の特徴は以下の五点である。
1 個人志向から社会志向へ、利己主義から利他主義へ
2 私有主義からシェア思考へ
3 ブランド志向からシンプル・カジュアル志向へ
4 欧米志向、都会志向、自分らしさから日本志向、地方志向へ(集中から分散へ)
5 「物からサービスへ」の本格化、あるいは人の重視へ
・資本主義化、消費社会化、私生活主義化、個人化などが進みすぎると、人は人同士のつながりを意識しにくくなる。社会の中にいるのに、つながりを感じられないという奇妙な矛盾が生じたのである。その矛盾を解消する方向に第四の消費社会は動こうとしているのである。
・では何が幸せかというと、それがいわゆる「つながり」であろう。コミュニケーション、コミュニティと言ってもよい。単に物を買って、人に自慢したいという消費ではなく、物を買うことで人とのコミュニケーションが促進される、コミュニティが生まれる、そういう消費をしたいという心理が拡大してきたのである。
・セゾン文化財団理事長 辻井喬氏の言葉
街を歩くことですね。どこでもいいんですけど、マツモトキヨシでもよければ、ユニクロさんでもいい。そういうところにぶらーっと行ってね、いろんな人たちの会話を聞くと、一番ヒントになる。これは間違いない。電車の中のおしゃべりでも、もちろん結構。
-
Posted by ブクログ
2010年の一人暮らし世帯数は、1679万世帯。これは「夫婦と子どもの世帯」1477万世帯よりも多い。さらにこれが2035年には、1846万世帯に増加する。結論としては、当たり前だが、消費の大きな特徴は個人化、、孤独化である。物の消費がほとんど伸びておらず、消費の対象がサービスに向かっているというのは一般に言われていることだが、消費支出全体に占めるサービス消費の割合が男女ともに若い世代ほどサービス消費の割合が高いというのは意外であった。
高齢化が進む中、「ちば地域再生リサーチ」の取り組みは興味深い。1970年代に開発された千葉市の大規模団地が直面する課題を解決する取り組みである。主な活動の柱は6つ。
?住まいのリペア・リフォーム
?コミュニティ・暮らしサポート
?団地学校
?コミュニティ・アート
?エリア経済の活性化サポート
?住まい・町再生サポート
コミュニティ・コンビニエンス・ストア(=全国にくまなく広がっているコンビニをもっと地域に密着させ、地域住民とのコミュニケーションを図り、コミュニティの形成に貢献しうる業態に転換していったもの)という業態が今後求められるという提言も面白かった。
-
Posted by ブクログ
「下流社会」の著者。下流社会ほどではなかったが、本書も着眼点が著者らしく、面白かった。
住みたいまちの上位といえば、田園都市線沿線のイメージがあるが、最近の調査によれば、実は中高年には人気だが、若い世代にはそうでもないらしい。著者はこう分析している。
「高校卒業、大学入学時点でバブルがはじけ、以来ずっと長期不況を経験してきた団塊ジュニアやそれ以降の若い世代にとっては、イメージはよいが値段が高い東急田園都市線沿線はブランド品のようなものであり、そう簡単には手を出さない。コストパフォーマンスが悪く感じるのである。
どうせ値段が高いなら、都心に近いほうがコストパフォーマンス的に見て実質的であり、高い家賃を払う能力がないなら、埼玉、千葉、湾岸でよい。ブランド品よりもユニクロでOKという団塊ジュニアらしい価値観が表れていると言える。」
かねてから自分も似たような発想をしていたが、まさか他の人も同じような考え方をしているとはちょっと驚きだった。 -
Posted by ブクログ
10年前、日本社会における貧富の差が明確になり始めたころ、評判になった本。
東京帰りの空港で読んだ。
一億総中流だった日本の社会が階層分化して、圧倒的多数を占めていた「中の中」グループのうち、上昇意欲の強い一部のグループは中の上に移行するが、それ以外の大部分は「中の下」あるいはそれ以下に転落しつつあるのが日本の社会である、といったようなことを述べた本。
なかなかおもしろい。
とくにアンケート結果のデータ分析の仕方は参考になる。
こういうアンケート結果の報告書に書いてある解説は、「何々が何%で一番高い」というような、結果の数字をそのまま文章にしただけのものが多いのだが、ここでは、これから読み取れる可能性は?としていくつもあげ、それを比較検討して、著者の推論を述べている。こういうのはなかなかお目にかかれない。
もっとも途中からは面倒くさくなって、データは見ないで結論しか読んでないが。
この手の本、そんなに一生懸命読むほどのものでもない。
ただ、最初の「下流度チェック」は興味深い。
次の文章で、半分以上当てはまるものがあれば、あなたはかなり「下流的」である。
01 年収が年齢の10倍未満だ
02 その日その日を気楽に生きたいと思う
03 自分らしく生きるのがよいと思う
04 好きなことだけして生きていきたい
05 面倒くさがり、だらしない、出不精
06 一人でいるのが好きだ
07 地味で目立たない性格だ
08 ファッションは自分流である
09 食べることが面倒くさいと思うことがある
10 お菓子やファーストフードをよく食べる
11 一日中家でテレビゲームやインターネットをして過ごすことが良くある
12 未婚である(男性で33歳以上、女性で30歳以上)
(p3-4)
さて、どうだろう。
私の場合、客観的に考えた場合、現状であてはまるのは、2つぐらい。
だが、願望や、そうあるのが本来のすがただと考えるものを選ぶと、8個ぐらいになる。
これはどういうことか。
隠れ「下流」?
ほったらかすと「下流」になってしまう人間?
おそらくそうだろう。
それでも別にかまわないような気がするが。
←そう考えるのが下流のシルシだ!
べつにいいじゃんか。
←そう考えるのが下流のシルシだ!
余計なお世話だよ。
←そう考えるのが
ああうるさ。もう寝よ。