三浦展のレビュー一覧
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かつて「下流社会」(光文社新書)が16年前に出版された。それから月日は流れたが、日本を取り巻く状況に明るい希望もなければ光もないトンネルから抜け出せくなっていた。
「日本人の意識と価値観調査」(下流社会15年後研究会、2020年11月)によると、「日本の繁栄はいつまで続くか」という質問をした。その結果が以下の通りだ。
すでに繁栄の時代は終わっている(62%)
2030年まで(12%)
2040年まで(7%)
2050年まで(3%)
もっと長く(16%)
「すでにお前は死んでいる」なんていうセリフで有名なマンガがあるが、もうそんな状況かあ。
1つ -
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ウェーバーが1917年に行った講義を現代のビジネスパーソン向けにアレンジされたのが本著。かなり意訳のようで、原本とは内容が多少異なるらしい。
100年経っても、人間が悩むこと、悩むが故に起こす行動や依存してしまうものも同じである事に驚いたと共に笑ってしまった。
自分の人生に責任を持つことを恐れて、学生(若者)は教育者に未来の進路の先導者であることを期待し続けているように感じる。
ただ若者が求める「やりがい」や「自分らしさ」を見つけることに近道などなく、当たり前のことだが日々の雑務、時務を真面目にコツコツと果たしていくでしか、見つけ出せないのであろう。
自らの悩みも若者特有のありきたりな -
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バブルの前、1980年代から人々の価値観には変化が生じ始めていた。モノ消費からコト消費への変化、質素さに価値を置く価値観の高まり。そして、家族やコミュニティに価値を置く生活から個を重視した生活への変化など。その後、バブルによって、一時的に大きな揺れ動きがあったももの、基本的には平成の人々の価値観は、この1980年代の価値観の延長線上にある。
この時代は、まさに自分にとっても青年時代から社会人へ、そして現在へ繋がる時期であり、筆者の指摘には実感をもって頷けるものが多い。この先の未来は、さらに個にこもる傾向と、その反動としての大衆的なものへの志向が入り混じったものになるのだろう。
面白い指摘にあふ -
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第四の消費
共感する部分がとても多い。簡単に「モノよりコト」と言うが、なぜそういう消費志向になったかを歴史をたどって解析してくれている。
ただ、シェアは単にお金がないから所有できないだけでは?とも思う。
自分も車は持っていないが、お金があればシェアではなく、ぜひとも所有したい。
・団塊世代は第二の消費世代なので、もっと大きなものを界、私有することが幸せだという価値観が心に刷り込まれている。
・団塊世代と新人類世代は全く異なる特徴を持った世代だが、物質主義的な傾向が強いというところは共通している。
・第四の消費世代の健康志向は、人生全体を見なおさないと健康は得られないという思い
・新しいもの -
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ネタバレこのタイトルはあくまでも実例のひとつで一番キャッチーなものにしたのだと思う。ぼくはシンプルに『再・生活化の時代』で良いと思う。
現代はバーチャル(魔法)の時代からそのアンチテーゼとしてリアル(再・生活化)の時代へ移行してきていると著者は分析する。その実例として先駆的な活動をしている方々を本書ではまとめられている。
この本の例からみたリアル(再・生活化)の時代の特徴としては、
①自分たちでつくる
②既存のものを再活用、価値を見直す
③シェアし、つながりを楽しむ
④省略ではなく生活や人間全体を感じたい
今や何でもネットで買えるため、もはや都会で暮らす必要は薄れ、地方へ移住する人たちが増えている -
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ネタバレ<目次>
序 魔法の時代と「再・生活化」の時代
第1章 生活実験
第2章 昭和の官能
第3章 郊外の夜の娯楽
第4章 新旧をつなぐ
最後の分析 あとがきにかえて
<内容>
低成長で停滞の続く日本の将来について、具体的な活動をしている人の取材を通して、様々な提言をしている、三浦展の本(多くは、ネット上の記事をまとめたもの)。私が感じるところのあったのは、第1章と第4章。彼の説く「第4の消費」の、人間関係の豊かさ志向、シェア志向、シンプル・ナチュラル・手作り志向(これはこの本では希薄)、日本・地方志向、が一番出ているところだと感じたから。ここで取材されている人たちは、30~40代 -
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三浦展 著「横丁の引力」、2017.10発行。面白かったです。フォークソング「神田川」に「横丁の風呂屋」のフレーズがありました。今、横丁のブームだそうです。雑誌「散歩の達人」「東京人」、TV「吉田類の酒場放浪記」など。そもそも横丁の前身は闇市、赤線、青線、三業地。主要な駅には闇市が。赤線は合法的な歓楽街で遊郭、待合、貸座敷など。青線で有名なのは玉の井(東向島)。三業地とは料亭、置屋、待合のある地域。若い女性、元気です。マンホール好きの蓋女、古い階段を好む階段女子、屋台も人気。神楽坂、向島、玉の井、立石、赤羽、蒲田など横丁と路地のある街があこがれの対象になっているとか。
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ある年代になって「せんべろ」という言葉に誘われ、東京近郊の街をそぞろ歩くようになって、戦後の生活遺産としての飲み屋街に激しく惹かれています。また、その横丁のスナックのママさんたちの昭和史オーラルヒストリーも波乱万丈の面白さ。でも再開発や高齢化でどんどん死滅する予感がしています。自分にとってはレガシーな街探検が、本書では未来の郊外の生き残り策として語られます。それは第5章の「郊外に夜の娯楽を復活せよ!」のあたり。その中で1920年代に「夜の都市計画」を提案していた石川栄耀の存在を初めてしりました。また第4章で言及される「センシュアスシティ」(官能都市)というコンセプトにもなるほど。などなどい、「