三浦展のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
コロナ禍によって、社会がガラリと変わった。通勤、通学、レジャーなど、影響は計り知れない。
ものが売れない、テレビの視聴率が下がったと言われ続けている。
ものがあふれていて、見たいジャンルが細分化され、生活の余裕のない若者が増えている時代には、メガヒット商品や番組が出てこないのも無理はない。
人生をエンジョイしたいと思う若者がへっているそうだ。三菱総合研究所の調査mifで過去10年の推移を見ると、2011年から21年にかけて「人生を楽しみたい」という価値観について調べた。
「とてもそう思う」と答えた若者が56%から39%へと下がっている。
また、22項目で価値意識に関する質問も行っている。そこで見えてくるのは、無気力あきらめ派が最大多数派になっている。
こういう人たちに「気合だ、気合だ」と根性や忍耐を全面にアピールしても冷ややか目で見られるのがオチだ。
若い人・女性ほど孤独感が強い。未婚の若者は孤独感が強い。
これからは40〜60代以上でも生涯未婚の単独世帯が増える。
このようなところから「永続孤独社会」というタイトルにつながっていく。
コロナ後の新たな消費・社会を担うのは女性と若者と指摘している。
お金をあまり使わない生活、人間関係を重視する人が増えた、郊外へ引っ越したいなど。
これからも人口が急激に増えることはないので、好むと好まざるとに関わらず、変化していかないと生きていけない日本。
5年後、10年後にはどのようになっているのか先の話だが続編が読みたいなあ。 -
Posted by ブクログ
かつて「下流社会」(光文社新書)が16年前に出版された。それから月日は流れたが、日本を取り巻く状況に明るい希望もなければ光もないトンネルから抜け出せくなっていた。
「日本人の意識と価値観調査」(下流社会15年後研究会、2020年11月)によると、「日本の繁栄はいつまで続くか」という質問をした。その結果が以下の通りだ。
すでに繁栄の時代は終わっている(62%)
2030年まで(12%)
2040年まで(7%)
2050年まで(3%)
もっと長く(16%)
「すでにお前は死んでいる」なんていうセリフで有名なマンガがあるが、もうそんな状況かあ。
1つ興味深いのは、自民党支持者と支持しない人の間で「すでに繁栄の時代は終わっている」と思う意識に差があった。自民党支持者にこのような答えをする人は少ない。
その一方で、自民党を支持しない人では「すでに繁栄の時代は終わっている」が82%、安倍政権を「評価しない」人では90%になる。
こんなにも意識の差があったとは思わぬところに分断があった。
悲観の主因について日本の人口減少と指摘している。国連の推計によると、2100年の日本の人口は世界で36位だ。その一方で、アフリカは人口増加で38億人になる。人口の多さからして勢いが違ってくるからなあ。
「すっかり現状維持に飼いならされてしまった日本人」の姿が読み進めると浮かんできた。
どうせ投票してもなあと棄権すると、組織票を持った政党と特定の年齢層に有利な政策のオンパレードになる。
この本で知ったことを踏まえて投票するかな。 -
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ウェーバーが1917年に行った講義を現代のビジネスパーソン向けにアレンジされたのが本著。かなり意訳のようで、原本とは内容が多少異なるらしい。
100年経っても、人間が悩むこと、悩むが故に起こす行動や依存してしまうものも同じである事に驚いたと共に笑ってしまった。
自分の人生に責任を持つことを恐れて、学生(若者)は教育者に未来の進路の先導者であることを期待し続けているように感じる。
ただ若者が求める「やりがい」や「自分らしさ」を見つけることに近道などなく、当たり前のことだが日々の雑務、時務を真面目にコツコツと果たしていくでしか、見つけ出せないのであろう。
自らの悩みも若者特有のありきたりなもので、ウェーバーによって少しお叱りを受けて身が引き締まった。 -
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バブルの前、1980年代から人々の価値観には変化が生じ始めていた。モノ消費からコト消費への変化、質素さに価値を置く価値観の高まり。そして、家族やコミュニティに価値を置く生活から個を重視した生活への変化など。その後、バブルによって、一時的に大きな揺れ動きがあったももの、基本的には平成の人々の価値観は、この1980年代の価値観の延長線上にある。
この時代は、まさに自分にとっても青年時代から社会人へ、そして現在へ繋がる時期であり、筆者の指摘には実感をもって頷けるものが多い。この先の未来は、さらに個にこもる傾向と、その反動としての大衆的なものへの志向が入り混じったものになるのだろう。
面白い指摘にあふれる1冊なのだが、筆者が編集をしていた雑誌「アクロス」からの引用が多すぎる印象で、やや引いてしまう感もあるのは残念。 -
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第四の消費
共感する部分がとても多い。簡単に「モノよりコト」と言うが、なぜそういう消費志向になったかを歴史をたどって解析してくれている。
ただ、シェアは単にお金がないから所有できないだけでは?とも思う。
自分も車は持っていないが、お金があればシェアではなく、ぜひとも所有したい。
・団塊世代は第二の消費世代なので、もっと大きなものを界、私有することが幸せだという価値観が心に刷り込まれている。
・団塊世代と新人類世代は全く異なる特徴を持った世代だが、物質主義的な傾向が強いというところは共通している。
・第四の消費世代の健康志向は、人生全体を見なおさないと健康は得られないという思い
・新しいものをつくらなくても、古いものだけで消費者が十分満足する時代(大衆文化のストック化)
・現代の消費者(特に若者)は「複数の自分」を持ち、そのうちひとつを必ず「みんなと同じ自分」、つまり「同調する自分」として持っている。
同時に彼らは「人と違う自分」、つまり「差別化する自分」を持っている。「同調する自分」に訴求すればメガヒットが生まれ、
「差別化する自分」に訴求すればセールスは極小化する。逆に、「ひとつの自分」の時代のような中くらいのヒットが生まれにくくなる。
・欲求の基本的な源泉は不足である。食べ物が多様に大量に目の前に存在し、それを自由に選択できるにもかかわらず、
むしろそれだからこそ、かえって食べることが面倒になっている。
・モノを持っていることの満足ではなく、情報を知っていて、それを他と分かち合う利他主義的な満足(モノ<コト)。ある意味社会志向。
・転勤族の子どもが多い世代になると、生まれた地域、育った地域によって自分の性格が形成されたという意識が弱い。
いわば「故郷喪失」の世代。そういう世代はだいたい1960年代生まれから増えるが、彼らにとって共通の故郷はどこかといえば
「日本」ということになり、こうしたことが、若い世代に日本への愛を生み出す背景にあると思われる。
・2035年 20代1046万人 65-89歳3293万人 若者1人に対して高齢者3人
・我々は第二第三の消費社会において、あまりにもお金がなければ生きていけない社会を作ってしまった。
そのことへの反省が第四の消費社会の基調低音をなしていると言えるだろう。
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ネタバレこのタイトルはあくまでも実例のひとつで一番キャッチーなものにしたのだと思う。ぼくはシンプルに『再・生活化の時代』で良いと思う。
現代はバーチャル(魔法)の時代からそのアンチテーゼとしてリアル(再・生活化)の時代へ移行してきていると著者は分析する。その実例として先駆的な活動をしている方々を本書ではまとめられている。
この本の例からみたリアル(再・生活化)の時代の特徴としては、
①自分たちでつくる
②既存のものを再活用、価値を見直す
③シェアし、つながりを楽しむ
④省略ではなく生活や人間全体を感じたい
今や何でもネットで買えるため、もはや都会で暮らす必要は薄れ、地方へ移住する人たちが増えている。
そこにはお金の問題もある。給料が上がりにくく、雇用が生涯の安心をくれない時代には自分でつながり=安心をつくる必要がある。
都会ではお金の消費が前提にあり、お金を稼ぐためには多くの人にとって時間を消費することになるため、都会の人たちは時間に余裕がなく効率化、省略化が好まれる。
お金は省略化の味方である。
お金があればモノは自分でつくらなくても手に入る。
家事も代行してもらえる。
人のつながりも最低限に省略できる。
ただし、多くの人にとってお金を手に入れるためには時間のゆとりある生活を犠牲にする必要がある。
こうしたことに疑問を持った人たちが増えてきているのだと思う。
少ないお金でもポジティブに工夫をこらせば楽しく生きられるヒントを示してくれる。
新しいことを始めるにも地方の方が経済的な制約が、そして広さの制約が少ないのである。問題解決にもなりより生きがいにつながりやすい。
また郊外に女性やこどもも楽しめる夜の娯楽が必要と著者は主張する。
まちが楽しければお金は少なくても幸せに暮らしやすくなる。 -
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ネタバレ<目次>
序 魔法の時代と「再・生活化」の時代
第1章 生活実験
第2章 昭和の官能
第3章 郊外の夜の娯楽
第4章 新旧をつなぐ
最後の分析 あとがきにかえて
<内容>
低成長で停滞の続く日本の将来について、具体的な活動をしている人の取材を通して、様々な提言をしている、三浦展の本(多くは、ネット上の記事をまとめたもの)。私が感じるところのあったのは、第1章と第4章。彼の説く「第4の消費」の、人間関係の豊かさ志向、シェア志向、シンプル・ナチュラル・手作り志向(これはこの本では希薄)、日本・地方志向、が一番出ているところだと感じたから。ここで取材されている人たちは、30~40代が多く、クリエィティブな仕事の方が多い。また結構いろいろなジャンルの方たちとつながっている。現状に不満で、より人間らしく生きようと考えた結果、私的には思い切った動きをしている。
政治家はそれでは儲からないから、こうしたことには口出ししないし、かえって邪魔したりする(変な規制をかけたり)が、時代は人口縮小社会ではこれが正しいかも… -
Posted by ブクログ
三浦展 著「横丁の引力」、2017.10発行。面白かったです。フォークソング「神田川」に「横丁の風呂屋」のフレーズがありました。今、横丁のブームだそうです。雑誌「散歩の達人」「東京人」、TV「吉田類の酒場放浪記」など。そもそも横丁の前身は闇市、赤線、青線、三業地。主要な駅には闇市が。赤線は合法的な歓楽街で遊郭、待合、貸座敷など。青線で有名なのは玉の井(東向島)。三業地とは料亭、置屋、待合のある地域。若い女性、元気です。マンホール好きの蓋女、古い階段を好む階段女子、屋台も人気。神楽坂、向島、玉の井、立石、赤羽、蒲田など横丁と路地のある街があこがれの対象になっているとか。