三浦展のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ファスト風土とは地方のロードサイドに見ら
れる大型店やチェーン店が並ぶ風景のことで
す。
全く個性もなく、車社会の象徴とも言えるこ
とに異論はないと思います。
著者の三浦氏は20年前からこのファスト風土
に危機感を抱いていたそうですが、実は現在
では見直しの兆しも見られるらしいです。
ファストフードのカウンターカルチャーとし
てスローフードが見直されたように、脱ファ
スト風土の機運もまた生じているのです。
例えば立川のGreen Springsや、仙川駅呪編
など、そこは単なる消費の場ではなく自己充
足の場だそうです。
単なる買い物や映画を観るためのモールは、
ネットに淘汰されること -
Posted by ブクログ
もう日本は下流国家に成り下がっているの
では?という疑問に対する検証本です。
ただ単に各地の事象を例に挙げて「こんな
状況だよ。終わっているよ、ニッポン」と
いう自虐的な内容ではありません。
多くのアンケートに基づいた「国民の意見」
を反映させているのです。つまり限りなく
客観でなく事実に近い内容なのです。
その原因は、この本で政治の貧困であると
説いています。
さらにあと書きで触れている部分が印象的
です。それは以下の内容です。
この本の調査には200万円程費用が発生し
ている。しかし企業や研究者の参加のおか
げで、著者による持ち出しは45万ほどであ
った。つまりその程度の負担でこ -
Posted by ブクログ
そもそも下町はどの地域を指しているのでしょ
うか?から本書は始まります。
表紙にもなっている葛飾・柴又?でもそこより
ずっと都心寄りの浅草辺りも下町を言われてい
ますし、と考えてみれば下町と聞いてイメージ
する場所は人それぞれなのです。
それもそのはず、下町は時代とともに移動して
きたからなのです。
古くは関東大震災で家屋を失った人々が郊外で
移動したり、戦災によって焼け出された家族が
移り住んだりと、時期と理由は様々です。
そして農業から工業化への発展に伴って、工場
の周りに人が移動してくるのも下町化です。
現在はこれらの工場跡地にマンションが建てら
れているのです。
要するに下 -
Posted by ブクログ
物の豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
消費や生活を通じて心の豊かさを求めることは大前提となっており、具体的にはいかに豊かな人間関係を築くかが重視される。
私有志向からシェア志向へ
カーシェアリング、シェアハウス
ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
海外高級ブランドのファッションや車を買うことが日常歌詞華美な消費行動が盛んになった。しかし、バブルが崩壊すると、次第に人々の生活はシンプル志向になり、エコロジー意識の高まりもあって、人工的なもの、ケミカルなもの、大量生産品よりも、ナチュラルなもの、作り手の顔の見える手作りの物を志向する人が増えていった。
欧米・都 -
Posted by ブクログ
とても面白かったし、勇気づけられた。
今の時代はバーチャルの世界を好き嫌いで選ぶのでなく、もはやバーチャルがあって当たり前というのが逆らえない時代であると思う。
より最新のものを身につけて、先進的な暮らしをするより、今の時代は
・物の豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
・私有志向からシェア志向へ
・ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
・欧米・都会志向から日本・地方志向へ
という高度経済成長期以前の日本人の一般的な暮らし「再・生活化」に憧れを持つ人が多くなった。
放っておくと、一日中パソコンの前で動かず生活ができてしまう現代にて、バーチャル(魔法)に対してリア -
Posted by ブクログ
大正元年から終戦までを第一の消費、終戦からソニーがベータを出した’75までを第二の消費、そこからクロネコヤマトのサービスが始まるなどし冬のソナタが放映された’05までを第三の消費、大手企業が軒並み赤字に喘ぐ昨今までを第四の消費としている。
物質を尊んだ第一の消費、溢れかえった第二の消費、幸せの意味を探した第三の消費を経て、そして3・11を超えて我々はどこへ向かおうとしているのか。フランス語で消費とはconsommation(コンソマチオン)というそうで、それには不思議なことに「完成」「成就」といった「材料を使い尽くすことで料理が完成する」ような感覚を孕んでいるという。
これを見たとき、コン -
Posted by ブクログ
ネタバレ下流社会という流行語を生み出した三浦展氏による下流社会第3章。世代マーケティングが専門ということで、下流社会もいつの間にか女性の消費性向の変化にフォーカスする作品となった。
昔は、ブランド物志向が強かった短大卒一般職という女性が減り、女性の趣味がオヤジ化しているという。
職場にスカートで行くか、という質問からは始まり、趣味が歴史や写真など昔はオヤジの趣味だったものを女性がかっこいいと称し、新たな市場が生まれている点を指摘。女性誌の表紙の変化などからも女性の消費性向の動向がわかるという視点は面白い。
昔は仕事終わりに百貨店に行くような行動が今は残業のあとに牛丼屋に一人で行く生活。そりゃ百貨店の売