三浦展のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学時代、フェミニズム関連の講義中に一気読みした本。今読んでもとても面白い。
・夢追い人は貧乏になる。
・結局コミュニケーション能力が高くて家庭大切に仕事バリバリする男が下流社会に転落することから免れる。
今読んでも意外と新鮮で驚いた。以下、引用。
結婚ほど同じ階層の人間同士を結び付けるものはない。個人だ、自由だといってもそもそも異なる階層の人間と出会うチャンスがないし、であっても恋愛の、ましては結婚の対象とは考えないのが普通である。一流商社マンはパチンコ屋で働くおねえちゃんとは結婚しないし、みりおねーぜ系女子は自分のオフィスを掃除する男性とは結婚しない。なぜか。所得、職業、学歴、趣味など、すべてにおいて階層が違うからだ。
出身階層が低い生徒のみ見られる傾向として、「将来のことよりも今の生活を楽しみたい」という現在志向的な価値観の強い生徒ほど、自己有能感1が高い。同時に、あくせく勉強して学校やよい会社に入っても将来の生活に大した違いはない、という成功物語否定的な価値観の生徒ほど自己能力感が高い。つまり、出身階層の低い高校生ほど、学校、学習以外のところで、自己能力感を覚えているということである。自己能力感を自分らしさや自己実現感覚と読み替えれば、下流ほど志向が強いことがで説明できる。
戦後は、特に高度成長期は貧しい人ほど希望をたくさん持つことができた時代だったと言える。対して貴族や資本家、地主階級は特権をはく奪され、土地も奪われたのだから、希望は縮小していたはずだ。小作人や土地をもらい、小作人の息子、娘でも高校くらいには進めるようになった。中学、高校を出れば、たとえブルーカラーでも大企業に勤める可能性もあり、努力すれば課長くらいにはなることができた。高度成長期は、低い階層の人ほど多くの希望と可能性を持ち、高い階層の人ほど、それまであった権利を縮小された時代であり、その意味で、個別具体的な事例はともかく、総じていえば、希望格差が縮小する時代であったと言える。 -
Posted by ブクログ
ファスト風土とは地方のロードサイドに見ら
れる大型店やチェーン店が並ぶ風景のことで
す。
全く個性もなく、車社会の象徴とも言えるこ
とに異論はないと思います。
著者の三浦氏は20年前からこのファスト風土
に危機感を抱いていたそうですが、実は現在
では見直しの兆しも見られるらしいです。
ファストフードのカウンターカルチャーとし
てスローフードが見直されたように、脱ファ
スト風土の機運もまた生じているのです。
例えば立川のGreen Springsや、仙川駅呪編
など、そこは単なる消費の場ではなく自己充
足の場だそうです。
単なる買い物や映画を観るためのモールは、
ネットに淘汰されることが予見されます。
その後に必要とされる場は「憩う」ことがで
きる場所なのです。
それらの一連の流れを理解することができる
一冊です。 -
Posted by ブクログ
もう日本は下流国家に成り下がっているの
では?という疑問に対する検証本です。
ただ単に各地の事象を例に挙げて「こんな
状況だよ。終わっているよ、ニッポン」と
いう自虐的な内容ではありません。
多くのアンケートに基づいた「国民の意見」
を反映させているのです。つまり限りなく
客観でなく事実に近い内容なのです。
その原因は、この本で政治の貧困であると
説いています。
さらにあと書きで触れている部分が印象的
です。それは以下の内容です。
この本の調査には200万円程費用が発生し
ている。しかし企業や研究者の参加のおか
げで、著者による持ち出しは45万ほどであ
った。つまりその程度の負担でこれだけの
調査が出来るのに、なぜマスメディアはそ
れをしないのか。
政治報道といえば内閣支持率のような簡単
な調査と、無意味な記者会見ばかりでは、
国民の関心に応えられないだろう。
政治の貧困は報道機関の貧困によってもた
らされているのである。
「オワコン」と言わせないためには、我々
の関心度合いも重要であることを知らされ
る一冊です。 -
Posted by ブクログ
そもそも下町はどの地域を指しているのでしょ
うか?から本書は始まります。
表紙にもなっている葛飾・柴又?でもそこより
ずっと都心寄りの浅草辺りも下町を言われてい
ますし、と考えてみれば下町と聞いてイメージ
する場所は人それぞれなのです。
それもそのはず、下町は時代とともに移動して
きたからなのです。
古くは関東大震災で家屋を失った人々が郊外で
移動したり、戦災によって焼け出された家族が
移り住んだりと、時期と理由は様々です。
そして農業から工業化への発展に伴って、工場
の周りに人が移動してくるのも下町化です。
現在はこれらの工場跡地にマンションが建てら
れているのです。
要するに下町は日本という国の都市部の移り変
わりを凝縮しているのです。
ゆえに誰にとっても「あの頃」を体現、回顧で
きる場所が下町なのです。それが人を惹きつけ
る理由とされています。
しかしものすごいスピードで開発され続けてい
る下町。表紙の柴又駅前も様変わりです。
まさに「今しかない」と思わされる一冊です。 -
Posted by ブクログ
物の豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
消費や生活を通じて心の豊かさを求めることは大前提となっており、具体的にはいかに豊かな人間関係を築くかが重視される。
私有志向からシェア志向へ
カーシェアリング、シェアハウス
ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
海外高級ブランドのファッションや車を買うことが日常歌詞華美な消費行動が盛んになった。しかし、バブルが崩壊すると、次第に人々の生活はシンプル志向になり、エコロジー意識の高まりもあって、人工的なもの、ケミカルなもの、大量生産品よりも、ナチュラルなもの、作り手の顔の見える手作りの物を志向する人が増えていった。
欧米・都会志向から日本・地方志向へ
日本の伝統を見直す機運が広がり、京都人気が高まった。さらに欧米の文物が輸入される都会よりも、古い日本の生活が残っている地方への関心が高まることにもなった。
再・生活化
高度経済成長期以前の日本人の一般的な暮らし、生活を、もう一度見直し、再評価し、部分的にであっても、それを現代の生活に取り入れようとする動き。
リアルな生の実感を欲する再・生活化の時代
現在は確かにバーチャルの時代である。バーチャルは既に憧れではなく、むしろ抗うことのできない現実である。だが、そこでは、人間の生は、まるでニーチェの末人(日常的な小さな快楽を求めるだけで、大きな理想を追わない人)のように縮小しているようにも見える。放っておくと、我々は一日中動かず、パソコンの前で働き、スマホを見つめて暮らすだけである。だからこそ、昔ながらの生活が輝かしいものに見え始める。スポーツや肉体労働、そうした活動する人が増えている。アウトドア活動も人気である。
性の希薄化
性に対して無関心な人が特に若い世代で増えているという最近の現象である。現代では、性が各種の心理的な葛藤を人にもたらすからであろう。男性から女性へのあからさまな性の欲求は反社会的なものとして禁じられる。 -
Posted by ブクログ
とても面白かったし、勇気づけられた。
今の時代はバーチャルの世界を好き嫌いで選ぶのでなく、もはやバーチャルがあって当たり前というのが逆らえない時代であると思う。
より最新のものを身につけて、先進的な暮らしをするより、今の時代は
・物の豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
・私有志向からシェア志向へ
・ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
・欧米・都会志向から日本・地方志向へ
という高度経済成長期以前の日本人の一般的な暮らし「再・生活化」に憧れを持つ人が多くなった。
放っておくと、一日中パソコンの前で動かず生活ができてしまう現代にて、バーチャル(魔法)に対してリアル(生命・生活・生き物として生きること)を取り戻すことが求められる。昔ながらの生活が輝かしいものに見え始める。
バーチャルとリアルの按配を保つことこそが、
心の豊かさに繋がるのではないか。
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Posted by ブクログ
大正元年から終戦までを第一の消費、終戦からソニーがベータを出した’75までを第二の消費、そこからクロネコヤマトのサービスが始まるなどし冬のソナタが放映された’05までを第三の消費、大手企業が軒並み赤字に喘ぐ昨今までを第四の消費としている。
物質を尊んだ第一の消費、溢れかえった第二の消費、幸せの意味を探した第三の消費を経て、そして3・11を超えて我々はどこへ向かおうとしているのか。フランス語で消費とはconsommation(コンソマチオン)というそうで、それには不思議なことに「完成」「成就」といった「材料を使い尽くすことで料理が完成する」ような感覚を孕んでいるという。
これを見たとき、コンセプトの重要性を説いた”コンセプトのつくりかた”という本を思い出した。青臭く言えば、お仕着せでなく、あなたも私も幸せを感じる独自性のある消費を模索するあり方こそ第四の消費の正体ではないだろうか。
巻末には、セゾングループであの「無印良品」を立ち上げた辻井喬氏の特別インタビューが読めて凄くいい。飽くまで(自分たちの立場のために)お仕着せを通そうとし、考える力を否定する中央政権や報道のあり方をコテンパンにしてくれてホッとする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ下流社会という流行語を生み出した三浦展氏による下流社会第3章。世代マーケティングが専門ということで、下流社会もいつの間にか女性の消費性向の変化にフォーカスする作品となった。
昔は、ブランド物志向が強かった短大卒一般職という女性が減り、女性の趣味がオヤジ化しているという。
職場にスカートで行くか、という質問からは始まり、趣味が歴史や写真など昔はオヤジの趣味だったものを女性がかっこいいと称し、新たな市場が生まれている点を指摘。女性誌の表紙の変化などからも女性の消費性向の動向がわかるという視点は面白い。
昔は仕事終わりに百貨店に行くような行動が今は残業のあとに牛丼屋に一人で行く生活。そりゃ百貨店の売上は落ちるわ。
ミクロ経済を見る上ではこうした社会学的な分析も欠かせませんね。マーケティングの法則。