あらすじ
お金をかけずに、豊かで幸せな生活を実践する人々の事例を、「再・生活化」をキーワードに紹介・解説。それは、(1)物の豊かさから人間関係の豊かさへ、(2)私有からシェアへ、(3)シンプル・ナチュラル・手作り志向、(4)日本・地方志向、の4つがカギとなる。モノやお金では幸せを感じられない現代人にとって理想の生き方とは?
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Posted by ブクログ
物の豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
消費や生活を通じて心の豊かさを求めることは大前提となっており、具体的にはいかに豊かな人間関係を築くかが重視される。
私有志向からシェア志向へ
カーシェアリング、シェアハウス
ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
海外高級ブランドのファッションや車を買うことが日常歌詞華美な消費行動が盛んになった。しかし、バブルが崩壊すると、次第に人々の生活はシンプル志向になり、エコロジー意識の高まりもあって、人工的なもの、ケミカルなもの、大量生産品よりも、ナチュラルなもの、作り手の顔の見える手作りの物を志向する人が増えていった。
欧米・都会志向から日本・地方志向へ
日本の伝統を見直す機運が広がり、京都人気が高まった。さらに欧米の文物が輸入される都会よりも、古い日本の生活が残っている地方への関心が高まることにもなった。
再・生活化
高度経済成長期以前の日本人の一般的な暮らし、生活を、もう一度見直し、再評価し、部分的にであっても、それを現代の生活に取り入れようとする動き。
リアルな生の実感を欲する再・生活化の時代
現在は確かにバーチャルの時代である。バーチャルは既に憧れではなく、むしろ抗うことのできない現実である。だが、そこでは、人間の生は、まるでニーチェの末人(日常的な小さな快楽を求めるだけで、大きな理想を追わない人)のように縮小しているようにも見える。放っておくと、我々は一日中動かず、パソコンの前で働き、スマホを見つめて暮らすだけである。だからこそ、昔ながらの生活が輝かしいものに見え始める。スポーツや肉体労働、そうした活動する人が増えている。アウトドア活動も人気である。
性の希薄化
性に対して無関心な人が特に若い世代で増えているという最近の現象である。現代では、性が各種の心理的な葛藤を人にもたらすからであろう。男性から女性へのあからさまな性の欲求は反社会的なものとして禁じられる。
Posted by ブクログ
とても面白かったし、勇気づけられた。
今の時代はバーチャルの世界を好き嫌いで選ぶのでなく、もはやバーチャルがあって当たり前というのが逆らえない時代であると思う。
より最新のものを身につけて、先進的な暮らしをするより、今の時代は
・物の豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
・私有志向からシェア志向へ
・ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
・欧米・都会志向から日本・地方志向へ
という高度経済成長期以前の日本人の一般的な暮らし「再・生活化」に憧れを持つ人が多くなった。
放っておくと、一日中パソコンの前で動かず生活ができてしまう現代にて、バーチャル(魔法)に対してリアル(生命・生活・生き物として生きること)を取り戻すことが求められる。昔ながらの生活が輝かしいものに見え始める。
バーチャルとリアルの按配を保つことこそが、
心の豊かさに繋がるのではないか。
Posted by ブクログ
三浦さんも初期とは遠いところに来たような記憶が…マーケッターとしては一貫しているのかな。コミュニティが大事、昭和以前のような手に取れるものが大事。私としては実験しながら生活を構築している人々のエピソードが面白かった。一歩間違えると懸賞生活のなすびですが。いや、それもまた面白いのか。
Posted by ブクログ
コワーキングスナックなどの「住み開き」というような実験的な生活が印象に残った。また、昭和のエロティズムに惹かれる若年性の存在も本書を通じての発見♪
Posted by ブクログ
モノ所有(財産)によって幸福を感じる時代は終わり、安心できる共同体に所属し、共体験やコト消費を求める時代がくる。それにむけた取り組み事例の紹介。
シェアハウスやコミュニティーカフェなどなど。
Posted by ブクログ
モノやお金では幸せを感じられない現代人にとって理想の生き方とは?というテーマで生き方についてを考察した本です。古い民家や倉庫などをリノベーションして新しい事業を始めるとか、人と人とのつながりを作るとか、地域を活性化するとか、そんなようなことが書いてあります。こういう生き方もすごいなと思いますが、ちょっと仕事が早く終わると時間休をとってすぐビール飲んじゃう自分は、飲み過ぎな生活になるなと思いました。
Posted by ブクログ
このタイトルはあくまでも実例のひとつで一番キャッチーなものにしたのだと思う。ぼくはシンプルに『再・生活化の時代』で良いと思う。
現代はバーチャル(魔法)の時代からそのアンチテーゼとしてリアル(再・生活化)の時代へ移行してきていると著者は分析する。その実例として先駆的な活動をしている方々を本書ではまとめられている。
この本の例からみたリアル(再・生活化)の時代の特徴としては、
①自分たちでつくる
②既存のものを再活用、価値を見直す
③シェアし、つながりを楽しむ
④省略ではなく生活や人間全体を感じたい
今や何でもネットで買えるため、もはや都会で暮らす必要は薄れ、地方へ移住する人たちが増えている。
そこにはお金の問題もある。給料が上がりにくく、雇用が生涯の安心をくれない時代には自分でつながり=安心をつくる必要がある。
都会ではお金の消費が前提にあり、お金を稼ぐためには多くの人にとって時間を消費することになるため、都会の人たちは時間に余裕がなく効率化、省略化が好まれる。
お金は省略化の味方である。
お金があればモノは自分でつくらなくても手に入る。
家事も代行してもらえる。
人のつながりも最低限に省略できる。
ただし、多くの人にとってお金を手に入れるためには時間のゆとりある生活を犠牲にする必要がある。
こうしたことに疑問を持った人たちが増えてきているのだと思う。
少ないお金でもポジティブに工夫をこらせば楽しく生きられるヒントを示してくれる。
新しいことを始めるにも地方の方が経済的な制約が、そして広さの制約が少ないのである。問題解決にもなりより生きがいにつながりやすい。
また郊外に女性やこどもも楽しめる夜の娯楽が必要と著者は主張する。
まちが楽しければお金は少なくても幸せに暮らしやすくなる。
Posted by ブクログ
<目次>
序 魔法の時代と「再・生活化」の時代
第1章 生活実験
第2章 昭和の官能
第3章 郊外の夜の娯楽
第4章 新旧をつなぐ
最後の分析 あとがきにかえて
<内容>
低成長で停滞の続く日本の将来について、具体的な活動をしている人の取材を通して、様々な提言をしている、三浦展の本(多くは、ネット上の記事をまとめたもの)。私が感じるところのあったのは、第1章と第4章。彼の説く「第4の消費」の、人間関係の豊かさ志向、シェア志向、シンプル・ナチュラル・手作り志向(これはこの本では希薄)、日本・地方志向、が一番出ているところだと感じたから。ここで取材されている人たちは、30~40代が多く、クリエィティブな仕事の方が多い。また結構いろいろなジャンルの方たちとつながっている。現状に不満で、より人間らしく生きようと考えた結果、私的には思い切った動きをしている。
政治家はそれでは儲からないから、こうしたことには口出ししないし、かえって邪魔したりする(変な規制をかけたり)が、時代は人口縮小社会ではこれが正しいかも…
Posted by ブクログ
2025.04.21 大体、想像できる内容ではあるが、やはりおっしゃる通り再・生活化の時代なんだろうな。ある意味、近代資本制からの逃走なのかもしれない。
Posted by ブクログ
複数世帯でのシェアハウスや週末田舎暮らし、スナックなど、ちょっと変わった生活スタイルの人々の取材がまとめられている。
シェアハウス内で住人それぞれのスキルを交換する経済圏ができているのは面白いし合理的で良いなと感じた。
Posted by ブクログ
地方移住や地域のコミュニティの形成などの事例を多く紹介している
これまでの社会の考え方に違和感を持つ人たちが
自分たちの思う豊かな暮らしを実現しようとしているのが感じられた
ミニマリスト的な暮らしも注目されているが、
人々の考え方が変わってきているのを垣間見ることができた