小杉健治のレビュー一覧
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風烈廻り与力・青柳剣一郎 シリーズ3
青柳剣一郎・36歳。まだまだ与力の職を倅・剣之助に譲るほどの歳ではないが年番方与力の宇野清左衛門に「そろそろ、剣之助を見習いに出してはどうだ?」と言われ、青柳剣一郎は、倅と一緒に奉行所に勤めるのは、夢であっただけに、嬉しいことであった。
ある風の強い日、同心二人と見廻りに出た青柳は、悲鳴が聞こえたので、行ってみると、先程別れた、当番方与力・原金之助が、何者かに、惨殺されていた。
不意を襲われ刀を抜く間もななく斬られ、傍らに「熊」と書かれた紙が置かれていた。
数日後「熊五郎をお解き放ちせよ」の脅迫文が届いた日、第二の犠牲者、定橋掛かり与力・宮島平六郎が、 -
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風烈廻り与力・青柳剣一郎 シリーズ2
与力・青柳剣一郎は、若い頃の人質事件捕物で受けた刀疵が青痣となって、涼しげな目をした穏やかな顔立ちを精悍なものにしていた。いつしか「青痣与力」と呼ばれるようになった。
ある夜、青柳剣一郎は、火付け道具を隠し持った男を捕らえた。
男は、拷問を受けても、一言も発しない。
牢の中での攻めにも、堪えるが、ある男に発した奇妙な言葉を、同じ牢に入っている掏摸の三吉が聞いた。
三吉は、四度つかまり、死罪は免れない所、青柳に、助ける代わりに、男の牢内の様子を見はるようにと、言われていた。
そんな折、青柳は、年番方与力・宇野清左衛門から妻の、多恵に「陶酔香」と言う、