東直子のレビュー一覧

  • とりつくしま

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    読書会で紹介していただいて気になった本。死んだあと「とりつくしま係」によって無生物に取り憑くことができる。そのような設定もあってモノ=死者の視点から描かれている珍しい物語。解説でも書いていたが、視点を描いた絵画を知っていたこともあって、芸術的だなと感じながら読んだ。

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    2024年12月26日
  • フランネルの紐

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    表紙に惹かれ内容は知らないまま手に取った本でしたが、とても良かったです。
    手芸にまつわる優しい短編と短歌。
    100ページちょっとの薄い本だけれど一気に読むのは勿体なくて何日もかけてゆっくり読みました。

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    2024年12月18日
  • フランネルの紐

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    私たちは遺伝子だけじゃなく、身を包むものでも時間をつなげていくのだ。

    1話読んではて?、2話からいいな、それからは最後まで身体の周りをくるくると流れ、優しい風に包まれるような穏やかな時間を過ごせた。今の自分にとても沁みた作品、期待以上だった。

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    2024年12月03日
  • フランネルの紐

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    私たちは遺伝子だけじゃなく、身を包むものでも時間をつなげていくのだ-。やわらかなきらめきを放つ小説と短歌で紡ぐ、服飾にまつわる「喪失と再生」の18の物語。『PHP』連載を加筆・修正。

    率子さんに服を縫ってもらいたい。

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    2024年11月30日
  • トマト・ケチャップ・ス

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    軽い女子高生の青春話かと思いきや
    それぞれの抱えているものがずっしりとやってきて
    後半はもう遠いところから応援する人の様に読み進めた。

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    2024年11月28日
  • とりつくしま

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    あなたは何に「とりつき」ますか? 死んでしまったあなたに、とりつくしま係が問いかけます。そして妻は夫のマグカップに、弟子は先生の扇子に、なりました。切なくて、ほろ苦くて、じんわりする連作短篇集。

    映画を観て再読。

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    2024年11月23日
  • ひとっこひとり

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    歌人でもある東直子さんの短編集。まだ3冊読んだだけですが、最近、お気に入りの作家さんです。

    ひと言の言葉をモチーフに綴られた物語は、どれもがとても印象深かったです。様々なシチュエーションでのひと言がもたらす気持ちの表現に、引き込まれました。短編なんだけれど、充実した感じがしました。大丈夫?と言われたときの気持ちとか、スッとその気持ちに入り込めるような感じでした。寂しかったり、孤独だったり、そんな気持ちに優しく寄り添うことについて、思ったりしながらの読書でした。

    装画・挿画の三好愛さんのイラストも、かわいらしくて、ほっこりしました。

    大丈夫
    ごめん
    覚えてる?
    もういいよ
    なんで?
    つれて

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    2024年11月19日
  • 晴れ女の耳 紀ノ国奇譚

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    和歌山弁による穏やかな語りに油断していると突き落とされる感じ。人間を引摺り込もうとする婆さんや狸や元々人だった何かは恐ろしかったり滑稽だったり。でも女達の何処にも行けなさがどの短編の底にも流れていて、ちょっと物悲しいのね

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    2024年11月14日
  • フランネルの紐

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     ゆったりぐっすりと眠れる安眠枕の話、母親の妹にあたるおばさんが主人公の少女の破れたスカーフをアレンジを加えて修復する話など、ほんわかとした気分になれる話ばかりで 良かったです。

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    2024年11月07日
  • とりつくしま

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    優しいと切ないが詰まっている。でも2回死ぬことになるんだと気づいてからは悲しさで頭がいっぱいになった。

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    2024年09月16日
  • とりつくしま

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    死んだ後、何かに取り憑くことが
    できるとしたら、
    私は誰のそばの何になるだろう。
    年代性別もバラバラの死者が
    何かに取り憑いて世界を眺める短編集。
    視点がまず斬新で、
    主人公は無くなっているから
    切なさはもちろんあるんだけど、
    生きていた頃を想像できるし
    1番会いたい人の近くにみんな取り憑くから
    愛を感じて温かい気持ちになりました。
    死後の世界は生きている以上知り得ないけれど、
    こんな世界なら怖くないなぁと思ったし、
    今年他界した祖母もどこかにいるのかなぁ
    と思ったりしました。

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    2024年09月15日
  • とりつくしま

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    死んだら何にとりつく?(無機物限定)という発想が見事。様々な人が物に取り憑いて世界を眺める短編集。自分なら何に取り憑く?を自ずと考えられます。

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    2024年09月03日
  • とりつくしま

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    ネタバレ

    妹からコメント付きで勧められて読みました。
    とてもあったかい気持ちになれる短編小説。
    亡くなってからのことは誰もわからないけど、こう言う考えもあるのか!と私は嬉しかったです。
    また、物を大切にすることの重要性を改めて感じました。
    大切な人がどんな形であれそばにいてくれたら、、見守ってくれていたら、、
    死に対するマイナスイメージを少しでも払拭してくれる、そんな作品でした。

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    2024年08月23日
  • とりつくしま

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    短編集。わたしはいろんな想いに見守られているのかも。生きていること、今をいとしむこと。改めて大事にする。

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    2024年08月19日
  • ひとっこひとり

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    ネタバレ

    結末は委ねられるものの、読後感はさほどモヤらないのが不思議。
    自分の身に起きたら中々にしんどい状況を、自然体で軽やかに乗り越える人々の強さがそうさせるのか。私なぞ一話目の夫のズレた優しさだけでも嫌になるというのに、「的に当たらなくても前に飛ばせばいい」と前向きに受け取るシーンはかなり刺さった。

    辞書を丸暗記する少年の描写も良かった。
    大人っぽさと子供っぽさの混ざり具合がリアル。祖父が受けた裏切りや帰宅部を作ろうと言い出す少年など、背景が気になる登場人物にもっと読みたくなったがそこは短編。やはり読み手の想像力に託すということか。

    もっともっとと思ってしまうという事は面白かったという事。

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    2024年08月02日
  • 晴れ女の耳 紀ノ国奇譚

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    「晴れ女の耳」 紀ノ国奇譚
    著者 東直子

    【目次】
    イボの神様
    ことほぎの家
    赤ベベ
    晴れ女の耳
    先生の瞳
    サトシおらんか
    あやっぺのために
    緑涙

    参考文献に『読みがたり 和歌山のむかし話』とありました。 
    八篇から成る短編集ですが、題材となっているのが、和歌山の民話や実話ということで、古い日本の風習やその土地の文化のようなものが根底に感じられます。人柱や神かくしなど、どのお話にも、そうしなければ生きていけなかった切なさがあります。
    どのお話にも、人の想いが込もっている様に感じられました。

    表題作、『晴れ女の耳』を出来るだけネタバレのない範囲でご紹介させてください。
    『私が外に出る時は必

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    2024年06月12日
  • 短歌の時間

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    公募ガイドの選歌欄「短歌の時間」のオムニバスですね。
    メメさんの本棚登録で知りました。とても素敵な本です。メメさん、ありがとうございました。
    雑誌『公募ガイド』連載「東直子の短歌の時間」(2015年4月号~2021年10月号)を纏められた一冊です。七十九のお題で、特選一首、秀逸二首、佳作六首。それぞれに[評]を添えて、[全体評]でまとめ。エッセイのような短歌についてのコラムが寄せられています。
     とてもおしゃれで、東さんのイラストも味わい深く華を添えています。
     東さんの短歌も私には馴染みやすいのですが、文章も柔らかく親しみやすく、短歌の選も共感を呼ぶものでした。ちょっと嬉しい本です。

     や

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    2024年06月09日
  • 魚を抱いて 私の中の映画とドラマ

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    歌人・東直子さんによる映画、ドラマエッセイ。
    各映画、ドラマにインスパイアされた短歌とイラストもあって東直子ファンにはたまらない。
    みずみずしい感性と年齢を重ねた大人の感性がミックスされていて、とても豊かな読後感。
    『サイダーハウスルール』のエッセイは、なぜか泣きそうになった。映画も再見したい。

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    2024年04月17日
  • ひとっこひとり

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    ほんわりあたたかな読後感の話が多かった。
    結末が予測できる話が多いからこそ落ち着いてあたたかさに浸れた気もする。
    料理が上手なシングルファザーを特別扱いして欲しくない高校生の話はなんだか解像度が高く感じた。
    承認欲求があるところと、特別扱いして欲しくないところ。みんなそれぞれあるよね。

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    2024年04月13日
  • 魚を抱いて 私の中の映画とドラマ

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    「パリ、テキサス」「あまちゃん」…。歌人・東直子が忘れられない33本の映画とドラマについて、イラストと短歌を添えて綴る。春陽堂書店オウンドメディア連載等に書き下ろしを加えて書籍化。

    観てみたくなった。

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    2024年04月07日