東直子のレビュー一覧

  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    文章には人柄が出るということがわかった。それぞれの作者(何人かの本は読んだことがあるけど)の素性は一切わからないけど、質問に答えていく回答文自体が自己紹介をしているようだった。
    そして、私が普段よく思っていることが、忠実に言語化されていて勝手に爽快な自分を味わった。


    個人的には、「人と人とが関係を結ぶときは、もしかしたら美点によってかもしれない。けれどその関係を深めていくのは、美点ではなく欠点なのではなかろうか。また、私たちが人間くささを感じるのは、どういうわけだか美点ではなく欠点である。」

    「私は今現在『早めに終わらせ、夏休み最後まで何度も見直す派』なのだが、もちろんそんなことは言わな

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    2024年03月18日
  • とりつくしま

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    気がついたら「とりつくしま係」に話しかけられている。モノになってもういちど、この世を体験できるらしい。

    残してきて気になる人のモノになる。その視線から色々な体験ができる。もしもそうなったらいいのにという気持ちを味わえる短編集。

    私は、白檀の扇子と日記になった物語が潔くてよかった。

    ロージン、トリケラトプス、青いの、白檀、名前、ささやき、日記、マッサージ、くちびる、レンズ、番外編びわの樹の下の娘

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    2025年07月10日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    この本の中には確かに街があり、その世を隔てた小さな街の秩序に代々従いながら生き続ける人たちがいます。薬屋のタバサはその街で、街の人達や店を訪れる人達の生から死までを預かりますー
    そして代々引き継がれてゆく薬屋の仕事ー
    短命な薬屋の嫁達ー
    タバサの子を産み終えた「わたし」もまた、、、
    心地よい読後感ではないものの、不思議な世界への読書体験でした。

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    2023年12月05日
  • ひとっこひとり

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    日常のありふれた言葉からこんな素敵な短編が生まれるのは、やっぱり歌人だからかなと感じた。
    優しい印象の装画から、癒やし系の物語を想像したけど、そうでないものも。
    人間は「一人」を強く感じる時もあるけど、本当にひとりぼっちってことはなくて、言葉や思い出とか何かしらのもので他人と繋がっているんだよなと、改めて感じさせてくれた。
    1話は15ページ程度なのに、予想以上に中身がぎゅっと詰まっていた印象。

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    2023年10月20日
  • ひとっこひとり

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    歌人でもある東直子さんの 「言葉」 がもたらす12 篇の短編集。 大丈夫、 ごめん、 ありがとね...などのひと言がタイトルになっていて、ページをめくると三好愛さんの優しくて可愛らしい挿絵が描かれています。

    お話の最初は孤独感や寂しい気持ちを 抱えてる主人公たちですが最後にはひとりじゃないよ 〜と明るい兆しの見えるお話ばかり。言葉による小さな奇跡てあるのかもしれません。『待ってた』のアケミちゃんとスミレちゃんのお話のラストは悲しいけれど石で綴った「マッテル」の文字。アケミちゃんはきっと見てくれるよ

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    2023年09月28日
  • ひとっこひとり

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    色々な世代の、境遇の違う人生の一コマを切り取り、心のひだを丁寧に描写しています。その言葉選びに惹きつけられるものがありました。

    ちょっぴり寂しい気持ちになりつつも、遠くの方に光が差している、「いろんな生き方があっていいんだよと」励まされるような12編の物語でした。

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    2023年09月21日
  • ひとっこひとり

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    星3か4で悩みました。12の短編集。
    ふわふわとした表紙にやわらかい話を想像していましたが、真逆で驚いた。明るい先の見える話もあるが、読み進めると気分は晴れなかった。

    誰もが抱える暗い気持ちや悩みと
    側に居てくれる誰かがもたらした言葉を大切に心に届く様子がわかりやすい。
    それぞれの章に登場する人物は少なく、どこにでも誰にでも側に居てくれる人がいるということに気付く。

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    2023年09月13日
  • ひとっこひとり

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    さらっと読む気だったんですが、1話からガツンと来た上に単純に暗い重いでくくれないズンとした話が多くて粛々と読みました。「的外れな優しさだけど、自分に対して矢を前に飛ばしてくれたことは純粋にうれしい」というフレーズは何だか目が覚めるような考え方で印象に残った。

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    2023年08月29日
  • ひとっこひとり

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    何気ない言葉をモチーフにした短編集。
    この本を読もうと思ったのは、装丁がほんわかしていたから、挿絵もタイトルを連想させる。ミニマムだけど温かい。
    三好愛さんは、宮部みゆきのおいち百物語シリーズも手掛けてるけど、なんだろう、怪しい話なのに癒やされるホントに不思議なイラストだ。

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    2023年08月17日
  • 短歌はじめました。 百万人の短歌入門

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    同人のノリに始めはついていけないような冷ややかな空気があるのだが、だんだんに同人たちが短歌を本質的に求めるようになり、読み手は同人たちを知っていく。どちらも歩み寄りつつ同じ方向を向いて終わる感じが良い。

    穂村弘と東直子の感覚の違いなども見ていて面白い。

    穂村弘が理詰めで表現を探していることがわかる。

    日常の記憶を留めるために変更させたくない部分を残しつつどのように短歌に昇華させうるか。言葉として感動を閉じ込めなくば、その記憶さえ残らないのではという切実さが新鮮だった。

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    2023年07月08日
  • そらのかんちゃん、ちていのコロちゃん

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    とっても良い!アイテムの名前が可愛い!
    大人数に対して読むのは難しいところがあるかな?でも、こういう文章多めの本もいいな。創造力働かせられそう!

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    2023年06月25日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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     どの質問も簡単に「こう言うものだ!」と、キッパリ言い切ってしまう事も出来るのだが、どの回答者も心から真摯に向き合ってくれています。
    社会のままならなさ、白黒で割り切れない所を知った上で一生懸命経験を交えて説いてくれています。
     こう言う類いのおしゃべりは好きです。例え親子であっても子どもの質問にこんな風に向き合ってあげたいな。と思います。

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    2023年03月29日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    津村喜久子さんが好きなので、読んでみた。

    津村さんの他にも6名の回答者(皆文筆家さん)がいるのだが、どの方もいわゆる優等生的な回答、教科書的な回答ではなく、「だよねぇ」と思えるような回答をしてくれている。
    だからといって質問者に寄り添った(質問はズバッと短文で質問者の名前もないので質問者の存在感はゼロだが)感じではなく、みなさんの実感からの回答なので、スッと入ってくるものが多い。

    子供向けだと思うけど、悩んでいる時に読むと少し気が晴れるかも。

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    2023年03月19日
  • いとの森の家

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    作者の幼少の体験をもとに描かれた、とても濃密で幸せなお話。田舎暮らしの良いところが詰まっている。そんなにいいことばかりじゃないよとついつい穿った見方をしてしまいそうになるが、そんな邪悪な気持ちを軽々と上回る。「西の魔女」「博士の愛した」のような、自然で不思議な日常の雰囲気もたっぷり楽しめる、実に良い物語。

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    2023年03月02日
  • 階段にパレット

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    優しさが溢れ出てきて、自分まで優しい気持ちになれる。
    こんなステキな先生の元で、絵を教わってみたいなぁ。自己肯定感あがりそう。

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    2022年11月19日
  • 階段にパレット

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    夫を亡くしたイラストレーターの実弥子が、絵画教室アトリエ・キーチを始める。絵を通して現れる人の心に感動。私もこんな教室で絵を描いてみたい。

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    2022年11月04日
  • 一緒に生きる 親子の風景

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    東 直子(歌人・作家・詩人)さんが、福音館出版の「母の友」掲載していたもの。

    子育て中のおかあさんより、むしろ、子育てからちょっと離れたママたちが共感できるかな?
    子育てを俯瞰的に思いやり溢れる優しさにあふれ、自分の子育てを思い出しながら暖かな気持ちになりました。

    東さんが、専業主婦で、MOEのファンだったこと、そこに短歌投稿欄があり、そこに投稿していたというのも、プチ情報でした。

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    2022年08月28日
  • 一緒に生きる 親子の風景

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    泣く子の理由、家族の役割、名前をつけたときのこと…。歌人・東直子が、先人の詩や短歌と共に、幼い子との暮らしでいだく悩みや葛藤を綴った子育てエッセイ。山崎ナオコーラとの対談も収録。『母の友』掲載を書籍化。

    ほのぼのと読んだ。
    親にもなれなかった私は難しい…。

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    2022年07月08日
  • 短歌の時間

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    鳥、窓、恋人、袋、ロボット、宇宙、スポーツなど、様々な言葉を「題」にした「題詠」と、その言葉から連想される世界を描いた「テーマ詠」を掲載。エッセイや短歌についてのコラムも収録。『公募ガイド』連載を加筆し書籍化。

    様々な発想の広さに驚き。

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    2022年06月03日
  • 短歌の時間

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    東直子(1963年~)氏は、広島県生まれ、神戸女学院大学家政学部卒の歌人・小説家・イラストレーター。歌人集団「かばん」所属。歌壇賞(1996年)、坪田譲治文学賞(2016年)受賞。NHK短歌選者。歌壇賞、角川短歌賞選考委員。歌人としてのデビューは遅いが、俵万智、穂村弘(共に1962年生まれ)と同世代である。
    本書は、公募ガイド社の雑誌「公募ガイド」(現在季刊)に2015~21年に連載された「短歌の時間」の入選作をまとめたもの。掲載されているのは、79の題またはテーマについて各9首(雑誌掲載時は15首)で、計711首。また、各1頁のコラム54篇も加えられている。
    私は1年ほど前から歌を詠み始め、

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    2022年05月09日