東直子のレビュー一覧

  • 私のミトンさん

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     童話的な世界をふわりと描く歌人による長編小説。海外に赴任している叔父さんが使わせてくれた家には、身長五十センチのおばあさんがいた。その小さくて赤い服を着た手のかかる人を、主人公は勤めのかたわら世話をする。

     おばあさんは鳥の足につかまって飛んでいってしまう。そんなめんどくさい人だが、いなければやはり寂しい。心やさしい物語。

    (「週刊朝日」 2011/11/11)

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    2011年11月29日
  • 千年ごはん

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    ネタバレ

    「ほんのり厚めのロース肉」「ラー油をぽとりと落とした酢じょう油」「じんわりとひろがる草と光の記憶」「とろとろと流れる水を舌で直接受け止めると、なんだかうっとりあまかった」など表現がすごくいい。

    23 白く、はかないものが一番スキ。

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    2011年11月04日
  • 私のミトンさん

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    あっという間に読めた。あちこちに散りばめられた比喩が斬新でアクセントみたい。ミトンさんはやっぱりムーミンのミィ(?)のイメージ。ミキヒコ叔父さんは何となくハウルの動く城のハウルみたいなイメージだった。ミトンさんとの不思議な話。

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    2011年10月14日
  • 千年ごはん

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     お節料理の黒豆、鍋料理、ちらしずし、天麩羅、そうめん、ごはんのおこげ・・・などなど、オリジナルレシピやら食べ物へのこだわりやら切ない思い出に、36の短歌を添えた「今日のビタミン」&「つらつらごはん日記」の書き下ろし作品の贅沢な食べ物エッセイ集。

     「肌重ねあったことは語らずにすり鉢の中にふくらむ豆腐」
    「取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの」
    何気ない日々の食べ物を切り取り、人生になぞらえた短歌が心に響く!
    本のタイトルが『千年ごはん』とにあるように、食べるという行為はある意味、連綿と生きてきたその生きものの時間と付き合うことなのだろう。家族となることは、一緒にごはんを食べることから始まる・・・と、改めてそんな風に想いを馳せた。
     某TV番組チューボーですよ!風にいうと★★★「星みっつですぅっっ!」(^_-)-☆

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    2011年09月25日
  • 私のミトンさん

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    東直子の新刊。
    ミトンさんという小さいおばあさんと過ごす日々。庄司くんや周辺の友だちと関わるずっと前に、お母さんやミキヒコ叔父さんとの関わりもあって……。
    子どもを亡くした茜の友だちに庄司くんが贈った詩にはぐっときた。

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    2011年08月31日
  • 短歌はじめました。 百万人の短歌入門

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    椎名隊長の怪しい体験隊では、ドレイの沢田。吉野朔実劇場ではワインを飲んでる人。実は編集者の沢田康彦さんが小林恭二の短歌パラダイスに触発され、素人結社をつくる。(小林氏は俳句関連の著作が多いのに)

    素人の作と思って読むと、これが物凄く面白い。プロから見たら、傷はあるんだろうけれど、型に嵌らず、ぐいぐい読ませる作品多し。穂村弘と東直子の両プロが批評と解説をつけて、読み方を教えてくれる。
    同人は吉野朔実さん、女優の本上まなみさん、水泳選手の千葉すずさん、ちょっとH系写真や著作のある伴田良輔さんや一般の人たち。女性の歌の方が巧い。男はどうも理屈や説明に捕らわれるらしい。
    羨ましい。僕もこういう歌が詠めるようになりたい。

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    2012年03月18日
  • 短歌はじめました。 百万人の短歌入門

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    とある同人で募集した短歌に、プロの歌人が批評や解説をしてくれる。
    短歌の批評って実はあまりないような気がするし、
    上手い人、つたない人、さまざまな作品があって面白かった。

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    2010年07月08日
  • 一緒に生きる 親子の風景

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    子育て中の現在、二度と戻らない貴重な時間を過ごしているのだなと改めて思った。
    子育ての先人達の詩歌が織り込まれ、共感したり胸を打たれたりした。

    ははそはのははもそのこも
    はるののにあそぶあそびを
    ふたたびはせず
    (三好達治「いにしへの日は」)
    平仮名の柔らかい詩として記憶していたが、子育て中に読むと「ふたたびはせず」に涙が出る。

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    2026年10月09日
  • とりつくしま

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    ネタバレ

    ロージン
    トリケラトプス
    青いの
    白檀
    名前
    ささやき
    日記
    マッサージ
    くちびる
    レンズ
    番外編 びわの樹の下の娘

    ーーーーーーーーーーーーーーー

    東直子さん初読み。
    死者が現世に戻り何か物に取り憑いて、もう一度会いたい人の元にかえったら…という心惹かれる設定。
    あらすじを聞いて、勝手にドラマチックなストーリーを想像してしまいましたが、いい意味で地味に落ち着く短編集で、一章ずつじっくり読みました。

    大竹さんの解説を読んで。
    確かに死者といえば怨念渦巻くどろどろと暗いものだと第一にイメージするが(ホラー好きなこともあり)、この作品は明るくて少しサラッとしている気がします。

    全てがすっきりと感動するだけのお話ではなく、かわいそうだったり気持ち悪かったり、バラエティ豊かなお話もあったりするところがリアリティを感じました。

    個人的には白檀、日記、マッサージが好きでした。
    きっと自分も死んだら残してきた人たちに前に進んで欲しいから。。。

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    2026年09月29日
  • シマちゃん モモちゃん もりのなか

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    シマちゃんとモモちゃんが一緒に遊ぶシーンはとてもかわいかったです。
    ふたりのモフモフした感じも、時々よく出ていたと思います。
    ただ、逆にもうちょっとモフモフしててほしいシーンもありました。
    ストーリーとしては、子どもたちの好きなパターンだと思います。

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    2026年09月02日
  • ひとっこひとり

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    日本語が綺麗、文章が綺麗、読後は優しい気持ちになれた。よーく読んだら ちょっと怖い話もあるのに なんで こんなに ふわっとした優しい気持ちになるんだろう?それが 不思議。さすが 東直子さん!歌人だからか、と納得して 日本語っていいなぁと改めて思う。絵本も読んでみたいなぁと思いました。

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    2026年08月23日
  • さようなら窓

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    子どもの頃から寂しさを抱えていたんだろう主人公はいつも不安定で眠れなくて、そんな彼女を恋人は家に住まわせている。
    きいちゃんとゆうちゃんの、ままごとみたいなふたりの暮らしはどこか不穏で、終わりの予感をはらんでいました。タイトルからちょっとあるけど…

    きいちゃんは面倒くさくて「どうしていつも考えがその方向に?」はその通り。考え方の癖があるんだろうけど。
    でも、ゆうちゃんの「無理しなくていいよ」も優しくはないよな…こんなんモヤモヤを抱えてしまう、と思っていました。良い人ではあるんだろうけど。
    そんな彼に引かれたのか、夜な夜な語ってくれる思い出に不思議な人がいっぱい出てきて面白かった。でも皆さん、ゆうちゃんと関わっては通り過ぎていってたなぁ。

    もう共依存なりかけ、と思っていたところ、きいちゃんは実の父きっかけで踏み出すことを決める。
    ここから立ち上がれるのか。若さはすごいな。。。
    いつの日かこれで良かったと何気なく思うのだろう、という歌を思い出します。
    寂しいけれど力強い未来。

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    2026年08月22日
  • ひとっこひとり

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    書名は「ひとっこひとり」で、誰かの話がつづられるが、そこには必ず寄り添う人がいてくれる。ひとりだけどひとりじゃない、そんな話の数々に、前向きななんかいいなという気持ちになる。

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    2026年08月21日
  • とりつくしま

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    死んだら、モノに取り憑ける。
    大切な人が大切にするものに。
    好きな人が大好きなものに。
    自分の思い入れの強いものに。
    生まれ変わるのではなく、取り憑く。
    その人が使ってくれる時だけ、一緒にいられる。何もできない。ただそこにあるだけ。

    モノだから、使い終わって消えてなくなったり、しまい込まれたり、売られたり、使われなくなったり、捨てられたり、その行方はそれぞれ。
    モノの視点からの物語。取り憑く側も老若男女さまざまで、お話によって好き嫌いはあるだろうけど誰が読んでも何か引っかかるものがある短編集だと思う。

    私は、息子のロージンバッグになったお母さんの話、年上の師匠に惚れて弟子入りまでした女性の話、カメラになったおばあちゃんの話が好き。だけど、親に捨てられた補聴器の人の話や新婚さんのマグカップの話も不思議と心に残る。ああ、モノになってでも側にいられるって幸せなだけじゃないんだ、モノになるってこういうことなんだって突きつけられる。

    私は死んだらどうしましょうか。
    子供はあと数年で出ていくだろうし、1人でいる旦那を見守っててもなぁ…
    死んだら私は、家族じゃなくて、なんかこう、生きてたら行けない世界を見られる何かになりたいな。

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    2026年06月10日
  • 短歌の時間

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    レイアウトが見やすく、かわいらしく、読みやすかった。でもなんとなく読み流してしまった。

    応募作品のレベルが高い。オリジナリティーのある発想が大事だということはわかった。

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    2026年05月03日
  • とりつくしま

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    帯で書かれているほどの感動は感じられなかったけど、やさしくていいかおりのする、ちょっぴり切ない物語がたくさんあった。扇子が好きかも。
    いまは自分のとりつくしまを思いつけないので、また忘れた頃に読んで考えたい。

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    2026年04月13日
  • とりつくしま

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    一編一編詩のような軽やかさで、スッと体に入り込んでくるような読み心地。笑えたり、泣けたり、短いお話しの中で感情を揺さぶられました。自分が死んだあと、どんなモノにとりつくか。モノとしての人生もあれやこれやと考えながら読みました。

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    2026年01月16日
  • とりつくしま

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    死んだあと、モノになって会いたい人の側に
    いける橋渡しをしてくれる「とりつくしま係」。
    現世に戻った人達が、必ずしも幸せになって
    ないのを目の当たりにして
    あー未練など残してはいけないのだ。
    と、つくづく思った。
    それを踏まえて、はて自分なら何になる?
    と考えた。
    私なら、ネコのお気に入りのブランケットに
    なって、一緒にうたた寝をしたい。
    なんと平和なことか。

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    2026年01月08日
  • とりつくしま

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    短編集で読みやすかった。噂を聞いて読んでみたが、想像していた形とは違ったかも。
    自分なら何にとりつくか考えてしまった。

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    2025年12月19日
  • とりつくしま

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     亡くなった人の魂が指定した無機物にとりつき、この世に戻ることができる。ある人は母親の補聴器に、ある人は夫のマグカップに、ある人は公園のジャングルジムに。そして、自分がいなくなった後の大切な人の生活に触れる。気になることはあっても声に出すことはできず、もちろん行動することもできない。ただ、見て聞いているだけ。もう何もしてあげられないもどかしさもあり、見えなかった一面が見えることもあり、切なさや哀しみ、温かみが交錯する。

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    2025年11月08日