東直子のレビュー一覧

  • 千年ごはん

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     お節料理の黒豆、鍋料理、ちらしずし、天麩羅、そうめん、ごはんのおこげ・・・などなど、オリジナルレシピやら食べ物へのこだわりやら切ない思い出に、36の短歌を添えた「今日のビタミン」&「つらつらごはん日記」の書き下ろし作品の贅沢な食べ物エッセイ集。

     「肌重ねあったことは語らずにすり鉢の中にふくらむ豆腐」
    「取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの」
    何気ない日々の食べ物を切り取り、人生になぞらえた短歌が心に響く!
    本のタイトルが『千年ごはん』とにあるように、食べるという行為はある意味、連綿と生きてきたその生きものの時間と付き合うことなのだろう。家族となることは、一緒にごはんを

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    2011年09月25日
  • 私のミトンさん

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    東直子の新刊。
    ミトンさんという小さいおばあさんと過ごす日々。庄司くんや周辺の友だちと関わるずっと前に、お母さんやミキヒコ叔父さんとの関わりもあって……。
    子どもを亡くした茜の友だちに庄司くんが贈った詩にはぐっときた。

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    2011年08月31日
  • 短歌はじめました。 百万人の短歌入門

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    椎名隊長の怪しい体験隊では、ドレイの沢田。吉野朔実劇場ではワインを飲んでる人。実は編集者の沢田康彦さんが小林恭二の短歌パラダイスに触発され、素人結社をつくる。(小林氏は俳句関連の著作が多いのに)

    素人の作と思って読むと、これが物凄く面白い。プロから見たら、傷はあるんだろうけれど、型に嵌らず、ぐいぐい読ませる作品多し。穂村弘と東直子の両プロが批評と解説をつけて、読み方を教えてくれる。
    同人は吉野朔実さん、女優の本上まなみさん、水泳選手の千葉すずさん、ちょっとH系写真や著作のある伴田良輔さんや一般の人たち。女性の歌の方が巧い。男はどうも理屈や説明に捕らわれるらしい。
    羨ましい。僕もこういう歌が詠

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    2012年03月18日
  • 短歌はじめました。 百万人の短歌入門

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    とある同人で募集した短歌に、プロの歌人が批評や解説をしてくれる。
    短歌の批評って実はあまりないような気がするし、
    上手い人、つたない人、さまざまな作品があって面白かった。

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    2010年07月08日
  • とりつくしま

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    短編集で読みやすかった。噂を聞いて読んでみたが、想像していた形とは違ったかも。
    自分なら何にとりつくか考えてしまった。

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    2025年12月19日
  • とりつくしま

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     亡くなった人の魂が指定した無機物にとりつき、この世に戻ることができる。ある人は母親の補聴器に、ある人は夫のマグカップに、ある人は公園のジャングルジムに。そして、自分がいなくなった後の大切な人の生活に触れる。気になることはあっても声に出すことはできず、もちろん行動することもできない。ただ、見て聞いているだけ。もう何もしてあげられないもどかしさもあり、見えなかった一面が見えることもあり、切なさや哀しみ、温かみが交錯する。

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    2025年11月08日
  • 芥川龍之介作品集 蜘蛛の糸

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    読みやすいお話もあれば少し難しいお話もある。
    注釈があるので難しい言葉も分かりやすかった。
    最後にそれぞれの解説もあり、理解が深められた。

    私は「杜子春」の最後が心に残った。
    子どもは、「点鬼簿」が印象的だったみたい。

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    2025年10月18日
  • フランネルの紐

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    声に出して読んで、人に聞かせたらみんないい気分になるかもしれないな、と思うような優しさに溢れた文章だった。
    人の呼び方が特徴的で、ちょっと間が抜けているようだけど、この作品のアイデンティティのようにも思えた。
    「手芸」というテーマでこんなにもたくさんの掌編小説を生み出せることに驚かされたが、仇になっているというか、どの掌編からも同じような雰囲気を受け取ったので、このような文章表現を保った、もう少し多様な展開の短編集が読みたいと思った。

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    2025年08月21日
  • とりつくしま

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    とりつくしま。残された家族を見守りたいが故に、縁のある物に移ることで進むストーリー。

    自分の経験からは寿命を全うするよりも、圧倒的に突然死んでしまう方が多い。(それが寿命だと言われれば、何も言えんが。)

    仮に今自分が亡くなり、とりつくしま係があったとして、何になろうと思うだろう?ふと残される側より、先立つ側にいるということを考えさせられる作品だった。

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    2025年07月27日
  • とりつくしま

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    この世から亡くなり、何か物にとりつく事ができた短編集。
    ロージンとして側にいる事にした母のお話しにはホロリときました。

    全体的に切なくホロリとくるお話しでした。

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    2025年07月19日
  • いとの森の家

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    特別な事は何も起こらず、嫌な事も嫌な人もでてこない、小学四年生の女の子が素敵な土地で素敵な人たちと出会って暮らす一年間の話。たった一年でも子供時代にこんな経験が出来たらその後の人生の指針になるだろう。

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    2025年06月29日
  • フランネルの紐

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    ふわふわした物語。
    手縫いの何かを作るときには、ひと針ひと針に思いが込もる。そんな手工芸品の周りで優しく紡がれていく、いろいろな人のお話。

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    2025年06月06日
  • 階段にパレット

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    イラストレーターの実弥子は古民家を改装して絵画教室を始めた。年齢層が幅広く和気あいあいと絵を描くことを楽しんでいる様子が伝わってきた。絵を楽しめるとはどういう感じなんだろう?自分の生活の中にはないジャンルでした

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    2025年05月27日
  • とりつくしま

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    死んでしまった人に『とりつくしま係』が尋ねる。
    あなたは何になりたいですか?

    野球のロージン、カップ、扇子、日記、カメラのレンズ、などなど

    自分だったら、何になりたいだろうか。
    ついつい考えてしまいました。

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    2025年05月17日
  • とりつくしま

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    「日記」と「トリケラトプス」が良かった。自分なら何にとりつくか考えながら読んでいた。とりついた後、すぐ捨てられたり壊れたりしたらと思うとなかなか決まらない。

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    2025年01月28日
  • とりつくしま

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    ネタバレ

    とりつくことができても現実世界に介入ができず、見ることしかできない。これってとりつくことができないことよりツラい気がする。それを思うと、ロージンを選んだ1人目の母親の方は、切ないけれどもすごく良い選択をしたなと思う。

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    2025年01月21日
  • とりつくしま

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    本当にこんな世界があるといいなぁ、と思いつつ、本当にあったらどうしようとも思う、わがままな気持ちになりました。(いい意味で。)
    自分なら何になるかずっと考えています。

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    2024年11月17日
  • とりつくしま

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    死んでしまった後、魂の入っていないものに『とりつく』ことが出来るというお話。
    短編集だったので、スラスラ読めました。
    文章がとても美しかったです。
    もし私だったら何にとりつくか。。。
    魂の入っていないものにとりつく切なさで
    何になりたいか決められない。

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    2024年09月15日
  • とりつくしま

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    各話かなり短め。最初は短いな〜もうちょっと読みたいなあ〜と思ったけど、死んでしまった人がテーマになっているので、このぐらいの短さがちょうど良いのかも??
    レンズが1番好きな話で、カメラの持ち主となったおじいさんの人柄が穏やかで好き。

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    2024年09月09日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
    子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
    だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
    作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
    子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。

    一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美

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    2024年08月23日