東直子のレビュー一覧

  • 短歌の時間

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    学生のときに少しの期間
    投稿していたときがあったけど、
    いい!って思うものができる
    ことなんてそうそうなくて。
    さすが皆さんすごい上手でした。
    常連さんが結構おられました。
    さっきもこの方のだったなみたいな。

    どんな人が詠んだんだろう、
    どんな人か見たいなと思いながら
    読みました。
    表現が素敵だったり、切なくなったり
    そのシーンが浮かぶような描写
    だったり、勝手に場面を想像したり。
    こんな短い文で伝えられる
    能力に感嘆!

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    2022年09月10日
  • 短歌はじめました。 百万人の短歌入門

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     一般公募した短歌を、3人の歌人がテーマ別に批評していく一冊。対談形式で書かれているから読みやすい。詩や短歌の面白さがわからなかったが、多少なりとも触れてみることで、制限があることではじめて得られる視点があると気づけた。

     <第二の教訓は、限定や限界の必要ということです。いいえ、別に難しい話ではありません。相撲の技術は、狭い土俵というものが あるから生まれたのだということです。もし直径100mというような土俵であったら、相撲は、到底、あの美しい緊張の瞬間を生み出すことは出来ないでしょう。大自然を写すためにキャンパスを無限に大きくして行ったら、迫力のある絵を描けるでしょうか。そう考えると、何を書いてもよい、どんな言葉を使っても構わないという言論の完全な自由というのは、実は、少し始末の悪いものなのです。>

    <なにも、戦争中の厳格な言論統制のほうがよいなどと言っているのではありません。しかし、どこかに土俵のようなもの、額縁のようなものがあった方が、本当に重要な事柄が鮮明に浮かび上がり、文章に緊張が生まれるのだと思います。今日では、面倒な話ですが、そういう限定や額縁を自分で作り出して、これを自分に課するよりほかはないでしょう。>

    『私の文章作法』(潮新書75 潮出版社)清水 幾太郎著 第六章より引用

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    2022年08月19日
  • 短歌の時間

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    夏休み⑤
    東さんはひとえに、(共感)と(発見)を短歌に求めているのだなぁ、シンプルでわかりやすいと感じた。
    わたしは、やっぱ下の句でばーんと撃たれるようなギャップがある歌がすきだなあ。

    目の中に光る氷を射抜かれて崩れてしまう私、もう水/真篠未成
    ごみ袋 そこに詰まっているものはすべて等しくゴミとする神/菊池優花
    球体のどこを斬っても丸になる あなたは恋をしているのです/五十子尚夏
    お日様に敬礼をする人々をつぎつぎと産み出す地下通路/寺井奈緒美

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    2022年07月28日
  • らいほうさんの場所

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    物語の終わりの方まで、どこへ向かっても行き止まりのような息の詰まる内容で、読んでいて苦しかった。
    最後に志津のらいほうさんの場所に対する考え方が変化したことで、頑なだった心が緩んで道が開けたように感じる。
    真奈美は志津に反発心を抱いているものの、心のどこかでは志津を寄るべとしているのではないか、と思う。

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    2022年02月03日
  • いとの森の家

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    ネタバレ

    都会から田舎に引っ越してきたかなちゃんが主人公です。最初は道にカエルの轢死体が一面に敷き詰められていて、保健室に行くことになってしまいました。かなちゃんが引っ越してきたクラスではオケラ遊びが流行っていました。クラスメイトのオケラが逃げてしまったことや、かなちゃんの家の近くに住んでいるおハルさんが死刑囚の人に会いに行っていることを通して命の大切さ、平和の大切さを教えてくれるお話だと思いました。

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    2021年11月03日
  • 階段にパレット

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    ネタバレ

    こんな絵画教室が近所にあったら良かった、としみじみ思う。
    蔦のからまる古い一軒家に開かれた絵画教室"アトリエ・キーチ"。
    近所に住む小学生から大人までが集まり、一緒になって絵を描く。感性の赴くまま、無になって集中して。
    自分の内面に眠っているものを、目の前にある真っ白な画用紙の上に、思い思いに表現する。

    見えている色や形は人によってそれぞれ違う。
    空の青さも葉っぱの色も、果物の形も羽の質感も。
    自分が受け止めている色や形を、絵に表現することにより相手に伝える。互いの内側にあるものを周囲の人達と共感し合う。それはなんて素晴らしいことだろう。

    自分の頭の中で生まれた世界、言葉ではなかなか表現できないものが、絵になって外の世界へ広がっていく。こういう自分の気持ちを言葉や形に変えることは大人でも難しい。子供なら尚更そうだろう。
    言葉数の少ない子供の気持ちも、絵を描くことで周囲の大人がもっと受け止められるといいのに。
    そのためには大人も想像力を鍛えないといけない、と自戒を込めて思った。

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    2021年04月25日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    子どもを二人生んだ山崎由美という女性の視点から描かれる物語。

    由美は二人子どもを産み、一人は亡くし、もう一人を捨てて、この町にやってきた。
    何かに耐えられなくなったからだが、それが何かは読者にはわからない。

    店と家事の仕事をする代わりに、彼女は平山タバサを店主とする薬局に身を寄せる。
    薬屋として代々町の人々の生と死の現場尾立ち会ってきたという平山家。
    いったい彼は何者なのか。
    彼の処方する薬はどういうものなのか。
    そして、この町は、異界なのか。

    異界、とすれば、これは「高野聖」の男女反転ヴァージョンか?
    あるいは「砂の女」の?
    ただ、母性の問題が底に感じられるところは、そういった先行作品とは違っている。

    平山家に嫁いだ女性たちは、みないつの間にか、どこかからやってきた人ばかり。
    おまけに短命だ。
    由美もまたタバサの息子を産み、こういう平山家の女に列するのだが…。
    少年になった息子が彼女につきつける「約束」とは何か。

    ずっと平山家にいたという老女のマサヤさんも謎の存在のままだ。
    物語の序盤に、由美にかけた「ころんでしまうよ」という言葉は、果たして助言か、呪いか。

    何の構えもなく読んで、横っ面をひっぱたかれた。
    ホラーといってくれれば、そう思って読んだのに。

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    2021年02月21日
  • 階段にパレット

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    絵を習うのって楽しそうだな。
    水墨画の小説を読んだ時も思ったが、「絵が描けたなら。思いのすべてをキャンパスに乗せ」られたら、
    なんて楽しい時間なんだろう。
    そして、辛い時寂しい時も、絵を描くことで、心が救われることがあるのだろう。
    物語を読んでいる間には、まるで自分が絵を描けるかのように、頭のキャンパスに次々にカラフルでステキな絵が描かれていく。楽しい時間です。
    あー、本当に絵が描けたなら♪
    ・・・ピアノは少し弾けます。少しです。

    一人は寂しい。
    二人でも家族だった人がいなくなるのは寂しい。
    家族を作れなかった自分は歯がゆい。
    東日本大震災の時もそうだったが、コロナの今も、一人は寂しい、と感じている人は多い。
    けれども、色々な事情から、一人で生活している人は多い。
    そんな時に、実弥子のような人がいてくれたら、どんなに救われることか。
    現実世界では、なかなか、会ったばかりの他人同士がこんな風には難しいだろうが、、いや他人だからこそできることもあるのかな、、、
    そんな家の1階がアトリエで週に2回の絵画教室に子供や大人が集まる空間だったら、本当に素敵。

    ルイが、これからも母親や実弥子、登美子や真由子に見守られながら、ずっと絵が好きでいて、それが強みになって、楽しい人生を歩めることを祈っている。

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    2021年02月17日
  • 階段にパレット

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    蔦の絡まった古い家,新しく生まれ変わったアトリエ,そして始まる絵画教室から生まれる人との出会いと作品,あふれでる思いに癒されていく.心の中を大切に育てていくような再生と成長の物語.お絵描きの様子が生き生きとしておやつも含めて行ってみたいです.

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    2021年01月09日
  • さようなら窓

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    ネタバレ

    繋がった短編で、ゆうちゃんがきいちゃんに不思議な話をしたり、いろんな人に出会い、少しずつ不安定でゆうちゃんがいないと何もできなかったきいちゃんが前に進む話。
    ゆうちゃんの話が、どの話もその後が見えない話で感情の持っていく場がなく、読んでいてあーっとなりました。
    ゆうちゃんと離れて、ひとりで進んだ先がいいものであればと思います。

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    2020年04月07日
  • いとの森の家

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    ネタバレ

    *都会から小さな村に引っ越してきた加奈子は、不思議なおばあさん・おハルさんとの出会いを通し命について考えはじめる。福岡・糸島の豊かな自然の中で、成長していく少女の姿が瑞々しく描かれた物語*

    四季折々の田舎の暮らし、手作りの給食、オケラやホタル、雪だるま…懐かしい、昔よき時代の風景。本当の贅沢。あたたかな世界が広がります。そんな中、死刑囚と交流を持つおハルさんの存在が違和感なく描かれ、子どもたちそれぞれが一生懸命に考えて答えを出す様が良かった。正解はない。けれど、一生懸命考えることが大事だと思う今日この頃。

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    2019年05月09日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    夢と現実の間を行き来するような、不思議なトーンの小説。非現実的である一方、ファンタジーというには生々しく、それで結局何なの、というフラストレーションもないではないけど、独特の読後感が味わいどころか。

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    2019年03月07日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    生きている現実と0.5mmずれた世界をみているような空気感。
    産まれでるいのちと、死にゆく魂がふわふわと漂っていく。

    登場人物の一人一人が、幻なのか、実体があるのかわからなくなる。
    さらさらとした不穏な描写が文学の力を感じさせてくれた。

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    2018年08月13日
  • 晴れ女の耳 紀ノ国奇譚

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    紀州の話し言葉はなんだか和やかな印象なのに、実際言ってることはえぐくてくらくらします。
    この夏みたいにからりと晴れた日に読みおわれてよかったです。

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    2018年05月16日
  • いとの森の家

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    なんて濃密な一年。
    加奈子はこれからもたくさん感じて考えて素敵な女性になるんだろう。
    ハルさんのモデルになった方のことをもう少し知りたくなった。

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    2018年04月08日
  • さようなら窓

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    p46「のうみつなぶどうの甘い香りが部屋中に充満していた。」
    「ゆうちゃんのそういうお気楽なところが、好きで、そしていぶかしい。」

    恋人のゆうちゃんのおうちでの居候ぐらし。不安で何もできず眠れないときにしてくれるお話。
    あたたかくて愛のある、そして胸がキュウッとなるお話でした。カブトムシの話。ぶどうジャムの話。でもふわふわしすぎているというか、女の子がゆうちゃんに(心理的に)まとわりすぎている臆病な感じが、モヤモヤする。と思っていたら…仕方ないのかな。でもキュウッとなる。

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    2017年12月14日
  • さようなら窓

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    不安定な主人公をやさしく見守る彼。でも、変わるのって自分でどうにかするしかない。変わるのも振り回すのも、すべて自分軸の主人公。数年前の自分を見ている気がして、かすかな苛立ちをずっと持ちながらよみました。なかのエピソードに、「いとの森の家」の話かな?と思うものがありました。

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    2017年10月30日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    何か『かもめ食堂』のような自分探し人情ほっこり話となぜか思って、すぐぼんやりとさぼる由実にいらつき、タバサと寝たところからえ?結局恋愛系なの?と評価が★2の勢いになったが、だんだんオカルトじみてきてラストで結構良い意味で置いて行かれました。

    ネット検索してみたけれどラストの解釈をされているものが見当たらなかったので、シミズ的解釈↓
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    【前提】
    ・由実は過去2人子供を産んでおり、1人は死亡、もう1人を残して逃げた
    ・逃げた先は行方不明者がよる町と呼ばれるところの薬屋
    ・この町は外に出なくても生活できる
    ・マサヤという老女だけど年齢不詳な幻のような女性はかつて薬屋に勤めていた
    ・薬屋の主人は代々身元不詳の女性と結婚して生まれた長男が薬屋を継ぐ
    ・タバサの薬を飲むと予定が立てられる(飲んだ当人も周囲の人も不安がなくなる)

    【以上を踏まえてラストを解釈】
    ・この町は運命共同体で『タバサ』他各々の立ち位置担当のものは常にいる
    →担当者自体は代替わりする
    →あくまで担当が同じなだけで同じ人ではない
    ・また代々やってくる身元不詳の女に類するものも常にいる
    →役目が終わると代替わりする(由実がマサヤの立ち位置になる)
    →そう考えるとマサヤがタバサの母とも言えるがそれはルリなので
     マサヤは先代タバサの後妻(ルリ死亡により代替わり)
    (※現タバサの先妻かもですが幼タバサと遊んだことを踏まえて)
    →池を埋めたのは由実が子を産む前にルリのように死ぬと
     また代替わり要員をまたないといけないため
    ・タバサの薬でスムーズに代替わりする
    ・日吉サイクル担当は息子がいるのでOK
    ・3人の老女(脇田・原田・山田)担当は、
     マサヤを追い出そうとした母親の娘2人(母親本人は町の外に引っ越す)と
     助産院で生まれた子供(母親は出産後逃亡)に代替わりすると推測
    →町の住民はそれを知っている(ので葬式をしない)
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    てな感じでどうかしら。

    作者の方はそこまで考えてないと思いますが、自分的にまあまあ納得できる解釈となります。

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    2017年10月26日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    捉えどころのない感じでふわふわと読み進めていたが、最後一気に、え?えっ! ってなる。
    あれは一体なんだったんだろうと、ある意味後味が残る作品。

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    2017年10月19日
  • 薬屋のタバサ(新潮文庫)

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    何だか、病んでいる人の心の世界に入り込んだ気分。
    ずっと平らな印象で、何というか、全ての登場人物に感情がない感じ?
    タバサと山崎さんには愛を全く感じないし、妊娠した喜びや困惑も、淡々としすぎている。
    とても現実味のない話でした。
    パラレルワールドなのかも。

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    2017年10月08日