東直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ沈黙に焦る、ありがとうがないと腹が立つ、体育がだるくて嫌い、など普遍的な悩みに作家7名が趣向を凝らして答えた1冊。
とくにありがとうがない、という悩みに対し、そもそも世界で「ありがとう」をめったに言わない国の人がおり、水くさいと考える人もいるということを初めて知った。自分の考えだけだと決して浮かばない考えなので、興味深い。
その他にも「結局悩み解決してないじゃん」といったものもあったが、回答の内容が大喜利のようで面白く、こう考えればいいんだな、自分もこういうところあるなぁと楽しく読めた。
真剣な悩み解決に一役買う本ではないが、小さいコラムを読んでいるようで面白かった。 -
Posted by ブクログ
実弥子さんはとても素敵だなと思った。絵の中の思いをしっかり汲み取って、それぞれに褒められる。人に対してとても優しくて癒された。
みんなで想像を膨らませて楽しいことを次々と思いつく感じが楽しくて、どんどん読み進められた。
想像力、発想力、観察力…みんな凄かった。日常をこんな風に切り取れたら楽しいだろうなと思った。絵に書き起こすことで、こんなにもストーリーや思いの乗ったものになるなんて、面白い。私は絵が苦手だけど、描かなくても、着眼点、想像力、発想力、観察力は見習って、楽しく過ごしたいし、キレイなものや心動かされることに素直でありたいと思った。そういうものに触れる時間って凄く大切だと思う。 -
Posted by ブクログ
すごく良かった。西加奈子さんの解説にあるように、東直子さんの本は、人間の危うさを描いている気がする。それを彼女は「こわさ」と言っている。
この本の主人公のきいちゃんを観ていると、昔の自分を見ているようで、自分でもよくわからない断崖絶壁をきいちゃんがフラフラと渡り歩いている様は、ハラハラした。
きいちゃんは、ゆうちゃんと出会って、支えてもらって、大切にされて、少しずつ足りなかった何かを取り戻していくようだった。
でも、それでも、それが心から漏れていくスピードの方がずっと早くて、きいちゃんはいつも何かに飢えている。それは愛情だったり、死だったり、孤独だったり、いろんな形で、ゆうちゃんの物語に溢れて