東直子のレビュー一覧
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小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。
一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美術部に入っていたが、夏休みの絵画の宿題ができずぎりぎりになってくまのぬいぐるみ(茶色)を書いたら絵が黒と茶色になってしまい、教師から「きったねー絵だな」と言われ、それから絵を描いていないという話が心に刺さった。
私の小学生の時も、美術の男性教師がとても個性的な人で、児童の絵について笑いながらバカにしてた。それも他の児童に同意を求めるように言うから同級生からもからかわれるんだ。私もやられて、恥ずかしくて鉛筆で必死に絵を消して描き直したっけな。・・・まさか同じ教師じゃないよね?
私は大人だから、大人の一言がが子どもにどんな影響を与えるのかということについて、自分の苦い思い出とともに、痛感した。
あと、津村記久子さんの同級生が、教師になったから自分の学生時代のことがよくわかるようになったというのも、なるほど。そうだよね。教師は、自分の学生時代のことを思い出して「あのときのことって・・・」と答え合わせができることもありそうだ。 -
Posted by ブクログ
歌人・作家・イラストレーターの東直子さんが、雑誌『公募ガイド』に連載された「東直子の短歌の時間」(2015年4月〜2021年10月号)に一部加筆、修正をしてまとめられたものになります。
東さん自身も、短歌をはじめられたのは雑誌の短歌の公募欄だったということで、「自分の作品が選ばれたこと。そこに込めた心をよんでもらえたこと。それは、この世の片隅で生きている自分と社会とがつながったと実感した一瞬でもありました。」とあります。選出にあたってはその責任の重さ、残酷さも痛感されたと。誌面の都合上、特選、秀逸、佳作とありますが、それが絶対のものではなく、「私はこの歌の方が好きだな、私はこう読む、などと、好きに読んでくださって大丈夫です。」とあります。
自由に愉しむことを、後押ししていただけた気がします。
毎月「題」が設定され、必ずその言葉を短歌に詠み込む「題詠」と、その言葉から連想される世界を描く「テーマ詠」を交互に出題されています。
少しだけご紹介させてください。
《テーマ詠 数字》
睦月くらげさん
「はるはると二回唱えて春を待つ
遥か彼方のチハルのために」
九螺ささらさん
「目を閉じる目を開ける次は閉じている
二進法にてまばたきはつづく」
数字というテーマも面白いし、睦月くらげさんのリズム感のあるはるの並びが可愛らしくて、九螺ささらさんのまばたきが二進法という点がユニークで好きです。
短歌に全く詳しくない私ですが、投稿された作品の感情を現す言葉のチカラやリズムに驚き、魅了されたり、様々な感情をいただきました。
ありがとうございました。 -
購入済み
仏の態度
芥川龍之介の仏教説話の一つである。因果応報を説いたようであるが、芥川龍之介が本気でこの王な因果応報を信じていたのかは疑問に思う。むしろこの作品は、地獄と極楽の対比、特に最後の数行の地獄の亡者の失敗とはまるで無関係で無関心な、光と香りに満ちた極楽の描写と釈迦の態度の表現に真骨頂があるような気がする。
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女優や漫画化、絵本作家など異業種の言葉の天才たちが詠んだ短歌を、人気歌人がコメント。
様々な職業・年齢の方々が一つのテーマに対して詠んだ短歌に対し、歌人の穂村さん・東さんと雑誌編集者の沢田さんがコメント・批評をするという形式の歌集です。
それまでに積み重なったいくつもの歌から、詠み人の人間性まで丸裸にされてしまうようなコメントが、興味深いとともに少し怖い。言葉のプロフェッショナルってやっぱりすごい。
「べたべた」や「自慢する」、「芽きゃべつ」といった一風変わったお題や、特定のホラー映画などを詠むという題が出てくるのも面白いです。
読んでいて思ったのが、あるテーマに対して感じる事というのは人それぞれ違ってしかるべきだと思うのですが、それでも詠まれている内容にはどこか共通する本質のようなものがあって(例えば「芽きゃべつ」に対する歌だったら集団性のようなイメージ、内に何か秘めている印象など)、そこに共感したりしているのではという所。
実は短歌というのはイデアにとても近い所にある文化だったりするのかななどと感じました。 -
Posted by ブクログ
7人の作家によるエッセイアンソロジー。
もともと『考えるマナー』『楽しむマナー』という本の中からエッセイを抜き出して、子どもの悩みや質問に対する回答という形式で再編集されている。
サブタイトルに「迷回答」とあるが、そもそも質問に答えるために書かれた文章ではないため、答えになっていない「迷回答」になるよね、とは思う。
子どもの素朴な質問に対して作家が答えてくれた本だと思えば肩透かしを食らうし、一方で様々な作家たちの気軽なエッセイだと思えば楽しめる一冊。
好きなエッセイは
三浦しをんの「ボウリング最弱王決定戦」
高野秀行の、ありがとうを言わない民族と褒めることについて。
角田光代のクヨクヨしてしまう自分。
町田康のおじさん的エッセイも面白かった。
子どもにむけてエッセイという文種について教えることに使えそう。 -
Posted by ブクログ
謎の本である。
買って読んでおいて、この感想は?と思うのだけど、まぁそんな予感で買ったとも言える。
まず、ターゲットの子ども、とはどれくらいの年齢を対象にしているのか。
受験のこととか、スマホの質問なんかが入っているので、小学校高学年から中学生くらいなのかなーという感じがする。
質問が「積極性がないとダメか?」とか「大人になるって楽しいか?」というものなので、子どもの側は至って素朴なのだ。
だけど、「迷回答」してくれる作家陣のラインナップが、ちょっと不思議。
角田光代さんとか、三浦しをんさんは、あぁ!となるかもしれないが……。
素朴な質問に、しっかり「迷回答」するものだから、なんだかもはやエッセイ味まで出て来る。
妙味?の一冊。