あらすじ
福岡市内の団地から緑に囲まれた小さな村に引っ越してきた加奈子は、都会とのギャップにとまどいながらも、次第に自然の豊かな恵みに満ちた暮らしに魅了されていく。 そして、森で出会った素敵な笑顔のおばあさん・おハルさんと過ごす時間の中で、命の重みや死について、生きることについて、考えはじめる――。 深い森がはぐくんだ命の記憶を、少女のまなざしで瑞々しく描いたあたたかな物語。 第31回坪田譲治文学賞受賞作。
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作者の幼少の体験をもとに描かれた、とても濃密で幸せなお話。田舎暮らしの良いところが詰まっている。そんなにいいことばかりじゃないよとついつい穿った見方をしてしまいそうになるが、そんな邪悪な気持ちを軽々と上回る。「西の魔女」「博士の愛した」のような、自然で不思議な日常の雰囲気もたっぷり楽しめる、実に良い物語。
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少し昔の糸島で、同級生の咲子ちゃんや素敵なおばあさん・ハルさんと過ごした加奈子の濃密な1年。
1年か…と驚くほど、糸島に来る前と後では加奈子は成長したと思います。
おハルさんの、戦中戦後の辛い経験と、死刑囚を慰問しているという活動と、可愛いものや素敵なものが好きというおおらかであたたかいところと…魅力的でした。
たぶん子ども向けなのでしょう、罪や罰や死について考えさせられるところもありましたが、重すぎず、ほのぼのと明るく読めるところがほとんどでした。
おハルさんを樹木希林さんが演じられたというドラマも観てみたいです。
せっかく近いんだから、糸島市も行ってみたいな。
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死刑囚のもとに慰問に行くおハルさんが出てくる実話をもとにしたお話。
すごく素直な小学生の女の子が田舎で暮らすようになり、そこの生活に馴染んでいくようになる。
小学生の頃ってこんな遊びや体験ができたらゲームとかテレビ見るよりよっぽど勉強になるだろうなあと感じた。ほのぼのするお話だった。
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特別な事は何も起こらず、嫌な事も嫌な人もでてこない、小学四年生の女の子が素敵な土地で素敵な人たちと出会って暮らす一年間の話。たった一年でも子供時代にこんな経験が出来たらその後の人生の指針になるだろう。
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都会から田舎に引っ越してきたかなちゃんが主人公です。最初は道にカエルの轢死体が一面に敷き詰められていて、保健室に行くことになってしまいました。かなちゃんが引っ越してきたクラスではオケラ遊びが流行っていました。クラスメイトのオケラが逃げてしまったことや、かなちゃんの家の近くに住んでいるおハルさんが死刑囚の人に会いに行っていることを通して命の大切さ、平和の大切さを教えてくれるお話だと思いました。
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*都会から小さな村に引っ越してきた加奈子は、不思議なおばあさん・おハルさんとの出会いを通し命について考えはじめる。福岡・糸島の豊かな自然の中で、成長していく少女の姿が瑞々しく描かれた物語*
四季折々の田舎の暮らし、手作りの給食、オケラやホタル、雪だるま…懐かしい、昔よき時代の風景。本当の贅沢。あたたかな世界が広がります。そんな中、死刑囚と交流を持つおハルさんの存在が違和感なく描かれ、子どもたちそれぞれが一生懸命に考えて答えを出す様が良かった。正解はない。けれど、一生懸命考えることが大事だと思う今日この頃。
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なんて濃密な一年。
加奈子はこれからもたくさん感じて考えて素敵な女性になるんだろう。
ハルさんのモデルになった方のことをもう少し知りたくなった。