【感想・ネタバレ】ひとっこひとりのレビュー

あらすじ

私たちが日常で交わす何気ない言葉、「大丈夫」「ごめん」「もういいよ」「なんで?」「ありがとうね」などのひとことをテーマに綴った短編を収録。孤独や寂しさを抱える現代人の心を掬い取りながら、ラストにはほのかな希望をそっと提示してくれる物語。歌人としても活躍する著者の、言葉のセンスがきらめく12編。装画を手がけた人気イラストレーター、三好愛氏の挿絵が彩りを添える。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

淡々とした日常の印象の短編集。
特にすごい結末があるわけではなく、あれ?これで終わり?という感じだけどなんとなく心地好く読み終われる不思議な1冊でした。

0
2024年10月19日

Posted by ブクログ

本の表紙に魅かれて、手に取った。

「ひとっこひとり・・・」
後に続く言葉は色々、
そんな、色々な年齢の色々な事情を抱えた一人の話。
でも、必ず、そばには誰かが現れて、
寂しさを癒したり、暖かい気持ちになれる、
そんな出会いのストーリー。

「大丈夫」
「待ってた」
「見つかった?」
が、特に切なくて、印象に残った。

0
2023年12月06日

Posted by ブクログ

不思議な感じの短編集だった。それぞれの話に独特の世界観、価値観があった。柔らかくて綺麗な言葉で紡がれていて、でも押し付けがましくなくて読みやすかった。

0
2025年03月06日

Posted by ブクログ

歌人でもある東直子さんの短編集。まだ3冊読んだだけですが、最近、お気に入りの作家さんです。

ひと言の言葉をモチーフに綴られた物語は、どれもがとても印象深かったです。様々なシチュエーションでのひと言がもたらす気持ちの表現に、引き込まれました。短編なんだけれど、充実した感じがしました。大丈夫?と言われたときの気持ちとか、スッとその気持ちに入り込めるような感じでした。寂しかったり、孤独だったり、そんな気持ちに優しく寄り添うことについて、思ったりしながらの読書でした。

装画・挿画の三好愛さんのイラストも、かわいらしくて、ほっこりしました。

大丈夫
ごめん
覚えてる?
もういいよ
なんで?
つれていって
ありがとうね
生きてる
見つかった?
待ってた
話して下さい
きれい

0
2024年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結末は委ねられるものの、読後感はさほどモヤらないのが不思議。
自分の身に起きたら中々にしんどい状況を、自然体で軽やかに乗り越える人々の強さがそうさせるのか。私なぞ一話目の夫のズレた優しさだけでも嫌になるというのに、「的に当たらなくても前に飛ばせばいい」と前向きに受け取るシーンはかなり刺さった。

書を丸暗記する少年の描写も良かった。
大人っぽさと子供っぽさの混ざり具合がリアル。祖父が受けた裏切りや帰宅部を作ろうと言い出す少年など、背景が気になる登場人物にもっと読みたくなったがそこは短編。やはり読み手の想像力に託すということか。

もっともっとと思ってしまうという事は面白かったという事。

0
2024年08月02日

Posted by ブクログ

ほんわりあたたかな読後感の話が多かった。
結末が予測できる話が多いからこそ落ち着いてあたたかさに浸れた気もする。
料理が上手なシングルファザーを特別扱いして欲しくない高校生の話はなんだか解像度が高く感じた。
承認欲求があるところと、特別扱いして欲しくないところ。みんなそれぞれあるよね。

0
2024年04月13日

Posted by ブクログ

日常のありふれた言葉からこんな素敵な短編が生まれるのは、やっぱり歌人だからかなと感じた。
優しい印象の装画から、癒やし系の物語を想像したけど、そうでないものも。
人間は「一人」を強く感じる時もあるけど、本当にひとりぼっちってことはなくて、言葉や思い出とか何かしらのもので他人と繋がっているんだよなと、改めて感じさせてくれた。
1話は15ページ程度なのに、予想以上に中身がぎゅっと詰まっていた印象。

0
2023年10月20日

Posted by ブクログ

歌人でもある東直子さんの 「言葉」 がもたらす12 篇の短編集。 大丈夫、 ごめん、 ありがとね...などのひと言がタイトルになっていて、ページをめくると三好愛さんの優しくて可愛らしい挿絵が描かれています。

お話の最初は孤独感や寂しい気持ちを 抱えてる主人公たちですが最後にはひとりじゃないよ 〜と明るい兆しの見えるお話ばかり。言葉による小さな奇跡てあるのかもしれません。『待ってた』のアケミちゃんとスミレちゃんのお話のラストは悲しいけれど石で綴った「マッテル」の文字。アケミちゃんはきっと見てくれるよ

0
2023年09月28日

Posted by ブクログ

色々な世代の、境遇の違う人生の一コマを切り取り、心のひだを丁寧に描写しています。その言葉選びに惹きつけられるものがありました。

ちょっぴり寂しい気持ちになりつつも、遠くの方に光が差している、「いろんな生き方があっていいんだよと」励まされるような12編の物語でした。

0
2023年09月21日

Posted by ブクログ

星3か4で悩みました。12の短編集。
ふわふわとした表紙にやわらかい話を想像していましたが、真逆で驚いた。明るい先の見える話もあるが、読み進めると気分は晴れなかった。

誰もが抱える暗い気持ちや悩みと
側に居てくれる誰かがもたらした言葉を大切に心に届く様子がわかりやすい。
それぞれの章に登場する人物は少なく、どこにでも誰にでも側に居てくれる人がいるということに気付く。

0
2023年09月13日

Posted by ブクログ

さらっと読む気だったんですが、1話からガツンと来た上に単純に暗い重いでくくれないズンとした話が多くて粛々と読みました。「的外れな優しさだけど、自分に対して矢を前に飛ばしてくれたことは純粋にうれしい」というフレーズは何だか目が覚めるような考え方で印象に残った。

0
2023年08月29日

Posted by ブクログ

何気ない言葉をモチーフにした短編集。
この本を読もうと思ったのは、装丁がほんわかしていたから、挿絵もタイトルを連想させる。ミニマムだけど温かい。
三好愛さんは、宮部みゆきのおいち百物語シリーズも手掛けてるけど、なんだろう、怪しい話なのに癒やされるホントに不思議なイラストだ。

0
2023年08月17日

Posted by ブクログ

日常の本当に本当に何気ないヒトコマを切り取った短編集。
この世にはいろんな事情、思いをかかけてたくさんの人が生きている。改めてそれを思いしる。
どの話も深く掘り下げすぎず、読者が想像を巡らせる余韻がたっぷりとある。白黒はっきりさせたい人には向かないかもしれないが、私は好きだった。

0
2024年02月08日

Posted by ブクログ

人と人とが普段何気なく交わす言葉がタイトルの短編集。
「もういいよ」「なんで?」「ありがとうね」…それらのタイトルはとてもシンプルな言葉だけれど、見ただけでその背景がなんとなく伝わってくるから不思議。
これらの言葉は自分ひとりっきりではまず出てこないだろう。対話する相手がいるからこそ生まれる言葉だと思う。
そんな短編集の表題が『ひとっこひとり』とは。「ひとっこひとりいない」から「いない」をあえて失くすことに、東さんは意味を持たせているのかも。登場人物ひとりひとりが抱える想いを丁寧に掬い取った短編集だった。

『大丈夫』『ごめん』『覚えてる?』『きれい』が特に印象に残った。

0
2023年10月15日

Posted by ブクログ

何気ないひとことだったり。
普段よく使うことばだったり。
必ず口にしたことのあるひとことでもある。
そんな言葉がもたらしてくれる不思議な奇跡。
言葉が繋ぐ想いもじんわりと感じる短編集である。

「大丈夫」のことばは、目が見えなくなるかもしれないと不安になっている私に夫がずっとそばにいるから心配しなくてもいいという大丈夫なのかもしれないし、夫や子どもたちに心配しなくても大丈夫だよと私が言うことばかもしれない。

「ごめん」のことばは、母が亡くなり実家に帰ったが兄には冷たいと言われて、母親からは会えば嫌みを必ず言われるので足が遠のいたからで、だけど兄嫁から先にお風呂にどうぞとゆっくり入って下さいね。ここは香奈江さんのご実家なんですから。のことばで涙が溢れて、ただただ「ごめんなさい」と何度も言ってた…。
なんだかわかるようで…悲しくて切ない。

「覚えてる」は、亡くなったおじいちゃんが「人は裏切る。しかし身につけたものはおのれから離れず、身を助ける」ということ。
泣いて帰ってきても根掘り葉掘り聞かずに、人は裏切るけど自分で学んでたくさんのことを身につければ、誰に裏切られてもびくともしない鎧になると。
ちゃんと覚えて実行しているのがすごいことだ。

「もういいよ」は、27歳でシングルファーザーになった父が娘のためにお弁当を作り続けていることに、がんばらなくてもいいよと。
楽しんでするぶんにはいいけど無理をしてるのはイヤかもしれない。
無理ならもういいよってこと。

短いことばでも捉え方で印象が変わったりする。
何気ないことばだからこそ、軽く流すのじゃなくって考えてみることで違う意味も含んでいるのかも…と思ってしまった。



0
2023年08月28日

Posted by ブクログ

三好愛さんのホワンとした装画が堪らなく可愛い。

誰もが日常で交わす「ごめん」「なんで?」「ありがとうね」等の何気ない言葉をモチーフに、人生のひとコマを切り取った12話収録の短編集。

装丁のイメージ通り柔らかで優しい言葉が心にスルリと沁み込んで来る。

どの物語も脳内に情景が浮かんで味わい深いけれど、特に印象に残ったのは、父子家庭で暮らす高校生の娘と父親の姿を描いた『もういいよ』。

寂しさが伝染して来る『待ってた』『きれい』。

現代人が抱える孤独に寄り添い、温かな言葉で人生にほんのりと灯りをともしてくれる癒しの作品集。

0
2023年08月07日

「小説」ランキング