山岸真のレビュー一覧
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グレッグ・イーガンの直交三部作ラスト。
相変わらず難しいんだけど、前二作に比べるとまだ理解できるかな。
ストーリーやキャラも前よりは深みがあるような。
ただ、母性への帰還はこの三部作においてかなり大きなイベントだと思うのだけど、最後にさらっと描かれるだけで、いいんでしょうか。勿体ないような気が。
頭のいい人が考えることはわからない。
未来からのメッセージという謎のシステムがメインだけれど、多分これはストーリー的必要性よりも、理論が書きたかったんだろうなー。
物理法則が異なる世界を思いつきストーリーに落とすという仕事はすごいとは思うのだけど、私は小説が好きな文系人間なので、どうしても物語的 -
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イスラエルSF&ファンタジー界の中心的人物らによる
SF短編選集。
原文が英語の作品[*1]あり、
ヘブライ語→英語→日本語[*2]、
あるいはロシア語→英語→日本語[*3]という重訳もあり。
訳者あとがきを含めると700ページを超す大部。
収録作は、
■ラヴィ・ティドハー「オレンジ畑の香り」
The Smell of Orange Groves(2011年)[*1]
■ガイル・ハエヴェン「スロー族」
The Slows(1999年)[*2]
■ケレン・ランズマン「アレキサンドリアを焼く」
Burn Alexadria(2015年)[*2]
■ガイ・ハソン「完璧な娘」
The Per -
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ネタバレこの表紙とタイトル、裏表紙のあらすじから、少年のひと夏の恋と成長を描いた話だと思っていました。
SFという部分についてはタイムスリップかなぁと安易に想像していたのですが、見事に裏切られました。
否、確かに途中までは少年のよくあるバカンスでの恋物語でした。それが後半の後半に様相が変わり、一気にSF色が強くなりました。そして確かに“どんでん返し”の結末でした。
ただ、主人公のドローヴという少年の思春期によくあるであろう親や権力への反発は理解出来ますが、いずれ彼が成長して反発の対象であった親や権力に対して何らかの折り合いをつけていくだろうと思っていたので、ドローヴが大して変わることなく物語が終わ -
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ネタバレオートヴァースをはじめ、話が難解で理解しきれない部分も多かったが、塵理論などはわからないなりに(解釈が間違ってそうだが)面白かった。塵のように散らばる要素を認識したものが世界であり、時間というものも、人間の勝手な認識の仕方に過ぎない、という感じ...?
終盤の、ランバート人が独自に納得のいく歴史を作りそれが真実になる、というあたりが特に面白かった。人類が今正しいと信じている歴史も、捏造かもしれないと仄めかすようでもある。
同じイーガンだと、「宇宙消失」のほうがとっつきやすく熱中して読めたので、その意味で⭐️3にした。
読みながら、デッド・チャンの「あなたの人生の物語」やリングシリーズの「ル -
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ネタバレ初イーガン。
なるほどなるほど、これはハードルが高い。
自分はそれなりに科学技術好きな理系脳だと思うけど、興味ない人には苦痛がまさるんじゃないだろうか。
でも、解説にもある通り分厚いサイエンス成分を透かしてみれば、どの話もものすごく哲学的。
引き込まれました。それにしても、どれもこれもよくもまあこんな設定を思い付くなあ!
「闇の中へ」時間軸を物理的なベクトルに読み替えているんですかね、すごくスリリングでした。
「道徳的ウイルス学者」いま世界がコロナに揺れている中、ウイルスをなんらかの意図をもってコントロールできる可能性が示されており、そら恐ろしくなります。
「ボーダー・ガード」量子サッカーを始 -
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自分をスキャンし、架空都市に配置した「コピー」の人格は自分なのか。処理速度の低下で17分の1に、30分の1に、5万分の1の「主観時間」で遅くなった、さらに逆再生、ランダム化された意識は、自分の体感と思考は、自分のままなのか。分子より大きな段階でモデル化され学習され調整された「反応」と「行動」は、果たして本当の自分なのか。
コピーされた自我とオリジナルの同一性で悩む人々。オートヴァースで再現された進化生活環。真の目的と、永遠の自我。将来たしかにこういう技術が生まれ、こういう問題が起きるかもしれない。
それを考えるのも楽しいけど、問題に直面した人の心理的な葛藤よりも、その技術を元にどんな社会と大衆 -
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いやー時間がかかった。
私が小説読むのにここまで時間がかかるとは。
それはひとえにその難しさ故。
プラス、『エターナル・フレイム』よりストーリー的に惹かれなかったからかな。
★2にするか悩むところ。
世界観が素晴らしいのは間違いない。
理解できるかどうかは別として、架空の世界のその完成度の高さは今まで読んだどの作家の作品よりも高い。
私はその完成度の高さが理解できない頭脳の持ち主なので、したがってこれを理由に★をたくさんつけるのはちょっと違うかな、と思う。
理解できたら素晴らしいんだろうけどなー。
地球人とは異なる主人公たちは理解できるんだけど、
頭が自分の世界から完全に切り離せないので
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「祈りの海」「貸金庫」「キューティ」SF的でいて愛とは人間とは何かをわかりやすく問うものが多かった。科学的には分かっていても、解明されてしまっても人間は動かせない何かがあるのだ。
貸金庫の、特殊な設定で、それを法則を見つけ慣れていく主人公が面白かった。
繭、繭の中で、赤ん坊は何から守られているのか。すべてがホルモンやDNAで調節できるとしたら、ジェンダーは左利きは、「正常」以外はどうなってしまうのか。
誘拐、僕になることを、人格を全くコピーできる世界は、「自分」の認識とは何か。逆に、何を他人と判断するのだろう。スクリーンの妻が毎日苦しんでいたら、病みそう…
100年ダイアリー無限の暗殺者、ミト -
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★4としたいのはやまやまだけど、これを★4にしたらそれは見栄になってしまう。
難しいんだよ。
面白かったけど。
『クロックワーク・ロケット』読んだ後で変えるかも。
お恥ずかしいながらSFマガジンでグレッグ・イーガンの作品を初めて読み、
これは私の好きなタイプ、
と早速一冊の購入を決意。
調べると見覚えのあるタイトル、『エターナル・フレイム』が。
以前テレビでカズ・レーザーが好きと言っていて、一瞬興味が湧いた本だ。
というわけで購入。
購入後三部作の真ん中だと気づく。
まあでも一作品は一作品だから大丈夫だろう…、
と思ったけどあまり大丈夫じゃなかった。
”物理法則が違う”とは書いてあったけど -
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青春恋愛SFというキャッチフレーズに誘われて。
読み終わってみて、今一つだったかな~。もはや甘酸っぱい十代の恋愛に共感できる齢でもなくなってしまったのか…。
思春期真っ只中の自意識と自尊心を盛った一人称に共感出来ず。
主人公の両親等、鼻持ちならない人物は多数いるも、主人公もその一人に思えてならない。
フェンスの内と外に恋人と隔てられて、「夜は心地いい寝台で暖かく一夜を眠ってから」朝になって日課の如く恋人との逢瀬を重ねるとか何なん?恋愛部分は何か陰キャ男子の妄想爆発的な男にとっての都合よさ。40年以上前の作品とは言え…。
ラストは安易なハッピーでもただ苦いだけのバッドでもなく、祈念するかのような