山岸真のレビュー一覧

  • ハローサマー、グッドバイ

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    ネタバレ

    この表紙とタイトル、裏表紙のあらすじから、少年のひと夏の恋と成長を描いた話だと思っていました。
    SFという部分についてはタイムスリップかなぁと安易に想像していたのですが、見事に裏切られました。
    否、確かに途中までは少年のよくあるバカンスでの恋物語でした。それが後半の後半に様相が変わり、一気にSF色が強くなりました。そして確かに“どんでん返し”の結末でした。

     ただ、主人公のドローヴという少年の思春期によくあるであろう親や権力への反発は理解出来ますが、いずれ彼が成長して反発の対象であった親や権力に対して何らかの折り合いをつけていくだろうと思っていたので、ドローヴが大して変わることなく物語が終わ

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    2020年08月18日
  • しあわせの理由

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    全9篇からなるグレッグ・イーガンの短篇集。SFを読み慣れてないと全体的に難しく感じる…という印象。
    個人的には「チェルノブイリの聖母」「血をわけた姉妹」「しあわせの理由」がギリギリ理解できて面白かった。

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    2020年08月10日
  • 順列都市〔下〕

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    ネタバレ

    オートヴァースをはじめ、話が難解で理解しきれない部分も多かったが、塵理論などはわからないなりに(解釈が間違ってそうだが)面白かった。塵のように散らばる要素を認識したものが世界であり、時間というものも、人間の勝手な認識の仕方に過ぎない、という感じ...?
    終盤の、ランバート人が独自に納得のいく歴史を作りそれが真実になる、というあたりが特に面白かった。人類が今正しいと信じている歴史も、捏造かもしれないと仄めかすようでもある。

    同じイーガンだと、「宇宙消失」のほうがとっつきやすく熱中して読めたので、その意味で⭐️3にした。

    読みながら、デッド・チャンの「あなたの人生の物語」やリングシリーズの「ル

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    2020年06月24日
  • しあわせの理由

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    ネタバレ

    初イーガン。
    なるほどなるほど、これはハードルが高い。
    自分はそれなりに科学技術好きな理系脳だと思うけど、興味ない人には苦痛がまさるんじゃないだろうか。
    でも、解説にもある通り分厚いサイエンス成分を透かしてみれば、どの話もものすごく哲学的。
    引き込まれました。それにしても、どれもこれもよくもまあこんな設定を思い付くなあ!
    「闇の中へ」時間軸を物理的なベクトルに読み替えているんですかね、すごくスリリングでした。
    「道徳的ウイルス学者」いま世界がコロナに揺れている中、ウイルスをなんらかの意図をもってコントロールできる可能性が示されており、そら恐ろしくなります。
    「ボーダー・ガード」量子サッカーを始

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    2020年05月23日
  • 順列都市〔下〕

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    ネタバレ

    単純セルで形成された秩序と法則が、仮想世界の生き物によって乱され崩壊していく。
    正直23回失敗したとか失敗と分かっている世界だの、言っている意味と理屈がよく理解できなかった。

    ピーとケイトの数千年に1回の計算、外界から切り離され保たれる主観と流れていく「実世界時間」。圧倒的なスケールでこの中で1番好きなカップル。

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    2020年05月12日
  • 順列都市〔上〕

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    一言で言うと難解。
    仮想現実の中で実体をスキャンして、それを元にしてコピーとして生きる人々。コピーなのに感情を持ち、あたかも生きているように振る舞う。
    更に人工宇宙まで作り出し、そこに惑星と生命を作り出し、進化させるとは。
    これだけのことをこなすコンピュータパワーがあるとは現状を考えると考えづらい。そして電力も。
    でも、コピーとして生き続け、実体のある人々を支配している?と言う姿はある意味ホラーでしかないかもね。
    そんな未来が来るのか?と思いながら読んだので、内容が今ひとつ入ってこなかった。

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    2020年05月06日
  • 順列都市〔上〕

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    自分をスキャンし、架空都市に配置した「コピー」の人格は自分なのか。処理速度の低下で17分の1に、30分の1に、5万分の1の「主観時間」で遅くなった、さらに逆再生、ランダム化された意識は、自分の体感と思考は、自分のままなのか。分子より大きな段階でモデル化され学習され調整された「反応」と「行動」は、果たして本当の自分なのか。
    コピーされた自我とオリジナルの同一性で悩む人々。オートヴァースで再現された進化生活環。真の目的と、永遠の自我。将来たしかにこういう技術が生まれ、こういう問題が起きるかもしれない。
    それを考えるのも楽しいけど、問題に直面した人の心理的な葛藤よりも、その技術を元にどんな社会と大衆

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    2020年05月04日
  • クロックワーク・ロケット

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    いやー時間がかかった。
    私が小説読むのにここまで時間がかかるとは。
    それはひとえにその難しさ故。
    プラス、『エターナル・フレイム』よりストーリー的に惹かれなかったからかな。
    ★2にするか悩むところ。

    世界観が素晴らしいのは間違いない。
    理解できるかどうかは別として、架空の世界のその完成度の高さは今まで読んだどの作家の作品よりも高い。
    私はその完成度の高さが理解できない頭脳の持ち主なので、したがってこれを理由に★をたくさんつけるのはちょっと違うかな、と思う。
    理解できたら素晴らしいんだろうけどなー。

    地球人とは異なる主人公たちは理解できるんだけど、
    頭が自分の世界から完全に切り離せないので

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    2020年02月10日
  • 祈りの海

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    「祈りの海」「貸金庫」「キューティ」SF的でいて愛とは人間とは何かをわかりやすく問うものが多かった。科学的には分かっていても、解明されてしまっても人間は動かせない何かがあるのだ。
    貸金庫の、特殊な設定で、それを法則を見つけ慣れていく主人公が面白かった。
    繭、繭の中で、赤ん坊は何から守られているのか。すべてがホルモンやDNAで調節できるとしたら、ジェンダーは左利きは、「正常」以外はどうなってしまうのか。
    誘拐、僕になることを、人格を全くコピーできる世界は、「自分」の認識とは何か。逆に、何を他人と判断するのだろう。スクリーンの妻が毎日苦しんでいたら、病みそう…
    100年ダイアリー無限の暗殺者、ミト

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    2020年02月10日
  • エターナル・フレイム

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    ★4としたいのはやまやまだけど、これを★4にしたらそれは見栄になってしまう。
    難しいんだよ。
    面白かったけど。
    『クロックワーク・ロケット』読んだ後で変えるかも。

    お恥ずかしいながらSFマガジンでグレッグ・イーガンの作品を初めて読み、
    これは私の好きなタイプ、
    と早速一冊の購入を決意。
    調べると見覚えのあるタイトル、『エターナル・フレイム』が。
    以前テレビでカズ・レーザーが好きと言っていて、一瞬興味が湧いた本だ。
    というわけで購入。
    購入後三部作の真ん中だと気づく。
    まあでも一作品は一作品だから大丈夫だろう…、
    と思ったけどあまり大丈夫じゃなかった。

    ”物理法則が違う”とは書いてあったけど

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    2020年02月10日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    ネタバレ

    #日本SF読者クラブ 青春恋愛SF小説の傑作と言われているらしい。自分としては、青春小説としての印象が強い。ラストの「大どんでん返し」。これ意味が分からなかった人もいるのでは。

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    2019年12月31日
  • ビット・プレイヤー

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    ネタバレ

    「七色覚」★★★
    「不気味の谷」★★★
    「ビット・プレイヤー」★★★
    「失われた大陸」★★★
    「鰐乗り」★★★
    「孤児惑星」★★★

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    2019年10月19日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    青春恋愛SFというキャッチフレーズに誘われて。
    読み終わってみて、今一つだったかな~。もはや甘酸っぱい十代の恋愛に共感できる齢でもなくなってしまったのか…。
    思春期真っ只中の自意識と自尊心を盛った一人称に共感出来ず。
    主人公の両親等、鼻持ちならない人物は多数いるも、主人公もその一人に思えてならない。
    フェンスの内と外に恋人と隔てられて、「夜は心地いい寝台で暖かく一夜を眠ってから」朝になって日課の如く恋人との逢瀬を重ねるとか何なん?恋愛部分は何か陰キャ男子の妄想爆発的な男にとっての都合よさ。40年以上前の作品とは言え…。
    ラストは安易なハッピーでもただ苦いだけのバッドでもなく、祈念するかのような

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    2019年03月08日
  • しあわせの理由

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    you have easy to image about the lady panther. but about Panther lady you can? however, , I can't easy understand. The caresses painted by Fernand Khnopff.

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    2019年01月07日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    キラキラしていて甘酸っぱい。
    翻訳も良いし、中学生くらいの頃に読んでおけば良かったなぁ。
    読むには歳を重ねすぎたと感じた。

    でも意外とエロティックだったり、暴力性を感じたり、対象年齢は上の方かな?
    物語の最後は、下手な推理小説を読むよりあっと驚いた!

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    2018年10月24日
  • 順列都市〔上〕

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    細かい論理は正直、理解の範疇をこえてる。誰かわかりやすいパワポとか作ってほしい。でも、オートヴァースが生み出す仮想生命は、他のSF作家によるスピンオフが見てみたい。複数の登場人物の視点で書かれる本作だが、それぞれが絡み合っていく過程は秀逸。

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    2018年09月25日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    こんな終わりかたって、、、と呆然となりました。

    でも、情景は手に取るように思い浮かんだので別の世界にいる気持ちを味わえたところはよかったです。
    人間の欲はこわいものだと改めて感じました。

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    2018年08月09日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    SF小説の中でも有名な作品を一通り読んでみようキャンペーンの7作品目。

    SFと言えるのか大いに疑問だが、ストーリー自体は良いです。

    あらすじは
    夏休暇をすごすため、政府高官の息子トローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再開を果たす。
    粘海(グルーム)が到来し、戦争の影が次第に町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。
    だが、壮大な機密計画がふたりを分かつ…少年の忘れられないひと夏を描いた、SF小説であり戦争小説であり、恋愛小説。

    舞台は太陽系外の異星人が住む惑星で人類ではない。
    そのため、独自の自然現象や生物については理解が追いつかない。
    だだ便宜上、登場人物は人型

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    2018年06月02日
  • 祈りの海

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    テクノロジーの発展により、進化した機器や科学的知見をもとにストーリーを記載。作者の構想に現実はまだまだおいついてない。

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    2018年05月23日
  • 祈りの海

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    優れた作品だが読者を選ぶ、私には分かりにくい
    表紙   3点小阪 淳   山岸 真編・訳
    展開   6点2000年著作
    文章   4点
    内容 510点
    合計 523点

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    2017年05月01日