山岸真のレビュー一覧

  • TAP

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    現代最高のハードSF作家と呼ばれているグレッグ・イーガンの初期短編集。元々は河出書房の「奇想コレクション」の一冊として日本オリジナル編集されたといういきさつもあり、SF風味の薄い「奇妙な話」系の作品も多く含まれています。一読しての印象は、
    「イーガン、分かりやすい話も書けるんだ・・・」
    ということヽ( ´ー`)ノ冒頭の「新・口笛テスト」は本当にシンプルなワン・アイディア・ストーリーのSFで、キャラクターの造形もわかりやすく、何だかイーガン読んでる気がしないなーと思いましたヽ( ´ー`)ノ

    でも、読み進めると確かに「イーガン節」とでも言うべき独特の世界観が広がってきて、結局はあの手応え十分なイ

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    2017年02月06日
  • ゼンデギ

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    脳を非侵襲的スキャンして仮想環境に仮想人格を構築する話。前半は中東の政治的な革命の話だが、そもそも、部隊が中東である必要はあったのかよくわからん。

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    2017年01月26日
  • タンジェント

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    玉石混交の短編集
    表紙   7点大森英樹
    展開   6点1973年著作
    文章   5点
    内容 610点
    合計 628点

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    2016年11月21日
  • ハローサマー、グッドバイ

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    ネタバレ

    ナイスSF! とってもストレートで無駄がない青春小説。ロリンの正体だけちょっとよくわからないけど… でもいい話だった。簡潔なハッピーエンドではないところが特に。

    ブラウンアイズがただのいい子ちゃんな女の子じゃなくて、独占欲と嫉妬心があって、適度に積極的なところが可愛い。シェルターの前で暮らしていた期間は幸せだったろうな。こんなにも愛されてるってことを実感できて、そのうえ皆に知らしめることができたんだもん。

    政府側のキャラが味気ないのがもったいなかった。でも二つの恒星間で衛生軌道を変える惑星ってネタが面白かったからノーカン。しかもそれを宇宙飛行士の冒険ものとかじゃなく青春SFにしちゃうってと

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    2016年11月03日
  • 順列都市〔上〕

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    ネタバレ

    自分をスキャンして電脳空間で永遠に生きる時代を描いたもの

    我々の意識は過去→未来へと流れていくように思えるが、それは本当なのか(記憶を失いつつ過去に戻ることと区別がつかない)、全く同じ神経回路が複写された時、自意識はどこにいくのか、などの哲学的な問題についても著者の関心の赴くままに書かれている

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    2016年09月17日
  • パラークシの記憶

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    最後の最後で、SF的大どんでん返しに驚かされた「ハローサマー、グッドバイ」の続篇。何十世代も後のあの星が舞台だということで、今度はどんな物語が展開するのかと楽しみに読み出したのだが、あらら?なんだかいろいろ違うではないか。

    前作では限りなく地球人に近かった住人たちは、はっきり異星人として描かれており、前作にはなかった設定が次から次から出てくる。それはそれで興味深くはあるけれど、ちょっと途惑うのも確か。

    「記憶遺伝子」という設定をはじめ、異星の奇妙な文化のありようがみっちり描き込まれており、殺人事件の犯人捜しというミステリ的な面白さもある。しかし何と言っても話のキモは、裏表紙の紹介文に「真相

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    2016年07月25日
  • ゼンデギ

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    ネタバレ

    「脳スキャン技術により開発されたVRシステム〈ゼンデギ〉――マーティンは幼い息子のため、そこに〈ヴァーチャル・マーティン〉を作るが……」
    というのが帯文。読み始める前は、ヴァーチャル人間が当たり前のように存在する世界で人間の存在を脅かすような大事件がおきるのかと期待したが、実際はヴァーチャル人間が作れるようになるまでの技術的な苦労話と、息子のために自分のヴァーチャル分身を作ろうとして、それはイカンと死の直前に気づいた父親の、哀愁漂う物語だった。

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    2016年01月24日
  • ディアスポラ

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    いやー、まいったまいった。全然わからんかった!わけのわからんことを考える人が世の中にはいるもんだなぁ。
    人格をソフトウェア化して、仮想都市で生き続ける世界。星の終わりによる不可避の終末。それから逃げる/新たな世界に進出する過程「ディアスポラ」を描く。
    なんやようわからんかったけど、最後の方に主人公たちは一応の安全への道を手にいれるのね。新しい世界への切符を手にいれる。でもそれを得る過程でみつかった、さらに先を行く人「トランスミューター」を追いかけることを選ぶ人がいて。まだ見ぬものを求めるって、なんなんだろうね。こんな世界に生きている人がいるんだろうなぁ。

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    2015年12月29日
  • 順列都市〔上〕

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    仮想現実に自分の”コピー”を創造することでコンピュータのリソースが続き、ソフトウェアが止まらない限り半永久的に生きられるようになった世界。
    そんな中で一人の男がとある計画のために動き出す――。

    認知科学とか、機械工学とかに精通している人は問題ないかと思うがそうでないとなかなか入っていくのに時間がかかる。
    だが、読み込んでいくうちにどんどん深みにはまり、気がつけばイーガンの作中に沈んでいる自分に気付く。
    上下巻分かれているわけだが、上巻の終わり方が卑怯すぎる。もちろん、いい意味でだが。

    生命とは?自我とは?
    常に問いかけ続けてくる。

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    2015年09月02日
  • 白熱光

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    ネタバレ

    物理実験のパートは、文字だけで表すには厳しいと感じた。ラケシュとロイがいつ会うのか、期待していたのだが…。あとがきの、4つの勘違い全てと同じ勘違いをしていることがわかり、再読しようか悩み中。

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    2015年06月17日
  • 順列都市〔下〕

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     下巻の展開は、上巻を読み終えた時点での想定とは大きく異なるもので、これはかなりの衝撃だった。マリアとダラムが物語の主軸を担う点は上巻同様に変わらないが、その他の登場人物の物語はそれと交わることなく、並行して進んでいく。そしてより大きな問題が順列都市に出現し、その根本を揺るがす大転換がもたらされる。この意外性こそ、この小説が他の小説とは一線を画す点なのだろう。
     認識により世界が変革されるという観念が、本書終盤の鍵となる。悪貨は良貨を駆逐するとは言い過ぎかもしれないが、真実もまた相対的なのだという主張が見え隠れする。これを読んで、以前に聞いた次の話を思い出した。それは経済活動に関する新しいモデ

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    2015年04月08日
  • 順列都市〔上〕

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     人物のスキャンが可能となり、電脳世界で生き長らえることが出来るようになった世界で、自己とは何か、生きるとは何を意味するかに迫る物語。『順列都市』の世界において鍵となるのは、次に挙げる三つの概念である。第一に、現実。これはボトムアップ型の概念であり、素粒子のスケールから計算された物理法則に従う世界を指す。これをコンピュータ上で再現するには膨大な計算力が必要で、『順列都市』の世界においても不可能である。第二に、コピー。これは現実の生理学をブラックボックス化することで、計算を単純化し仮想現実を可能にするトップダウン型の概念である。世界中の富豪たちが自らのコピーを作り、死ぬ間際にスキャンすることで、

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    2015年04月08日
  • 順列都市〔下〕

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    上巻は状況説明や登場人物の紹介に潤沢なページを費やしていましたが,下巻はそれらを踏まえてストーリーを展開していきます。
    もう一つの世界に自分を置くような感じで,世界観に酔いしれます。
    そこそこ難しいSFなので読みにくさは感じますが,SF慣れしたころにまた読みたい作品でした。
    「塵理論」についてあやふやな状態で読み進めると辛いので,難しいと感じたらぐぐって解説を見ることをお勧めしますよ。

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    2015年01月29日
  • 祈りの海

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    ネタバレ

    「貸金庫」★★★
    「キューティ」★★★
    「ぼくになることを」★★★
    「繭」★★★★
    「百光年ダイアリー」★★★
    「誘拐」★★★
    「放浪者の軌道」★★★
    「ミトコンドリア・イヴ」★★★
    「無限の暗殺者」★★
    「イェユーカ」★★★
    「祈りの海」★★★★

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    2019年05月14日
  • 白熱光

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    奇数、偶数章で時間も空間も異なる世界が、時間軸は埋まらないながら、空間軸が重なりあう壮大な探求と真実にたどり着こうとする命懸けの研究のスペースオペラ。偶数章の世界が分かりづらく、スプリンターの概念図や簡単な地図が欲しかったし、ロイたちの挿絵があるともっと良かったと思う。

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    2014年04月10日
  • ひとりっ子

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    収録作品は軸が合わなかった。
    思うに自分はアーサーCクラークの人類賛歌的なSFが好きなのであって、イーガンの作品の中心が数理であり、「魂」なんてものはまったく重要視されていないのが、合わないのかも。

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    2014年02月01日
  • 祈りの海

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    「ぼくになること」で、人格模倣AIによる不死の獲得など、できはしないということが、示されていると思う。結局それは「ぼく」などではありえないのである。”スキャン”をこのように、捉えているイーガンの作品は読んだことがないので、新鮮だった。
    「繭」のようなハイテク探偵小説もので、かつ作品の要の原理が理解できる作品をもっと、イーガンが書いてくれれば。

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    2014年01月13日
  • 祈りの海

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    ネタバレ

    生命科学・時間・次元など幅広い分野を題材にしているSF短編集。全体的に暗いトーンで時おりゾクっとする怖さがあって面白かった。

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    2012年12月22日
  • 順列都市〔下〕

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    最後のほうはよかった。しかし、どうしても全体を通しては面白いとは思えず。内容なのか、文章なのか。とはいえ上よりは展開も速く読み進めるのはそれなりだった。話の感想としてもいまいちつかめず。である。最後の崩壊する理論ないし理由は自分としては説得力に欠ける。

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    2012年05月01日
  • 順列都市〔上〕

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    ・2040年代のアメリカが舞台のハードSF。
    ・ジャンルはサイバースペースもの。発達した仮想現実に意識をコピーし、コピーたちはほぼ人間と同じ生活を送る。コンピュータ資源の制限から、コピーの活動速度は実時間の1/17以下となっており、支払い能力のない者はさらに低速での生活を強いられる。
    ・コンピュータ資源は有限なので、「コピー」たちには常に停止=死の恐怖があるが、ある人物がその悩みへの対処を売り込み、主役のプログラマに広大な仮想惑星系の開発を依頼。そこに警察の詐欺捜査班も加わり…というのが上巻の流れ。

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    2012年04月26日