伊東潤のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
真田丸の少し前の時代、武田晴信が甲府から撃って出て、信濃を足掛かりに越後を狙おうとするその時期に、信濃の地を守り抜こうとする信濃の国衆がいた。
自ら喰うに足りる分の領地を治めるだけでは飽き足らず、自らに歯向かうものには、容赦なくその矛先を向ける。
必要とあらば、調略の限りを尽くし、親兄弟までもを裏切らせ、国を制圧していく武田勢。
そのいわば合理的という戦い方に対し、義を重んじ武士たろうとする若武者須田満親。
その須田満親を中心に描きつつ、五度にわたる川中島の決戦を描くのは伊藤潤。
これが、面白くないわけはなかろうという布陣で、結果その通り面白く最後まで読み切った。
須田満親、長尾景虎、そし -
Posted by ブクログ
ネタバレ2014.12.新九郎は,伊勢家からの人質として今出川義視のもとに行く.その後,新九郎は故郷の備中に戻り,そこを統治するようになるが病が流行り,その薬への費用が莫大にかかるため,故郷を離れ幕府申次衆となる.新九郎は,宗瑞と名乗るようになり,民のための領地を作るために,古い武家政治との伊豆や関東での戦いに明け暮れる.三浦まで勢力を伸ばしてきて,三浦同寸との戦いとなる.激しい戦いを繰り広げたのち宗瑞は勝利を収める.そして,家督を息子に譲り,宗瑞は64歳の生涯を終える.のちに,北条早雲と言われる武家の話.一生,様々な勢力との戦い,和睦だったのだろうが,色々とありすぎてあまりよく分からなかった.
-
Posted by ブクログ
北条・武田・上杉。この三大名家の同盟で、関東一円に平和をもたらす。甲相越三和一統の計。
その計略を完成させるべく、越後上杉家に養子縁組した北条三郎。後の上杉景虎です。
理想に燃えて越後入りした三郎を待っていたのは、上杉家の家督争い。理想を成就させるどころか、跡目争いに破れ、短い人生を散らすこととなります。
理想に殉死した人生。
理想に順ずるあまり、相手にもそれを求めてしまったゆえの敗北でしょうか。そもそも、仏道に入っていた時から、武士・武家に対する理想、憧れが強すぎたかのように思います。一個人としてならば、武家の理想を追い求めることは何の問題もなく、賞賛されること。
しかし、大名家の棟梁とも