長谷川眞理子のレビュー一覧

  • 正解は一つじゃない 子育てする動物たち

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    子どもができると、オスもホルモンに
    変化が出るマーモセット、
    里親になるイルカなど、興味深いストーリーが
    多い。。

    自然科学の本としては異例の
    研究者達の子育て体験との対比が
    面白かった。

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    2020年08月16日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    ここのところ山岸俊男さんの本を3冊続けて読んでいるのだけれど、それは社会心理学者の山岸俊男さんが観る社会の景色を共有したいとおもってからだった。
     でも、山岸さんの本はかつて読んだ記憶があるのだが、専門的で重厚で立ち向かうのに苦労した記憶があった。
     この本も、そして数日前に読んだ『リスクに背を向ける日本人』もそうだが対話を書籍にしているので、対談相手が見つめてる景色との対照性で、ずっと読み易くなり山岸さんが観ているだろう景色もくっきりと立ち上がってくる。
     そして今回の対談のお相手の長谷川眞理子さんが行動生物学、進化生物学を専門にしているということもあって、山岸さんの見つめる現代社会の姿を、

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    2020年08月02日
  • 進化とはなんだろうか

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    とてもわかりやすくて、おすすめです。
    本書によれば、46億万年前の地球誕生から現在までを1年だと仮定すると、最初の生命が4月8日頃、恐竜時代が12月中旬頃、サルは12月25日、人類は12月31日午後8時10分頃に出現した計算になるという。つまり我々はまだ大晦日にわちゃわちゃしているに過ぎない。そう考えると、人生100年時代も、ふざけたロスタイムも地球スケールでは一瞬に過ぎない。その大晦日の一瞬だけで人類は地球を第六の大量絶滅に追い込もうとしている。恐ろしいこと。グレタさんにいちゃもんつけている暇なんかないはず。

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    2020年07月13日
  • 正解は一つじゃない 子育てする動物たち

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    執筆者が全員子育て中の研究者であるという点がユニーク。それぞれの子育てコラムが、執筆者を身近に感じられるようでおもしろい。

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    2019年11月28日
  • 赤の女王 性とヒトの進化

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    カタツムリは学習する。フィンチは道具を用いる。イルカは言語を使う。犬は意識を持つ。オランウータンは鏡の自分を認識する。ニホンザルは文化を伝達する。ゾウは仲間の死を悼む。そしてそれらの全ては、性と子孫を持つ。
    個体が生きるために必要な能力でないため忘れられがちだが、生殖に失敗した個体から種に引き継がれる形質は一つもない。
    すなわち獲物を捉える強力な爪と牙よりも、なんでも食べる消化能力よりも、どんな病気にもならない免疫機構よりも重要なのが生殖能力であり、全ての生物が、複雑で困難な生殖と出産という継承システムを現代に至るまで脈々と成功し続けている。

    そんな進化と遺伝の賜物である生殖能力は、生物のあ

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    2018年12月24日
  • きずなと思いやりが日本をダメにする

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    社会心理学者と進化生物学者の対談。話がかみ合っていて、内容は結構深い。逆説的なタイトルは、集団内で問題を起こさないようにするネガティブな協調性として取り上げているようだ。理念ではなく、客観的事実に基づいて政策決定することを主張する最初の章は読みごたえがある。

    多産か少産かの戦略の違いは、その生物の置かれた環境に関係している。生存環境が飽和状態であれば、子どもの数を限定して、一人の子に資源と時間を割いて育てる必要がある。生存環境が飽和していない場所では、子どもは産みっぱなしでいい。

    ヒトは母親だけで育児はできない。子育てを母親だけでやる社会はどこにもない。配偶者、家族、属している集団メンバー

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    2018年10月31日
  • 進化とはなんだろうか

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    生物学について、このような本を待っていた。原理原則が明確で、トピックも豊富。そして、多くの謎に迫りたくなる本。分かりやすいのに、内容は深い理想的な本。

    ・変異の主な源泉は、突然変異と性による遺伝子の組み換え。
    ・分子時計
    ・種にも色々ある。1)形態的 2)生物学的 3)認識的 4)進化的
    ・輪状種
    ・熱帯地方は、冷温帯に比べて気候が安定しており、予測性の高い環境と言える。そこで、熱帯地域には、安定して存在するミクロな環境が多数存在するのでは。
    ・また、熱帯は気温と湿度が高いので、生産性が高く、死んだ生物の分解も速くなり、餌条件がよくなる。
    ・数理モデルに基づいた最適化の理論と自然淘汰の結果が

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    2017年06月28日
  • 進化とはなんだろうか

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    学生の課題図書に出していたのだけど、絶版になってしまったとの噂があって、とても残念だった。再販されているのかなぁ。

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    2013年04月29日
  • 科学の目 科学のこころ

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    ネタバレ

    非常に興味深い内容で、示唆に富んでいたように思います。
    なんだか既視感がありましたが。

    以下、引用

    「シェイクスピアのハムレットのセリフを知らないと無教養だと思われるが、熱力学の第二法則を知らなくても無教養だと思われないのはおかしい。ーC・P・スノウ」

    「人間は天使でもなければ野獣でもない。困るのは天使のように振る舞おうと思っている人々が、実は野獣のように振る舞うことである。ーパスカル」

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    2011年09月09日
  • 進化とはなんだろうか

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    ジュニア向けのいいところは、要点を基礎から簡潔に理解しやすく述べられていることだと思います。
    本書も生物多様性から始まり、DNAの解説、その変異と生物の適応や自然淘汰への関わり、共進化などが、順を追って柔らかな文体で解説されています。
    ですので既にジュニアでなくなった方々でも、進化について概要を知りたいと思われたときには最適な入門書になると思います。
    これを読めば、生物における「進化は進歩である」などという初歩的な誤解も雲散霧消するはずです。

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    2011年07月15日
  • 進化とはなんだろうか

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    生物学、その中心的テーマたる進化というものについて、この分野の代表的な研究者による入門書。生物学の入門書としてはバツグンに面白い。手堅い内容でありながら、その語り口は恐ろしいほど分かりやすい。生物学、進化論といった学問うんぬんの前に、「我々はどのようにして、かくあるようになったか(そして、どうなっていくのか)」という生物学(だけに限らないけど)の基本的なテーマの好奇心を刺激させる圧倒的な魅力が、この本を読みやすくしてるんだろう。生物そのものに関心を抱かない人なんていないだろうし。そして、そんな生物に対する熱い思いが冷静で堅実な著者の筆致からひしひしと伝わってくる良書でした。

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    2009年10月04日
  • 進化とはなんだろうか

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    進化心理学の考え方が、本当に分かりやすく書かれている。わくわくするような気持ちを味わってほしい、という前書きどおり、「進化の理論ってなんて面白いんだろう!」と感動を与える1冊。こういう書き方ができるのって、才能だと思う。

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    2009年10月04日
  • 美しく残酷なヒトの本性 遺伝子、言語、自意識の謎に迫る

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    もとは月刊誌『Voice』2021年1月号~23年12月号連載のエッセイ風の「巻頭言」。だれもが目にする巻頭言がこの内容! ちょっと驚き。
    ヒトの本性とはなにか。それが生物学的に平易に解説されている。進化心理学の入門書として読むこともできそうだ。
    ただ、書名と帯がオカシイ。著者は、ヒトの本性が「美しく残酷」だとは言っていない。帯には「人間の遺伝子は利己的か? 利他的か?」とあるが、こんな議論もしていない。

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    2025年10月12日
  • 美しく残酷なヒトの本性 遺伝子、言語、自意識の謎に迫る

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    進化生物学の第一人者が遺伝子、言語、自意識の謎に迫るとても興味深い本。
    人間とは一体何者なんだ?というテーマに様々な観点から論じるが、結局のところ人は幸せになったのかということを問うている。各テーマにおける著者の考えを自分なりに深く掘り下げ思考するのに最適な本。

    人類600万年史。ホモ属の200万年史、ホモ・サピエンスの30万年史のほぼ全てにおいて人類は狩猟採集生活を行い、定住はせず、食料を求めて移動していた。
    この人類の進化史において、身体の構造、酵素の働き、脳の基本的な働きなどこのような生活に適応するするように進化してきた。
    約1万年前、農耕と牧畜という新しい生計活動が始まった。
    この人

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    2025年07月29日
  • リーダーの教養書

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    ネタバレ

    ・何かを知るとか学ぶとかいうことは、自分自身の人生の選択肢を増やすもの。
    心の奥底にある教養を身につけていきたいと思った

    ・人間は「考える葦」(パスカル)、つまり、
    最終的に自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言うために、一生懸命勉強している。

    ★働き方改革をしっかりとやり、生産性を上げて経済の足腰を強くすることに尽きる。

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    2025年07月12日
  • 進化的人間考

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    ちゃんと分かって読んだのか自信ないけど、長谷川眞理子さんの文章はスパッと背筋が伸びている感じがしてすごい、といつも思います。

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    2025年01月26日
  • リーダーの教養書

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     本を読む力、読み込む力が自分に備わっているかはわからない。難解な文章や深い思想に触れるとき気持ちが揺らぐ。それでも読みたい本がある。読むだけで新たな視点が得られるような一冊に出会いたい。
     読む力とは完璧な理解ではなく挑み続ける姿勢に宿るのかもしれない。本を読むたび、自分自身も少しずつ成長していける気がする。
     リーダーたるもの数字を追うばかりではなく教養が人を引きつけ掌握へも繋がる。教養に裏打ちされた想像力が必要となる。

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    2025年01月15日
  • 第三のチンパンジー 完全版(上) 人類進化の栄光と翳り

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    久々のジャレド・ダイアモンド。第三のチンパンジー「完全版」もう30年も経つとは… その後の研究成果で博士の予想が外れてたりもしてるが、今読んでも興味深いテーマ。他の動物と比べたヒトの特異点を探っていき、「大躍進」の秘密を探ろうという内容。700万年前に類人猿と分岐して以来、解剖学的に現代人と同じ人類は10万年前に現れているが、「大躍進」はたかだか1〜2万年前で、何がそのきっかけになっているのか。言語が最も重要で、それによって文化や芸術も発展してきたと予想。どの本でもそうだが、博士の博識ぶりに感嘆させられる。ユヴァル・ノア・ハラリがサピエンスを書くときに相談を持ちかけたのももっともだと思わせる。

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    2024年12月24日
  • 進化的人間考

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    文系の人たちが騒いでるところに理系の立場でお邪魔します的な謙虚でドライな筆致が面白い。
    著者の本をもっと読んでみよう。

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    2024年05月11日
  • 正解は一つじゃない 子育てする動物たち

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    多種多様な動物達の子育ての仕方が紹介されている。
    繁殖の仕方や、オスメスの関係性、子との関係性などとにかく多様な子育てを知る事ができて、ヒト社会の中で作られた子育てに対する固定概念や神話への新たな視点をくれる。

    子育てという側面に限らず、丁度良い具合にいろんな動物の生態を第一線の研究者から知れる事が面白かった。

    タンザニアの森で観察されたチンパンジーの子育てに泣きそうになった

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    2024年01月11日