あらすじ
私たちの住む地球には,なぜこんなにも多種多様な生き物がいるのか? それらはどういうプロセスを経て今日のような形になったのか? 適応化,遺伝子の組み替えの謎,淘汰のメカニズムや,オス・メスの性差の意味,配偶をめぐる競争などについて,豊富な具体例とエピソードを紹介しつつ,「進化」のメカニズムの謎を解く.
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Posted by ブクログ
とてもわかりやすくて、おすすめです。
本書によれば、46億万年前の地球誕生から現在までを1年だと仮定すると、最初の生命が4月8日頃、恐竜時代が12月中旬頃、サルは12月25日、人類は12月31日午後8時10分頃に出現した計算になるという。つまり我々はまだ大晦日にわちゃわちゃしているに過ぎない。そう考えると、人生100年時代も、ふざけたロスタイムも地球スケールでは一瞬に過ぎない。その大晦日の一瞬だけで人類は地球を第六の大量絶滅に追い込もうとしている。恐ろしいこと。グレタさんにいちゃもんつけている暇なんかないはず。
Posted by ブクログ
生物学について、このような本を待っていた。原理原則が明確で、トピックも豊富。そして、多くの謎に迫りたくなる本。分かりやすいのに、内容は深い理想的な本。
・変異の主な源泉は、突然変異と性による遺伝子の組み換え。
・分子時計
・種にも色々ある。1)形態的 2)生物学的 3)認識的 4)進化的
・輪状種
・熱帯地方は、冷温帯に比べて気候が安定しており、予測性の高い環境と言える。そこで、熱帯地域には、安定して存在するミクロな環境が多数存在するのでは。
・また、熱帯は気温と湿度が高いので、生産性が高く、死んだ生物の分解も速くなり、餌条件がよくなる。
・数理モデルに基づいた最適化の理論と自然淘汰の結果が見事に対応する。
・単為生殖のアブラムシ。雄の刺激のみが必要なギンブナ。
・ダーウィンの性淘汰理論。性差の説明。
・いくつかの霊長類を調べた研究では、どんなところで暮らし、何を食べているかから計算したところ、最適なサイズは雌の大きさであって、雄は生態的に見れば不必要に大きくなっている。
・メンデルの法則の発見は1900年。『種の起源』は1895年。
・生物学が、物理、化学と決定的に違うところは、生き物が歴史性を抱えた個別の存在だということ。抽象的な生き物は存在しないから。
Posted by ブクログ
ジュニア向けのいいところは、要点を基礎から簡潔に理解しやすく述べられていることだと思います。
本書も生物多様性から始まり、DNAの解説、その変異と生物の適応や自然淘汰への関わり、共進化などが、順を追って柔らかな文体で解説されています。
ですので既にジュニアでなくなった方々でも、進化について概要を知りたいと思われたときには最適な入門書になると思います。
これを読めば、生物における「進化は進歩である」などという初歩的な誤解も雲散霧消するはずです。
Posted by ブクログ
生物学、その中心的テーマたる進化というものについて、この分野の代表的な研究者による入門書。生物学の入門書としてはバツグンに面白い。手堅い内容でありながら、その語り口は恐ろしいほど分かりやすい。生物学、進化論といった学問うんぬんの前に、「我々はどのようにして、かくあるようになったか(そして、どうなっていくのか)」という生物学(だけに限らないけど)の基本的なテーマの好奇心を刺激させる圧倒的な魅力が、この本を読みやすくしてるんだろう。生物そのものに関心を抱かない人なんていないだろうし。そして、そんな生物に対する熱い思いが冷静で堅実な著者の筆致からひしひしと伝わってくる良書でした。
Posted by ブクログ
進化心理学の考え方が、本当に分かりやすく書かれている。わくわくするような気持ちを味わってほしい、という前書きどおり、「進化の理論ってなんて面白いんだろう!」と感動を与える1冊。こういう書き方ができるのって、才能だと思う。
Posted by ブクログ
進化の話は今まで読んできた本にもよく出ていたし、だいたい知ってる話かなぁなんて読み始めたら、とんでもない。面白い話が次から次へと出てきました。いやぁ、自然って、地球って、すごいなぁ。
モーリシャス島のドードーの絶滅の話は子どもの頃に絵本やなんかで読んでいて、ドードーさんかわいそう!と思っていた思い出がありますが、ドードーが絶滅したことで、モーリシャス島に生えるタンバロコックの木という木も、新しく生えることが出来なくなってしまったということを初めて知りました。この木はドードーが種を呑み込むことによって、発芽する仕組みになっていたと考えられるそうで、もう樹齢300年以上の老木しか見つかっていないそう。ドードーが最後に目撃されたのが1681年。自然は本当に巡り巡っているんだなと実感させられるお話でした。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
私たちの住む地球には、なぜこんなにも多種多様な生き物がいるのか?
それらはどういうプロセスを経て今日のような形になったのか?
適応化、遺伝子の組み替えの謎、淘汰のメカニズムや、オス・メスの性差の意味、配偶をめぐる競争などについて、豊富な具体例とエピソードを紹介しつつ、「進化」のメカニズムの謎を解く。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
進化論の入門書。遺伝子のことだけじゃなくて、形態や生態などが適応的に変化していく実例がたくさん。モデル計算と観察の一致からどういう淘汰が働いたかがわかる話など、進化論がたしかに科学であることを実感させてくれる。
ただし、進化によって洗練された生物が存在することは理解できても、それがまったくの偶然によっていることはいまひとつ実感できなかった。突然変異で生じた単純な対立遺伝子がどのように淘汰圧のかかる形質につながっていくのかについては、結局よくわからなかった。中立進化をちゃんと勉強しないとダメなのかしらん。