長谷川眞理子のレビュー一覧
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進化生物学者と社会生物学者、2人の先生が現在の日本社会について対談する、というちょっと面白い切り口の本。読んでいると、お2人とも歯に衣着せぬ感じの物言いで、タイプが似ているからこそ相乗効果的に話が進んでいくテンポの良さがあります。
対談となると、他に対決している流れのものと一方がインタビューする流れのものがあるように思うのですが、双方に専門知識があるなら今回のような流れは面白いなぁ、と感じました。とは言え、じゃあこの対談に反対の意見を持つ人を1人加えてみたらどうなるだろう、と興味を持ってしまうのも事実ですが。。
日本社会が抱える問題に対して、2人の専門分野の中から知見が出てくる訳ですが、専門 -
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ネタバレ進化の話は今まで読んできた本にもよく出ていたし、だいたい知ってる話かなぁなんて読み始めたら、とんでもない。面白い話が次から次へと出てきました。いやぁ、自然って、地球って、すごいなぁ。
モーリシャス島のドードーの絶滅の話は子どもの頃に絵本やなんかで読んでいて、ドードーさんかわいそう!と思っていた思い出がありますが、ドードーが絶滅したことで、モーリシャス島に生えるタンバロコックの木という木も、新しく生えることが出来なくなってしまったということを初めて知りました。この木はドードーが種を呑み込むことによって、発芽する仕組みになっていたと考えられるそうで、もう樹齢300年以上の老木しか見つかっていないそ -
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動物達の行動学です。
放送大学の講義テキストかもとになっているようです。
なかなか面白かったです。
動物の行動の理由をゲーム理論で説明したり、しきれなかったり。
囚人のジレンマなんて話が、こういうところに出てくるのかと、びっくり。
利他的な行動をなぜ取るのかという点は、主に血縁関係にあるものを守ることによって、自分と同じ遺伝子を持つものの生存確率をあげているらしいです。
子育てに関して、全くしないものから、両親ともするものまでの分類が興味深かったです。鳥類は両親でやることが多いそうで、哺乳類は母親だけがほとんど。その理由などが述べられていました。
それから、かねてから疑問だった、オスば -
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ネタバレ[ 内容 ]
膨大な科学的知識の消化よりも、科学の基本にある考え方や意味についての確かな理解こそ、現代の私たちにとっては大切なことだろう。
著者は、根っからの理科系でも文科系でもないと自称する生物学者。
クローン羊の誕生、ムシの子育て、イギリスでの見聞など、多彩な話題をおりまぜながら、科学と人間と社会について考えるエッセイ集。
[ 目次 ]
1 生物の不思議をさぐる
2 科学・人間・社会
3 科学史の舞台裏
4 ケンブリッジのキャンパスから
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
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[ 内容 ]
私たちの住む地球には、なぜこんなにも多種多様な生き物がいるのか?
それらはどういうプロセスを経て今日のような形になったのか?
適応化、遺伝子の組み替えの謎、淘汰のメカニズムや、オス・メスの性差の意味、配偶をめぐる競争などについて、豊富な具体例とエピソードを紹介しつつ、「進化」のメカニズムの謎を解く。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時 -
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ヒトが他の動物と何が違うのかということを、専門の人類学者の領域をややはみ出して、個人の考え、感想を付け足して論じている。進化論の解釈や、「利己的な遺伝子」の一部の評価に対する反対、人間らしさは調理という認識など、著者なりのこだわりポイントが随所にちりばめられている。根っこに今の人間社会が決して一番進化している、とは思っていない、これはAIやデジタル、食物技術の進化、また愚かな戦争など最近の様々な技術やコミュニケーションの歴史上あり得ないスピードでの変化に対する著者の危機感を感じた。個人的にも環境問題はじめ今の世の中は昔より破滅に向かっている気もするので、その点が一番共感できた。ただ★3なのはや