長谷川眞理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ヒトと動物の違いは何か、について人類学的な様々な角度から考察。実はホモサピエンスは類人猿類で最後に分岐されたわけではないこと、高度な技能を音声機能の進化により伝達できたことがはじまりであること、口伝だった時代に大事だった年寄り、高度な技術の蓄積が子どもの長い未熟期間につながり、オスもメスと協力して長い子育てをするようになることで、乱婚ではなくなること、などなど、仮説ではあるが壮大なつながり、構造の基、文化や社会が形成されているという、構造主義にもつながる考察が多くて興味深い。自らの遺伝子をいかに残すか、の共通したルールフレームから解釈できる体系を切り開いたダーウィンは本当に歴史を変えた転換点を
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Posted by ブクログ
非常に面白かった。
上巻は正行為に関わる論点が多く筆者の嗜好性が出てたり、古さを感じさせたり、冗長な印象だったが、下巻は面白い。
人類史みたいな部分が筆者の強みだと思う。
ヨーロッパの起源がステップ地域の遊牧民族にある話、ポリネシア人、ネイティブアメリカンのジェノサイドの話など。
非常に面白いし古さを感じない。
また巻末にある、人間の自然破壊に対する一般的な意見への反論が示唆深い。
人間による環境破壊は、長期目線で見たときに、隕石衝突などと比べて大したことはなく、地球温暖化も過去に何回もあったため、大したことない、と言う論に対する反論として、自然消滅のスピードが過去と比べて明らかに早いこと -
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Posted by ブクログ
Astrobiology Clubで東大の市橋伯一先生が勧めていたので。
生物の生存戦略を性の観点から書いた本。
面白かった。
著者のマット・リドレーという方は学者さんではなく、ジャーナリストだそうです。
素人でも読みやすいのはそういう理由もあるのかな。
また最後に、「ここに書かれている説の多くが誤りであろう」、とあるのにも好感を感じるし、知性を感じる。
説は常に覆されるし、一時真実味があるように見えるものも、時間が経てば否定される事も多い。
それをきちんと踏まえている。
ちなみに赤の女王とは、『鏡の国のアリス』に登場する女王で、彼女の国はものすごいスピードで動いているので、同じ場所にと -
Posted by ブクログ
担当業務がこれまでの領域とあまりにも異なったので、ハウツーばかり読んでいて、最近古典など読めていなかったが、久しぶりに読もうという気持ちになれた。
しかし、まだまだ学ぶべきことが多いと自分の無学を恥ずかしく思う。がんばらねば。
経営の意思決定をする際に、例えばオプションA、B、Cがあったとする。当たり前の話ですが、どの選択肢が一番優れているかは事前には分からない。どんなに分析して予測しても、実際にやってみなければ分からない面がある。だとすれば、事前に最も強固な拠りどころとなるのは、その人の中にある「論理的な確信」しかない。
それは、具体的なレベルで仮定に仮定を重ねて、各オプションの期待値 -