武藤陽生のレビュー一覧

  • コールド・コールド・グラウンド

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    暴動に揺れる街で起きた奇怪な事件。被害者の体内からはオペラの楽譜が発見され、現場には切断された別人の右手が残されていた。刑事ショーンは、テロ組織の粛清に見せかけた殺人ではないかと疑う。そんな折、“迷宮”と記された手紙が彼に届く。それは犯人からの挑戦状だった!武装勢力が乱立し、紛争が日常と化した80年代の北アイルランドで、ショーンは複雑に絡まった謎を追う。大型警察小説シリーズ、ここに開幕。

    殺伐とした舞台、ユーモラスな描写が救い。後半は冒険小説読みの血が騒ぐ。(ややネタバレか)

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    2018年05月01日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
    米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
    インターネットこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。

    本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整理としても一読の価値があると思う。
    サイバーセキュリティの問題は、IOT化が進むにつれて、益々、脚光を浴びてくるだろうし、情報の取り扱いの考え方自体をコペルニクス的発想の展開を以って変えていかないと、解決の糸口が見つけられないような気もする。(それが何かは全く見当がつかないが)

    以下引用~
    わが国(米国)の憲法の起草者たちは、幸福の追求のために望ましいい条件を確保することを保障し、人間の精神性や感情、知性の重要性を認めた。彼らは、物質的幸福は人生の痛みや喜び、充足の一部でしかないことを認識し、合衆国国民の多種多様な信条、思想、感情、感覚を保護することを求めた。政府との関係においては、誰からも干渉されない権利を国民に付与した。
    (最高裁判所判事ルイス・ブランダイス)

    パノプティコン(一望監視装置)
    閉じこまれた者に常に見られているという意識を植えつけ、権力が自動的に作用する状態を作り出す。

    肉体的な安全より上位にある中心的な価値とは、国家をプライベートな領域ー合衆国憲法修正第4条で定義される”身体、家屋、書類、個人資産”-に関与させないことだ。それはこの領域が人生の質を左右する多くの特質ー創造力、探究、親交といったものーのるつぼのようなものだからだ。

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    2016年12月27日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    「NSAは外国人にかぎってプライヴァシーを侵害します。」実際には全員が対象。

    NSAの資料が公開され、アメリカのデータ盗みが明らかになった。外国首相のケータイを盗聴していたのもすごい話だ。

    データの内容ではなくメタデータを集めたのはとても興味深い。つながりを追えば内容もわかるのは面白い。

    メディアが国の従僕であるという批判は、全世界で共通のものだと感じた。

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    2016年05月29日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    2013年6月、香港にて本書の著者やその他数人に対し、
    アメリカ合衆国NSA元職員のスノーデンが自身の良心に従って、
    行きすぎたアメリカの監視体制に関する機密文書数万点を暴露したことは、
    日本でも大ニュースになり、みなさんもご存じだと思います。
    その機密文書の内容は、アメリカやイギリスの新聞社から記事として発信され、
    スノーデンはモスクワに移動して逮捕を逃れ、
    本書の著者であるグリーンウォルドも共犯者とみられる向きもあり、
    ブラジルのリオデジャネイロに住んでいながらも、
    アメリカに帰国した際には連行される危険性も否定できないらしいです。

    そんな危険を冒してまで、
    政府に屈せずに報道をしていくのが、
    真のジャーナリストである、と著者は述べていて、
    昨今の、政府にお伺いを立ててから記事にするような、
    たとえばニューヨーク・タイムズ紙の記者などを痛烈に批判しています。

    そのようなスタンスで、
    本書はスノーデンのリークした機密文書の紹介や、
    香港で彼と著者たちが出会うまでについてや、
    なぜNSAによるインターネット世界全監視システムであるプリズム計画などが
    プライバシーを侵害することがよくないのかという、
    どうしてプライバシーが必要なのかについての論考や、
    そしてマスメディアの現在についての批判や記事発表後の
    著者自身のあまりいいとはいえない状況などについて書かれています。

    僕はこのNSAによる世界監視が暴露されたことは喜ぶべきだと思いました。
    アメリカのオバマ政府は、
    「国民の監視や盗聴や通信の傍受はしてないよ!外国人に対してだよ!」
    というような苦肉の言い訳をしていて、
    それに対して、マーク・ザッカーバーグ(FBの創始者)が、
    「世界を相手にしているウチの商売に気を使えよ」的な愚痴を言ったとか。
    そうなんです、世界監視には、フェイスブックもヤフーもグーグルも、
    いろいろな企業が協力しているそうです。
    そうやって、プライバシーを盗んでいるんですね。
    そうしたことが秘密裏のままだと、
    本当に闇の中でもっと権力を強めてしまいかねない。
    日本もそうだけれど、政府っていうものは、国民やジャーナリストが厳しく見ていないと、
    なにをしでかすかわかったものではないなと感じるところです。

    また、著者の主張の優れているところの一つは、こういうところです。
    肉体の安全を超一級の優先事項として、
    精神的な価値すなわちプライバシーの安全などを明け渡すよう迫る
    「監視国家是認」の言説は考えが浅いように思われるし、
    詭弁として受け取れるというようなところ。
    そうなんですよね、肉体の安全すなわちケガや死に対する不安を過剰に煽って、
    それらを回避するためなのだから、精神的な価値つまりプライバシーを
    さしだしなさいという、強引な論法なんです。

    そして、読んでいて感じたのですが、
    他人と違ったままでいたかったなら、知性を磨かなくちゃいけないと感じました。
    労力がいるけれど、他人と違うという理由で自分に張られるレッテルを、
    それはレッテルだとして説明したり論破したりしなければならないだろうからです。
    へんなもので、人と違うことをすることには説明責任があるかのように扱われる。
    アメリカじゃ、あいつは人格障害だとか社会不適合者だとか
    レッテルを張られる場合があるらしい、問題が大きくなると。
    こういうのは健全バカだと思う。
    我田引水すぎるリテラシーのせいなのかな。
    人権も侵害しているでしょう。

    世の中の色合いってものは、
    どうしても排他的な保守の色合いだったりする証拠なのかもしれない、
    人と違うことをしたときに当たり前のように説明責任を持たされるのは。
    説明できないと、病気だとか障害持ちだとか、
    適当にレッテルを貼られてしまいます。

    この件によって、ジャーナリズムの存在価値が見直されて、
    国家に対する監視という立場を堅守するようになってほしいです。
    そして、言論の自由ですよね。
    驚いたことにイギリスでは報道の自由みたいなのって決められていないみたいです。
    本書では、アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアを
    ファイブアイズという名前でもっとも親密な同盟として、
    NSAの監視盗聴の恩恵を受ける国々としていたと書かれていました。

    しっかし、世界をこういう感じで眺めてみると、
    情報の暴露一つにしても、物騒だなと思いました。

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    2015年02月21日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    いずれかの国でスパイ活動が行われていると想像したことはあったが、まさかここまでとは。
    書かれていることが本当であれば、恐ろしい。
    監視を意識することで行動抑制が起きると言うのはうなづける。
    とてつもない逆風の中でジャーナリズムを貫く筆者にも感服。

    全ては保身、集団心理がなせる技なのか。

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    2015年02月19日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    国家による無差別監視。やってるだろうな、と思いつつも、ここまでやってるのか、とゾッとさせられる。

    イギリスでは報道の自由が憲法で保障されていないとは知らなかった。新聞社に乗り込んで、合意のもとでハードディスクを破壊させるって、結構えげつないことするなあ、と。
    アメリカの大手メディアの体制寄りっぷりがショックでした。もちろんこれは著者側から見た意見で、大手メディア側にも言い分はあるだろうけど。

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    2015年01月31日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノーデンが著者に接触するところから現在(当時)に至るまで、時間を追って物語風に記されているので話にどんどん引き込まれました。最初TVでこのニュースを見たとき、とても表に出てきそうもない情報を暴露するとはなんて勇気のある若者だ、それにその事が色々な妨害もなく(屈せず)世間に出てきたなと衝撃を受けた事から、詳しい詳細に漠然と興味がありました。アメリカNSAが個人の通信の全ての情報(インターネット閲覧情報•電話通話記録等)を漏らさず取得しようとしていた事は驚きです。言われていたように、要注意人物や主要人物はそのターゲットになりうるという認識はありましたが、反政府的な芽を摘むという意味でも一般市民余すことなくとはそこまでやっていたのか、と。いまやネットは個人情報の宝庫でそれを盗まれ管理•操作されてしまうことがどれだけ自由と安全と人権を脅かすか、また見られてるかもという被害妄想によって行動が制限されてしまう、人間の心理による弊害については深く考えさせられました。無意識のうちに管理•洗脳されることが日々の生活の中でも確かにあると。反政府的な思想を少しでも持つものは芽を摘むがごとくに管理工作されつぶされる。筆者は政府のいいなりになっているような現在のジャーナリズムをも問題視しています。これは日本でも同じことかと。最後に、大きな組織•力であっても、論理的に考えて自ら意思決定する小さな人間ひとりひとりが、抵抗し挑戦し変えていく事ができると言っていて、まず意識を十分もって監視•行動することが大事だとおもいました。ちなみに筆者はその後アメリカに入国出来たのか気になるところ。ここまで大きな話題になったら簡単に逮捕とか出来ないと思うけど。

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    2014年08月24日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    すばらしい。
    スノーデン、イカす!
    顔はイマイチだけど。
    ソウルは最高。
    逃げるんだ!ベイビー!
    逃げ切ってくれ。
    君は最高にヒップな野郎だ。

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    2014年10月26日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    前半は暴露した経緯や主な内容について。後半は(実際に記事にした)著者が報道・ジャーナリズムについて物申している。
    暴露の内容は非常に興味深い。どこまでが本当で、どこまで収集されているのか。そして、この話題は沈静化してしまうのか。

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    2014年06月25日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    今さらだけど、レビュー書くのもためらわれる・・
    怖いですね。

    なので、無難に「面白かったです」と書いておこう。

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    2014年06月25日
  • エージェント17

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    ネタバレ

    テーマは殺し屋たちの悔恨からの解放。
    解放されるには、愛する者のために命を張ることなのかもしれない。

    エージェント17とは、現在最強の暗殺者であり、その代が17番目であることを意味する。
15人目までは死に、16番目は行方不明。

    その16番目を殺す任務を17番目が請け負う。
    レジェンドと呼ばれる16。現在最強の17。

    途中まで読むと結末はある程度予想できる。
しかし、この作品の魅力は結末そのものではない。

    命の危険を共に潜り抜ける中で、16と17は少しずつ信頼関係を築いていく。
また、16の娘キャットが実に魅力的だ。
16譲りの頭の良さと度胸を持ち、17を翻弄する姿が面白い。

    映画であればアクションとテンポを楽しんで終わる作品かもしれない。
    しかし小説だからこそ、それぞれの過去や後悔、迷い、そして相手を信頼していく過程をじっくり味わうことができる。
    グレイマンを思わせる戦闘シーンもテンポよく、映画を観ているように読める。
    それでいて読み終えたあとには、16と17が何を悔い、何を託そうとしたのかが静かに残る。

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    2026年06月16日
  • エージェント17

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    ネタバレ

    代々前の暗殺者を消すことにより、当代一の暗殺者になるというストーリ。
    設定がおもしろく、表紙も素敵だったが、なんとなく読みずらかった。
    17が16を探しだし、どのように暗殺するかを仕掛ける頭脳戦というところはおもしろかった。
    接触したときに、つく嘘を知らベられても嘘だとばれないように仕組んでおくところとか、それを見抜変れていたとか、いろいろ面白かった。
    最終的には、16と17で共通の敵に対峙していくのだが。2人のやり取りもおもしろい。

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    2025年11月27日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    スノーデン氏から著者へ接触があったのは2012年。この告発により、オバマ政権下でのアメリカ市民への盗聴が大きな話題になった。2008年に出版されたティム・ワイナー氏の「CIA秘録」では、CIA設立時から各総理大臣の対応が詳細に書かれている。そこにはオバマ政権も含まれているが、市民への盗聴は、なにも彼の政権下でのみ行われたことではない。「CIA秘録」は機密解除された内部文書をもとにした情報であり、出版当初は大変話題になったそうだ。

    それから数年の時を経て、より多くの人がスマホを持ち、インターネットを使用するようになり、情報に触れる機会が増えた。そこでスノーデン氏の告発が一番インパクトのあるタイミングで炸裂したのだと思う。政府にとって不都合な真実を隠そうとする圧力や妨害行為に対しては、今更何も驚かない。いくら有名な新聞社であっても、崇高な理念だけでは資本社会で生き残れないのだ。

    そもそも、他人が作った「インターネット」というものを利用しておきながら、自分のプライバシーが守られているという考え自体が甘いのではないかと思う。公共の通信を使用しているのだから、そこへ入力した内容や送信したデータが見られる可能性があることは頭に入れておくべきである。手紙にしても、第三者が配達することにより、開封される恐れがある。ただ「開封しない」というルールをもとにお互い信用しているだけで、実際いつでも開封して、痕跡を残さず閉じ直すことも可能なはず。

    プライバシーに関する問題は昔からあったと思うが、インターネットがあまりに便利で簡単に使えるのに、複雑な仕組みをしていることから一般人を煙に巻きやすく、それを提供する側がプライバシーの保護を約束し過ぎたのもよくなかったかもしれない。企業や政府の言葉は建前に過ぎない。自分がコントロールできないものを使用する時は、基本的に誰もなにも信用してはいけないのだ。それでも私たちは他者を信じることでしか世界を動かせない。だからこそ、どこまで信用するかを自分で定義する必要がある。

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    2025年10月28日
  • エージェント17

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    個性的な主人公と副主人公との対決とエンディングがストーリーの盛り上がる所ですが、前半から中盤の副主人公を探す所が少し中弛みします。だが、他の暗殺者シリーズに比べて、探し出す方法が面白い所です。次回作があるようなので、さらにストーリーの作り込みに期待しています。

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    2025年06月28日
  • エージェント17

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    スパイ小説ということで
    クールな頭脳戦のようなものを期待して読んだが
    ハードボイルド?肉弾戦が続く展開

    Netflix映画みたいな感じでした

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    2025年04月09日
  • エージェント17

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    世界最高の殺し屋「16」が突然に行方をくらまし、その後任となった殺し屋「17」に与えられたミッションが「16を殺すこと」だった…というスパイアクション小説。
    話の流れは「どこかで読んだことがあるような展開パターンだな」というもので、文体やセリフ回しはくどいところもあるが「くどすぎる」というほどではない。「いかにもなハリウッド映画を観させられました」という印象。
    17が立ち寄ったモーテルで経営を管理しているキャットという女性のキャラクターが非常に良い。殺し屋同士の決闘にたまたま巻き込まれただけの一般人だが、本書を読み終わった時点で抱く印象は「ターミネーター2直前のサラ・コナー」という逞しさ。
    あまり気負わずにサッと読めるエンタメ小説、という印象でした。

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    2025年04月06日
  • エージェント17

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    ハードボイルド・スパイ小説はほぼ読んで来なかったですが、表紙・帯・あらすじを読んで衝動買いしました。
    ただ、正直最初の数十ページはメチャクチャ読みづらかったです。関連のない文章が延々と連なるような感じで、まったく意味が入って来なかった…。
    銃撃戦が始まる辺りから徐々にテンポアップして、やっとすんなりストーリーに入りこめるようになりました。キャラクターやアクション、それぞれの人間関係も良かったです。映画化とかされれば単純に面白いかも。

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    2025年02月14日
  • レイン・ドッグズ

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     王立アルスター警察警部補・刑事<ショーン・ダフィ>シリーズの第5作。前作までを読んでいないのだが、阿津川辰海氏の「これまでの最高傑作と称するにふさわしい一品である」とのオビ文を見て読んでみることにした。

     舞台となるのは、1980年代の北アイルランド。アイランド共和軍(IRA)による爆弾テロ事件が多発していた北アイルランド紛争の時代だったことは記憶にあるが、その時代。主人公ショーン・ダフィは愛車のBMVに乗るときに必ず車底に爆弾がないかどうか確認するのも、正にこの時代ならではのこと。

     大きな筋としては、北アイルランドにある古城の中庭で女性記者の転落死体が発見されたが、現場は、城門は固く閉ざされており、ある時間以降は人の出入りができない密室状態だった。果たしてその死は自殺か、事故死か、はたまた殺人か?さらに警察幹部が車に仕掛けられた爆弾により爆殺されてしまった、IRAの犯行と思われたのだが……というもの。

     モハメド・アリの北アイルランド訪問に伴う警備、工場視察に来たフィンランド企業の幹部被害の窃盗事件、そこから殺人事件捜査へと、次々に駆り出されるダフィ。
     現場での綿密な捜査活動が描かれ、また北アイルランド、イギリス、フィンランドとダフィたちの捜査は国境を越えて行われる。そしてダフィ自身の私生活を巡って新たな出来事も、と実に盛りだくさんな内容。

     600頁近くのボリュームがあるが、キビキビした訳文のためか、厚さをあまり感じずに読み進めることができた。

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    2024年09月01日
  • DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる

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     企業の組織環境における「規模」や「相互依存性」「ダイナミズム」を把握し、そうした状況下で変革を実現するための方法を理解することには困難がつきまとう。使えるのが従来の技術と概念的なツールだけなら、なおさらだ。これこそが、実践者のまえに立ちはだかる「変革のジレンマ」の本質だ。


     ジョン・コッターはチェンジマネジメントの創始者とされている(実際、そのとおりだ)が、彼が考案した組織変革のための有名なフレームワーク「8つのステップ」は、その性質上、直線的なプロセスを採ることになる(注12)(図表1-8)。しかし、デジタルビジネス・トランスフォーメーションとは、事業の「複数」の側面に大きな変化を起こすことだ。だからこそ、複雑にもつれた組織に大きな変化を起こすためにも、従来のチェンジマネジメントは不向きなのだ。広範かつ全社的な変革ではなく、分離した単独の変革努力に一貫して集中しているからこそ、企業は従来のチェンジマネジメント手法(たとえば、プロサイ社のADKARモデルなど)に頼り、そうしたモデルに頼ってしまうからこそ、単独の変革努力に集中してしまうとも言える(注13)。以前から考えられてきたように、組織のもつれがなく、機能的に自律しており、変革の対象範囲がかぎられているなら、チェンジマネジメントで事足りるだろう。しかし、こうした条件がそろっていても、大半の組織変革が失敗に終わる。「足元に火がついている」と従業員に奮起を呼び掛けたり、変革を先導するチームをつくったりするなど、効果実証済みの手法がまちがっているわけではないが、それでもほとんどの大組織は、デジタル・ボルテックスという緊急事態を踏まえて大規模な変革をおこなうために必要な理解とアジリティ(くわしくは後述する)を有していない。
     そうした変革を実行するには、従来のチェンジマネジメントの先にある領域に足を踏み入れなければならない。それが「オーケストレーション・ゾーン」(図表116の右上部分)だ。このゾーンに入ることで企業は、組織が持つネットワーク的な性質に対処し、いま求められている前例のない規模の変革に取り組めるようになる。企業は、組織を横断するかたちで変化を促し、多方面で事業の成果をあげる。それを何度でも繰り返せる。オーケストレーション・ゾーンでの変革は、高度な結びつきのアプローチを採ることを意味している。

    「オーケストレート」とはどういう意味だろうか。DBTセンターでの定義は、「望みどおりの効果を得るために、リソースを動員し、機能させること」だ。


    ▫️変革目標
     変革目標の第1の要素は、カスタマーバリュー創出のための組織的アプローチだ。リーダーは何よりもまずこれを念頭に置き、「顧客にとってどんな価値があるか」を明確に定義しなければならない。顧客第一主義を標榜する企業は多いが、これは遵守するよりも違反するほうが名誉になるといった類いのものだ。とはいえ、変革を成功させたいのであれば、カスタマーバリュー創出は絶対に不可欠だ。
     ディスラブションの核にあるのは、新しい、よりよいかたちのバリューを創出することだ。これは、収益や利益ではなく、最終顧客のための価値だ。シンプルに言えば、ディスラブターは、よりよいカスタマーバリューを提供する方法を発明して、市場に変化をもたらしている。
     前著の執筆準備中、私たちは、大きな成功を収めているディスラプター100社以上を研究して、彼らの「やり口」に共通する特徴を3つ発見した(図表2-1)。彼らが顧客価値を創出する方法は、コストを下げる、もしくはなんらかの経済的見返りを生み出す(コストバリュー)、②より迅速で、より便利な、よりパーソナライズされた顧客経験をもたらす(エクスペリエンスバリュー)、③たとえば買い手と売り手、講師と受講生のあいだに、これまでなかったつながりを創出する(プラットフォームバリュー)の3つだ。


    ▫️トランスフォーメーション・オーケストラ
     ここで、私たちが「オーケストレート」という言葉を「望みどおりの効果を得るために、リソースを動員し、機能させること」と定義していたことを思い出してみよう。これはまさにオーケストラを率いる指揮者がやっていることだ。マエストロは演奏家たちの活動を監督し、彼らの能力の最もよい部分が表れた演奏を生み出す。全体として見れば、演奏は部分の総和を上まわるものになるはずだ。
     変革目標の設定は、曲づくりに似ている。オーケストラの各部門(弦楽器や金管楽器、木管楽器など)に対し、適切なタイミングでそれぞれのバートを演奏するよう呼びかけるからだ。曲が完成したら(将来、どのような競争上の地位を達成したいかを決めたら)、次はそれを演奏(実行)しなければならない。
     しかし、どうやったら演奏(実行)できるだろうか。どんなに美しい楽譜でも、楽器がすべて同時に演奏をはじめたら、もしくは全員が「楽譜の同じページ」を弾いていなかったら、耳障りな曲になってしまう。事業部門ごとの方向性を示した変革目標は、交響曲の「楽章」に該当する。これらをすべて集めると、企業が演奏しようと考えている交響曲(変革理念)となる。
     私たちは、このフレームワークを「トランスフォーメーション・オーケストラ」と命名した。オーケストラを構成する8つの楽器は、組織内の8つの要素に対応している(図表4-1)(注1)。それぞれの要素には、会社の主力市場のモデリングや、利害関係者との関与の仕方、組織づくりの方法といった、リーダーにとって重要な検討事項が含まれている。トランスフォーメーション・オーケストラのフレームワークを使えば、リーダーは「脱部門的」な考え方で組織のサイ口から抜け出し、会社の目標を達成するために必要なあらゆるリソースをかき集め、活用できるようになる。
    「楽器」は、組織リソースを合理的に分類したものだ。各楽器は、新しい製品やサービスの立ち上げや、デジタルによる新たな顧客経験の提供、企業文化の変革といった特定の仕事を実現するために連携する。変革に取り組むには、組織内のいたるところにあるリソース(楽器)をオーケストレートしなければならない。楽器は、部門や部署とイコールではないことに注意してほしい。これについては後述する。
     華麗なオーケストラの演奏と同じように、デジタルビジネス・トランスフォーメーションを成功させるには「必要なとき」「必要な場所」に8つの楽器を参加させる。改革が必要な領域に優先順位をつけて、その順番を決めなければならないが、良質なオーケストレーションにするにはそれだけでは不十分だ(たとえば、弦楽器だけの演奏のあとにホルンの音だけが聴こえてくるような曲はめったにない)。
     音楽における楽譜と同様、デジタルビジネス・トランスフォーメーションにおいても、組織内の異なる要素が調和して(同じタイミングで協力し合うかたちで)奏でられることが求められる。バイオリンのソロは力強いかもしれないが、ひとつの楽器だけではフルオーケストラのインパクトには到底およばない。製品やサービスを変えるだけ(たとえば製品とつながるようにするだけ)では、そのインパクトはかぎられている。私たちの調査によると、最良の変革(最も成功確率が高い変革)は、会社全体を対象としている。「組織全体」と「すべてのリソース」が関与するのだ。
     私たちがトランスフォーメーション・オーケストラの核となる楽器を特定できたのは、DBTセンターの設立以来、さまざまなエグゼクティブたちと何百回にもおよぶ交流ができたおかげだ。そうして得た私たちの結論はこうだ。変革の成否は、トランスフォーメーション・オーケストラの3つのセクションに分類される8つの楽器がどれだけ必要かというバランスに左右される。

    市場開拓セクション
    1 製品・サービス(あなたの会社が売る製品やサービス)
    2 チャネル(製品やサービスを顧客に届ける方法、市場までの道筋)

    エンゲージメント・セクション
    3 顧客エンゲージメント(顧客とどうかかわっているか)
    4 提携業者エンゲージメント(提携業者のエコシステムとどうかかわっているか)
    5 ワークフォース・エンゲージメント(従業員や契約スタッフとどうかかわっているか)

    組織セクション
    6 組織構造(事業部門やチーム、命令系統、プロフィットセンター、コストセンターの構造)やふるまいがどう報奨されるか)
    7 インセンティブ(従業員のパフォーマンス
    8 文化(会社の価値観や態度、信念、習慣)

     トランスフォーメーション・オーケストラによって、変革の境界線を設けることもできる。多くのエグゼクティブにとって、デジタルビジネス・トランスフォーメーションは曖昧で、抽象的で、不安を掻き立てるものだ。そこに何が含まれていて何が含まれていないのか、あるいはどこから手をつけるべきなのかよくわからないが、「(3でも10でもなく)8つの楽器だけに集中すればいい」と示してやれば、そんな懸念を払拭できる。変革目標を実現するためにどう組織を変えればいいのかというタスクの範囲と構造がよくわかるからだ。


    ▫️変革目標を実行プログラムに落とし込む
    ①カスタマージャーニー・マップ作成
    ②ビジネスモデル設計
     私たちが推奨するのは、少数の者たちにデザイン思考のトレーニングを受けさせることだ。そうすれば、彼らが社内外の人々に対して「ソリューショニング」することができる。
     …
     変革ネットワークから生み出されるのは「プロセスの変化」と「よりよい能力」である。したっがって、このプロセスと能力の「ビフォー」と「アフター」を測定できる基準を設けておくべきだ。
     たとえば、「この変革がおこなわれるまえはサービスコール1本当たりのコストは59ドルだったが、変革後は35ドルになった」というように。ただし、最初はゆっくりと物事を進め、関連するプロセスと能力の「ビフォー」を測定できるようにしておこう。
    ③ビジネスアーキテクチャ
    ④能力評価
    ⑤コミュニケーションとトレーニング
    ⑥社内プラットフォーム
    ⑦社内ベンチャーファンド
    ⑧アジャイルな作業方式


    ▫️デジタルビジネス・アジリティー変化するための組織能力
     前著『対デジタル・ディスラプター戦略」の後半(第Ⅱ部)は、私たちが「デジタルビジネス・アジリティ」と呼ぶ組織能力の説明に割いた。私たちはそれをシンプルに「変化するための能力」と定義し、どうすればデジタル・ボルテックスによって変化しつづける市場に組織が適応していけるかを説いた。
     デジタルビジネス・アジリティには、「ハイパーアウェアネス(高度な察知力)」「情報にもとづく意思決定力」「迅速な実行力」という核となる3つの能力があり、これらが調和することで組織にアジリティが生まれる(図表514)(注12)。
     ハイパーアウェアネス(察知力)は、自社を取り巻く環境やワークフォース、顧客起点の変化を察知する能力だ。バリューチェーン上のどこにあろうと、競合他社や顧客、サブライヤー、物理的資産に関する情報を収集する能力がこれに含まれる。情報にもとづく意思決定力は、ハイパーアウェアネスによって得られた情報を使い、考えられるかぎり最良の意思決定をする能力だ。この能力を実現するには、きわめて包括的になり、集合知や専門知識を活用して、適切な決定をするために必要な情報や視点、意見を探し求める必要がある。また、データ解析の力も借りなければならない。
     迅速な実行力は、デジタルビジネス・アジリティの3つ目の要素で、時宜にかなった効果的な方法で意思決定を実行する能力を指す。適切なリソースを必要な場所に動的に割り当てることも、これに含まれる。事業プロセスも動的でなければならない。迅速に実行するには、ンスが生まれたらすぐに新しいプロセスを生み出し、それを展開してテストし、変更し、さらに学習しなければならない。でなければ、破壞的な企業にチャンスを奪われてしまう。高レベルのアジリティを備えるディスラプターたちと渡り合うには、デジタルビジネス・アジリティこそが要であると私たちは考えてきた。私たちの調査と、世界中の何百もの企業と交流をしてきた経験も、その考えを裏づけている。アジリティは、デジタル・ボルテックスの渦中にある企業にとって本当の意味で成功の礎となるものだ。こうした変化するための能力があれば、オーケストレーターは必要に応じてリソースを活用して変革に引き込み、たとえ一時的であるにしろ、特定の需要に対処させることができる。
     人のリソースのエコシステムから瞬間的に高レベルの専門知識を引き出す能力、私たちが前著で「人材クラウド」と呼称した能力は、変革ネットワークの機能に計り知れない恩恵をもたら組織リソースとしてのデータも、また重要だ。トヨタ・モーター・ノースアメリカのCDO.ザック・ヒックスは言う。「たくさんのデジタルビジネス・トランスフォーメーションがデータの力を解き放ち、サイロから奪い返しています。データと洞察が自由になることで、企業はよりよい、より迅速な意思決定ができるようになります」インフラ、とりわけIT資産は、優先順位の変化に合わせて動的にオーケストレートし、迅速かつシームレスに転用しなければならない。デジタルビジネス・アジリティは、結びつきを強化し、いつでも変革可能な企業を生み出す。新たな情報や関連する情報をもたらす「弱い結びつき」と、組織に信頼と連帯感をもたらす「強い結びつき」をつくり出すのだ。
     弱い結びつきは、情報源の巨大なエコシステムからアイデアとデータを集めることで、私たちを「ハイパーアウェア」な状態にしてくれる。そのため、ビジネスの必要に応じて専門知識と洞祭にアクセスし、「情報にもとづく意思決定」ができるようになる。弱い結びつきが、分散したリソースを必要なときに必要な場所に転用できるようにすることで「迅速な実行」が可能とな強い結びつきは、変革プログラムの実行を妨げる組織的、技術的、個人的な障壁を乗り越えるために、情報をより効率的に伝達することで「ハイパーアウェアネス(察知力)」「情報にもとづく意思決定力」「迅速な実行力」を生み出す。


    ▫️企業がとるべき21のアクション
    | 一般原則
    1.デジタルビジネス・トランスフォーメーションを追求する際には、チェンジマネジメントに頼るのでなく、変化するための「結びつきのアプローチ」の必要性を受け入れ、オーケストレーション・ゾーンで活動する。

    8.経営陣は「変革の方向性を強化する」と一貫して明言する。マネジャーや従業員に対しては「その方向性をサポートするよう計画し、投資し、実行してほしい」とはっきり伝える。

    21.CTOが他の主要なリーダーたち、とりわけCIOやトランスフォーメーション・リードたちと協働できるようにして、会社全体のアジリティのレベルを高める。これは変革のための基礎能力となる。新たな情報もしくは関連した情報を提供してくれる組織リソース同士の「弱い結びつき」や、結びつきのアプローチに必要な信頼と連帯感を育む「強い結びつき」の促進もここに含まれる。

    | 変革目標を設定する
    11.顧客を、デジタルビジネス・トランスフォーメーションの中心に据える。新しい価値もしくは改善された価値をどうやって最終顧客に届けるか、顧客視点からさかのぼって考える。

    12.変革目標を設定する。これには、「カスタマーバリュー」を創出し、供給、実現するための適切な「ビジネスモデル」と、それを実現するための「対応戦略」が含まれる。変革目標は事業分野ごとに設定すること。各事業分野のリーダー(ならびに経営陣)は変革目標をサポートしなければならない。各事業の変革目標を定めるのはCTOの仕事ではない。

    13.事業分野ごとに異なる変革目標を立て「対応戦略のポートフォリオ」を作成する。

    | 変革理念を明確に伝える
    14.変革理念(会社全体の変革ゴール)を明確に伝えること。理念は、正確で、現実的、包括的で、簡潔、測定可能(PRISM)なものでなければならない。上級リーダーたちに変革のアンバサダー役を務めてもらい、それぞれのチームのコミュニケーションやブランニングの場で変革理念を強調してもらう。

    | オーケストレーション能力
    10.社内のあちこちで進行している大きなデジタル・プロジェクトを文書にまとめ、見通しをよくし、相乗効果を生みやすくする。しかし、オーケストレーターはこうしたブロジェクトを「所有」すべきではない。

    9.適切な規模の「社内ベンチャーファンド」をつくり、部門間横断型の取り組みと事業成果を加速させる。

    6.変革ブログラムがバリューに与える影響をモデリングできるリソースを従事させる。これにより、変革に向けた努力を軌道に乗せ、利害関係者、とりわけ上級管理職と取締役会のサポートを獲得できる。

    | リソースを動員し、結びつきを機能させる
    15.トランスフォーメーション・オーケストラのすべての楽器を網羅した「ビジネスアーキテクチャ・マップ」を作成する。存在している人やデータ、インフラのマップの他、それらの関係性とワークフローについてもまとめる。

    16.変革目標から浮き彫りになった課題と最も関係が深い「楽器(あるいは組織リソース)」を突き止める。

    17.変革を進める際に直面する課題に取り組むために、複数の「楽器」で構成された「変革ネットワーク」をつくる。それぞれのネットワークは俊敏に動けるよう小規模にとどめ、的を絞った特定の課題だけに注力させる。こうすることで、変革の進捗や影響が測定しやすくなる。

    | オーケストレーションのための組織づくり
    2.CTOを任命する。謙虚で、順応性があり、ビジョナリーで、積極的に関与してくれる人物を雇う。

    3.デジタルビジネス・トランスフォーメーションをオーケストレートし、組織リソースを動員してその結びつきを機能させる責任を、CTOに与える。一方で、変革の結果については責任を分担し、共通のKPI(主要業績評価指標)を用いる。社内の各部署・部門は、それぞれの領域にデジタル能力を実装し、変革を推進することに集中する。

    4.CTOに高いレベルの序列を与える。中間管理職やコルディナティ(調整役)としてではなく、組織内に大きな影響力を持つ経営幹部の一員として扱う。

    5.CTOの下に「変革推進室」を立ち上げる。チームは小規模にとどめること。このチームには変革を実行させるのではなく、変革に関係する業務の大部分をオーケストレートさせる。

    7.変革推進室に、「デザイン思考」や「ビジネスアーキテクチャ」などのオーケストレーション能力を持った人材を引き入れることを最優先する。能力ギャップを埋めてくれる人材がいないかどうか、エコシステムにも目を向け、機敏に人材を引き入れる(貴重なスキルや高額なスキル、たまにしか必要としないスキルを持った人材の「タレントブール」を開発するなど)。

    18.CTOが他部門や他部署のリーダーたちと強力な信頼関係を築けるようにする。変革推進室は、他の事業と張り合うものではなく、イノベーションやアジリティ、スピードの源泉だと考える。

    19.他のチームから「トランスフォーメーション・リード」を指名し、グループをまたいだ実行の「縫い合わせ」をサポートさせる。サイロ化した部門をつくるのではなく、「結びついた実行」をおこなうために「組織のファブリック」を織り、それを既存の組織構造の上にかぶせる。

    20.変革推進室は、「新しいプロセス」と「よりよい能力」のインキュベーションに注力する。成熟期に入ったら、こうしたプロセスと能力の管理は事業部門に引き継ぐ。変革推進室はその後も時間をかけてアウトプットの調整に従事する。


    ▫️日本企業をがんじがらめにする「もつれ」
    1強力なタテ構造
    2組織人のメンタリティー
    3ソフトウェアの価値に対する理解
     3つ目は、ソフトウェアの価値に対する理解度が低いことである。たとえば、いまや、ソフトウェア能力でクルマが選ばれる時代になりつつある。消費者は、エンジンやボディーなどのハードウェアが優れているかどうかよりも、(それらについては一定の水準を満たしているという前提のもとで)ナビゲーションやインターフェースなどの機能性、すなわちソフトウェアの使いやすさを重視している。テスラがすごいのは、同社のクルマが、まさに優れたソフトウェアのかたまりだからである。にもかかわらず、日本企業でソフトウェアの価値に対する理解度が低いのは、なぜか。その理由は、そもそも経営層がこれまでITにあまり興味を持ってこなかったからである。多くの場合、日本企業ではシステム子会社に丸投げしてきた(だから日本企業のIT部門は欧米企業に比べて極端に小さく、経営者から遠い位置にある)。欧米企業の経営者は、ITやデジタルの価値をよく理解しているか、理解していなくても学ばなければいけないという意識が強い。このことは、日本企業が今後DXを推進するにあたって致命傷となる恐れがある。

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    2024年07月31日
  • ガラム・マサラ!

    Posted by ブクログ

    ちょっとほろ苦い結末。
    少し読みにくかったが
    最後にはみんなを好きになった。
    結末は、うん、だけど。

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    2024年04月09日