武藤陽生のレビュー一覧
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世界最高の殺し屋「16」が突然に行方をくらまし、その後任となった殺し屋「17」に与えられたミッションが「16を殺すこと」だった…というスパイアクション小説。
話の流れは「どこかで読んだことがあるような展開パターンだな」というもので、文体やセリフ回しはくどいところもあるが「くどすぎる」というほどではない。「いかにもなハリウッド映画を観させられました」という印象。
17が立ち寄ったモーテルで経営を管理しているキャットという女性のキャラクターが非常に良い。殺し屋同士の決闘にたまたま巻き込まれただけの一般人だが、本書を読み終わった時点で抱く印象は「ターミネーター2直前のサラ・コナー」という逞しさ。
あ -
Posted by ブクログ
王立アルスター警察警部補・刑事<ショーン・ダフィ>シリーズの第5作。前作までを読んでいないのだが、阿津川辰海氏の「これまでの最高傑作と称するにふさわしい一品である」とのオビ文を見て読んでみることにした。
舞台となるのは、1980年代の北アイルランド。アイランド共和軍(IRA)による爆弾テロ事件が多発していた北アイルランド紛争の時代だったことは記憶にあるが、その時代。主人公ショーン・ダフィは愛車のBMVに乗るときに必ず車底に爆弾がないかどうか確認するのも、正にこの時代ならではのこと。
大きな筋としては、北アイルランドにある古城の中庭で女性記者の転落死体が発見されたが、現場は、城門は固く -
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企業の組織環境における「規模」や「相互依存性」「ダイナミズム」を把握し、そうした状況下で変革を実現するための方法を理解することには困難がつきまとう。使えるのが従来の技術と概念的なツールだけなら、なおさらだ。これこそが、実践者のまえに立ちはだかる「変革のジレンマ」の本質だ。
ジョン・コッターはチェンジマネジメントの創始者とされている(実際、そのとおりだ)が、彼が考案した組織変革のための有名なフレームワーク「8つのステップ」は、その性質上、直線的なプロセスを採ることになる(注12)(図表1-8)。しかし、デジタルビジネス・トランスフォーメーションとは、事業の「複数」の側面に大きな変化を起こ -
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主人公ラメッシュは、絶望的な状況にいる。
雇い主にあたる若者ルディとともに誘拐され、指を1本切り落とされてしまったのだ。
なぜそんな状況になったのかといえば。
元々、ラメッシュは貧困層の生まれだった。母はラメッシュを産んだときに亡くなり、父はチャイを売って日々を凌いでいた。チャイに入れるスパイスを挽くのはラメッシュの仕事。父は暴力的で時に女を連れ込んだりしていた。貧困の中、このまま父と同じような大人になるのかと諦めていたラメッシュを白人修道女が救い出した。
彼女のおかげでラメッシュは教育を受けることができたのだ。
それで成功して幸せになった、というのならよいのだが、ことはそれほど簡単ではない -
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「自分は地球外生命体と人間のハーフ」と名乗る若者から、空き巣に入られて父の贈り物である貴重な石を盗まれたので調査して欲しいという依頼を受け、渋々引き受けたたサムスン。石はなぜ盗まれたのか、そして盗んだのは誰か、という謎を解き明かす「それが僕ですから」を始め、「彼」にまつわる事件を、サムスンが調査するという連作集。
各編とも短めの中編というところで、サムスンの聞き込みで淡々と進んでいるように見えるものの、それぞれの事件には意外な真相が潜んでいた。
新米警察官としての愛娘サムとの絡みも面白いし、全体的にとても読みやすい。
最終収録作の「父親たちにまつわる疑問」では、これまでのシリーズでは -
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Posted by ブクログ
タイトルにひかれて深く考えずに購入しました。まず翻訳は非常に質が高く、全体的にとても読みやすかったです。また書かれていることについても、大きな違和感を持つような箇所はありませんでした。ただ本書からは一貫して「底の浅さ」を感じました。書かれていることが浅いといいますかとにかく薄い。巻末に早稲田大学の先生による12ページの解説がありましたが、そのくらいのページ数で十分伝わります(お時間ない方はこれだけ読めば十分)。なにか「カタカナ言葉」で無理矢理バリューアップを図ろうとしているかのようにも見え、正直ほとんど感銘を受けませんでした。面白い本ですと2ページに1回くらいの頻度で赤線を引くのですが、本書は
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