武藤陽生のレビュー一覧
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既存の大企業におけるDX推進の方法について書かれている。
特にDXを各個人・各部門の仕事としてではなく全社の仕事として捉えるオーケストレーションというモデルが印象的。
デジタル推進などの新規課題は経営層が社内リソース(データ、人、インフラ)を把握し、自らが指揮をとる必要があると言うことを、ぜひ経営層には今一度認識してもらいたい。またそれぞれの楽器(部門・個人)のつながりを促進する責任の所在について明確にする必要があると認識した。
またコルディナティという部門間の橋渡し役についてもその付加価値の無さなどについて記載されており、自身の上司と重なる部分があった!笑
DXの導入や推進の具体的な方法というより、大企業の中で何かを成すノウハウという点での抽象的な考え方は大変参考になる本であった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作で刑事から巡査に格下げされたダフィは、北アイルランドの常に生死が交差する現場で神経をすり減らす日々。そこに脱走した幼馴染でもあるIRAの大物、ダーモット・マッカンを逮捕するため、MI5から刑事復帰を条件に捜査の依頼を受ける。
北アイルランド紛争を時代背景に、そこで生きていく人たちの重苦しさが根底にあるが、ストーリーのテコに密室殺人を配置することにより、エンタテインメント性も盛り込まれ、帯のコピーの通り、一気に読ませてくれる。
苦しい時代に奮闘するダフィにとって、警察に入ることは自らの正義感があってのことだが、マッカンへの憧れからくる一種の嫉妬が原動力にもなっている。そんなに人生きれいに語れるものではない。
でも人は正しい回答が欲しくて仕事に打ち込む。答えは得られるかどうかはわからない。でも打ち込む。それしかない。
ダフィは北アイルランドから逃げなかった。
これからも自分の答えを見つけるために仕事に打ち込むしかない。 -
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ネタバレDXというバズワードとそれを実行するという、企業内部でのありがちな実践例を架空の企業(ベースあり)をモデルに読み解いていっている。
新規事業の立ち上げというレベルではなく、今回は「ディスラプション」ということで乗り遅れるとやばい、というレベル間の中かなりの企業が失敗しているという状況
ポイントはあまりにも大横断すぎる「既存企業」が対象となるため、これまでの一点突破アプローチでなく、全体突破でのアプローチが必要ということ。一点突破では単なる部門のデジタル化で終わってしまう。が、ここが難しい要素。
しがらみも多く、更に日本ならではのしがらみもあり、一筋縄ではいかないのがCDO(CTOなど)であるという。
ゆるい紐帯と強い紐帯を持ちつつ、各部署に潜伏し、業務を遂行していく。
今回は全体突破の考え方を知れたのが一つポイント、またマッピングでの全体見えるかも面白い。
これを乗り越えた既存企業と、デジタルネイティブな企業とでは何が違うのだろう。単に追いつく、ということだけではあまりにも手強い。仕組み化しておくことまで持っていけば、既存大企業でも対抗しうる?のか -
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ネタバレDXをお客様に提案していかねばならない立場であって、でも正直なところよくわかっていないところあり、わからないなら勉強しよう、ということで教科書的な本があったので購入した2019年8月の本。 結果としてよくわからないということがわかったということはありがたかったし、本の中に明確に「ほとんどの企業でDXはうまくいっていない」ということが明確に宣言されている、ということではある意味安心になった。 そんな中でもデジタルボルテックスの中、もがきながら前に進まなきゃいけない、というところもよくわかった。
レビュという意味では、巻末の日本人が書かれた「解説」を二つ読んでから、改めて頭からスタートすると読みやすい。日本特有の難しさが記載されていて、うーんなるほど、となるため。
新しいことの先行的な取り組みなのだから、うまくいかなくてあたりまえ、でもそれをオーケストレートして全体として推し進めるしかないんだ、というところがなんとなくわかりました。
数年後に振り返ったらどういう思いで読み返すかしら。 -
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サッチャー政権下の北アイルランド、動乱の世の中で元刑事のショーン・ダフィが暗躍する話。
まず題名が良い。歌詞からの引用なのだが、In the afternoonでもIn the nightでもなくIn the morning I'll be goneである。エモい。
作詞者もさることながらこれを引用してタイトルにした作者もすごい。小説の最後にピッタリのタイトルだった。
内容は歴史書とミステリーを掛け合わせたようなものだった。時代小説でミステリー、ならあるかもしれないが、近代を舞台にしているのが斬新に感じる。
ミステリーとはいえ、作中でダフィ本人が言うようにトリックなんてくそくだらないものではあるのだが。
ダフィはじめ、登場人物がみな活き活きしていて読んでいて楽しかった。斜に構えつつ、誰より他人を犠牲にすることを厭うダフィは好感の持てる主人公だった。
何よりフィッツパトリック家の女性が全員魅力的。気が強くてセクシー。
ケイトも捨てがたい。 -
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北アイルランドはベルファスト北隣の田舎町キャリック・ファーガス署勤務のショーン・ダフィ巡査部長を主人公としたシリーズ第二作。時期を待たず次々と三作まで翻訳が進み、出版社・翻訳者の意気込みを感じさせる、何とも心強いシリーズである。
ショーンは、巡査部長と言いながらその実は私立探偵と変わらぬ孤独なメンタリティの持ち主である。警察内マイノリティであるカトリック、大学卒という二点により、組織人でありながら孤独なヒーローという特性を持たせるという本シリーズならではの設定が、何より魅力的だ。
当のショーン・ダフィは、だからと言って疎外感などにめげていない。直属の部下たちとの人間的で率直な会話から見えてくるのは、勝気で直線的でありながらも、仲間たちを思いやる熱く温かい性格である。ショーンの私生活からは、音楽や小説へのこだわりも見え隠れする。作者自身を投影しているのではないかと思えるほど、描写に鋭い洞察が感じられる。作品タイトルが、トム・ウェイツの曲から抽出されていることからも音楽へのこだわりを強く見ることができる。
前回はショーンの独走が良い結果をもたらしたものの、本書ではまたも部下を巻き込まぬ単独捜査での決着を選択することでショーンは苦行を強いられる。バラバラにされたトランク詰めの死体がアメリカ人のものであることから、事は各政府機関や権力機構の一部を成す企業までを巻き込む厄介な代物になってしまう。
途中で投げ出したくなるような事件だが、関連する第二第三の殺人との繋がりがうっすらと見え隠れしてくる捜査を通し、ショーンは謎を秘めた女性と出会う。荒れ果てた北アイルランドの海辺の寒々しい土地にたくましく生きる女性とショーンとの会話や映画のようなシーンは、美しくもあり、危険の匂いも漂わせ、本書の中でもとりわけ印象深く強いアクセントとなっている。
アメリカは、ボストンにまで舞台を移すこの大がかりな事件のさなか、ショーンは苛烈な試練を負わされながら、真実に辿り着こうと徹底してあがく。苦しみの果てにしか生まれない決着を求めるこのショーン・ダフフィこそ、このシリーズの最大の魅力であり、彼の生きた土地と時代がその個性を際立たせる。
グッド・シリーズとの出会い。早くも三作目に取り組んでいる当面の喜びだけでも、とりあえずお伝えしたいと思う。 -
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粘度を少し落としたジェイムズ・エルロイ。LA暗黒史を背景にしたポリス・ノワールで突出した感のあるエルロイは、よく知られたアメリカ暗黒=禁酒法、マフィア、ヴェガス、赤狩り、J・E・フーバーといった時代を背景にしているが、このエイドリアン・マッキンティの方は、北アイルランドの現代史を背景に、エルロイ・ノワールに作品を少しでも近づけようとしている。作家も主人公も、その鼻っ柱の強さにとにかく冷や冷やさせられながらも、謎解きを基調としたアイルランド・ノワールとして存分に楽しめるシリーズ第一作である。
舞台は1981年の北アイルランド。警察小説であり、ノワールでありながら、現代史小説としての一面も併せ持つ。過激なテロ組織であったIRAによるアイルランド独立闘争については、当時の日本のメディアではほとんど取り上げられなかったが、むしろジャック・ヒギンズなどの小説でぼくはIRAによるテロの過激さを知ることになった。ヒギンズの『死に行く者への祈り』は傑作とされ、ミッキー・ローク主演で映画化されたが、いきなり園児バスが爆破されるショッキングなシーンは忘れ難く、神と救いを求めて彷徨うアンチ・ヒーローを克明に描いた原作は、さらに印象深い。
大英帝国内でもアイルランドだけは、朝鮮半島同様、南北に二分している。英国帰属意識が強く体制側に組みするプロテスタントと、常に抑圧される側にあることから自主独立を望み、一部は過激なテロ活動をも辞さないカトリック、という政治および宗教的対立構造は、当時、市街戦と化したほどに苛烈な国内状況を呼び起こしていた。中でも北アイルランドのベルファストは、その中心の地であり、バスジャック、放火、爆弾テロなどがほぼ常態化していた。日本の平和な1981年を思い起こすと、この小説で描かれているような、血で血を洗うアイルランド闘争は悪夢そのものである。
本書における主人公、ショーン・ダフィの立場は、これ以上ないほど複雑なものだ。カトリック教徒であるショーンは、大学卒業後、北アイルランドの首都ベルファスト北部に位置するキャリックファーガス警察に巡査部長として赴任する。そもそも大卒の警察官自体珍しく、カトリックの警察官となるとさらに異端である。テロリストからは、カトリックのくせに警察官となった者として裏切者視され、同僚たちからは大卒・カトリックという両要因で距離を置かれる。実に生きにくい存在なのである。
ちなみにキャリックファーガスは、城が一つある以外、同じ形の三軒長屋ばかりが建ち並ぶだけの、無機質で魅力に欠ける街だが、作者が生まれ育った地でもあるということだ。
さてこのように、日常的に銃声や爆弾の音が炸裂している街で、音楽や文学を愛する主人公ショーンは、男性同性愛者の連続殺人、少女の縊死という二つ事件に没頭することになる。テロや暴動の警備に警察官が多数必要とされる状況の中、現実派の上司を尻目に、ショーンは両事件の真相究明にこだわる。野生の嗅覚のようなもの。真実は見えているとおりではない、と。
時代は、煮えたぎっていた。英国王室は、ダイアナ妃を側室に迎え入れようとしている。ローマ教皇は暗殺されかけた。逆にエジプトのサダト大統領は暗殺される。北アイルランドの刑務所ではハンストにより死亡したボビー・サンがヒーローとなり、テロ活動をさらに煽る。ニュースメディアがこんなに多忙な時に、日本はことアイルランドについては、その一割にも満たない最低限のテロ報道しか流していなかったのを、ぼくは今も覚えている。その国の小説に記載されることと、日本のメディアで読むことは全く違う。別の地球のようにさえ見える。
さて、本書はそうした歴史背景のさなかで、骨子としてはあくまでショーンが真の殺人者を暴くというミステリにしっかりと重心を置いている。ぶれない主人公だからこそ状況との闘いにさらされ、捜査自体の存続が危ぶまれる中、組織人としての自覚を捨ててでも単独で真実に拘ってゆく。よりエルロイ的世界へはみ出してゆく。そうした主人公の行動に、平和な日本の読者が着いてゆけるかどうかが試されるような過激な一冊である。そして最終ページを閉じても、アイルランドは終わっていない。ベルファルトの火炎は消火されても、根深い対立構造は存在し続ける。昨年より翻訳され始めた本シリーズは現在3作まで読むことができる。遠く離れた国、過ぎ去った時代の真実に少しでも近づくことに興味のある方は、是非このレアなシリーズをご賞味あれ。 -
Posted by ブクログ
目的: デジタリゼーションが進む世の中において、商社や自分の部署、車両販売店がどのように戦っていくべきかを学ぶため。
目的達成度: 4.5
★気付き・学び → アクション・意見
1. デジタリゼーションが進み、既存のビジネスがディスラプトされる現在の環境下では、優れたカスタマーバリューを生み出さなければ、生き残ることは不可能。
その優れたカスタマーバリューを生み出すために必要なのはビジネスアジリティーと呼ばれる下記の能力。
1) ハイパーアウェアネス
関連するデータや洞察を収集し、会社が置かれている状況において大きな意味を持つ変化を察知する。
2) 情報にもとづく意思決定力
データ解析をして知見を吸収し、適切な人材を引き込みつつ、一貫して正しい決定をくだす。
3) 迅速な実行力
うまくいってなかったり、時代遅れになったりしているアプローチを捨てて迅速に実行し、すばやく規模を拡大する。
→ 個人レベルではハイパーアウェアネスを身に付けるためにもデジタル化に関する情報収集は意識的に継続する。
2. デジタルボルテックスのなかでより効率的に戦うには、各従業員の従事している仕事が、最終的にカスタマーバリューと結びついている必要がある。
→ 突然自社の強みが強みではなくなり、大企業でも経営難により中国企業に買収されるような時代に、各従業員の仕事が収益の源泉であるカスタマーバリューに結びついているか否かは重要であると改めて認識した。
★感想
3つのカスタマーバリュー、4つの対応戦略、3つのデジタルビジネスアジリティーと言う重要な3つの項目に関して簡潔に、かつ具体例と共に分かりやすく記載されており、勉強になった良書であった。