武藤陽生のレビュー一覧

  • ガラム・マサラ!

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    本に没頭する感覚を久しぶりに思い出す本だった!
    「あれ…この感じ…ハリーポッター読んだ時の…」と。
    合間の時間にちょっと読もうと思っただけなのにいつの間にか読む方が主になってるみたいな。
    本書は魔法も出ないし学校に行くわけでもないんだけれど、なぜかちょこちょこハリポタを思い出した。
    正直、最初に読み始めたときは「あんまりかも…?」と思ってそれゆえ適当に読んでいたので誰がなんだかよく分からなくなり、もう一回最初から読んだから引き込まれました。幼少期の話のところからグイッと…このあたりのストーリーやその後の屈折した心理描写がハリーに重ねてしまうところがあるのかもしれない(だからある種王道的展開なのかな…?)。
    それからたぶん1回目読んだ時はテンションがこの本に合ってなかったんだな(下ネタ的皮肉や各国への偏見が溢れてるテンション)。
    インド映画っぽくないよと冒頭で言及されてたけど、ダンスがない以外はボリウッドを感じましたよ。

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    2026年01月21日
  • エージェント17

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    メインプロットはシンプルな追撃戦で、そこに現代の諜報機関の複雑な暗躍が絡む。

    ただし、スパイものとして読むにはありきたりで、あくまでもアクション系として、特に数少ない登場キャラの造形とスピーディな展開がメインとなる。

    作者は映画が好きなようで、映画やドラマの例えが多いが、やたらと比喩や暗喩が多いうえに、センテンスが長く読みにくい部分もある。

    これは訳者の影響かも知れないが、やたら下品な例えとかもあって、ここらが知性派であるキャラ同士の闘いには違和感を感じる(言語だったらいいのかもしれない)

    物語は完結しているが、続編も出来そうなので楽しみではある。

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    2026年01月17日
  • レイン・ドッグズ

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    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)とにかくリズムがあって読みやすいね。オチはこういうのもアリ。

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]翻訳も上手いぽいな。

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    2025年06月26日
  • ガラム・マサラ!

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    ネトフリで映像化されたのではないか?という既視感。そこかしこに挟まれるボリウッド俳優の映画を観たことある人なら、スンナリ入ってくるストーリーかも。後半のどんでん返し具合が、東野圭吾原作がインド映画になるとこんな風になるんかい!と突っ込みたくなったことを思い出す。

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    2025年05月05日
  • 対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

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    ・デジタル・ディスラプター、ディスラプションの体系化はわかりやすく納得感がある。既存企業の課題については、イノベーションのジレンマにイメージされるようなよくある指摘内容に思った。
    ・対抗策もわかりやすく体系化されている。顧客への価値提供の場面で、自社の置かれている状況をどう捉え、どう対抗するか考えるための良い足がかりになりそう。

    ・社内機能についてのアジリティ部分は、どのように機能を捉えるかという点で独自の切り口があり興味深い。アウェアネス(社内・顧客の情報をデジタルで集める方法)、意思決定(社内各所で集めた情報を可視化or意思決定の自動化ルール策定)、実行力(データから迅速に社内リソース・プロセスを動的に変えていくコンセプト)

    ・一方でそのゴールについてはぼんやりと描かれていて、デジタルをうまく使ってるという手段の味付けが濃い感じ、机上の空論な感じの印象。机上の空論自体は必ずしも悪くないが、実践のための課題となりそうなポイントまで洞察があるとなお良い本になると思いました。

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    2025年04月20日
  • エージェント17

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    アクション映画のような小説。話はよくできていて退屈はしないが、割りと安心して読み進められる。やっぱりこの手の話は脇役ガレット魅力的かどうかだと思う。この作品はそれが丸。

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    2025年03月08日
  • エージェント17

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    世界で最も恐れられているエージェント“17”。“15”までの暗殺者は、そのだれもが次の番号のエージェントたちによって殺されてきたが、“16”だけは殺されることなく姿を消していた。“16”の跡を継いだ“17”の次の任務は、とある作家の暗殺。どうやら、その作家の正体は“16”らしい。激しい戦いの末、“17”が“16”から聞かされた世界を揺るがす巨大な陰謀とは。

    CWA賞スティール・ダガー賞受賞も納得。イキのいいアクション満載の冒険小説。

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    2025年02月19日
  • ガラム・マサラ!

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    デリーの貧困世帯に生まれ金持ち相手に裏口入学の斡旋事業を行う主人公が過去一のバカ息子相手の替え玉受験で全国一位の成績を叩き出してしまう。セレブのマネージャーの座を勝ち取ったもののやがて誘拐事件や陰謀に巻き込まれていく。欲望、嘘、暴力が渦巻く社会でも負けずに逞しく生きる姿を描いた作品。

    主人公の比喩表現に富んだ皮肉っぽい語り口がとにかく読みづらいがこれは和訳のせいだと思う。めげずに読んでいくと時折スッとそれがなくなる瞬間があってその時こそ主人公が虚勢のない本音を語っているシーンでグッとくる。ラストは怒涛の展開。急に幕が降りてきた感は否めないがそれすらも人生の途中でふと、立ち止まった瞬間の表現としてなんとも言えない良さがあった。

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    2024年07月04日
  • ガラム・マサラ!

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    今のインドを舞台にした小説。韓国もびっくりの学歴社会だと思った。いかに成り上がるのが難しいかも感じた。ちょいちょい出てくる例えが分からなかったので、それがわかればもっと面白かったかも。

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    2024年06月03日
  • ガラム・マサラ!

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    原題は”How to kidnap the rich”(直訳すると「金持ちを誘拐する方法」)。当初の原題は邦題と同じ”Garam Masala”だったらしい。でもなにゆえ「ガラム・マサラ」なのかが最後まで読んでも分からずじまいで、今は「読者の想像に任せるスタイルなのかな?」と推測する地点にいる。

    しかしエンタメ性は一級品だった。
    お下品な卑語(見開きに1-2個のペースで書かねば著者は気が済まなかったのか!?)への苦笑も含め、読書中は結構な時間笑みをこぼしていたと思う。おかげでパートナーに不審がられた。
    こんなに面白ければ、どこかで実写化されるのも時間の問題だろう。

    デリーの旧市街地で「教育コンサルティング業」を営む主人公ラメッシュ。
    その実態は依頼人を希望の大学に押し込んで時には裏口入学の斡旋まで行うイリーガルなもので、今回も金持ちの放蕩息子ルディの替え玉受験を引き受ける。(その関係で変装も手慣れており、実写化されるならラメッシュの数変化も見どころの一つになるはず…!)
    しかしあろうことか全国トップの成績を収めてしまい、ルディはメディアから引っ張りだこに。ついにはクイズ番組のホストに抜擢されるが、そこでの発言が口火となりラメッシュとルディは何者かに誘拐されてしまう…

    「僕の憎しみは、再生可能エネルギーの分野でインドを世界のリーダーにできるほどだった」

    強力なエンタメ性に覆われているためつい見逃しそうになるけど、インドという国の特殊性がよく炙り出されている作品だった。
    地獄の沙汰も金次第。上に下にと賄賂が横行し、場合によっては嘘も真(まこと)に変えられる。(これを「特殊性」の一語で表して大丈夫なのか果たして疑問だが…)
    本書のニクい点はボリウッド映画みたいな純度100%の勧善懲悪ものにせず、清清するような懲罰を悪党どもが受けていないところ。そうすることで、よりリアリティのあるインドを知ってもらう効果につながっているのだ。

    ラメッシュが喰らってきた不条理に対しては、(日本人には到底思いつかないような)嫌味がたっぷり練り込まれているので、逆に聞いていて清々しかった。(「名門というのは、”これは誰でも聞いたことのある名前だ。え?知らない?常識知らずの田舎者だな”に相当する暗号みたいなものだ」が好き笑)

    「僕はただ一生懸命やるだけでよかった。どんな馬鹿でもできることだ」

    ラメッシュは元々貧しいチャイ屋の息子で、とあるきっかけがなければ無学や貧困から抜け出せないところだった。裕福な人間が欲張って富や名声を求めるように、ラメッシュもまた「何者かである自分」あるいは「誰のものでもない自分」を求めてきた。ただし、お金ではなく頭脳を使って。
    替え玉受験では「誰かの代わり」を務めてしまったが、最終的には望んできた自分になれたんじゃないかと思う。思いもよらないというか、満足度100%の結果ではないにせよ。

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    2024年02月27日
  • ガラム・マサラ!

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    インドの受験戦争が描かれているのかと思ったら階級社会メインだった。
    英題は『how to kidnap the rich』
    金と狂乱の青春犯罪小説。恋と友情あり。風刺と皮肉もたっぷり。
    ミステリではないかな。

    映像化したら面白そう。
    とにかく言葉が汚いけれど、それがスパイスとなり疾走するノリの良いストーリー。
    登場人物には好感が持てるし、若者への視線があたたかい。

    金と権力は結びついているが、どれだけ大金を手にしても階級の壁は越えられないし、退屈も孤独も解消されない。

    「本物の正直は人を退屈させる。けど、真実と偽りのあいだの細い一直線上にある正直は?世界はその上に築かれている。」p.350

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    2024年02月25日
  • ガラム・マサラ!

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    不条理、破天荒、品のなさ! パワーとドライブ感で溢れるインドを舞台にした犯罪小説 #ガラム・マサラ

    ■あらすじ
    インドの貧困街に住む青年ラメッシュ、彼は教育コンサルと称しつつ、替え玉受験を請け負っていた。ある日お金持ちの建設会社の社長から、バカ息子ルディの替え玉受験を依頼される。
    ラメッシュは代理した試験に合格することができたが、なんと全国トップの成績をとってしまった!以降ルディは全国の注目の的となり、取材や仕事の依頼が殺到。ビジネスチャンスを得たラメッシュは、ルディのマネージャーとなるのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    表紙とタイトルから、一体どんなミステリーなんだ?!と興味津々。

    インドを舞台にした社会派犯罪小説なんですが、展開の意外性やコミカルさが効いてて、めっちゃおもろい作品でした。しかも文章にドライブ感があって怒涛のように読めるし、アイロニックな表現もニヤりとさせられるんです。作者はもちろん、訳者の実力が素晴らしいですね。

    タイトルどおり辛いスパイスの効いた不思議な魅力がある作品なので、気になる方はぜひチャレンジしてみて下さい。以下、私が感じた本作の魅力です。

    〇不条理性
    日本に住んでるとインドの社会や経済状況がわからないのですが、まぁヒドイですねぇ。フィクションなんで全部が全部リアルではないんでしょうが、ちりばめられた要素自体は本物なんだと思います。

    お金と身分、立場やコネで回っている世界の恐ろしさと不条理さ。特に替え玉受験を生業とすることを決めたエピソードはエグすぎる。ただこんな死活問題にもかかわらず、不条理さを馬鹿馬鹿しく笑い飛ばす勢いで書かれているところに抜群のセンスを感じました。

    〇破天荒なストーリー
    替え玉受験の犯罪から始まる物語ですが、中盤、後半となんでこんなも破天荒な展開になるんじゃ!狂った社会で狂った人間が暴れまくっている世界観が最高に面白いですね。こんな本、読んだことねぇよ。

    特に終盤、主人公たちの行動が世の中全体を狂気の世界に巻き込んでいく様がもう滅茶苦茶。何が正義で何が悪か分からなくなる。しかし日本でもSNSで正義を振りかざす愚民たちのソレと似ていて、結局は人間の卑しさとしては同じなんだと悲しくなるよね。

    〇品のなさ
    知的かつ猟奇的な下品さが魅力。人間の欲が品悪く描かれていて、でも筋は通ってるという奇妙さ。貧すれば鈍するを思いっきり地で行った物語で、特に終盤の敵役の自分勝手さは、あまりにも酷くてむしろ爆笑でしたね。

    ラストは綺麗ではあるんですが、物語を振り返ってみると、そんな美しい話じゃ無くね?と、変な感情が押し寄せてくる稀有な体験でした。

    ■ぜっさん推しポイント
    主人公のふたり、ラメッシュとルディが最高、大好き。彼らは飽きれるほど卑屈なんですが、それを生きるパワーに変えて成長していくところがイイんですよ(まぁ歪んではいるんですが)

    でもこんな不条理な世界でのし上がるのは、ひょっとするとこれが正解だったのかもしれない。世界中の人が、少なくともチャンスが得られるような社会や環境になってほしいですね。

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    2024年01月24日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    ネタバレ

    エイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィシリーズ第一弾。アイルランド紛争化の北アイルランドを舞台としたシリーズ。

    手首を切り落とされた死体が見つかる。その手首は別人のもので、体の中からはオペラの譜面が発見される。紛争処理に人員を取られ、普通の捜査もままならない中、もう一体の死体が発見され。。。

    アイルランド紛争真っ只中での警察小説。特筆すべきは、あらすじや帯から感じていたより警察小説の色が強いこと。爆発物を警戒して、車に乗り込むときは必ず車体の下を覗き込むなど、紛争やテロ活動が身近に描かれるものの、根幹は警察小説。ショーンによる地道な捜査が描かれる。

    惜しむらくは、疾走感がそこまで感じられないこと。紛争面での動きはあるが、事件の展開は非常に遅々として進まない。そこが気になった。
    あとは不勉強なこともあり、紛争の背景による描写が読み取り辛かった。
    面白くはあるので、続きを読みたい。

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    2023年11月30日
  • 父親たちにまつわる疑問

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    このシリーズは高校生の頃初めて読んで以来のファンだが、前作からかなり間が空いたので久しぶりに読めて嬉しかった。軽く読めて読後感も良くて、改めてシリーズを読み返したくなった。

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    2023年02月23日
  • レイン・ドッグズ

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    〈ショーン・ダフィ〉シリーズ第5作。本作は、読書やドラマや映画が好きなら、割と見慣れた背景かもしれない。児童売春の闇である。だが、それと密室ものの融合、さらにダフィの私生活の劇的な移り変わり、相変わらずの殺伐としたアイルランド、こう言った要素が組み合わさり、手垢のついたテーマな割に、既視感なく楽しめた。ダフィの語りも魅力的で、平凡な日常さえなぜかのめり込んでしまう。また、ダフィが激しく傷つきながらも前へ進む、その活力に勇気がもらえる。御都合主義とも言える展開もあるが、語りの巧さであまり気にならなかった。

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    2022年10月17日
  • ガン・ストリート・ガール

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    シリーズの途中から読むという…

    やはりハードボイルドはいいですなあ。
    主人公に幸福感がない方が、読んでて安心する。

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    2022年09月27日
  • レイン・ドッグズ

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    ショーン・ダフィシリーズ第5巻

    4→3→1→2→5というめちゃくちゃな読み方をしたせいで時系列がめちゃくちゃだ
    しかも直前のはずの4巻はうっすら忘れけけている
    当たり前だこのヤロウ!
    もう二度とシリーズものをこんな読み方しないと誓う
    このレビューをご覧になった方にはぜひともこの愚かで哀れな男の行いを教訓として活かして頂きたい

    さて本編だ
    毎回触れているかもしれないがこのシリーズの土台となっているのは1980年代の北アイルランドにおける悲しみと憎しみの連鎖に他ならない
    つまり警官であるダフィが出かける前に必ず実行する車の下に爆弾が仕掛けられていなか確認するルーチンに象徴される時代背景ということになる

    そして主人公ダフィはなぜそんな時代にありながら「正義」を諦めないのか?
    実はダフィは「勝利」したことがないという非常に稀有な主人公だ
    あの時代に警察官が「勝利」することはほぼあり得ないと言ってもいいのだろう
    しかしダフィは諦めない、なぜならばエイドリアン・マッキンティが「正義」を諦めないでほしいと願っているからではないだろうか
    決してダフィの身に「勝利」が訪れないとしても、「正義は勝つ」がおとぎ話の世界にしか存在しない絵空事だとしても

    諦めない人たちが増えることできっと未来が変わるはずだとマッキンティは信じているのではないだろうか

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    2022年09月25日
  • サイレンズ・イン・ザ・ストリート

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    面白かったー。ミステリーとしては、御都合主義で主人公ショーンの頭脳で解決というより、運で真相が判明した感はある。地道に積み重ねる捜査は、決して無駄ではないがスマートとは言えず、青天の霹靂のような救いや発見があり、ようやく点と点が結びつくような感じ。だが、捜査過程は、事件の真相がどこに転がっていくのか全く読めない興味の持続と、殺伐・退廃した北アイルランド事情、個性的で多面的な登場人物が、うまくブレンドし重層的で厚みのあるものとなっている。まだ未熟さはありながら、妙に達観し哀愁漂うショーンの語りもくせになる。

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    2022年09月12日
  • コールド・コールド・グラウンド

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    1981年の北アイルランドを舞台にしたノワール小説。この時代と場所が馴染みがなく、興味を惹かれた。アイルランドが複雑な歴史背景を持ってる事は何となく知っていたが、こんな終末世界のような殺伐、退廃した地域だったとは知らなかった。主人公ショーンの語りからはその当時のそんな空気感が伝わった。カトリックで警官という身分がもたらす微妙な立場と混沌とした時代背景が、殺人事件の捜査過程に他の作品にない独特な緊張感をもたらすのが最大の魅力。捜査自体はあまりスマートではないが、痛々しい銃撃戦もあり最後まで飽きさせなかった。

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    2022年09月06日
  • レイン・ドッグズ

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    ミステリ作家・阿津川辰海による詳細なるシリーズ解説がすべて言い尽くしている。(ウィキによると十冊以上ものミステリ作品の解説を書き、読書日記を月二回もWeb連載しているらしい。)

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    2022年08月14日