武藤陽生のレビュー一覧
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『潜水艦モノに外れなし』というのは、映画に関する有名な格言(?)です。
この作品は、潜水艦を狩って・狩られる駆逐艦側からの視点ですが、『潜水艦モノ』と言ってもいいかもしれません。外れていません。
なんで映画の『潜水艦モノ』は外れないのか?と思ったのですが、潜水艦の場合、視野がないので相手を音で“見て”狩る必要があるのですが、それが物語に緊張感を与えるので、見る人を魅了するのかと思います。
この作品も、潜水艦の気配は感じるものの、目で見ることはできず、音で“見て”いるので、逆の立場ではありますが、制限のある中での狩って・狩られるところが、物語に緊迫感を与え、読んでいる人を魅了するのかなぁと -
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ノワールの系譜を正当に継ぐのが、このエイドリアン・マッキンティだとぼくは固く信じている。リズミカルに並べられる名詞の山。体言止めで綴られる小気味よい文体。舞台は、ジャック・ヒギンズの作品でもおなじみのテロの嵐吹き荒れる80年代の北アイルランド、ベルファストとその近郊。
主人公は、すっかりお馴染みになったいい味の一匹狼、汚れた街をゆくショーン・ダフィ。頑固で、タフで、それでいて弱くて、心優しい詩人で、デカダンスな酒呑みで、頭が切れる上に、ピアノも上手い、古いレコードのマニアである。シリーズ作品のタイトルはすべて、酔いどれピアノ弾き語りの天才トム・ウェイツの曲名からなっている。
信頼でき -
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今年初に出版された『ザ・チェーン 連鎖誘拐』には驚いた。この素晴らしい現代のハードボイルドのショーン・ダフィ・シリーズ三作を味わった後では、まるで異なる作家によって書かれたとしか思えないさサービス満点のハリウッド映画みたいなスーパー・エンターテインメントに度肝を抜かれた形だったのだ。それもそのはず、作品が売れず生活に困窮し、作家という仕事を放り出してウーパーの運転手に身を落とそうとしていたマッキンティが、新たに売れ、そして稼げるための創作に鞍替えして、完全イメチェンを図った上の作品が、当該作品であったのだ。なるほど、この面白さ、スピード感なら売れる。それはわかる。
でも思えば、『ザ・チェ -
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エンタメ小説のすべての要素をぶっ込んだハラハラドキドキ!島田荘司が一気読みしたと言うのはどれほどのものか?いや確かに凄い。舞台は1983年北アイルランド。独立運動激しく要人を狙い警察署やホテルが急に爆発して同僚や一般人が死ぬシーンが日常のように描かれる。戦場のようだ。有能が故に本部長に睨まれたショーン・ダフィ刑事は警察をクビになるが、IRAの大物で幼なじみのダーモットを探し出して欲しいというMI5の依頼を、復職を交換条件に受ける。ダフィはダーモットの義母から4年前の娘の死の謎が解けたらダーモットの居場所を教えると取引を持ち出される。しかし4年前の事件は完全なる密室だった。殺人なのか事故なのか。
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ネタバレVUCA時代の重要なキーワードである「Disrupt」と「Digital Transformation」を融合した、まさに”Disrupt, or to be disrupted, that's the question.”という問いへの回答の一助になる一冊。
デジタルトランスフォーメーションの本質は、単なるコスト削減ではなく、顧客への提供価値を高めることを目的としている(その上でコストも下がる)。3つのバリューはその方向性を検討する上で重要。
そのために、データドリブンな組織の構築(ビジネスアジリティ)は必須。
カタカナの造語が理解にしにくく、訳が頭に入ってこないの等の欠点はある -
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コンピューターゲームの問題点ばかりがメディアで取り上げられがちですが、この本はゲームがもたらす良い点について、実際に行った研究をもとにして解説し、うまくゲームを利用すること、ゲーム的な考えを実生活に取り込むことの方法を紹介しています。
ゲーム好きな私としては、自分の子供たちには適度にゲームを楽しんでもらいたかったので、どうやってゲームと付き合っていくかを教えていく参考になりました。
本の内容をもとに、子供たちと一緒にゲームをするようになったら、子供たちの情緒が安定するようになり、良いコミュニケーションツールにもなっています。
とはいえ、本の中にも書かれていますが、コンピューターゲームに関しては -
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ー デジタル・ディスラプターが狙っているのは「バリューチェーン」ではなく「バリュー」そのものだ。そのためB2B企業は価値がどこで生み出されているのかを理解しておかなければならない。残念ながら私たちが調査してきたB2B企業の多くは、高いハイパーアウェアネスを持っていなかった。
これはおそらく、生み出された価値が最終顧客(すなわち消費者)によってどう消費されるかという観点から数歩離れたところにいるからだろう。 ー
体系的で分析的で現実的で面白い。
ディスラプターが重要なのではなく、ディスラプトという事象そのものの方が重要。ディスラプターの成功や失敗が重要なのではなく、ディスラプトそのものの当 -
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ショーン・ダフィのシリーズ第三作。難事件を解決する腕は誰もが認めるものの、独断専行の行動によってお偉いさんたちの覚えが悪く、仕事も資格も取り上げられ、自らを追い込まれることが多い主人公。IRAによって荒廃した1980年代前半の北アイルランドの不穏な情勢を背景に、サバイバリストのように自分の規範で行動する故に、警察ミステリと言うよりもノワールの面が強く感じさせられる点はとても魅力である。
本書では、お偉いさんから組織を放り出されたショーンが、前作では名無しで謎の女性として登場していたケイトなど現場畑の指揮官の求めに応じて、脱獄したIRAのリーダーでありかつての親友でもあったダーモット・マッ -
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第四次産業革命と言われる時代へ「既存企業の戦い方」という具体的書名に惹かれて。デジタル化するか、しないか、という設問はもはや存在しなくてデジタル化が当たり前である時、恐る恐るプロジェクト立てているような会社のリーダーにとって厳しい厳しいお話です。でも産業のための産業と考えるのではなくて、カスタマーファーストで考えるとこうなるよな、という真っ当なお話でもあります。コストバリューとエクスペリメントバリューとプラットフォームバリュー、そしてその組み合わせというビジネスモデルもわかりやすい。その上で、ナップスターに代表されるバリューバンパイアという破壊者の存在や、そのあと登場するアップルのコンピテンシ
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多くの企業においてデジタル化が至上命題とされ、既存企業がスタートアップを始めとするディスラプターの脅威を感じつつある中、シスコとIMDの優れた研究者らが、既存企業がどのようにそうした脅威に対抗していけばよいのかを、戦略論としてまとめた一冊。個人的な感覚にはなるが、マイケル・ポーターの「競争の戦略」を、”デジタル時代における競争の戦略とは何か?”という観点で書き起こしたら、このような本になるのではないか、というくらい、刺激的。
本書では学術的な研究メソッドに基づき、以下のような概念の定義がなされる。
・デジタル化が顧客にどのようなバリューを提供するかの観点から、デジタルのビジネスモデルは「コ -
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毎年恒例、プーチン大統領が国民の質問に丁寧に答えてくれる
よという茶番劇…じゃなかった、TVショーが今年もロシアで放送
された。
そこに登場したのが誰あろう、エドワード・スノーデン氏である。
そう、アメリカ政府の情報監視活動を暴露した、元NSA(米国
国家安全保障局)の元職員だ。
アメリカ政府による監視活動んいついて述べた後、ロシアも
同じような監視活動をしているのかというのがスノーデン氏
からの質問だった。
プーチン閣下曰く「情報収集に関しては法律を順守して行って
いるが、アメリカみたいに豊富な予算し、技術的能力もないさ」。
あぁ…元KGBがこんな答えですよ。なんたる茶番。
さて、