武藤陽生のレビュー一覧

  • ガン・ストリート・ガール

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    ネタバレ

    正直前作までを読んでいて主人公のショーン・ダフィがあまり好きになれませんでした。
    しかし、役者が後書きで述べた通り本作を読み終わったあとショーンの幸せを願わずにはいられなくなるくらい好きになりました。
    ショーンの人間臭さや話の展開が面白くあっという間に読み終えてしまいます。このシリーズの転換期の作品。

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    2022年07月04日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    北アイルランド問題の根深さは人種や領土問題に宗教が絡んでるところですよね
    まあどこもそうか
    宗教が絡むとややこしい
    でもややこしいと思うのは無宗教だからなんでしょうな

    今回はテロの話が軸ではあるんですが密室殺人なんかも出てきて多彩な面白さです
    そして北アイルランドの独特な雰囲気が良く出ている気がするんですよね
    もちろん実際に知ってるわけではないので比較してるわけじゃないんですがそうなんだろうなって思わせます
    物語も二転三転してハラハラしました
    良作!

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    2022年07月03日
  • 駆逐艦キーリング〔新訳版〕

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    『潜水艦モノに外れなし』というのは、映画に関する有名な格言(?)です。

    この作品は、潜水艦を狩って・狩られる駆逐艦側からの視点ですが、『潜水艦モノ』と言ってもいいかもしれません。外れていません。

    なんで映画の『潜水艦モノ』は外れないのか?と思ったのですが、潜水艦の場合、視野がないので相手を音で“見て”狩る必要があるのですが、それが物語に緊張感を与えるので、見る人を魅了するのかと思います。

    この作品も、潜水艦の気配は感じるものの、目で見ることはできず、音で“見て”いるので、逆の立場ではありますが、制限のある中での狩って・狩られるところが、物語に緊迫感を与え、読んでいる人を魅了するのかなぁと

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    2022年03月25日
  • レイン・ドッグズ

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     ノワールの系譜を正当に継ぐのが、このエイドリアン・マッキンティだとぼくは固く信じている。リズミカルに並べられる名詞の山。体言止めで綴られる小気味よい文体。舞台は、ジャック・ヒギンズの作品でもおなじみのテロの嵐吹き荒れる80年代の北アイルランド、ベルファストとその近郊。

     主人公は、すっかりお馴染みになったいい味の一匹狼、汚れた街をゆくショーン・ダフィ。頑固で、タフで、それでいて弱くて、心優しい詩人で、デカダンスな酒呑みで、頭が切れる上に、ピアノも上手い、古いレコードのマニアである。シリーズ作品のタイトルはすべて、酔いどれピアノ弾き語りの天才トム・ウェイツの曲名からなっている。

     信頼でき

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    2022年01月16日
  • レイン・ドッグズ

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    ネタバレ

    あい。
    今回も文句なし。
    阿津川辰海さんの解説に挙げられている(主に警察)小説もマイベスト級に好きなものばかりで、いかにこのシリーズがわたしのどストライクであるかを再確認した次第。

    今回ローソンが大活躍。クラビーは控えめ。
    次作が本当に楽しみ。

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    2022年01月16日
  • レイン・ドッグズ

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    「ショーン・ダフィ」シリーズ第5弾。80年代の北アイルランドの暴動や紛争のなか古城で起きた事件を追うダフィたち。ひとつの事件から大きく広がっていく展開や上手く進まない捜査と警察小説の面白さがたっぷりあるけれど個人的にはダフィの魅力的な造形が一番の楽しみでもある。北アイルランドの情勢、車の下に爆弾がないことを確認するような日々。シリーズを通して、ダフィを通して描かれるこれらの日々と警察小説、ミステリーとしての魅力が存分に楽しめる。これまでのシリーズの中でも上位にくる面白さだと思う。

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    2022年01月11日
  • スーパーベターになろう!──ゲームの科学で作る「強く勇敢な自分」

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    ストレスをポジティブに活かしたお姉さん。対して妹さんはゲームをライフスタイルに適応させた第一人者です。

    自分の苦しい生活を「ゲームっぽく」することで、活力を取り戻す。そのくだりに、救われた気持ちを味わいます。

    余暇の時間を楽しむだけと考えていた娯楽も、その楽しいエッセンスを抽出し、生活に注入すると、受け止め方がガラリと変わる。ゲーミフィケーションを学び実践できる良書の1つです。

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    2021年04月18日
  • DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる

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    2019年出版の本だけど、これまで読んだDX系の本の中では一番よかった。
    英語ができると、この本をもっともっと前に読めたんだろうなとか思う。
    何度か読み返したり、手元に置いて見返したりしたい一冊。
    #DX

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    2021年04月03日
  • ガン・ストリート・ガール

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     今年初に出版された『ザ・チェーン 連鎖誘拐』には驚いた。この素晴らしい現代のハードボイルドのショーン・ダフィ・シリーズ三作を味わった後では、まるで異なる作家によって書かれたとしか思えないさサービス満点のハリウッド映画みたいなスーパー・エンターテインメントに度肝を抜かれた形だったのだ。それもそのはず、作品が売れず生活に困窮し、作家という仕事を放り出してウーパーの運転手に身を落とそうとしていたマッキンティが、新たに売れ、そして稼げるための創作に鞍替えして、完全イメチェンを図った上の作品が、当該作品であったのだ。なるほど、この面白さ、スピード感なら売れる。それはわかる。

     でも思えば、『ザ・チェ

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    2020年12月15日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    エンタメ小説のすべての要素をぶっ込んだハラハラドキドキ!島田荘司が一気読みしたと言うのはどれほどのものか?いや確かに凄い。舞台は1983年北アイルランド。独立運動激しく要人を狙い警察署やホテルが急に爆発して同僚や一般人が死ぬシーンが日常のように描かれる。戦場のようだ。有能が故に本部長に睨まれたショーン・ダフィ刑事は警察をクビになるが、IRAの大物で幼なじみのダーモットを探し出して欲しいというMI5の依頼を、復職を交換条件に受ける。ダフィはダーモットの義母から4年前の娘の死の謎が解けたらダーモットの居場所を教えると取引を持ち出される。しかし4年前の事件は完全なる密室だった。殺人なのか事故なのか。

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    2020年11月15日
  • 対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

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    ネタバレ

    VUCA時代の重要なキーワードである「Disrupt」と「Digital Transformation」を融合した、まさに”Disrupt, or to be disrupted, that's the question.”という問いへの回答の一助になる一冊。
    デジタルトランスフォーメーションの本質は、単なるコスト削減ではなく、顧客への提供価値を高めることを目的としている(その上でコストも下がる)。3つのバリューはその方向性を検討する上で重要。
    そのために、データドリブンな組織の構築(ビジネスアジリティ)は必須。

    カタカナの造語が理解にしにくく、訳が頭に入ってこないの等の欠点はある

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    2020年11月04日
  • スーパーベターになろう!──ゲームの科学で作る「強く勇敢な自分」

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    コンピューターゲームの問題点ばかりがメディアで取り上げられがちですが、この本はゲームがもたらす良い点について、実際に行った研究をもとにして解説し、うまくゲームを利用すること、ゲーム的な考えを実生活に取り込むことの方法を紹介しています。
    ゲーム好きな私としては、自分の子供たちには適度にゲームを楽しんでもらいたかったので、どうやってゲームと付き合っていくかを教えていく参考になりました。
    本の内容をもとに、子供たちと一緒にゲームをするようになったら、子供たちの情緒が安定するようになり、良いコミュニケーションツールにもなっています。
    とはいえ、本の中にも書かれていますが、コンピューターゲームに関しては

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    2020年01月18日
  • 対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

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    ー デジタル・ディスラプターが狙っているのは「バリューチェーン」ではなく「バリュー」そのものだ。そのためB2B企業は価値がどこで生み出されているのかを理解しておかなければならない。残念ながら私たちが調査してきたB2B企業の多くは、高いハイパーアウェアネスを持っていなかった。

    これはおそらく、生み出された価値が最終顧客(すなわち消費者)によってどう消費されるかという観点から数歩離れたところにいるからだろう。 ー

    体系的で分析的で現実的で面白い。

    ディスラプターが重要なのではなく、ディスラプトという事象そのものの方が重要。ディスラプターの成功や失敗が重要なのではなく、ディスラプトそのものの当

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    2019年07月07日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    元刑事のショーンに保安部が依頼したのは、IRAの大物テロリストにしてショーンの旧友であるダーモットの捜索だった。復職を条件に依頼を引受けたショーンは任務の途中で、ダーモットの元妻の母に取引を迫られる。4年前の娘の死の謎を解けば、彼の居場所を教えるというのだ。だがその現場は完全な“密室”だった…オーストラリア推理作家協会賞受賞作の本格ミステリ。大型警察小説シリーズ第三弾!

    密室∔警察小説+冒険サスペンスのてんこ盛り。気になる次回作も密室が登場とは…。

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    2019年06月30日
  • アイル・ビー・ゴーン

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     ショーン・ダフィのシリーズ第三作。難事件を解決する腕は誰もが認めるものの、独断専行の行動によってお偉いさんたちの覚えが悪く、仕事も資格も取り上げられ、自らを追い込まれることが多い主人公。IRAによって荒廃した1980年代前半の北アイルランドの不穏な情勢を背景に、サバイバリストのように自分の規範で行動する故に、警察ミステリと言うよりもノワールの面が強く感じさせられる点はとても魅力である。

     本書では、お偉いさんから組織を放り出されたショーンが、前作では名無しで謎の女性として登場していたケイトなど現場畑の指揮官の求めに応じて、脱獄したIRAのリーダーでありかつての親友でもあったダーモット・マッ

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    2019年06月07日
  • アイル・ビー・ゴーン

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    「ショーン・ダフィ」シリーズ第3弾。相変わらず車に乗る前に爆弾がないか下を覗かないといけない日々。80年代の北アイルランド。宗教的対立があり、カソリックの刑事ダフィは裏切り者と呼ばれている。職を追われ、復帰のために受けたある捜査。そして密室事件。本格推理ものとしても面白い。対立が激化して命を、警察を狙われているなかでの捜査。過去との対峙、北アイルランドの情勢と不安、不満が渦巻いているなか命がけの毎日。密室事件のあとの大きなうねり、緊張をはらんだ展開はすごい。そしてラストのダフィの迷いと決断。それが次作にどうなるのか今から楽しみ。

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    2019年04月04日
  • 対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

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    第四次産業革命と言われる時代へ「既存企業の戦い方」という具体的書名に惹かれて。デジタル化するか、しないか、という設問はもはや存在しなくてデジタル化が当たり前である時、恐る恐るプロジェクト立てているような会社のリーダーにとって厳しい厳しいお話です。でも産業のための産業と考えるのではなくて、カスタマーファーストで考えるとこうなるよな、という真っ当なお話でもあります。コストバリューとエクスペリメントバリューとプラットフォームバリュー、そしてその組み合わせというビジネスモデルもわかりやすい。その上で、ナップスターに代表されるバリューバンパイアという破壊者の存在や、そのあと登場するアップルのコンピテンシ

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    2018年04月01日
  • 対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

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    デジタル化に成功できるかは、経営にとって超重要テーマ。
    さて、どう考えるべきか?デジタル×ビジネスを学べる一冊です。

    わかりやすく類型化もしてくれているので、頭に入りやすい。
    デジタル技術の細かい内容を勉強する必要はないかもしれないが、デジタルを活用していかに戦うのかは絶対学ばないといけない。

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    2018年01月21日
  • 対デジタル・ディスラプター戦略 既存企業の戦い方

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    多くの企業においてデジタル化が至上命題とされ、既存企業がスタートアップを始めとするディスラプターの脅威を感じつつある中、シスコとIMDの優れた研究者らが、既存企業がどのようにそうした脅威に対抗していけばよいのかを、戦略論としてまとめた一冊。個人的な感覚にはなるが、マイケル・ポーターの「競争の戦略」を、”デジタル時代における競争の戦略とは何か?”という観点で書き起こしたら、このような本になるのではないか、というくらい、刺激的。

    本書では学術的な研究メソッドに基づき、以下のような概念の定義がなされる。

    ・デジタル化が顧客にどのようなバリューを提供するかの観点から、デジタルのビジネスモデルは「コ

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    2017年11月26日
  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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    毎年恒例、プーチン大統領が国民の質問に丁寧に答えてくれる
    よという茶番劇…じゃなかった、TVショーが今年もロシアで放送
    された。

    そこに登場したのが誰あろう、エドワード・スノーデン氏である。
    そう、アメリカ政府の情報監視活動を暴露した、元NSA(米国
    国家安全保障局)の元職員だ。

    アメリカ政府による監視活動んいついて述べた後、ロシアも
    同じような監視活動をしているのかというのがスノーデン氏
    からの質問だった。

    プーチン閣下曰く「情報収集に関しては法律を順守して行って
    いるが、アメリカみたいに豊富な予算し、技術的能力もないさ」。

    あぁ…元KGBがこんな答えですよ。なんたる茶番。

    さて、

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    2017年08月20日