【感想・ネタバレ】サイレンズ・イン・ザ・ストリートのレビュー

あらすじ

スーツケースに詰められた死体と軍人射殺事件の関係は? 刑事ショーンはさらなる混沌に足を踏み入れる。人気沸騰! シリーズ第二弾

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Posted by ブクログ

本作を読んで一番に思ったことは、やはりシリーズ物は順番に読むべきだということだ

とりあえず興味をそそられたので評価点の高い4作目から読んでみよう(なぜ4作目から読み始めたか思い出した)というのはFBIが仕掛けた罠なので気をつけたほうがよろしい

それにしても本当にハードボイルドらしいハードボイルドといえるシリーズで、バーボンウイスキーはショットグラスで飲むという方には是非お勧めしたい

ハードボイルドといえばひねくれ者で頑固なタフガイが主人公と相場は決まっていて、本作の主人公ショーン・ダフィもまさにその通りの人物であり、実は自分はそのタイプの主人公はあまり好きではないのだ本来は
しかしながらダフィはもう大好きだ
理由はダフィの二人の部下クラビーとマティとの関係性にあって、これがもう完全に「舐められてる」のだ
舐められているがそこには深い尊敬と信頼が込められていて、この3人のやり取りがダフィを愛すべき人物として形づくってるんよね


セリフだけでは伝わらないかもしれないけど面白かったダフィのセリフを

工場跡地を捜索中にどちらがコンテナの中を調べるかでクラビーと揉めて
「確かにコイントスには負けたが、巡査部長への昇進試験で俺の助けが必要になったときは覚えていろよ」

仲が気まずくなっている女医(病理医)と会いたくなくてぐずぐずしているのをクラビーに咎められたダフィが病院の受付に
「キャリック署のダフィ警部補です。こっちは私の精神的指導者のマクラバン巡査刑事」

ダフィの指示に「それ、なんの意味があるんすか?」と言い返すマティに向かって
「ウィリアム・シェイクスピアの言葉にこういうのがある。“いいからやれ、汝、このくそったれ“」

他にもたくさんあるし、上司のブレナン警部とのやり取りもいちいち面白いんよね

さぁ次は5巻だ!

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2022年08月31日

Posted by ブクログ

面白かったー。ミステリーとしては、御都合主義で主人公ショーンの頭脳で解決というより、運で真相が判明した感はある。地道に積み重ねる捜査は、決して無駄ではないがスマートとは言えず、青天の霹靂のような救いや発見があり、ようやく点と点が結びつくような感じ。だが、捜査過程は、事件の真相がどこに転がっていくのか全く読めない興味の持続と、殺伐・退廃した北アイルランド事情、個性的で多面的な登場人物が、うまくブレンドし重層的で厚みのあるものとなっている。まだ未熟さはありながら、妙に達観し哀愁漂うショーンの語りもくせになる。

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2022年09月12日

Posted by ブクログ

紛争真っ只中の北アイルランドの刑事ショーン・ダフィ警部補シリーズ第2作。相変わらずの軽口と音楽ジョークが笑えるけど、北アイルランドの80年代ってこんなにデンジャラスなのね。映画ベルファストがそのまま少し時代が進んだ感じ。
デロリアン含めて魅力的なストーリーと登場人物たち。事件解決の進み具合がとってもスローなのが、少したるかったかな。次はどうするか、迷うところ。3.6

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2022年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ショーン・ダフィシリーズ二作目。

フィンランド紛争が発生し、
不景気は相変わらず、
ダフィも車の下を覗き込んで爆弾がないこを確認するのは
相変わらずだが、
前作ほど緊迫感漂う感じではない。

またもや切断された死体が
工場の跡地から発見され、アメリカ人だと判明。
死体が運ばれたスーツケースの持ち主も死んでいたが、
そのずさんな捜査に疑問を持つダフィ。
捜査を行った刑事がテロリストに殺されたが、
事件とは無関係なのか…。

アメリカまで飛んで事件を解決しようとしたのに、
刑事を辞めさせられてしまって気の毒。
前作で一緒に住居侵入までしたローラとも別れたし。
もっとも、
同僚に事件関係者と女性には事欠かないので、
さみしくはないかも。

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2022年05月07日

Posted by ブクログ

「The ハードボイルド小説」だった。レイモンドチャンドラー小説に出てくる、探偵のフリップマーローを彷彿とさせるような皮肉屋で女にモテる主人公。つまり、男なら誰もが憧れる(言い過ぎ?)キャラクターだ。本作はシリーズ物の2作目で、私は前作を読んでいなかったが、問題なく楽しめた。舞台は、日本人にはあまり馴染みのない1980年代の北アイルランドである。文章から当時の紛争中の様子がありありと伝わってきて、タイムスリップしたかのような気分になれた。やはり、海外小説は旅をした気分になれるので、大好物だと改めて思った。

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2019年09月25日

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 北アイルランドはベルファスト北隣の田舎町キャリック・ファーガス署勤務のショーン・ダフィ巡査部長を主人公としたシリーズ第二作。時期を待たず次々と三作まで翻訳が進み、出版社・翻訳者の意気込みを感じさせる、何とも心強いシリーズである。

 ショーンは、巡査部長と言いながらその実は私立探偵と変わらぬ孤独なメンタリティの持ち主である。警察内マイノリティであるカトリック、大学卒という二点により、組織人でありながら孤独なヒーローという特性を持たせるという本シリーズならではの設定が、何より魅力的だ。

 当のショーン・ダフィは、だからと言って疎外感などにめげていない。直属の部下たちとの人間的で率直な会話から見えてくるのは、勝気で直線的でありながらも、仲間たちを思いやる熱く温かい性格である。ショーンの私生活からは、音楽や小説へのこだわりも見え隠れする。作者自身を投影しているのではないかと思えるほど、描写に鋭い洞察が感じられる。作品タイトルが、トム・ウェイツの曲から抽出されていることからも音楽へのこだわりを強く見ることができる。

 前回はショーンの独走が良い結果をもたらしたものの、本書ではまたも部下を巻き込まぬ単独捜査での決着を選択することでショーンは苦行を強いられる。バラバラにされたトランク詰めの死体がアメリカ人のものであることから、事は各政府機関や権力機構の一部を成す企業までを巻き込む厄介な代物になってしまう。

 途中で投げ出したくなるような事件だが、関連する第二第三の殺人との繋がりがうっすらと見え隠れしてくる捜査を通し、ショーンは謎を秘めた女性と出会う。荒れ果てた北アイルランドの海辺の寒々しい土地にたくましく生きる女性とショーンとの会話や映画のようなシーンは、美しくもあり、危険の匂いも漂わせ、本書の中でもとりわけ印象深く強いアクセントとなっている。

 アメリカは、ボストンにまで舞台を移すこの大がかりな事件のさなか、ショーンは苛烈な試練を負わされながら、真実に辿り着こうと徹底してあがく。苦しみの果てにしか生まれない決着を求めるこのショーン・ダフフィこそ、このシリーズの最大の魅力であり、彼の生きた土地と時代がその個性を際立たせる。

 グッド・シリーズとの出会い。早くも三作目に取り組んでいる当面の喜びだけでも、とりあえずお伝えしたいと思う。

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2019年06月04日

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軍用ヘリが空を駆け、警察署はテロの標的となる。フォークランド紛争の余波でさらなる治安の悪化が懸念される北アイルランドで、切断された死体が発見された。胴体が詰められたスーツケースの出処を探ったショーン警部補は、持ち主だった軍人も何者かに殺されたことを突き止める。ふたつの事件の繋がりを追うショーン。混沌の渦へと足を踏み入れた彼に、謎の組織が接触を図り…新たな局面を見せる紛争×警察小説第二弾。

口あんぐりの後半。独特の表現には慣れました。

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2019年04月21日

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ネタバレ


1970年代の北アイルランドの警察小説。時代背景とともに、登場する曲名にもいちいち反応してしまいます。

第1巻の終わり方からすると、ショーンの立ち位置が変わっていないのがちょっと不思議だったのですが…次はひょっとすると…。

このシリーズ、本当に好きなので、密室ものらしい第3巻が来春発売予定とのことで喜んでおります\(^o^)/
第5巻までは絶対読みたい。

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2018年11月16日

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ネタバレ

シリーズ第2弾。北アイルランドの治安は悪く宗教の対立、警察への不満が強くて警察も捜査がやりにくい。相変わらず車に乗る前には車の下に爆弾がないかを確認する。事件の捜査はなかなか進まないまま物語は展開されていく。国、街の危険と生活への不満や不安が高まっていくし、人は冷静さを失いやけになっていく。そうした中で起こること。1980年代を舞台にはしているけれど人々の不安は昔も今も変わってないのかもしれない。

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2018年11月13日

Posted by ブクログ

慣れてきたのか、前作よりも読みやすかったです。
とりあえず1巻の序盤で投げ出さなくて良かったです。
このままシリーズを追いたいと思います。

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2023年01月23日

Posted by ブクログ

<刑事ショーン・ダフィ>シリーズの第二作目。前作では然程意識しなかったけれど、このシリーズがハードボイルドの様式美に則っていることを改めて実感。本筋にデロリアン社の没楽という史実を絡めるのは面白い試みだが、謎解きに関しては前作以上に後出し感が強く、終盤の展開も些か芸がないような気がする。ミステリーの骨子までチャンドラーに倣わずともよかろうに。どん詰まりのブレナン警部を尻目に、クラビーとの信頼関係が育まれる様子には心惹かれるものの、ショーンに対してこの冗長な物語を牽引する程の魅力が感じられないのが難点です。

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2021年12月22日

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