あらすじ
17は暗殺専門のエージェント。消えた16の後任として17になった彼の任務はとある作家の暗殺。どうやら作家の正体は16らしいが……。CWA賞スティールダガー賞受賞作。
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主人公語り手系のスパイ小説。17と呼ばれるスパイ(エージェント)が主人公(タイトル)、数字は歴代の最高実力者スパイの意味、初代から15代目までは他のスパイに殺されている。16代目は突如行方不明になって消息が分からない状態。
序盤17のスパイとしての活躍が描かれた後、ハンドラー(スパイの斡旋担当者)から16を見つけて殺害するよう依頼される。
17と16の戦いが中盤から後半のメイン。そしてこういう小説ではお決まりの、中盤でのライバルが結託して真の敵に挑むクライマックスでボルテージあがりまくり。
独特の個性が溢れた登場人物たち、女性陣のたくましさとしたたかさ、下品でガラの悪い語り口調、スパイ活動描写の細やかさ…ストーリーが良くあるパターンでも、これら細部の構成が見事で、最後まで飽きない良質のアクションエンタメ小説。
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イギリスの作家、ジョン・ブロウンロウのデビュー作。脚本家や映画監督らしい。
暗殺専門のエージェント17。彼の前には16人のエージェントがいたが、そのうち15人は既に死んでいる。前のエージェントを殺すことで代替わりを行うからだ。ただ、16だけは姿を眩ましており、行方不明のはずだったが…
ハヤカワ文庫の白背表紙からわかるように、バリバリのアクション小説。中身半分以上、戦闘描写だったような。キャラクター描写も良く、主人公の17はもちろん、16やモーテルの女主人も非常に魅力的。その点だけでも読ませるのに、展開も良く飽きさせない。
続編があるとのことで、ぜひ続けて翻訳してほしい。
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軽く読み始めたものの、エージェント17の立ち向かう相手が誰なのか、微妙な角度で相手が変わりついつい先が気になり夢中になった。とても短い章立ても、小説にいいリズムを与えている。CWA賞スティール・ダガー賞を受賞しているのも納得。
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★5 殺やるか殺られるか! 軽々しい語り口にニヤリとしちゃうサバイブアクション #エージェント17
■あらすじ
スパイとして活躍しているエージェント17。彼は依頼があれば粛々と任務を遂行し、必要があれば暗殺も行う。これまでNo15までは次のエージェントによって殺されてきたが、No16だけは殺害されることなく姿を消していたのだ。
ある日、エージェント17に暗殺の依頼がなされる。スパイ作家ということだったが、その正体はエージェント16。彼らの生存競争の末にある、隠された陰謀とは何だったのか…
■きっと読みたくなるレビュー
★5 おもろいっ! アメリカ諜報機関のエージェントたちによるサバイブアクション小説です。
世界観はスパイ映画でよく見るソレでして、依頼人から連絡があり、ひっそりとミッションをこなしていくというもの。全編にわたって語り口調がニヒルで軽々しい、これがそれらしくっていいんですよね。
お話はエージェント16の殺害依頼があってからがメイン。No16も同等以上の能力をもったスパイですから、当然殺し合いになるんですよ。このはちゃめちゃのドンパチが楽しくてどんどん読んじゃうんですよね。
また登場キャラクターもニヤニヤしちゃう奴らばっかりで好き。エージェント16はもう引退間近のジジイなのにキレキレな鬼の殺し屋、ただちょっと抜けてるところが可愛い。中盤以降に出てくる女性二人がなかなかの重要人物なんです、彼女たちのアンニュイでミステリアスな雰囲気にもノックアウト。
また彼らの背景が語れるシーンもあるんですが、これもいちいち渋みがあっていいんですよ。セピア色の映像が目の前に浮かんで聞くるんだよね。
そして物語の後半に入ってくると、単なる1対1の対決ではなく、畳みかけるように次々と物語が展開されていく。なぜNo16と17が殺し合わなきゃならないのか、誰が真なる敵なのか、そして陰謀とは何だったのか…
長いお話も終盤にかけては一気ですよ、ラストの戦闘シーンなんか超Cooolで大好き! ずっと斜に構えた書きっぷりなんだけど、決着はスパッとケジメを付ける。痺れたなぁ~
こういうお話はぜひ映像で見てみたいですね、映画かドラマ化を希望したいです! 面白かった!
■ぜっさん推しポイント
自分も仕事を引退したら、サイコロころがして日々くらしたいなー(何をいっているか、読んでいただければわかります)
本作の登場人物たちは、殺し屋稼業や調整役など、ちょっと特殊な仕事の人たちばかり。辛い経験を経て、自分自身への問いかけをしながら決断してきたんですよね。
自分には嘘をつかず、責任を取るって姿勢が潔いんですよね。このあり得ない職業の彼らなんですが、最後まで読むと愛着が湧いてきちゃうし、むしろそんな生き方に憧れちゃうんですよね。
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アクション映画のような小説。話はよくできていて退屈はしないが、割りと安心して読み進められる。やっぱりこの手の話は脇役ガレット魅力的かどうかだと思う。この作品はそれが丸。
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世界で最も恐れられているエージェント“17”。“15”までの暗殺者は、そのだれもが次の番号のエージェントたちによって殺されてきたが、“16”だけは殺されることなく姿を消していた。“16”の跡を継いだ“17”の次の任務は、とある作家の暗殺。どうやら、その作家の正体は“16”らしい。激しい戦いの末、“17”が“16”から聞かされた世界を揺るがす巨大な陰謀とは。
CWA賞スティール・ダガー賞受賞も納得。イキのいいアクション満載の冒険小説。
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代々前の暗殺者を消すことにより、当代一の暗殺者になるというストーリ。
設定がおもしろく、表紙も素敵だったが、なんとなく読みずらかった。
17が16を探しだし、どのように暗殺するかを仕掛ける頭脳戦というところはおもしろかった。
接触したときに、つく嘘を知らベられても嘘だとばれないように仕組んでおくところとか、それを見抜変れていたとか、いろいろ面白かった。
最終的には、16と17で共通の敵に対峙していくのだが。2人のやり取りもおもしろい。
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個性的な主人公と副主人公との対決とエンディングがストーリーの盛り上がる所ですが、前半から中盤の副主人公を探す所が少し中弛みします。だが、他の暗殺者シリーズに比べて、探し出す方法が面白い所です。次回作があるようなので、さらにストーリーの作り込みに期待しています。
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世界最高の殺し屋「16」が突然に行方をくらまし、その後任となった殺し屋「17」に与えられたミッションが「16を殺すこと」だった…というスパイアクション小説。
話の流れは「どこかで読んだことがあるような展開パターンだな」というもので、文体やセリフ回しはくどいところもあるが「くどすぎる」というほどではない。「いかにもなハリウッド映画を観させられました」という印象。
17が立ち寄ったモーテルで経営を管理しているキャットという女性のキャラクターが非常に良い。殺し屋同士の決闘にたまたま巻き込まれただけの一般人だが、本書を読み終わった時点で抱く印象は「ターミネーター2直前のサラ・コナー」という逞しさ。
あまり気負わずにサッと読めるエンタメ小説、という印象でした。