吉野万理子のレビュー一覧
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あなたは、100年変わらず同じ場所で世の中の移り変わりを見たとしたらそこに何が見えてくると思いますか?
医療技術の進歩もあって人生80年と言われていた人の一生も今や人生100年という言い方で語られるようになりました。100年という時間は長いものです。そんな長い時間の中で人はライフスタイルの変化に伴って居場所を変えてもいきます。同じ場所で100年を過ごすということも少ないと思います。
今の世の中、変化しないものはないという位にさまざまなものが変化し続けています。例えば大阪という街を見ても今から80年前にはB29の襲来による大空襲で多くの人命が奪われました。しかし、その後の復興によって幸せな暮 -
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「野球部員は来週までに髪を丸刈りにしろ」
野球部の監督が出した指令。野球部員がたるんでいることを危惧して出したその指令を始まりに、同中学校内の30人それぞれの恋愛模様が繰り広げられる。
中三、小川由真は、野球部員の弟からその話を聞いて、理不尽だと怒り心頭。野球部キャプテンでエースで四番の上里くんの、くしゅっとやわらかくウエーブする髪がばっさり切られてしまうなんて、考えられない!
一つ一つのお話は短く、次の誰かに繋げられていてとても読みやすかったです。誰が誰というのは何度も読み返しましたが。
恋愛ごとを中心に話が進んでいきますが、主人公が変わればそれぞれの事情や考えがあって、同じ出来事でも見 -
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中高一貫の私立中学に編入して三ヶ月の。長身のくせに運動神経が良くないところが悪目立ちして、未だに学校に馴染むことができずにいて、揶揄いや好奇の目に晒されている。
望んでもいない父親の転勤に振り回されている中で、唯一感謝していることは、家庭教師の安岡さんをつけてくれたことだ。大学生の安岡さんは自分の話に共感してくれて励ましてくれる。
ある時、大学を案内してくれた安岡さんに、うちに寄っていくか?と誘われた。二つ返事で遊びに行かせてもらった先で、目にしたものは…。
中学生の薬物使用を取り扱ったお話。
YouTubeやTikTokなど中高生にとって身近な題材を使っていて、その背景に、想像以上にすぐそ -
匿名
購入済み六次の隔たり。
世界はみんな親戚で「つながってる」。
「赤の他人」とは一度もしゃべったことのない人を呼んで、一言でも言葉をかわしたら「赤の他人」は「知り合い」に変わる。
そう考えられるようになれば正義を振りかざして無闇やたらに人を攻撃しにくくなるのかな。
あと、”みんなのアドバイスは素直に聞くこと、逃げ道を見つけておくこと、誰かが逃げ道を用意してくれたら頭ごなしに否定しないこと”もそうだなと改めて思う。
それは”人を追い詰めすぎない、逃げ道は用意しておいてあげる、大丈夫かなと気にかけて一言二言声をかける”こととも繋がっている。
「誰にも相談できず、逃げ道も作らず、ひとりで追い込まれ -
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この本は、中学受験を目指す伊吹という名前の12歳の男子の物語です。
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ある日の夜、伊吹が神社にある木に結わえられていたおみくじを破っていると、後ろからなんだった?という声がしました。振り替えると同級生の多郎という男子がいました。多郎は神社の裏口から来たようでした。
多郎が見してよと言うのでおみくじを見せると中吉でした。もう一つ、「願望」の所に明日からきっといい方に向かうと書いてありました。多郎は実は毎晩、木に結わえられているおみくじを一本とっていたらしく、今一本とってみると、「今すぐ西へ向かうと吉あり」とかいていました。
一方、伊吹のおみくじは「早急に南方へ歩けば道は開ける。」と書いてあ -
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神奈川県出身の作家の作品として読みました。
主人公は中学生。
夏休み明けに転校生がやってきたことで、それまでの環境が大きく変わります。
転校してきた聡子(さとこ)は、先だって起こった通り魔事件の犯人の娘、であると同時に、自身の「遠い親戚」でもあったのです。
直接血がつながっているわけではないとはいえ、「親戚」の「犯人の娘」とどう付き合っていくか、模索していく主人公たち。
心ない「いじめ(いじり)」のターゲットになりがちな聡子を、(自分の身を守ろうという本能を抱えつつも)助けよう、守ろうと努力する姿はリアルでもあり、応援したくなります。
主人公の「最近、オレは思うんだ。誰も彼も、実はつながっ -
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小学6年生の広記は、父、妹の奈奈、同級生の建太郎、トモちんと横浜スタジアムでベイスターズの応援をするのが一番の楽しみ。
憧れは、ハマのキャプテン筒香嘉智。
「体が大きくって、森のどまんなかに生えてる、どっしりした木みたいだ」
「応援する人じゃなく、応援される人になりなさい」
こうお母さんに言われたという建太郎は、もう観戦は一緒に出来ないと言い出す。
2016年春、ベイスターズは最下位にあえいでいた。
「君は将来、何になりたいの?」
大人が子供に聞く質問の定番。
小学6年生の広記にとって、こんなに難しい質問はない。
トモちんは地元野球チームのエース。男の子に負けていない。
広