あらすじ
●朝日中高生新聞の大人気連載が待望の出版化!●「うつのみやこども賞」受賞作家の最新作●犯罪者と血がつながっていたら、どうしますか?隣町で、連続殺人事件が発生!中学2年生の風雅は、自分はその容疑者と親戚だと親から聞かされて、ひどく動揺する……。ある日、容疑者の娘が同じクラスに転校してくる。
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匿名
六次の隔たり。
世界はみんな親戚で「つながってる」。
「赤の他人」とは一度もしゃべったことのない人を呼んで、一言でも言葉をかわしたら「赤の他人」は「知り合い」に変わる。
そう考えられるようになれば正義を振りかざして無闇やたらに人を攻撃しにくくなるのかな。
あと、”みんなのアドバイスは素直に聞くこと、逃げ道を見つけておくこと、誰かが逃げ道を用意してくれたら頭ごなしに否定しないこと”もそうだなと改めて思う。
それは”人を追い詰めすぎない、逃げ道は用意しておいてあげる、大丈夫かなと気にかけて一言二言声をかける”こととも繋がっている。
「誰にも相談できず、逃げ道も作らず、ひとりで追い込まれ」て行かないために。
Posted by ブクログ
神奈川県出身の作家の作品として読みました。
主人公は中学生。
夏休み明けに転校生がやってきたことで、それまでの環境が大きく変わります。
転校してきた聡子(さとこ)は、先だって起こった通り魔事件の犯人の娘、であると同時に、自身の「遠い親戚」でもあったのです。
直接血がつながっているわけではないとはいえ、「親戚」の「犯人の娘」とどう付き合っていくか、模索していく主人公たち。
心ない「いじめ(いじり)」のターゲットになりがちな聡子を、(自分の身を守ろうという本能を抱えつつも)助けよう、守ろうと努力する姿はリアルでもあり、応援したくなります。
主人公の「最近、オレは思うんだ。誰も彼も、実はつながってて、極端な話、オレとこの国の首相も千年さかのぼれば、遠い親戚なんじゃねーか、って赤の他人なんていない、つーか」というセリフや、聡子の「一言でも言葉を交わしたら、「赤の他人」は「知り合い」に変わるの」というセリフは、なかなか響くなあ、と感じました。
YA小説として、中高生におススメしたいなと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
まずpomodorosa氏の装画が訴えてるじゃないですか
血のつながり濃さとかお母さんとお父さんは他人とか考えさせらられた
お母さんの心情ももっと書かれてたら…とおもったけど
明日自分の身に何が起こるかわからない
逃げる勇気もいる逃げてもいいんだ
Posted by ブクログ
読んでいるときに、次どんなことが起こるって大体分かってしまうけど、面白かった私も、もしかしたら世界中あの人と遠い親戚なんじゃないかって考えてました。私は個人的にききが好きです
Posted by ブクログ
これはオリジナルのタイトル(「赤の他人?」)のほうが良かった。たしかに主人公は、ストーリーのごくごくはじめには「赤の他人だったらよかったのに」と思っているのだけど、すぐにそう思わなくなる話なので。いじめの話ではあるんだけど、あまり重すぎずほどよい感じで救いがあり、楽しく読めた。子どもにも薦めたい。
Posted by ブクログ
犯罪を犯した人や、その家族に対して、自分が同じ立場になったら、こんな風に助けてあげられるのか考えさせられる内容でした。
児童書だからか、少し物足りない部分もありました。でも、読者が中学生で自分のことのように考えられるよい内容でした。重い題材なのに読後感も良かったです。
中学生くらいから。
Posted by ブクログ
他人事として見ていた通り魔事件。
その犯人の娘がなんと自分の中学校に転校してきた。
しかも、彼女はウチの遠い親戚らしい・・・。
題名にインパクトがありますが、それほどセンセーショナルな話ではなく、綺麗ごとだなと思う部分もありますが、これはこれで中学生に勇気を与えるのではないかと思います。
心情が丁寧に描かれていて、それほど中学生の描写にも無理がない。
手に取ってほしいと思える本です。
Posted by ブクログ
自分の身近で、無差別殺傷事件が起きたら?
そして犯人が肉親だったら?
犯人が遠い親戚であることを知った少年の視点からと、犯人の娘である少女の視点から語られる作品。
扱っているテーマはとても重いけれど、作品を包み込んでいる雰囲気が優しく、明るい雰囲気だったので、気持ちが落ち込む小説ではなかったのが救い。
Posted by ブクログ
隣の市で無差別殺人事件(のちに未遂となる)がおきて、まだ犯人は逃走中。しかもウチの市に逃げ込んでいるらしい。そんな話を聞いて、八条風雅は友達と犯人がいそうな所、ショッピングセンターに行ってみた。警察官の数も増えてきた・・・と思っている矢先、犯人らしき人物を見つけ、野次馬的な気分が恐怖に変わった時、犯人は警察に捕まった。どんな凶悪な顔かと思った犯人は、普通のおじさんだった。
ネットで調べて、犯人とその家族の写真を見ても普通の家庭に見えた。
でもクラスでは身近におきたニュースに持ちきり。
特に洋介はクラスでも(自分より立場の弱い奴に強気ででたり、いじるタイプ)は、犯人に自分らと同級生で中二の女子がいるとわかったら、犯人の家を見に行くツアーをやろうと言い出した。
風雅は憂鬱だった。母が、犯人はウチと遠い親戚だと言うのだ。
正月に親戚が集まる時だって見たこともない親戚。祖母の姉のだんなの息子が犯人だと言う。
なんとなく自分のウチはいい家系だと思っていたから、風雅はショックだった。
事件から数週間たち、クラスでも忘れかけたころ、転入生は来た。
苗字を変えて高橋聡子と名乗った、犯人の娘が転入してきたのだ。
そのニュースをいちはやく伝えた洋介は、もともとクラスでいじっていた淳史ともに、聡子のこともいじりはじめた。
風雅と、いとこのキッキーは、後ろめたい気持ちになる。
聡子を助けたくても、どうしていいのかわからない。そして・・・
物語は二部構成になっていて、前半は風雅編。後半は聡子編。
表紙が風雅のアップで、タイトルとともにインパクトのある装丁。
(裏は聡子の笑顔で、ほっとする)
もしかしたら、もっと衝撃的でグロなものを求めて本を手に取る子がいるかもしれないが、内容はきちんと優等生小説で、大人が読んでも、良書だと勧められる結末になっている。
さすがの吉野真理子です。
Posted by ブクログ
潔い若者たちに拍手ですね。
事件・事故が起きたとき、被害者・加害者の家族が巻き込まれてしまうあれやこれやに、「遠い親戚」というつながり。
「他人」だったら蚊帳の外なのに、辿れないほど遠くても「親戚」というだけで、右往左往してしまう状況に、若者たちの葛藤が清々しいです。
Posted by ブクログ
架空の地名を見て、この著者、神奈川出身だろー!と思ったら当たっていた。笑
久しぶりに小中学生向けの本を読んだけど、自分にとってはこのくらいの文章がいちばん楽しく読めるんだなーと実感。読むスピードも集中力も段違い。
本読めなくなってる気がしていたけど、対象の本によるものだとわかった。
設定としては不思議なお話だなぁと思ったが、なにを伝えたいか、読んだ子どもたちにどんな選択肢を与えたいか、が分かりやすくてよかった。
聡子が先生に言われた、「やりたいことがないうちは、ノーと言わないって決めるといいぞ」というのは、学生のうちは本当に大事と思う。そのルールだけで世界が広がるから。
Posted by ブクログ
赤の他人だったらどんなによかったか、と思うことがある。有名な人が身内なら自慢したくなるし、犯罪者が身内なら……。人の心理って怖いものだねぇと思う。
Posted by ブクログ
思ったより面白く読めたかなー
隣の市で起こった通り魔事件の犯人が自分の遠い親戚だった!いとこ同士の中学生男女
そしてやってきた犯人の娘(バレている)
いじめられるけど表立って助けることもできない
なりにだんだん仲良くなっていく
ポイントはふたりだったってことと
ふたりともそれなりのポジションにいたってことかな
犯人の娘目線の章もあって
加害者家族のきもちもわかる
アメリカでは父親の罪は父親のもので子供は関係ない
子供の罪も子供のもの
という考え方と教えてくれるアメリカ人の言葉もある
本当にそこまで割り切れてるのかわからないけど、
まあ子供がグレちゃって犯罪おかしても親のせいかというとなんともいえない
親の犯罪は子供はもう全然関係ないっていってもいいとおもう(関係なくはなくても、子供に罪はない)
インターネットも普及して、
犯罪をおかした親の子供は肩身超せまいんだろうなと思うといやな日本だなと思う
知り合いの知り合いの知り合いの・・
って6回やるとアメリカ大統領になるらしい(わたしはならない自信があるけど)
人類みな兄弟!
いじめとかなくなってほしいと思う(まあ親戚だろうと兄弟だろうと仲悪い人はいるけど)