吉野万理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イモムシ、毛虫が苦手です。存在を排除したいとは思わないのですがどうしても心が拒否します。
虫嫌いの少女が、近所のイモムシ大好きおばあさんと友達になって、次第に虫への愛着を深めていく話です。
ほんわかで進んで終わるのかなと思いきや、イモムシおばあさんと母親の確執から始まる毒を含んだ人間関係がとてもスパイシーで素晴らしいです。
本の中でも、次第にイモムシが可愛く思えてくる少女の心境変化に伴い、自分も段々と拒否感が薄れ、イモムシ可愛いかもなあと思い始めました。
流石にスズメガ系のでかいイモムシを触るのは絶対無理と思うけれど、拒否感って知らない事に関する事が多いので、誰かと一緒にずっと面倒見ていたら可 -
Posted by ブクログ
入り江に子供達は向かう。
しかし大人達は何も言わないし、後をつける事もない。
大人達はみんな、秘密基地でもあるんだろうくらいにしか思っていないし、別に問題もないだろうと共通の認識だからだ。
しかしその入り江にあるのは質屋。
おもいでを預かる質屋。
しかも魔法使いが店主なのだ。
おもいでを話して、その想い出に値段がつけられる。
その金額を子供達は手にする事ができるが、話をするとその想い出を忘れてしまう。
二十歳になる前にお金を返せば想い出はまた自分のものとなる。
そして二十歳になると魔法使いの事も忘れてしまう。
里華は魔法使いと仲良くなり、質屋に通うが想い出は一度も話したことはない。
た -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の男の子が、優秀すぎるお父さんからの期待に応えられなくて、自暴自棄になりそうなところに、僕自身と息子との関係を重ねてしまう。僕自身は日々劣等感にさいなまれながら生きている毎日だが、息子に対してそれが裏返しになって、過度に高い理想を期待しすぎているのではないかと、きっとこんな風に息苦しい思いをさせているのではないかと反省させられる。
もっとも僕自身は「優秀すぎるお父さん」キャラからははるかに遠く、よくできた友人に嫉妬心をいだいてしまったり、つまらない嘘をついてしまって悶々としたりというような、いかにも小市民的なところのある主人公に、自分の嫌なところを見せられている気にもなりつつ、リアルに感