吉野万理子のレビュー一覧

  • いい人ランキング

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    ノートを写させてあげたことはたくさんある。リスクがある行為だったと初めて意識した。

    いい人ランキングをきっかけにいじめに発展するお話。彼女らなりの対処を模索するのがいじらしい。中盤くらいまで面白かったけれど、終わりではすっきりしなかった。いじめ遺伝子とか、いい人論議はうまく言えないが奇説ではないのか。「いい人」を演じきった「いい人」と、「いい人」である「いい人」は同一でしょうか。まあその境界は周りからは全く分からないだろうが。

    本筋とは少し離れるが、姉妹で性格がかなり違うところ、それを把握し認めている父がとてもよいと思った。

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    2018年02月22日
  • いい人ランキング

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    中学2年生の木佐貫桃は「いい人」だ。人の悪口を言わないし、掃除はサボらない。「宿題を見せて」と頼まれたら気前よく見せてあげる。天然とも言われるが、基本、いい人。クラスメイトからも、いい人の象徴みたいと思われている。
    最近、苗字が変わったのはお母さんが大病院の時期委員長のお医者さんと結婚して、地元では高級住宅街の大きな家に住むようになったからだ。

    中学1年の妹・鞠は、クラスでは「いい人」を演じているけれど、いじめられないように、目立たないように立ち回っている。

    桃のクラスで中心的存在の沙也子と知奈津の提案で、文化祭では中止になったミス・ミスターコンテストの代わりに、「いい人ランクング」をする

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    2017年11月23日
  • いい人ランキング

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    クラスのいい人ランキングで「いい人」になった中学2年生の桃。よろこぶべきことのはずなのに、クラスでの立場がだんだんおかしくなっていく…

    さらりと始まったいじめは、そのうちさらりと標的がかわり、さらりと何事もなかったかのようになる。いじめって軽々しいものではないのに、気がついたらはじまっていたり、おわるときも何事もなかったかのように終わったりする。だけど、もちろん当事者にとっては簡単なものなんかじゃない。主人公の桃は天然すぎて、なかなかいじめに気づかなかったりするけれど、「体重は増えてないのに体が重たくなった気がする」とか、しっかり心には負担がのこっている。最後にも、すべては終わったけど何事も

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    2017年06月15日
  • いい人ランキング

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    桃ちゃん、まさに「いい人」…というか、少しニブチンかな。人を利用する「わるい人」はいつでもどこでもいるもんだ。
    妹の毬や尾島くんがいてよかった。ホントの「いい人」だ。

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    2017年06月10日
  • 今夜も残業エキストラ

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    軽いテイストながら文章はしっかりしてるし、仕事しているところもたくさん描かれているので息抜きとして楽しめました。裁量労働制で終電間近まで残業の日々なんて、私だったら嫌すぎるけど、太陽のように思い憧れている男性社員と同じプロジェクトチームにいるなら張り切っちゃうかな。

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    2017年04月17日
  • シネマガール

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    本の表紙に惹かれて買った。
    初めて、読む作者の本だったけど、引き込まれるように一気に読めた。
    本に出てくる映画を全部見たくなったし、映画から色んなことを学び素敵な女性に変わっていく主人公が良いなぁと感じた。
    再度映画を観てから、本を読んだらもっと共感できることが多いんだろうだなぁと思った。

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    2017年03月16日
  • シネマガール

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    本屋で目を引いたので購入。これから読み始めるのですが、私の好きな「サバイバル ウェディング」と同じようなにおいがするので楽しみです。

    一瞬で読み終わってしまいました。
    予想通り、とっても面白かったです。
    この本に出てきた映画でまだ見ていないものを全て見てから、またこの本を読んだらもっと深く理解できると思いました。
    どこにでもいる普通の女の子に焦点を当て、まるで映画のように彼女の成長ぶりや、ポイントとなるどんでん返しがあり、起承転結がしっかりとしており、本当に映画のように楽しむことができました。
    特に女の子には、胸を張っておすすめしたい作品です。

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    2017年01月02日
  • 想い出あずかります

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    岬のはずれの一軒家に魔法使いのお姉さんが住んでいる。
    そこは子供たちの想い出をあずかってくれる質屋さん。
    あずけた想い出は、二十歳になる前に取り戻さないと、「ヒトデ」として海の底に沈められてしまい、
    それと同時に、子供たちは魔法使いのことも忘れてしまう───。

    魔法使いが言っていた、記憶と想い出の違い。
    「お母さんのオムライスがおいしかった。」これは記憶。
    「めったにオムライスを作ってくれないお母さんが、久しぶりに作ってくれて、すっごくおいしくてうれしかった。」これが想い出。
    うん、なんとなくわかる気がします。

    もしも自分なら、どうしただろう…。
    齢を重ねた今、楽しいことも、悲しいことも、

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    2016年12月11日
  • 想い出あずかります

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    物語の...中盤......

    あまりにも鮮明な悲劇に、胸を刺され、頭を殴られるような感覚に陥りました...

    辛い...なんとも辛い......

    しかし最後まで読んで思ったが、この魔法使いさんはもしかして...いや言うまい。

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    2016年12月08日
  • 想い出あずかります

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    魔法使いから里華に向けられた言葉の中に素敵な言葉がたくさんあったなぁ。こんな言葉をかけてくれる魔法使いがいるなら、オイラも通ってしまう、年齢制限で引っかかるけど。今日を忘れてしまうことで明日を何とか迎えることができるというほど、多分オイラは追い込まれたことがない。だから、芽依が想い出を売ってたことに対する抵抗感は里華と一緒だ。記憶を売ることでいじめに耐えていた芽依を、里華が魔法ではなく人間の力で助けてあげられたのはよかった。悠斗がお母さんの通夜に札束をつかんで、魔法近いのところにお母さんの想い出を全部取り戻しに行ったのも(お母さんの最後のプレゼントは涙出た)。魔法使いではなかったけど、オイラに

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    2016年09月24日
  • いい人ランキング

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    母の再婚で苗字が変わり、緊張の始業式を迎えた桃と毬の姉妹。天然の「いい人」キャラの姉・桃と、空気を読んでいける妹の毬。ドキドキの中、文化祭を期にクラスの「いい人」コンテストが始まる。当然のように一位に選ばれる桃。そこから少しづつクラスの雰囲気が変わっていく。

    そもそも「いい人」選びをしようという段階で、先が見えてくる話なのだが、前後の話づくりがうまくいっていると思う。桃に陰でアドバイスをしてくれる隣のクラスのヒーロー・尾島の存在と、尾島を師匠と呼ぶ妹の毬がストーリーが陳腐になるのをうまく回避している。

    終業式で撮った集合写真を破り捨てないけど、絶対見ないという桃の言葉が真実だと思った。

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    2016年09月23日
  • 雨のち晴れ、ところにより虹

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    地元が題材なのでイメージしやすく親しみやすく楽しかった
    幸せの青いハンカチ
    色々な悩み思いを抱えている今…じわーっと染みてくる

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    2016年08月22日
  • ドラマデイズ

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    読み始めは主人公に甘いよーっと
    突っ込みながら読んでいたけれど…
    頑張り始める彼女に
    よっぽど私の方が甘い!と
    思い切りガツンと叩かれてた
    また自分の駄目さに凹む
    ちゃんと頑張れよ、前進めよ私…
    茉由子の書く「ドラマデイズ」読みたいな

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    2016年06月12日
  • 赤の他人だったら、どんなによかったか。

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    犯罪を犯した人や、その家族に対して、自分が同じ立場になったら、こんな風に助けてあげられるのか考えさせられる内容でした。
    児童書だからか、少し物足りない部分もありました。でも、読者が中学生で自分のことのように考えられるよい内容でした。重い題材なのに読後感も良かったです。
    中学生くらいから。

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    2016年05月17日
  • 時速47メートルの疾走

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    中2から中3にかけて、受験やクラスでのたち位置に思い揺れる中学生たちの連作。
    運動会の応援団長のバツゲームを中心に、各々のメンバーのエピソードと思い。
    第4章まで読むと、全体が良く見えてくる。
    読後は爽やかと言うより、カッコ良すぎない中学生たちが気持ちいい。

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    2016年05月01日
  • 想い出あずかります

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    想い出限定の質屋さん。魔法使いがやってる質屋さん。
    お客さんは子ども限定。

    大人になると想い出限定の質屋さんのことは
    すっかり忘れてしまうシステム。

    いやな想い出だけを質入れする子、
    いい想い出もいやな想い出も執着せずに手放す子ども。
    決して手放さない子ども。

    魔法使いは世話をやくこともなく、
    突き放し過ぎることもなく
    やってくる子ども達を迎える。

    魔法使いとの想い出も素敵な想い出なのに忘れちゃうんだ。
    実は、きっと魔法使いは寂しいのかもね。

    どの想い出も大人になる自分を作ってきたもの。
    手放さないでと子ども達に言いたいな

    手放さなくても、
    忘れちゃうことなんてままあることなんだ

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    2016年04月27日
  • 時速47メートルの疾走

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    読んで良かった。何気なく手に取ってみたけど、良かった。泣いたと思う。本作のヒロインと「タスキメシ」のヒロインとが重なって読めたことも良かったと思う。妄想が大好きなので。

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    2016年02月11日
  • 時速47メートルの疾走

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    4人の中学生たちの連作短編。

    優等生で人当たりも良く、先生からも信頼されている伊集院慶一。ガツガツ主張しないでも、みんなに当然のごとく委員長に選ばれる、それもやぶさかでない。でも、そんな態度が放送部の後輩たちにはみすかされ…。

    美鈴は母と二人暮し。離婚して別居している料理人の父の影響で、きちんと出汁から作ったりする料理が得意。中学になって口が悪くなって不良みたいになった、とか保護者たちにも言われているけど、そんな事はない。仕事が出来て、濃い味が好きで大雑把な母は、大学のテニスサークルからの友達を「新しいお父さんにどうか」と紹介し、美鈴が今まで見たことがなかったような笑顔を見せる。悪くない人

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    2016年02月01日
  • 赤の他人だったら、どんなによかったか。

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    他人事として見ていた通り魔事件。
    その犯人の娘がなんと自分の中学校に転校してきた。
    しかも、彼女はウチの遠い親戚らしい・・・。

    題名にインパクトがありますが、それほどセンセーショナルな話ではなく、綺麗ごとだなと思う部分もありますが、これはこれで中学生に勇気を与えるのではないかと思います。
    心情が丁寧に描かれていて、それほど中学生の描写にも無理がない。
    手に取ってほしいと思える本です。

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    2016年01月18日
  • 赤の他人だったら、どんなによかったか。

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    自分の身近で、無差別殺傷事件が起きたら?
    そして犯人が肉親だったら?

    犯人が遠い親戚であることを知った少年の視点からと、犯人の娘である少女の視点から語られる作品。

    扱っているテーマはとても重いけれど、作品を包み込んでいる雰囲気が優しく、明るい雰囲気だったので、気持ちが落ち込む小説ではなかったのが救い。

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    2016年10月15日