吉野万理子のレビュー一覧
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『本屋さんのアンソロジー』で気になった作家さんを追いかけよう!第2弾は
ドラマの脚本家でもあったという、吉野万理子さん。
さて、どの本から読もうかな~とわくわく検索したら、なんと最新作が『連れ猫』!
これはもう、読むしかありません♪
喜び勇んで読み始めたら、いきなりヒロインの阿沙美は
モデルルームのような家に釣られて、打算的な同棲を始めるし
相手の有也は、「俺の孤独は誰にもわからない」とばかりに
猫たちにソリチュード、ロンリネスなんて命名する自意識過剰のDV男。
こんな二人に飼われるなんて、なんて気の毒な猫たち!
このまま読み続けられるかしら。。。と不安がこみ上げたのですが
猫好きのみなさま、ご安心を!
第2章から、物語は猫目線に切り替わって、飼い主たちの不毛なやり取りさえも
猫たちの可愛い会話を通して描かれると、ずいぶん濾過される感じがします。
「つながったときだけ人は孤独から解放されるんだ」と言う有也の言葉を真に受け
避妊手術されて、大好きなソリチュードとつながれなくなったことを
ちょっぴり残念に思っているロンリネス。
「和ませるのは猫の仕事だからね」というソリチュードの教えも忠実に守った結果
有也と阿沙美の関係が破綻したとき、なぜか猫嫌いの阿沙美に引き取られ
離れ離れにされてしまうとは、なんたる運命の皮肉!
いろんな飼い主の許を転々としながら、猫ならではの波長で交信し続け
「身体と身体をつなげなくても、つながれるんだ」と知る二匹が愛おしくて。
猫たちが結んだ不思議な縁のおかげで、どうしようもなかった人間たちが
自分を見つめ直し、ほんのちょっと成長するのがうれしい物語です。 -
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海辺に住む魔法使いは、「おもいで質屋」を営む。
質屋にはコドモたち(正確には20歳未満)がおとずれ、魔法使いに、自分の「おもいで」の話をする。
するとその話をきいた魔法使いがそのおもいでに値する代金をはらうシステムだ。
代金は魔法使いが決める。
質屋には様々なコドモが訪れる。
お金目当てにおもいでを質に入れるコドモもいれば、つらい記憶を質にいれるコドモもいる。
また、おもいでを質にいれることはせずに、たんに魔法使いに会うだけのために質屋に来るコドモもいる。
永いときを生きる魔法使いと、束の間のときを過ごすコドモたちとの交流の物語。
永遠・・・かもしれない時を生きる魔法使い。
想いをかけた相手は、いつも先にいなくなってしまう。
孤独な魔法使いの物語。
人は、大事に大事にしまっておきたい記憶をもっていることもあれば、蓋をしてしまいこみたい記憶をもっていることもある。
たとえば、そんな負の記憶がお金になるなんてことがあったら、世の中どうなるのだろう。
嫌なことが忘れられれば楽になるし、さらにお金まで手に入るのであるから、お金目当てにじゃんじゃん記憶を質にいれる人がでてくるのは間違いない。
記憶を質にいれることでお金が手に入ることに味をしめてしまったコドモはまっすぐには育たないだろうなぁ。
あくまで、想像ですけれども。
ともあれ、
それぞれの理由で記憶を質にいれにきたコドモたちそれぞれの物語が、心に沁みます。 -
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里華の、おもいで質屋に通い詰めながらも、決して思い出を質入れしないという一貫した姿勢が素敵だった。
困難から逃げる弱さを持ちながらも、どうしてここでこういう思考になるかなあと歯痒くなるくらいそういう年頃の女の子らしい面も兼ね備えていた。
そして、彼女と対象的なのがほんの些細なことでもすぐ、質入れしてしまう男の子。
けれど、彼が母親を失い、それまでに質入れした思い出を全て取り返したことから、例えそれがどんなに辛い記憶であったとしても、それらは全てその人にしか体験できなかった大切な記憶なんだと、かけがえのないものであるからこそ、決して軽々しく手放してしまっていいものではないんだと考えさせられた。
里華と雪成の別れのシーンも印象的で、雪成のその理論はあまりにも酷いと思う反面、けれども、それはその通りなんだよなあとも感じた。
そういう意味でも、この作品は里華自身の生活や、魔法使いとの交流の中に、大人になっていくということについて、よく描かれていたように思えた。 -
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ネタバレおもいで質屋。
海の近くにひっそりとあるこのお店は子どもにしか見えない。
ここは質として想い出を差し出し、20歳の誕生日を迎えるまでにお金を返さないと一生返してもらえなくなってしまう。
差し出された想い出に魔法使いが値段をつけ、子どもたちにお金を渡す。
お小遣いが欲しい子どもたちが今日も想い出を預けに来る。
以下ネタバレ。
主人公の女の子が魔法使いと最初に出会うのは新聞部の取材。
彼女は最後まで想い出を預けるということに反対します。
想い出を預けることはなくても、魔法使いとの関係は20歳まで続きます。
彼女の時間とともに物語は流れていく感じなのかな。
母親との想い出ばかり預ける男の子。
おばあちゃんを轢いた犯人を捜そうと魔法使いに頼む男の子。
いじめられている想い出(想い出とはいわないか)を預ける女の子。
みんなそれぞれ思いを抱えて想い出を預けに来る。
10代の思い出そのものが結晶化した物語。
と帯に石田衣良さんのことばがありましたが
この物語は10代のころの一生懸命な友情や恋愛を一気に思い出させてくれました。
雪成(主人公の彼氏)のことばはなんて身勝手なんだと思ったけど
魔法使いがいった
「想い出にならない人。それが運命の人よ」
ということばにすごく共感しました。
そんな人に出会えたかな…… -
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ネタバレチーム○○シリーズ5冊目、で、完結編。
チームふたりで主人公だった大地の妹・陽子が主人公。今回は学校の卓球クラブではなく、いよいよ始動しはじめた卓球クラブチーム山吹での話。チームふたりからの登場人物がみんな、それぞれ成長して出てくる。
陽子ははやく結果を出していと思っているが、大滝コーチに待ったをかけられる。ふてくされて、練習をサボってしまうが、その間に、西小のライバルだった美月がクラブ会員になって、ちゃっかりみんなと仲良くなってる!
しかも、オールジャパンの大会では陽子と美月がダブルスを組むことになった。
陽子は美月とダブルスを組んでやっていけるのか。
今回は人間関係とかクラブ内の先輩の責任とかよりも、よりスポ根的な話だった。登場人物たち、みんなに未来が見えていて良い。 -
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ネタバレシリーズ3冊目。
主人公・広海。「チームあした」のからの話とかぶるが、広海視点で描かれ始める。
前の学校では、卓球は上手くてもチームメイトと確執がのこる最後だった広海。兄がいなくちゃ、一人ではなんにもできない?と、じつはちょっと悩んでいる。しかも、転校してから、兄からは決別宣言をうける。広海とは卓球しない、と言われる。青天の霹靂。いつもは真面目な兄と、おちゃらけキャラの広海でいられたのに。一人、となるとちょっと不安。
次の大会では、同じ学年で実力のつりあうやつがいないな、とは思っていたけど、コーチからは「ダブルスはなし。シングルだけに集中」と言われ、はじめは反発するが、従って、頑張ってみる。つまり、双子だと兄にたよりすぎる、純とのチームだと、純にたよる。チームはおたがい助け合う、だが、チームでも、個々は自立できていなくてはいけない。頼りすぎるのではなく、助け合いなのだと気付かされる。 -
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ネタバレ「チームふたり」シリーズ2冊目。
主人公・純。6年になってキャプテンになった純。
あいかわらず、誰よりも真面目で努力家。顧問の辻先生が腰を痛めて指導になかなか来られない分、一人で後輩の面倒もみて、キャプテンとして頑張っている。ダブルスの相手は転入生の広海。かなり上手い。双子の兄弟の片割れだが、兄は転入と同時にサッカーに行ったが、兄弟ダブルスで、かなりの腕前だった。そこに来た新コーチ。若く実力もあり、熱血な大滝コーチ。みんなで県大会出場とか熱く語ってその気にさせておいて、そのあと、来なくなってしまう。実は、家の事情で、母親のかわりに喫茶店を切り盛りするのでコーチは出来なくなってしまったのだ。純は卓球部をまとめ、コーチを訪ねては喫茶店がもうかるようにアイディアを出してみる。いいかげんだけど、憎めない、卓球については頼れるコーチが帰ってきてくれるように。大会では広海とのダブルス、女子混合ダブルス、シングル、どの戦いにも力いっぱい頑張って、体力は消耗して作戦はたてられなかったけど、卓球の楽しさを後輩につないでいった。