吉野万理子のレビュー一覧
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「いい人ランキング」
このネーミングがすごい。何か起きないわけがない。
「いい人」だからいじめられるという構造が、怖い。いじめる側が「いじめ」ではなく「いじり」といっていることも、ゾワリとする。
でも、いじめの話なのに、読後感が真っ直ぐ前を向いていて、かつ、さらりと納得できて、とても良かった。
主人公の桃が、妹が師匠と呼ぶ隣のクラスの「いい人」にいじめの相談するのだけど、この人がいい味だしてる。
ある過去があって、いい人を演じてるというスタンス。この人を師匠と呼ぶ妹もいろいろあったんだろうね。
この登場人物がそれぞれ主役ので短編集とか読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
面白かったです♪
主人公・紺野真穂。
就職氷河期で、滑り込み就職した会社が三年後に倒産。
再就職先のキャラクタービジネス会社で初めての営業に配属されて…。
基本、お仕事小説なんですが、紺ちゃんの片思いがくすぐったくてね。
天然で立ち直りは早いが、大事な場面で緊張すると「へっ?」と気の抜けた返事をしてしまう紺ちゃん。
同じプロジェクトチームの大賀センパイに恋い焦がれ、
思いを詠った短歌がこれまた愉快で。
「いつまでもひとところに留まってちゃいけない。
毎日頑張ってるんだから、今の君はあの頃の君とは違う」
凹んでいるとき、こんな言葉をさりげなくかけてくれる大賀センパイ。
あ~、素敵です。 -
Posted by ブクログ
劇は小中学校でかなりやりました。
思い出に重なる部分があり、児童書ですがこれほどハラハラドキドキと感情を入れて読めるとは思いませんでした。
準備の慌ただしさ。
本番直前の緊張感。
舞台上の想定外の出来事。
上演後の達成感、そこはかとない寂寞。
小学校高学年くらいからは台本に沿ってやるのではなくていろいろなオリジナリティー溢れるアイディアを発揮して自分たちの劇を創造できるようになります。
劇の楽しみは皆で懸命に作り上げてこそ。
主役、脇役、ナレーション、脚本、演出、音響、小道具、大道具、衣裳・・・
そしてお客さん。
「その劇」は「その時」にしかできないんです。
小学生、プロでないからこそ余計に -
Posted by ブクログ
シリーズ五作目。完結編。
舞台は学校の部活からクラブチームへ。
見据える先も県大会から全日本、そして世界へ。
本作品で語られるのはシナジー。1+1=3にも4にもなること。
(もちろんそれだけじゃないけど)
実際の世界でもあるよね。本来チームってそういうもの。
ただ逆にもなってしまう可能性は忘れちゃいけないな。
そんなことをふと省みた。チームって難しい。
シリーズ全作品を通してとても興味深く、また胸を打たれた。
登場人物それぞれが抱く夢や希望、悩み、そして恋心。
全ての思いと抱えきれない胸一杯の気持ちを白球に込めて…
続編が書かれるならば、是非読んでみたいと思わせる良作だった。 -
Posted by ブクログ
シリーズ四作目。
本作品で語られるのは、自分に何ができるのかということ。
これもなかなか良かった。
一作目に引き続き、涙を堪えきれなかった。
前三作よりラストの盛り上がりに欠けたけど、
途中、登場人物たちが口にするセリフに泣いた。
******以下、一部引用&ネタバレ*******
<純>
「引っ張るのがうまくいかなかったら、おせばいいよ。」
なんて温かいんだろう。
この言葉こそ、ミチルの背中をそっと押したに違いない。
<純>
「あのふたりはね、特別なんだ」
「きっと将来、遠くまで行くと思う。」
聞いていたミチルは“遠くまで”を距離だと思ってるけど、
純は多分、そういった物理的距