吉野万理子のレビュー一覧
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海辺に住む魔法使いは、「おもいで質屋」を営む。
質屋にはコドモたち(正確には20歳未満)がおとずれ、魔法使いに、自分の「おもいで」の話をする。
するとその話をきいた魔法使いがそのおもいでに値する代金をはらうシステムだ。
代金は魔法使いが決める。
質屋には様々なコドモが訪れる。
お金目当てにおもいでを質に入れるコドモもいれば、つらい記憶を質にいれるコドモもいる。
また、おもいでを質にいれることはせずに、たんに魔法使いに会うだけのために質屋に来るコドモもいる。
永いときを生きる魔法使いと、束の間のときを過ごすコドモたちとの交流の物語。
永遠・・・かもしれない時を生きる魔法使い。
想いをかけた相 -
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里華の、おもいで質屋に通い詰めながらも、決して思い出を質入れしないという一貫した姿勢が素敵だった。
困難から逃げる弱さを持ちながらも、どうしてここでこういう思考になるかなあと歯痒くなるくらいそういう年頃の女の子らしい面も兼ね備えていた。
そして、彼女と対象的なのがほんの些細なことでもすぐ、質入れしてしまう男の子。
けれど、彼が母親を失い、それまでに質入れした思い出を全て取り返したことから、例えそれがどんなに辛い記憶であったとしても、それらは全てその人にしか体験できなかった大切な記憶なんだと、かけがえのないものであるからこそ、決して軽々しく手放してしまっていいものではないんだと考えさせられた。
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ネタバレおもいで質屋。
海の近くにひっそりとあるこのお店は子どもにしか見えない。
ここは質として想い出を差し出し、20歳の誕生日を迎えるまでにお金を返さないと一生返してもらえなくなってしまう。
差し出された想い出に魔法使いが値段をつけ、子どもたちにお金を渡す。
お小遣いが欲しい子どもたちが今日も想い出を預けに来る。
以下ネタバレ。
主人公の女の子が魔法使いと最初に出会うのは新聞部の取材。
彼女は最後まで想い出を預けるということに反対します。
想い出を預けることはなくても、魔法使いとの関係は20歳まで続きます。
彼女の時間とともに物語は流れていく感じなのかな。
母親との想い出ばかり預 -
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ネタバレチーム○○シリーズ5冊目、で、完結編。
チームふたりで主人公だった大地の妹・陽子が主人公。今回は学校の卓球クラブではなく、いよいよ始動しはじめた卓球クラブチーム山吹での話。チームふたりからの登場人物がみんな、それぞれ成長して出てくる。
陽子ははやく結果を出していと思っているが、大滝コーチに待ったをかけられる。ふてくされて、練習をサボってしまうが、その間に、西小のライバルだった美月がクラブ会員になって、ちゃっかりみんなと仲良くなってる!
しかも、オールジャパンの大会では陽子と美月がダブルスを組むことになった。
陽子は美月とダブルスを組んでやっていけるのか。
今回は人間関係とかクラブ内の先輩の -
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ネタバレシリーズ3冊目。
主人公・広海。「チームあした」のからの話とかぶるが、広海視点で描かれ始める。
前の学校では、卓球は上手くてもチームメイトと確執がのこる最後だった広海。兄がいなくちゃ、一人ではなんにもできない?と、じつはちょっと悩んでいる。しかも、転校してから、兄からは決別宣言をうける。広海とは卓球しない、と言われる。青天の霹靂。いつもは真面目な兄と、おちゃらけキャラの広海でいられたのに。一人、となるとちょっと不安。
次の大会では、同じ学年で実力のつりあうやつがいないな、とは思っていたけど、コーチからは「ダブルスはなし。シングルだけに集中」と言われ、はじめは反発するが、従って、頑張ってみる。つ -
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ネタバレ「チームふたり」シリーズ2冊目。
主人公・純。6年になってキャプテンになった純。
あいかわらず、誰よりも真面目で努力家。顧問の辻先生が腰を痛めて指導になかなか来られない分、一人で後輩の面倒もみて、キャプテンとして頑張っている。ダブルスの相手は転入生の広海。かなり上手い。双子の兄弟の片割れだが、兄は転入と同時にサッカーに行ったが、兄弟ダブルスで、かなりの腕前だった。そこに来た新コーチ。若く実力もあり、熱血な大滝コーチ。みんなで県大会出場とか熱く語ってその気にさせておいて、そのあと、来なくなってしまう。実は、家の事情で、母親のかわりに喫茶店を切り盛りするのでコーチは出来なくなってしまったのだ。純は -
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ネタバレ主人公・大地。絶対負けたくない6年生の大会、ダブルスでは同じく6年の誠とくみたかったのに、先生は5年の純と組めと言う。納得できない思いをかかえながら、もの静かな純とのダブルス。
その他にも、女子部のもめごと、家の中ではお父さんが会社を首になって部屋に閉じこもってしまう、・・・俺だって、もう卓球なんてできないかもしれないと、悩みはつきない。
でも、父さんの代わりに働き出した母さん。夫婦はチームで、おたがいが補い合っているんだ、と教えてくれる。今は母さんが父さんを助ける番だと。そしてそれは、純とのダブルスにも言えることだと気がついた大地。それまで弱い5年としか思っていなかった純のことを見て、また、