小林朋道のレビュー一覧
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ヒトとはどんな動物なのかを、13のテーマで探ってみたという内容。
13のテーマは、一般の人からの質問。
「モフモフはなぜ可愛いのか?」は、そのうちの一つ。
全部がモフモフに関することだと思っていたが、モフモフは8ページだけです。
・ヒトにとって「音楽」とは何なのか?
これは昔から不思議に思っていたことだ。
リズムに合わせて体を動かすと心地よさを感じる。
私にとっての音楽は、「癒し」の道具といった意味合いが強い。
生き物は、生存・繁殖に優位となることにはコストをかける。
音楽はこのことに関係しているのだろう。
ひとりでは生きていけないホモサピエンスにとっては、「人を団結させる力」として音楽を利用してきたと思っている。
国家や校歌、どこかの部族の儀式など、音楽で仲間意識が芽生える。
・ヒトが動物の心を分かりたいと思うように、動物も人の心をわかりたいと考えるのか?
ペットを飼っている人はペットの動物を擬人化し、飼い主の気持ちを探っているように感じてしまうだろう。
そういった性質を期待されて長い間ヒトと暮らしている動物、特にイヌはヒトの心理を読み取る能力が高いことが示されている。
・なぜヒトは「いじめ」を行うのか?
自分にとって目障りな相手をいじめていると、脳にドーパミンが分泌され快を感じる。
いじめに加担しないと、自分がいじめられる側になる。
なぜヒトは「戦争」を行うのか? に通じる質問のように思う。
いじめをやめさせる方法やいじめをさせない方法があるなら、戦争にも適用できそう。
生き物は、生存・繁殖に優位となることにはコストをかける。
「いじめ」や「戦争」がなくならないのは「ヒト」がそういう生き物だからなのでしょう。 -
Posted by ブクログ
2024年発行の最新刊。
シリーズ第一作が2007年、17年の年月を実感させる一冊だった。筆者が加齢を隠すことなく綴っているところ、そしてだからこそ見えてきた事象についての語りは、読んでいて少しだけ寂しくもあり、嬉しくもある。第一作では様々な無茶を楽しげに語っていたけれど、そうした無茶はなりをひそめて、若い人たちを見守る視線になっていく。大学の教授にとっては研究こそが本分なのだろう。けれど、もともと教師であったという経験もあるせいか、著者の若い学生たちに向けた目は未来への期待に満ちている。生命というものは、自分だけで完結するものではないと間接的に、そして軽妙に語りかけてくる。
既読も含めて、こちらのシリーズも読み返してみたいと思った。 -
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動物行動学と言う、なかなか耳慣れない言葉ではあるが、まずホモ・サピエンスを「自然の中で100人程度の集団を作って、狩猟採集を行う生活の中で、自分の遺伝子が子孫により多く伝わるように、外界の事物事象を認知し、感じ、思考するように、脳を含む心身ができている動物」ととらえ、それぞれの生物種本来の生活環境において、生存・繁殖がうまくいくように進化しているいることを、出来るだけ簡明な言葉に変えて説明しようとしているのが窺える。
行動経済学はともかく、認知世界の話になると少し分かりにくくは感じたが、我々が何千年も生物種として生き続けていることによって、不安や怖れを感じる本能があり、生存・繁殖にとって有利に作用する可能性があるとは、現代生活を暮らす自分にはある意味盲点である。
そして何より本能として備えている認知特性、心理特性、行動特性が適応的であったが、あまりに急激に進化する現代環境では歯車が合わなくなっているという指摘に、果たしてそれを回復するのに自然なりとバランスを取りつつ生きて行くのか、果ては現代環境に負けずと進化?していかなければならないのか、そういったことが短期的に可能なのかという疑問が生じる。 -
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本シリーズの第10弾。
とはいえ、まだ半分だ。
パラパラと捲って感じたこと。「カラー写真が増えて、グレードアップしている」
表紙をよく見たら、カラー写真満載!!と控えめに書いてあった。
写真をモノクロからカラーにすると、伝わって来る現実感と情報量が圧倒的に増えますね。
今回は、グレ(魚)、ハエ、イヌ、コウモリ、モモンガ、ヤギ
前回に続いて、コウモリ、モモンガ、ヤギが登場。
ハエにしてもコウモリの体毛の中で暮らしているのを見つけたもので半分はコウモリの話題。
遺伝子的にハエの仲間なのだろうが、翅と頭部がほとんど無くなっていて、もはやハエには見えずクモみたいな虫になっていた。
イヌも大学での研究の話よりも、小林先生の家や隣の家の飼いイヌの話がメインだったので、目新しい生き物の話題はイソギンチャクの飼育の様子でした。
イヌが散歩していると、いたる所の匂いを嗅ぎまわっている姿をよく見るが、コウモリやモモンガも嗅覚が生きるための重要な要素になっているようだ。
コウモリは自分と他の個体の匂いを嗅ぎ分けているらしい。
コウモリは暗い洞窟内で群れて暮らしているので、多数の中に混在する自分の子どもは匂いで識別している可能性が高いようだ。(自分の匂いが子どもに付いている)
そう言われてみてコウモリの鼻を見ると、確かに発達している。 -
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今回は、ワラジムシ、トビムシ、ダニ、モモンガ、イワツバメ、ナガレホトケドジョウ、イモリ、モリアオガエル、ヤギ、ツタ。
モモンガは3年連続の登場です。
今回は小さな虫の話に興味深いものがあった。
1mm程の小さなトビムシがエサを見つけて食べている。
そこに別のトビムシが寄って来た。
一緒にエサを食べるのかと思いきや、先にエサを見つけたトビムシが後から来たトビムシを追い払っている。
これは、
・エサの量を認識している。
・別のトビムシがエサを狙っていることを認識している。
ということだ。
ちっちゃいのに、たいしたもんだ。
もう一つは、ダンゴムシのような姿のコツブムシ。
交尾をするとオスは死ぬ。メスは子供を産むと体を大きくしてオスになる。そして交尾をして死ぬ。
ニモでおなじみのクマノミは体の大きいものがメスになり、オス→メスが性転換の方向なのでコツブムシは逆だ。
命をつなぐために、いろんな進化の仕方があるのですね。 -
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このシリーズ、今年中に読破するつもりが、やっと6冊目(あと12冊もある)。
7月から政治・経済・メディアの本を読みあさっていなければ、そろそろ読み終わる頃だった。
だが、その時一番読みたい本を読むのがいいので、年内読破はいさぎよく諦める。
今回は、カエル、イワガニ、アカハライモリ、モモンガ、モモンガ、モモンガ。
そう、モモンガが主役。
イモリもかわいい顔をしているが、モモンガは愛くるしいといった感じ。
タイトルのモモンガの風呂とは、鳥取県智頭町芦津にある「ももんがの湯」のことで、本書が出版される頃にできた。
モモンガはスギの樹皮を使って巣を作るのだそう。
この浴場もスギで造られているので、スギの香りに包まれて過ごせるから、「ももんがの湯」としたらしい。
この場所にはモモンガのほかにヤマネなんかもいるみたいなので、いつまでもスギ林を守って欲しいですね。
このシリーズの本のタイトルを見ると、2019年と2022年にモモンガが登場しているので、ずっとモモンガの観察は続けているみたいです。 -
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おや、最初に8ページのカラー写真のページがある!
白黒の本だったので、このカラーは嬉しい。
最初の写真が小林先生の研究室で、人間性をさらけだしているようにゴチャゴチャしている。
これでも写真撮影用に精一杯整理したのだろう。
最近、鳥の巣の本を読んだばかりだったが、本編に入る前の「スズメバチの巣に巣を作ったスズメ」の話(と写真)でグッとつかまれた。
鳥の巣の本には、ツバメの巣を乗っ取るスズメの話題があったが、スズメは何でも利用して巣を作る鳥なんだと改めて認識した。
本書で驚いたのは、イソギンチャクの子どもは這って動くということ。
驚いたというより、今まで考えたことがなかった。
そこでふと思ったのが「サンゴは?」ということ。
調べてみたら、幼少期の時はクラゲのように水中を漂って移動するが、1度海底に固着したらそのまま動かないのだと分かった。
本書はシリーズ5刊目であるが、しばしば以前の話題が出てくる。
何処から読んでもいいのだろうが、最初から順に読むとより楽しめる本だ。
次作の主役(?)のモモンガが、最後にチョットだけ登場する。
木の上の方に設置した巣箱から顔を出しているのを見つけたのだ。
この後たくさんのモモンガと遭遇することになるらしい。
どういう展開になるのか楽しみだ。 -
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<目次>
第1章 アカネズミは目をあけて眠る
第2章 動物行動学者、モモンガに怒られる
第3章 スナヤツメを追って川人になる
第4章 負傷したドバトとの出会いと別れ
第5章 小さな島に一頭だけで生きるシカ
第6章 脱皮しながら自分の皮を食べるヒキガエル
第7章 タヌキは公衆トイレをつくる
第8章 コウモリはいろいろな生物が寄生している
第9章 ザリガニに食われるアカハライモリ
<内容>
築地書館の『先生~』シリーズの動物行動学者。鳥取環境大学の副学長だ。築地書館シリーズほど筆は滑っていないが、小林節は健在。ただ、あとがきにあるように「人と野生動物の在り方」をテーマにしている通り、そうした点の警告やアドバイスなどが見られる。