小林朋道のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
(No.13-42) ノンフィクションです。「先生!シリーズ」最新刊(といっても5月発行)。
なんと野生児のように丈夫なはずの小林先生が、帯状疱疹になったそうです。先生のような方でもなるんだ!
しかし50歳過ぎまで、肩こりやそれからくる頭痛を経験したことがなかったという人っているんですね。それにもまたびっくり。
というはじめにの挨拶から、ヒバリ、蜂、シマリス、カエル、モモンガなど盛りだくさんの内容です。
ヒバリは昔から人間の生活圏に巣を作ってきたんだろうな。そして巣を見つけると保護した人達が多かったのだと思う。ヒバリは虫を食べてくれるんだよ、という話を子供の頃に聞かされたこともあったっけ。
ヒバリがキャンパスの人通りが多い歩道のすぐそばで営巣しちゃって。先生はもちろんだけれど、何人もの学生たちが保護に乗り出します。
自宅玄関前に置きっぱなしだった板の下に、小さなアシナガバチの巣があるのを見つけた先生。よくここを選んでくれた!誰かと喜びを共有したくなって初歩的なミスを犯す。妻に話してしまったのだ。それは危ないな~取ってしまわなければ、と言われてしまう。玄関前だもの、当たり前の反応でしょ。野生児の奥様は普通の人ですね。
「玄関のハチは一つ屋根の下で暮らす家族の一員」と抗弁する先生に、「家族の一員ではありません」と奥様。蜂を救うため頭をフル回転させる先生。いや~、こういう人と暮らすのは大変でしょうね。でも面白そうだわ。
モモンガプロジェクトの話。どういうプロジェクトかは本書を読んでいただくとして、ロゴへの情熱がとっても面白かった。ロゴに対するいろいろな考察、薀蓄。
モモンガプロジェクトのロゴは先生が描いたのですが、その焼き印を作ってグッズに押すことに快感を覚えた先生は焼き印押し作業を独占!
素敵だなと私が思ったのは、独占の仕方です。プロジェクトリーダーだからとか教授だからという権威を振り回すのではなく、練習用の板に何回も何回も押印して、数々の失敗を経て完璧に押せるようになり、焼き印押し作業を独り占めするのです。
その努力を知ったらプロジェクトに参加した人で、「先生一人で押すなんてずるい」という人はいないと思う。そんなにやりたいのか!と驚くかもしれないけれど。
何度も笑いながら楽しく読ませていただきました! -
Posted by ブクログ
読書録「先生、モモンガの風呂に入ってください!」4
著者 小林朋道
出版 築地書館
p97より引用
“そして仮説は、探求への入り口であり、特に自然科学では対象
を見る目を敏感にしてくれ、なにより面白さを増してくれる。”
動物行動学者である著者による、人と自然の精神的なつながり
について考え、その為の大学での研究や実習を記した一冊。
コウモリの洞窟でのハプニングについてからモモンガの住む森
についてまで、登場する動物や風景写真とともに書かれています。
上記の引用は、イワガニの脱皮について書かれた章での一文。
あらゆる事象に対して仮設を立て、自分なりに考察することで、
世の中を楽しく見る為のアンテナが出来上がるのかもしれません。
著者の場合は、特に動物に対しての感度がいいようで、動物行動
学者の鑑のような方ではないかなと思います。
モモンガの森がこれからもいい形で維持されるように、遠くに
いる私としてはせめて祈ることとします。
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Posted by ブクログ
常識は時代と共に変わるので、誤った知識の更新が必要です。
鎌倉幕府の成立年が1192年から1185年になったり、太陽系の惑星の数が9個から8個になったりと、歴史や天文学だって変わっている。
動物の行動についても、検証実験が足らないのに「こうだろう」と思い込んでいたことが沢山ある。
いろんな実験や観察により新しい事実が発見され、これまでの動物に関する常識も変わってきている。
例えば、鏡に映った自分の姿を見て「自分だ」と認識できる動物をどれくらい知っていますか?
イルカやゾウやカササギが認識できるらしいが、魚の中にもいると聞いたら驚きです。
自分を認識できる「知能」って何?となる。
まあ、本書に書かれている内容にも間違いが含まれているでしょう。
ちょっとしたウンチクとして、好奇心が満たされる話題が幾つか出てきます。
興味が湧いたら、検索してみると詳細な情報がすぐに見つかります。
多くの人は、動物も人も同じように世界を見ていると思っている。
「動物が見ている世界は人とは違う」と考えるのは難しい。
私は鳥が好きだが、鳥はとてもカラフルだ。
対して、犬や猫は地味。緑やピンクの犬猫はいない。
それは、鳥はいろんな色が識別できるが、犬や猫は色の判別ができないから。
見るだけでなく、匂いや音など日々感じている世界は動物によって随分違うんでしょう。
何故なんだろうと、理由を知りたい事柄もいろいろ出てくる。
たとえば、外から見えない所に巣を作る鳥の卵の殻は白い。
しかし周りから見えない巣の奥に卵を産むシジュウカラの卵には赤褐色の斑点がある。
シュレータペンギンは2個の卵を産むが、1個目の卵は捨てて2個目の卵だけを育てる。
平均して2個目の卵は1個目より1.8倍も大きいらしい。
昔は2羽のヒナを育てていたがエサが減り1羽だけになった。
ヤツガシラは、最後に生んだ小さめの卵が孵化すると先に生まれた体の大きなヒナにエサとして与える。
共食いして強い子供が生き残る生物は多くいるが、子育てする親が自分の子をエサにする例は珍しいらしい。
このような不思議な生態は、環境の変化に適応して遺伝子を未来につなぐための進化の途中だからなのでしょう。
こういう生態に着目して観察を続けると、過去にどんな戦略をとって種の存続をして来たのかが分かって来る。
分かったから何の役に立つの?という事柄が多いけど、きっと何かの役に立つよ。 -
Posted by ブクログ
ヒトとはどんな動物なのかを、13のテーマで探ってみたという内容。
13のテーマは、一般の人からの質問。
「モフモフはなぜ可愛いのか?」は、そのうちの一つ。
全部がモフモフに関することだと思っていたが、モフモフは8ページだけです。
・ヒトにとって「音楽」とは何なのか?
これは昔から不思議に思っていたことだ。
リズムに合わせて体を動かすと心地よさを感じる。
私にとっての音楽は、「癒し」の道具といった意味合いが強い。
生き物は、生存・繁殖に優位となることにはコストをかける。
音楽はこのことに関係しているのだろう。
ひとりでは生きていけないホモサピエンスにとっては、「人を団結させる力」として音楽を利用してきたと思っている。
国家や校歌、どこかの部族の儀式など、音楽で仲間意識が芽生える。
・ヒトが動物の心を分かりたいと思うように、動物も人の心をわかりたいと考えるのか?
ペットを飼っている人はペットの動物を擬人化し、飼い主の気持ちを探っているように感じてしまうだろう。
そういった性質を期待されて長い間ヒトと暮らしている動物、特にイヌはヒトの心理を読み取る能力が高いことが示されている。
・なぜヒトは「いじめ」を行うのか?
自分にとって目障りな相手をいじめていると、脳にドーパミンが分泌され快を感じる。
いじめに加担しないと、自分がいじめられる側になる。
なぜヒトは「戦争」を行うのか? に通じる質問のように思う。
いじめをやめさせる方法やいじめをさせない方法があるなら、戦争にも適用できそう。
生き物は、生存・繁殖に優位となることにはコストをかける。
「いじめ」や「戦争」がなくならないのは「ヒト」がそういう生き物だからなのでしょう。